前回までは、よく見受けられる不正咬合として、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)や八重歯などの乱杭歯(叢生)についてお話してきました。今回は、その他の不正咬合として顎変形症についてです。
顎変形症とは健康保険上の病名で、実際には通常の矯正治療だけでは対処しきれない重症の上顎前突、下顎前突、顎の側方編位(顎が曲がっている状態)や開咬(前歯がまったく噛み合ない状態)のことを指します。
治療方法は、外科手術を併用した矯正治療を行います。まずは、手術後に正しく咬み合うように矯正治療を行い、歯並びを整えます。続いて手術により上下の顎の位置関係を改善し、固定します。さらに矯正治療にて微調整し、仕上げをします。
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手術は全身麻酔にて行い、切開は口の中から行いますので、顔に傷跡が残ることはありません。また、手術後の固定期間を含めて入院が必要になります。手術は口腔外科医が行いますので、入院と併せて、当医院では、函館中央病院の口腔外科に依頼し、連携して治療を行っています。
この治療方法は上下の顎の位置関係を大きく改善できるため、「咬み合わせ」だけでなく「顔の形」についても大きく改善することができます。
料金についてですが、手術を前提とした矯正治療の場合、手術、入院を含め1990年4月より高度先進医療の一環として大学病院での健康保険給付が開始され、現在では、「更生、育成医療指定医療機関」でも健康保険で治療できるようになりました。
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