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認知症の方との付き合い方

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
認知症の家族への接し方をよく聞かれます。明快なお答えが出来ませんが、認知症の人が特別なのではないと考えるよう勧めています。たとえば、徘徊と聞くと、やみくもに歩き回る姿を思い浮かべがちです。ご本人が言葉で説明できないことも多いのですが、出かけた後をつけて行くと、その目的が分かることがあります。また、「徘徊」しているところを警察に保護された時、その発見場所にヒントがあることもあります。かつての職場を目指していたり、子供時代を過ごした、今はない実家を探していることがあります。認知症では、過去から切り離され、未来への見通しもつかない全くの暗闇の中、足元を照らす光だけが残っている状態です。「今」がとても不安なために、安心できた過去に戻ろうとして家を飛び出すことも多いといわれます。ただ、途中で道が分からなくなり、「徘徊」という姿になってしまいます。排泄に失敗したとき、「私はやっていない」と言い張り、汚れた下着を箪笥の奥に隠し、介護者を驚かせます。これらは「身内に格好悪いところを見られたくない」という、誰にでもある当たり前の気持ちから出たと考えられます。一見、理解しがたい行動も、よく観察すると理由があることが分かります。また、患者さん自身が語った言葉に対して、「ゆっくり話してください」、「何を話したかより、どのように話したかということが大事です」というのがあります。患者さんは、早口で幾つもの事柄を話されると付いていけません。同じ言葉でも、喋り方、声の調子、顔の表情などで受ける印象が変わります。この聞いた時の気持ちは記憶に残るようです。したがって叱るような話し方ばかりしていると、患者さんとの関係が壊れ、後々のお世話が困難になるという悪循環に陥ります。どんな時でも人と話す時には、相手を傷つけない話し方、態度というものがあると思います。認知症だからと「構える」のではなく、自分と同じ一人の人間として、ちょっと相手のことを大切に思って接することをお勧めしています。
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エレクトロポレーション〜瞼のしみ、しわ、乾燥への予防と治療、頭皮の薄毛治療

瞼のしみしわ乾燥に悩んでいる方には朗報です。最近まで瞼のしみ、しわ、そして乾燥への予防と治療は、光治療やレーザー治療で積極的に治療の行うことができない部位でしたが、エレクトロポレーションを使用することで今まで肌から導入が難しかったアミノ酸などの高分子の治療成分も積極的に導入することが可能になりました。数年前に開発され、安全性が実証されているエレクトロポレーションは、皮膚表面に高い電圧を瞬間的に与えることで細胞機能に障害を起こすことなく、細胞膜や細胞間脂質に小さな孔を開けて高分子成分を導入する画期的な方法です。従来行われているイオン導入法では薬液の10%程度しか導入できないのに比べ、注射による投与に匹敵する薬剤の導入が可能で、痛みや出血も全くありません。施術時間は頬、瞼で20~30分、週に1回程度です。そしてフォトフェイシャルやレーザートーニング、レーザーピーリングなどのしみしわのアンチエイジング治療と同時に瞼のしみしわ乾燥への予防と治療も可能です。治療成分はビタミンCなど各種ビタミン、上皮化を促進してしみしわを改善させるEGF(上皮化成長因子)など各種成長因子、アミノ酸、ペプチド、補酵素などを含むプラセンタ(胎盤製剤)などの高分子成分を安全に積極的に導入することが可能です。また、これを応用した女性の頭皮の薄毛予防にも導入されています。予防と治療についての詳細は専門医にご相談ください。
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デンタルリンス(液体ハミガキ)の活用

毎日しっかり歯みがきしているつもりでも、歯ブラシだけでは歯周病菌を含む歯垢(プラーク)を完全に取り除くことは困難です。特に毛先の届かない歯と歯のすき間や歯周ポケットと言われる歯と歯肉のすき間は、なかなか手入れが行き届かないところで口臭や歯周病の原因となってしまいます。普段の歯みがきとしてデンタルリンスと呼ばれる液体ハミガキを活用し、歯石の沈着や歯周病を予防される方も増えているようです。近年、デンタルリンスも改良が加えられ、歯肉の血行を促し、炎症を抑える成分が入っていたり、また細菌効果や口臭の予防を期待できる成分が含まれるものもあります。デンタルリンスも効果的に使用するには、適量を口に含み20~30秒間、歯と歯の間を通すようにすすぎ、歯ブラシでみがいてください。就寝中は唾液の分泌量が減少し、口内細菌の繁殖が盛んになりますので、就寝前に使用し、出来るだけ細菌数を減らしておくことも効果的です。
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今年の感染症の振り返り(2024年12月ハコラク掲載)

Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平
新型コロナ5類感染症移行して約1年半。函館市内の観光名所には活気が戻ってきました。大型客船入港や円安の影響もあってか訪日観光客も見かけます。普段の生活でマスク着用する方も少なくなり、新型コロナ流行前の「いつもの日常」が戻ってきた、そんな感じがします。2024年も年末に差し掛かりました。今年の函館の感染症流行を振り返ると大人は新型コロナの流行が主体でした。小児は溶連菌性咽頭炎、咽頭結膜熱、新型コロナなど多数みられましたが、特に手足口病の流行が印象に残っています。手足口病は3〜5日間の潜伏期間を経て口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3㎜の水疱性の発疹が現れます。発熱は約3分の1にみられ、一般的には軽症で経過し、発疹も3〜7日程で痂皮(かさぶた)を残さずに消失します。感染予防には手洗い、咳エチケットが有効です。発疹が消えた後も3〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、特に手洗いは重要です。函館では8月〜9月頃に一度流行がみられましたが、函館保健所の報告では10月時点でも警報継続となっています。2回かかってしまったという方もいらっしゃるので、一度かかったとしても注意が必要です。また、各医療機関でインフルエンザワクチン接種も開始となっています。今年の特徴として鼻にスプレーするタイプのワクチンが国内でも正式に接種できるようになりました。適応は2歳以上19歳未満となっています。函館では接種可能な医療機関が少なく、ワクチンの種類や費用など従来のワクチンと異なる部分があります。接種を考えている方は一度かかりつけ医療機関にご相談ください。これからインフルエンザ流行時期に入っていきます。23年度の冬は2種類のインフルエンザに加え新型コロナも流行しました。中にはその3つ全てにかかってしまい苦労された方もいらっしゃると思います。今年度の冬がどのようになるかまだまだ予想がつかない状態ですが、手洗い・咳エチケット・必要であればマスク着用など十分な感染対策を行っていきましょう。
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ピロリ菌は万病の元?

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
「かぜは万病の元」。ささいな病気でも軽く考えず早目に治さなければ、より重大な病気をひきおこすと警鐘を鳴らした言葉です。
胃潰瘍の原因菌として一躍有名になったピロリ菌(正式にはヘリコバクター・ピロリ菌)は1983年にヒトの胃から発見されました。
胃液中の酸はその殺菌作用によって細菌感染に対する防御機構として機能すると考えられており、「胃の中に細菌は存在しない」という当時の医学常識を覆す画期的な発見でした。
日本人は人口の約50%が感染しており、除菌療法が2000年に胃潰瘍と十二指腸潰瘍に、その後胃MALTリンパ腫、早期胃がんの粘膜切除術後の胃などにも保険適用となりました。
消化器系疾患では他にも胃がん、胃ポリープ、萎縮性胃炎などとの関連性が判明しています。一方、最近の研究でピロリ菌は、意外な疾患にも関係することが分かってきました。
特発性血小板減少性紫斑病という血液の病気でピロリ菌陽性例に除菌治療を行うと半数以上で病状が改善するため、現在は治療の第一選択となり保険適用にもなりました。
また原因不明の慢性じんま疹はピロリ菌を除菌すると30%前後の例で症状が改善するとされています。
その他にも、心筋梗塞などの虚血性心疾患、パーキンソン病・アルツハイマー病などの神経疾患、肺がんなどの呼吸器疾患、鉄欠乏性貧血、糖尿病、自己免疫疾患、眼科疾患、婦人科疾患など、当初の想定を超えた広範囲な疾患でピロリ菌感染との関連性を示唆する報告があります。
これらの関連性は現時点ではまだ確定的ではないものもあり、保険適用もない疾患が多いですが、今後の研究が期待されるところです。ピロリ菌の除菌療法は一週間の内服ですが、最近は耐性菌の増加により成功率が70%前後に低下しています。
しかし一回目で不成功の場合も二次除菌として有効な治療薬が保険適用となっており、最終的には90%以上の方で除菌は可能です。
除菌を希望する場合は専門医とよく相談するのが良いでしょう。
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