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コンタクトレンズ使用にあたって…2008年版

Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典
7月11日付の新聞各紙に、コンタクトレンズ規制の記事が載っていたのを御存知ですか?現在は「雑貨」として扱われているカラーコンタクトレンズ(カラコン)を「医療機器」として薬事法で規制するというものです。コンタクトレンズは、材質別ではハードレンズ・ソフトレンズがあり、昨今では使い捨てタイプのレンズの需要が高いようです。また遠近両用型や瞳の色が違って見えるカラーレンズなど用途別にも様々なバリエーションがあります。特に若い女性の間では、ただファッション用として装用している方も増えており、主に度の入っていないカラーコンタクトレンズが用いられるケースが多いようです。確かに瞳の色や雰囲気が変わる訳ですから使いたいと思う方もいるのでしょうが…???コンタクトレンズがメガネと大きく違う点は、目に接触するレンズであるという事だと思います。これによってメガネでは補いきれない強度近視や乱視の矯正ができたり、治療の一環として使用する事で症状を緩和させたりする事ができる訳ですが、反面使い方によっては角膜を傷つけたり、アレルギー性結膜炎の原因となったり、それらを長引かせたりするケースもあります。従って眼科で診察の上、処方される必要があり、また定期的な検査も重要視されるのです。しかし、量販店もしくはインターネットを通じて購入された場合、個々の眼に合ったレンズか否か判断する事ができません。結果、重篤(じゅうとく)な角膜・もしくは眼球全体の障害を起こし失明に至るケースも見受けられます。残念ながらこの様な悲しいケースをゼロにする事が難しいのが現状です。従って、法の規制もさることながら、使用している個人個人がコンタクトレンズ=医療機器という自覚をもってお使い頂きたいと願うばかりです。この記事をみて一人でも多くの方が眼科受診の重要性を理解して頂ければ幸いです。
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リハビリのコツ?

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
先日、もうすぐ還暦の親しい医師(A氏とします)が椎間板ヘルニアの顕微鏡を用いた手術を受け、今もリハビリと格闘しています。その様子を見聞きしながら、脊椎の病気のリハビリのコツ(?)を考えてみました。手術直後は、術前とは見違えるような調子の良さで、手術の効果に感心しました。しかし、医者が患者になると、なまじ知識があるため、最低の患者になるといいます。A氏の場合、リハビリのために入院期間を少し延ばすよう勧められましたが、早く診療に戻りたいと、術後4日で退院、復職しました。通常、脊椎の手術では術後に、背中の安静を保つためにコルセットなどを使用しますが、背中の固定により筋力が低下し、体も硬くなります。A氏も、コルセットを着けていた間は絶好調でしたが、1カ月後にコルセットを緩め始めたところ、腰を中心に体幹の筋肉が衰え、足が上げられず靴下も履けなくなりました。手術直後の好調さは消え、悪戦苦闘することとなりました。そばで見ていても、僅かな期間で体力が衰えることに驚きました。ご高齢の方なら、もっと弱ったでしょう。さて、A氏の療養生活から気づいたリハビリの注意点は以下の4点です。①主治医や理学療法士の指示をよく聞く(我流は禁物)A氏は退院する際に、理学療法士からリハビリのメニューや注意を書いたものを渡されましたが、十分に利用しませんでした。②焦らない「過ぎたるは及ばざるが如し」で、回復を焦って強すぎる運動をすると、病気の再発の危険性が高くなる上、いわゆる「揉み返し」による余計な筋肉痛や関節痛が回復の邪魔をします。③3歩進んで2歩下がる回復の道は長く、真っ直ぐではありません。小さな尾根を上り下りしながら頂上にたどりつくイメージです。④気長に毎日続ける前二つと通じますが、「千里の道も1歩から始まること」を信じて、継続することが大事です。「365歩のマーチ」の歌詞みたいですが、結局、リハビリに近道はないのです。
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加齢黄斑変性治療の現況

