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感染性胃腸炎に注意しましょう

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
感染性胃腸炎はウイルスや細菌などの微生物が原因となって起こる感染症で、発熱、腹痛、嘔吐、下痢が主な症状です。食物が原因の場合は「食中毒」とか「食あたり」などともよばれますが、嘔吐で空気中に飛散したり人の手への付着を介して微生物が口から入って起こる場合もあります。原因微生物としては黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、ウエルシュ菌、ロタウイルスなど多くの種類がありますが、中でも感染力の強いノロウイルスはウイルスの数が10~100個という少数でも感染が成立するとされておりしばしば食中毒の集団発生の原因となります。最近では新型コロナウイルスも原因の一つにあげられます。報告により差がありますが概ね新型コロナウイルス感染者の5%程度が胃腸炎症状を呈すると考えられ注意が必要です。どの微生物が原因であるかは、食べた物の内容や摂取から発症までの時間などの情報からある程度推定できる場合もありますが、確定するには便から微生物を検出する必要があります。しかしほとんどの感染性胃腸炎は自然に治る傾向が強く数日で治癒する場合が多いので、特に成人の場合多くは実際には検査は行われていません。治療は整腸剤の内服や水分補給・点滴など対症治療が基本となります。胃腸炎における嘔吐や下痢は生体の防御反応でもあるので、無理にそれらを止める治療は行わない方が良いとされています。抗菌薬が有効な細菌が原因の場合でも全例で投与するわけではなく、小児や高齢者のような悪化しやすい方や重症例で必要に応じて投与を検討することになります。なおウイルスに有効な薬剤は今の所ありません。夏は感染性胃腸炎が多い季節です。予防のために手洗いは石鹸でこまめに行い、食品の衛生管理には十分気をつけましょう。
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失神

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、今朝の朝礼で長い時間立っていたら倒れてしまいました。頭を打ってすぐに気がついたのですが…」と、心配そうに言うAさんの額には、失神時に床にぶつけて出来た内出血による大きなこぶがありました。失神は、救急外来を受診する患者さんの3.5%と言われ、再発率も20―30%と、けっして稀な疾患ではありません。失神の原因は多く、①心原性(不整脈、器質的心疾患)②神経調節性失神症候群(神経調節性失神、血管迷走神経反射、頸動脈洞過敏症候群、咳嗽[がいそう]、排尿、排便など)③起立性低血圧(自律神経障害、薬剤、アルコール、出血、下痢など)④脳血管性(盗血症候群、過呼吸)などがあります。これらの中で特に危険なのは①の心原性失神です。心室頻拍や心室細動などの頻脈性不整脈による失神は、突然死する危険性も高いため除細動器を体に植え込むことでその予防ができます。ブロックなどの除脈性不整脈による失神には、ペースメーカーを植え込む治療法もあります。失神をおこす器質的心疾患には、狭窄性弁膜症、心筋梗塞、心筋症、心房粘液腫、大動脈解離、大動脈炎、心タンポナーデ、肺塞栓症などの致死的な疾患もあり、精密検査が必要になります。一方、②③④は比較的軽症で、頻度の多い神経調節性失神症候群は、長時間の立位姿勢、痛み刺激、肉体的または精神的ストレスなどが誘因となりますが、予後の良い場合が多く過度に心配する必要はありません。失神の原因疾患が軽症だったとしてもAさんのように失神時に頭部を強打した場合は、CTやMRIなどで頭頚部の精密検査が必要になります。前駆症状から失神を予知できる場合には、その場でしゃがみこむことで転倒による外傷を最小限に防ぐことができます。失神の再発予防としては、日常生活の睡眠不足や運動不足の防止、過度の減量の防止、アルコールを控えることなどが大事です。また降圧薬を服用している場合には、薬の種類、量、内服時刻などの調節が必要になりますので担当医へ必ず相談してください。
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まぶたが腫れました

