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新型コロナウイルスワクチン

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
いよいよ日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まろうとしています(2月10日現在)。接種するか迷われる方もいらっしゃると思いますが、異例のスピードで開発されたワクチンだけに判断材料となるデータが少ないのはやむをえないところです。日本国内のメーカーもワクチン開発を急いでいますが、最初に使用されるのは米国ファイザー社の製品になりそうです。海外データでは有効率は95%(かかる人が20分の1に減ったという意味です)と高く期待がもてますが、一方で気になるのは副反応です。軽微なものが多い中で、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応は接種直後に蕁麻疹(じんましん)やのどのつまり感などの症状を発現し、さらに重症例では血圧低下・意識障害などをきたします。他のワクチン接種においても100万回に1回程度の発症があるとされてきましたが、今回のワクチンは100万回あたり5例にみられたと1月下旬に報告されています。当面は接種後15分から30分間ほど接種会場での経過観察が推奨されることになります。また日本人における正確な有効性や副反応の頻度は今後の大規模な接種例の蓄積によって初めて明らかになるでしょう。2月上旬の北海道の1週間あたりの新規感染者数は人口100万人あたり約120人です。感染者が他の人に感染させるのは2割くらいまでとされており、そのような感染者と出会う確率は数万人に1人くらいとなります。そのため感染した場合の死亡率が高い高齢者については、ワクチンを接種するリスクよりしないリスクの方が高いのではという意見もあります。改正予防接種法ではワクチン接種は国民の「努力義務」と位置付けられていますが、原則として接種を受けるのは任意となっています。私たちは、ワクチンのメリットとリスクを天秤(てんびん)にかけて判断しないといけません。
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斜視について

Text by 江口眼科病院 鈴木 智哉 視能訓練士
さまざまな原因で、両眼で視線を合わせることができず、片眼または両眼がずれてしまうことを斜視といいます。斜視のタイプで最も多いのは、外にずれる外斜視です。他には乳幼児に起こる内斜視、高齢者に多い上下斜視などがあります。斜視の原因は、強い遠視や脳疾患、外傷、バセドウ病などの全身疾患で起こるものなどさまざまです。自覚症状は、二つに見える、ぶれたりぼやけて見える、眼が疲れるなどがあります。また、自覚症状がなくても他の人から指摘されて気付くこともあります。治療法は、眼鏡や訓練、場合によっては手術など、斜視のタイプや大きさによって異なります。特に乳幼児の斜視は、視力をはじめさまざまな視機能の発達に影響することがあるので、早期発見・早期治療がとても大切です。「斜視かな?」と思ったら早めに眼科の受診をお勧めします。
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不妊症の検査

避妊せず1年間妊娠に至らなければ不妊症と診断します。まず基礎体温を測定・記録して、原因検索のため検査を行います。必須項目は①内診・超音波・子宮がん検診・クラミジア抗原(初診時)②ホルモン・子宮内膜症マーカー(月経中)③子宮卵管造影(月経後)④頸(けい)管粘液検査・ヒューナーテスト(排卵期)⑤黄体機能検査(高温期)⑥精液検査です。必要に応じホルモン負荷試験、クラミジア抗体、子宮内膜組織診、子宮鏡、抗精子抗体などを追加します。卵巣予備能をみるAMHというホルモンが話題になりましたが、その値が低くても治療法はなく、体外受精の排卵誘発時に参考にする程度です。子宮内膜症性不妊には腹腔鏡検査が治療効果もあり有効です。不妊期間が短い方はブライダルチェックとして①を受け、基礎体温でのタイミング法を指導してもらうとよいでしょう。
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抗生物質~正しく飲んでいますか?

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
耳鼻咽喉科には中耳炎、風邪、急性鼻炎、副鼻腔炎、咽喉頭炎、気管支炎などの多くの感染症の患者さんがいらっしゃいます。ほとんどが細菌感染ですので抗生物質を処方することが必要になります。病状によって原因菌を推定し有効と思われる抗生物質を処方しますが抗生物質にも作用の面で特徴があります。その特徴は大きく次の2つに分かれます。①細菌に高い濃度で作用することで高い効果を発揮するもの。②細菌に長い時間、有効な濃度で作用することで高い効果を発揮するもの。例えば①の特徴のあるものは1日量を一度に服用した方が有効ですが1日量を分けて服用してしまうと抗生物質の血中濃度が十分に上がらず同じ1日量を服用しても効かないことになります。従って、効果を十分に発揮するためには指定された服用回数は変えないことが大切です。
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病は気から?天気から?

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、お天気が悪いと、頭痛や目まいや肩凝りを感じるのは私の思い込みのせいでしょうか…」と、高血圧で通院しているAさんが聞いてきました。どうやら長年の経験で、天気が崩れ始めると体調も悪くなるとのことでした。天気の変化で体調を崩す病態は気象病と呼ばれ古くから研究されています。気象病は自律神経系の調節が乱れることで発症します。人間は大気圧という圧力で常に体全体を押しつけられていますが、天候が崩れ気圧の低下が始まると、押す圧力が緩み自律神経のバランスは交感神経から副交感神経優位へと変化します。気圧の低下が大きいと、血管やリンパへの圧力が弱まり血行が悪くなり、またヒスタミンなどの過剰分泌も起こります。これら一連の変化は、頭痛、目まい、肩凝り、古傷の痛み、眠気、倦怠(けんたい)感、鼻炎、ぜんそく、アトピーなどの悪化を引き起こします。また、脳卒中などの重篤な疾患も気象と関連しています。2016年のイスラエルの研究報告では、2日前の低気圧が深部脳出血の発症と関連していました。また2012年9月の函館市の脳卒中患者を調べた研究(平成29年道南医学会報告)では、脳卒中の発症は①発症3日前の午後から前日の朝までの高い気温②前々日と前日の高い家庭心拍数③前日と当日の低い気圧④前日から翌日にかけての気温急降下と家庭血圧急上昇―などと関連していました。つまり、先に高い気温による脱水状態、次に気圧低下による副交感神経優位状態、そこで気温が急降下し交感神経優位状態へ急転換と血圧急上昇、この一連の気象と体の変化が脳卒中を発症させやすくしたと考えられます。Aさんが感じていたように、天気の変化は気持ちの浮き沈みだけでなく自律神経系を変動させさまざまな病態を引き起こし、時に脳卒中のような重篤な疾患の発症にも関わることがあるのです。近年は異常気象が多発し気温や気圧の変動が激しいので、気象の変化に細やかに気を配り対処して生活することが大事になります。
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