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コロナ禍におけるがん検診とこれからText by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
新型コロナウイルス感染症は今だに終息のきざしが見えません。その影響をうける医療上の問題は救急患者の受け入れ制限や待機的手術の延期などにも波及しますが、もう一つ懸念されているのはコロナ感染症への不安からがん検診を控えることによる発見の遅れです。がんは初期段階では症状がないことが多いことが特徴です。がん検診を定期的に受診し、早期発見・早期治療することにより、多くの方は助かることが分かっています。しかし、コロナを理由に受診を見送り次の受診までの期間が空いてしまうと、早い段階で発見できたはずのがんが進行した状態で見つかる可能性が高くなります。がんはコロナの収束を待ってはくれませんので、コロナ禍であってもがん検診は定期的に受診することが推奨されます。現在国として推奨し各自治体で実施されているがん検診は胃・大腸・肺・子宮・乳腺の5つになりますが、それぞれの対象臓器によって検診方法は異なります。胃がんのように最初から内視鏡やバリウムのような苦しい検査を必要とするがんもあり、他のがんでも検診で陽性に出た場合はさらに追加で様々な検査を受ける必要があります。そのような中、2014年から国立がん研究センターを中心に研究が始められているマイクロRNA測定に期待が寄せられています。この方法では1滴の血液から13種類のがんを早期の段階から発見可能で、さらにその発見精度も95%以上というまさに夢のような検査手法です。現段階では数年以内の実用化を目指して有効性を検証する作業が急ピッチで進められています。この手法が医療現場に登場した場合はがん検診が一変する可能性を秘めており期待されるところですが、それが実現するまでの間は、命を守るためにコロナ禍であってもきちんとがん検診をうけておくことが大切です。
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春の健診で再検査になってしまったらText by 清水眼科クリニック 清水 信晶
新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供たちは学校から頂いてきます。その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかもしれません。そのため本来の視力より低く出ただけということもあります。しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視や乱視のお子さんも多く見受けられます。そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だともいえます。簡単にいうと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけてしまいます。いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。そのため放置するとメガネで矯正しても視力が出ない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。用紙に斜視と書かれている時もあります。斜視は片目が正面を見た時に、もう一方の目が他の方向を向いてしまって視線が外れている場合です。常に視線が外れている場合や、時々外れている場合、また、疲れた時などにちょっとだけ外れる場合など程度はさまざまです。視力を矯正するだけで治ることもあり、早期に検査・治療が必要な場合もあります。健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。
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妊娠期での歯周病の影響Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史
近年の歯科疾患実態調査では、国民の口腔の健康を目標にしてすすめていた8020運動など歯科業界の取り組みが奏功し、過去に比べ虫歯が減少しているのが示されています。しかし、虫歯が減った代わりに歯周病で歯を失うケースが多くなり、その原因の1つに歯が痛くならないと、歯科医院へ来院されない傾向が依然としてあるためであると思われます。歯が痛くて咬めない、歯がグラグラするなどの自覚症状が起きた時には、歯周病がかなり進行している重度のケースが多いだけに、軽度、中等度の歯周病にかかっている患者さんは歯科医院で実際に歯周病検査を行ってもらわなければ、その病態を把握するのは難しいと思われます。前回にも書かせていただきましたが、妊娠すると妊婦さんの歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)からは、増加するエストロゲン(卵胞ホルモン)を好む歯周病原細菌が多く検出され、さらにプロゲステロン(黄体ホルモン)も増加することで歯肉に炎症が起こりやすくなります。もともと歯周病が進行していた患者さんはさらに悪化しやすくなります。また、つわりがひどくなれば歯ブラシを口の中に入れるのも容易ではありませんから、妊娠期は歯周病が悪化しやすいのです。歯周病の影響は母体のみならず、胎児に対しての影響を指摘する論文が散見されます。早産(22~36週での出産)および低体重児出産(2500g未満での出産)に対して、近年歯周病の影響が報告されています。早産の原因には感染や体質によることが多いと言われています(日本産科婦人学会による)が、最近の報告ではリスク因子の1つとして、歯周病の治療を行うことでこれらのリスクを軽減する可能性が示唆されています。そのため、妊娠の可能性のある患者さんや既に妊娠中の患者さんにはご自身のお口の健康だけではなく、生まれてくる赤ちゃんのためにもさらなる歯周病のケアをお勧めいたします。
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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)Text by 江口眼科病院 北 直史
今回は加齢黄斑変性についてお話します。この病気は平均寿命がのび高齢化社会となるにつれて、よくみられる病気となりました。病気の基礎には老化に伴う網膜の機能低下があり、これが原因で異常血管が発生し網膜に水がたまります。網膜はカメラでいえばフィルムに相当するため、水がたまると物がゆがんで見えます(歪視:わいし)。我々眼科医は眼底診察に加えて様々な検査を行い、総合的に判断します。病気の進行を抑える治療として、以前からレーザー治療(光線力学療法)が行われていましたが効果が不十分な症例も多く見られました。ここ数年で抗VEGF薬を用いた新しい治療も加わりました。また、昨年末からは抗VEGF薬に新しい薬が承認され、選択肢も広がっています。ですので、歪視がある方は一度眼科を受診されることをお勧めいたします。
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不老長寿の秘薬Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
脈拍数(心拍数)は走ったり、人前で緊張したりしたときに多くなり、ドキドキして、つらくなることがあります。ゆったりしていると脈は遅くなります。脈拍数は刻々と変化しますが、5分間安静にした後の脈はいつも大体同じになり、その人固有の脈拍数と言えます。60~70拍/分が普通の脈ですが、医学的には50~100拍/分が清浄範囲と決まっています。昔エライ学者たちが「これぐらいだべー」「そだねー」と決めただけで、特に根拠なく決めました。ところで、動物界を見ると脈が速い小さな動物の一生は短く、脈が遅い大きな動物は寿命が長いことから、「脈は遅いほうが長生きなのではないか」と考えられました。そして今では、脈が正常な人でも、脈が速い人と遅い人では違いがあることがわかってきました。住民健診を10~20年間続けた調査結果で、脈と死亡率の関係を調べた人たちがいます。どの論文でも「脈が多いと死亡率が(死亡率が高くなる)」そうです。日本でも16年かけて調べた結果、「80拍/分以上の人は、60拍/分の人に比べると総死亡が1.45倍、心臓病死は2.5倍多かった」そうです。脳卒中死は脈の多い少ないで増えたりはしませんでした。ということで、脈は心臓病死に関係していました。理由としては、脈が多い人のグループにはメタボリック症候群の人が多いため、心臓病が多くなったと考えられています。脈が多いメタボの人は3年間くらいで高血圧を発症することが多く、動脈硬化が進んで心臓病の原因となります。脈を少なくするにはどうするか?運動選手の脈は遅いので運動習慣をつければ脈は遅くなりそうです。食事を減らして運動をすれば、肥満は解消されることでしょう。「わかっちゃいるけど、やらないでいたこと」を実行すると、健康に長生きできるようです。ちなみに、認知症を予防することとして認められているのは、「高血圧や糖尿病の適切な治療」と「ウォーキングなどの運動習慣」です。これが秘薬のようです。
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