今回は「出っ歯」(上顎前突)のお話の続きです。前回は比較的軽症な症状の治療についてお話ししました。今回は比較的重症な「上下の顎の顎の大きさのアンバランス」による上顎前突のお話です。
上下の顎の大きさのアンバランスとは?
今回の「出っ歯」(上顎前突)の場合は、
(1)上顎の骨が大きすぎる、
(2)下顎の骨が小さすぎるか、
のいずれか、のいずれか、もしくは両方の場合です。
原因について
「上下の顎の骨のアンバランス」による上顎前突の場合には、遺伝的な原因が多いようです。
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ご相談にいらっしゃるお子さんのご父母のいずれかにその傾向があることがよくあります。また、幼少期の「指しゃぶり」を学童期まで続けていたためにお子さんの顎の成長につれ、上顎が変形しそのまま定着する事もあります。
治療について
子供と大人、それぞれに治療方法が異なります。子供の場合は、お子さんの顎の成長を利用し、上顎の骨が大きすぎれば上顎の骨の成長を抑制し、下顎の骨が小さすぎれば下顎の骨の成長を利用することができませんので、上顎の奥歯を抜歯し、前歯を後退させるなどのカモフラージュ的な治療になります。まれに重症例の場合は外科手術により、上顎の骨を後退させたり、下顎の骨を前方に移動させることもあります。
上顎前突に限らず、「上下の顎の骨のアンバランス」が原因の不正咬合は、専門的な知識と技術が必要ですので、まずはかかりつけの歯科医師にご相談ください。
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