大内歯科矯正歯科医院

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 前回は「受け口」(反対咬合)についてのお話をしました。今回は、その2回目となります。まずは前回のおさらいになりますが、「受け口」(反対咬合)には2つの原因がありました。

(1)前歯の傾斜異常によるもの
(2)上下の顎の骨の大きさのアンバランスによるものです。
今回は、(2)についてお話します。

上下の顎の骨のアンバランスによる受け口とは?
 以下の場合が考えられます。

a.下顎が大きすぎる場合
b.上顎が小さすぎる場合
c.下顎が大きく上顎が小さい場合
です。

原因については不明な点も多いのですが、遺伝の影響が大きいと考えられています。「受け口」のお子さんのご両親や祖父母のいずれかに「受け口」の方がいらっしゃることが多いようです。また、前回お話しした「前歯の傾斜異常」を治療せず放置したため、お子さんの成長と共に徐々に悪化し「上下の顎の骨のアンバランス」に移行することもあります。

人間の場合、上顎の骨は10歳頃に成長を終了しますが、下顎の骨は女子で15歳、男子で18歳位まで成長が続きますので思春期に症状が悪化することが多いようです。

治療について
(1)成長途中のお子さんの場合
 上下の顎の骨のバランスを改善する治療を行います。下顎が大きければ下顎の成長を抑制し、上顎が小さければ上顎の成長を促進させます。いずれにしても早期に「正常な成長」の軌道に乗せることが大切です。
(2)成長が終了したお子さん、または成人の場合
 成長を利用して上下の顎の骨のバランスを改善することができませんので、数本の奥歯を抜歯してできた隙間を利用して、前歯の傾きを改善し「受け口」を治療することが多いようです。また、成人で非常に重症の場合や、顎の骨が左右に大きく変形している場合は手術により顎の骨のバランスを改善することもあります。「受け口」(反対咬合)は一見軽症のようでも、実は重症であったり、成長につれて症状が悪化したりと、治療が困難なことがありますので、正確な検査により正しい診断を行い、お子さんの成長に合わせて適切な時期に適切な処置を行う必要があります。次回は「出っ歯」(上顎前突)についてです。