前回までは、矯正治療全般についてのお話しをしてきましたが、今回からは、1つ1つの症状の原因や治療についてのお話しをします。第1回目は「叢生(そうせい)」です。
「叢生(そうせい)」とは?
いわゆる「八重歯」や1、2本の「うけ口(反対に咬み合わせている状態)」など、歯がでこぼこに並んでいる状態、つまり「乱ぐい歯」のことです。
原因について
乳歯の虫歯をひどくなるまで放置しても起こることがありますが、一般には「歯の大きさ」と「顎(あご)の骨の大きさ」のアンバランスが原因です。具体的には、歯が大きかったり、顎の骨が小さかったりするため、すべての永久歯がきれいに並びきらず、正しい場所に生えてくることができないのです。
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どうして子供に多いのか
現代の食事は、よく調理された柔らかい食品が多く、昔にくらべて咬む回数が著しく減少しているため、顎の骨や関節が退化して、小さくなってきているのではないかと考えられています。また、逆に昔にくらべて栄養状態はよくなっているため「歯の大きさ」は大きい傾向になります。このような理由で、「叢生(そうせい)」は増加したのではないかと思われます。
いつ治療を始めたらよいのでしょうか
早期発見は大切ですが、「叢生(そうせい)」の場合は、永久歯の歯並びを治療することになりますので、個人差はありますが、小学校高学年(10歳)くらいから治療を開始することになります。もちろん永久歯が生え揃っていればただちに治療できますので、中学生、高校生、成人はいつでも治療することができます。また、症状によっては永久歯が生え揃う前から治療したほうがよい場合もありますので、お子さんの歯並びやご自分の歯並びが気になるようでしたら、すぐにご相談下さい。
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