前回までは、不正咬合の症状別に、その原因や治療時期、治療方法について、お話してきました。今回は、実際に矯正治療を始める上での治療の流れについてお話します。
1.矯正治療の相談
一口に不正咬合と言っても、症状の種類や程度、患者さんの年齢は様々です。この時点では、検査をしていませんので正確な診断はできませんが、患者さんのお口の中を拝見し、おおよその治療の時期、期間、方法、治療費についてのお話をします。また、この相談時に治療を始めるかどうかを決める必要はありません。あくまでも相談ですので、お帰りになった後で、じっくり考えてからご自身、またご家族で決めていただきます。
2.検査
矯正治療に限りませんが、治療の第一段階は検査です。検査の内容は、数枚のレントゲン写真、お口と顔の写真、歯型を取ります。また、必要に応じて顎関節の検査をすることもあります。
3.診断
検査結果についてのご説明をします。また、検査結果により、治療の時期、期間、方法(治療計画)が決定しますので、こちらのご説明もします。
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4.治療開始
いよいよ矯正装置を装着し、治療を開始します。症状や年齢により治療期間は様々ですが、一般的に重症の受け口や出っ歯でなく、すべて永久歯であれば1年から1年半くらいです。
5.治療終了・保定開始
歯並びが整い、うまく咬み合うようになったら矯正装置を除去します。しかし、これで矯正治療は終わりではありません。矯正治療直後の歯並びは不安定ですので、通常は一年半程度、後戻りしないよう固定する必要があります。この期間を保定期間といい、使用する装置を保定装置といいます。
6.保定完了・矯正治療完了
保定期間が終了し、これで矯正治療は完了します。
以上矯正治療の流れについてご説明しましたが、矯正治療は虫歯の治療と違い、治療期間も長く、治療費も自費となりますので、治療を担当する歯科医師とよく相談し、納得することが大切です。
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