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
『瞼(まぶた)が腫れました』と眼科を訪れる患者さんは非常に多くいらっしゃいます。一番多いのはやはりものもらいでしょう。瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言いますが、特に函館では[めっぱ]と言い、関西地方では[めばちこ]と言うようです。腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが、数日たってしまった場合は切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ、内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもあります。これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)と言い、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無くて少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)と言います。血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。朝、瞼(まぶた)が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのがいつもより枕が低かっただけだったという場合です。しかし、足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。両上瞼の目頭よりがぽこっと腫れている方も多くいらっしゃいますが、これは年齢的なことが多くあります。脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦な状態の場合は仮性黄色腫ということもあります。赤く腫れた中心部にぷつんと茶色い点がある場合もあります。痛痒かったりする時には虫さされの場合もありますが、よく見るとダニがくっついていることもあります。一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍と言うこともありますので、まず眼科で診てもらいましょう。
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食育と横顔

最近話題に挙げられるフェイスニングは、いわゆる顔の筋肉の体操ですが、小顔や表情の豊かさが得られ、しわが目立たなくなり、すばらしい笑顔を得ることもできるといわれています。食育といえば、基本法においても、食糧の自給率、あるいは、朝食を摂るという面が強調されています。しかし、よく噛(か)んですり潰してから飲み込むことが肥満を防ぎ、過不足のない食料の摂取が達成され、結果的に食糧危機を解消する方法であると、フレッチャー氏(米国の『噛む健康』提唱者)は述べております。イヌイット(北米大陸などに居住するアジア系民族)や、オーストラリアのアボリジニー(オーストラリア先住民)の調査で、硬く噛み切ることが容易ではない食物をとり続けると、丁度よく歯がすり減り、口の周りの筋肉が発達して、歯並びがよくなり、バランスの取れた横顔や効率的な舌機能や、嚥下(えんげ=食物が咽頭から食道に送り込まれること)が起こることが、前述の調査をはじめ、いろいろな研究からわかってきました。このように、良い噛み合わせは、健康や美容に大きく関与しております。
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赤い尿がでたら

赤い尿は、ご存知のとおり血尿といいますが、二種類あります。自分の目でみてはっきりと赤いことがわかる肉眼的血尿と、みためは正常ですが検診や病院の検査でたまたま指摘される顕微鏡的血尿です。どちらも何らかの病気が潜んでいるサインを示していることがあります。さて、検診などで尿潜血反応が陽性で、2次検査を受けるように勧められる場合があります。厳密にいえば、顕微鏡的血尿とは違いますが、潜む病気を見落とさないようにしようという観点からみれば、これも顕微鏡的血尿に含めて結構です。ちなみに、尿は腎臓で作られ、尿管という細い管を通って膀胱に貯まります。そして尿道を通り排泄されます。これらの経路を尿路と言います。尿路のどこに異常があっても、最終的にでてきた尿は赤くなります。尿が出始めから終わりまで赤いか、終わり頃だけ赤いかなど色調の変化があるかどうかは、尿路のどこから出血しているか予想の参考になるので、気にしてみてください。(女性の場合は、そこまでみるのは難しいことがありますが。)顕微鏡的血尿の場合は?尿路の腫瘍や、慢性腎臓病のサインであることがあります。慢性腎臓病は進行すれば慢性腎不全にいたる注目されている病気です。とくに心配する病気がなくても、尿潜血だけ陽性になるかたがいます。肉眼的血尿の場合は?膀胱炎でも血尿は起こりますが、注意しないといけないのは血尿以外の症状がないときです。(例えば排尿時の痛みや頻尿など)これは膀胱腫瘍など重大な病気のサインであることが多いです。腫瘍があっても、血尿は自然に止まります。病気が治ったかと勘違いして放っておくかたがいますが、その間に腫瘍は成長するので治療が難しくなることがあります。いずれの場合でも、潜む病気を見逃さないように専門医の受診をお勧めします。
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