Text by 江口眼科病院 森 文彦
加齢黄斑変性は欧米で多い疾患でしたが、わが国でも増加し、現在視覚障害の原因の第4位です。眼に入った光の情報は角膜、水晶体、硝子体を通って網膜に像を結びます。網膜の中心にある黄斑は視覚をつかさどる重要な細胞が集中し、ものの形や大きさ、色などを識別しています。加齢黄斑変性はここに新生血管が生じ、視機能が低下します。これまで治療法はありませんでしたが、2005年から光線力学的療法(PDT)が始まりました。これは薬剤を静脈注射し、黄斑にレーザーを照射することで薬剤が反応し、新生血管だけを退縮させる治療です。08年からは血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑える薬を眼に注射し、新生血管を抑制する抗VEGF療法が行われています。これはPDTよりも視機能の改善の効果があり、現在治療の中心となっています。薬剤が高価であることや再発に対して繰り返し投与しなければならないことが今後の課題です。12年に人工多能性幹(iPS)細胞の研究がノーベル賞を受賞しました。14年にそれを臨床応用し、自分のiPS細胞から作られた網膜細胞の移植が1例行われ、悪性化や拒絶反応はなく、術前矯正0・1程度の視力が維持されているとのことです。昨年には他人のiPS細胞から作られた網膜細胞の移植が5例行われました。これも安全性を確認する臨床研究ですが、そのうち1例で合併症を認めました。今後、この治療のさらなる開発、改善が期待されますが、視機能の改善が認められ、広く行われるようになるまでにはまだ時間がかかると思われます。現況としては早期から現在の抗VEGF療法を開始し継続することが望ましいでしょう。
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男性の性(27)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
勃起機能改善薬(ED治療薬)として世界で最も頻用されているPDE5阻害薬は、現在本邦ではバイアグラ・レビトラ・シアリスの3種が使用可能であると、前回までに書きました。3種の薬剤とも、特に持病のない人が服用する場合は、ほとんど副作用のない良い薬ですが、安全かつ効果的に利用するためには注意する点もいくつかあります。まずこれらの薬は、自然な勃起を促す薬で、服用すれば必ず勃起するわけではなく、勃起するためには性的刺激と興奮が必要です。服用しても性的刺激がなければ勃起しません。服用後約1時間後から、性的刺激を受け性的興奮すると勃起し、性的刺激・興奮が終了すると勃起は収まります(きわめて稀ですが勃起が4時間以上続き収まらない場合~持続勃起症~は不可逆的なEDとなってしまうことがあるので直ちに医師に連絡することが必要です)。頭痛や顔のほてり、視覚障害(色が変化して見える)等の症状が現れることもありますがほとんどが軽度で一過性です。最も重要な注意点は、狭心症などで硝酸剤(ニトログリセリンなど)を服用している人は絶対にこれらの5PDE阻害薬を服用してはいけないことです。急激に血圧が下がって場合によっては死に至ることもあります。日本では医師が処方する際にこの重要な注意点を強調するので事故は少ないと思われますが、医師の処方箋なしで購入できる国や直輸入で購入した人、他人から譲り受けた人、などで死亡事故が報告されています。硝酸剤には飲み薬だけでなく、舌下錠、貼り薬、吸入薬、塗り薬、スプレー薬、注射薬などもあり、また、薬の名前に硝酸とかニトログリセリンとか書いていないものも多数あります。医師によっては患者さんに、病名も硝酸剤ということも伝えずに投与していることがあり、自分が狭心症で硝酸剤を服用していることを知らない患者さんも多くいますので注意が必要です。硝酸剤に関連した注意点はもう一つあります。(続く)
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視野の中心がゆがむ中高年の病気~黄斑円孔(おうはんえんこう)

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
網膜の中心部は視力がとても鋭敏な所で、「中心窩(ちゅうしんか)」と呼ばれています。その周囲直径1.5~2ミリメートルの範囲は、濃い黄色の部分があって「黄斑(おうはん)」と呼ばれます。目の中間部にある透明な「硝子体(しょうしたい)」が年齢とともに収縮してゆく「後部硝子体剥離(はくり)」が起きるとき、影響がこの黄斑部に及ぶと黄斑円孔が引き起こされます。黄斑円孔は中心窩の網膜に丸い穴(孔)があいてしまう病気です。穴自体は直径一ミリメートルに満たない、とても小さなものですが、最も視力が鋭敏な部分にできるため、大きな影響が現れます。完全な穴が形成されてしまうと、視力は矯正視力でも0.1前後になってしまいます。自覚症状として、初めは物が歪(ゆが)んで見え、進行すると視野の真ん中だけが見えなくなります。物がつぶれて見える、テレビを見ると人の顔だけが見えない、などがよく聞かれる訴えです。この病気は硝子体の収縮が関係して起きるので、60代を中心に起こります。黄斑円孔は10年ほど前までは有効な治療法がありませんでした。しかし今では手術によって視力を取り戻せるようになっています。手術はまず硝子体を切除します。その後特殊なガスを目の中に注入して、術後はうつ伏せの姿勢を2週間ばかり取ります。そうすると、グリア細胞という周囲の細胞をつなぎ合わせる働きをする細胞が現れ、円孔が小さくなっていき、円孔をふさいでくれます。中心窩の組織が修復されるとともに、術後の視力はゆっくりと回復していきます。1回の手術で8~9割の人は、不自由なく暮せるレベルの視力に戻ります。手術の合併症として多いのが白内障ですが、高齢者の場合すでに白内障を持っている場合も多いので、黄斑円孔の手術と同時に白内障の手術もしてしまいます。片目ずつ目をふさいでみて、物を見る中心に歪みやぼやけを感じる方は一度眼底検査を受けてみて下さい。
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