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コラムを読む

人に迷惑をかけないということ

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
患者さん達との会話で「子供たちに迷惑をかけたくない」というセリフをよく聞きます。年を取り、病気になると人の手を借りる場面が多くなります。そんな時、「迷惑をかけて申し訳ない」と思うのでしょう。プライドの問題として、心情は理解できますが、その言葉をそのまま認めてはいけないと思います。おそらく世界中、どこの国の子供でも「人に迷惑をかけないように」と教えられると思います。しかし、この場合の「迷惑」とは、例えばバスや電車の座席に靴のまま上がるなとか、場所をわきまえずに大声を出すなとかといった、社会生活のルールを教える言葉だと思います。子供やお年寄り、あるいは病気やけがで困っている人に手を貸す時、「迷惑した」と思う人はいないでしょう。子育てをするとき、女性は仕事を諦めることもあるでしょうが、それで子供に迷惑をかけられたとは思わないでしょう。誰でも、小さい時には年長者に世話をしてもらい、自分が大きくなったら年少者や病者、弱者に手を差し伸べるというのは、自然なサイクルではないでしょうか?助けてもらって、感謝するのは当たり前ですが、申し訳ないと思う必要はないでしょう。将来、平均寿命が90歳代まで延びるという話があります。その時、高齢者における認知症の割合は60%にも及ぶといいます。独り暮らしの方も増えるでしょう。その状況では、1人の高齢者を4、5人で支えなければならないともいわれます。こんな将来を考えた時、年老いて体が弱って助けを借りることが、「迷惑をかける」ことだとしたら、生きることが悲しくなってしまいます。困った人には喜んで手を貸し、弱った時には助けられて感謝する、そういうことが自然にできる世の中であってほしいと思います。実は、認知症で大きな問題になる妄想は「人助けはするが、助けられるのは苦手な(プライドが高すぎる)人」に生じやすいといわれています。「情けは人のためならず」と言いますが、もう一度、考えてみませんか?
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小児の長引く鼻水、咳 〜診断、治療のポイント〜

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
風邪という診断で服薬しているもかかわらず数周間も鼻水、咳が止まらないと訴えて来院されるお子さんが少なからずいらっしゃいます。中には中耳炎も起こしているお子さんや咳が続くというだけで気管支喘息と診断され漫然と投薬されているお子さんもいらっしゃいます。そうしたお子さんでは多くの場合、膿性あるいは粘調性鼻漏や後鼻漏が認められ、副鼻腔炎になってしまっている場合も少なくありません。では、なぜ鼻水、咳が止まらないのでしょう?そもそも鼻水や咳は侵入した病原体(細菌やウイルスなど)や異物を洗い流したり吹き飛ばしたりして排除しようとする体の大切な防御反応です。つまり体から病原体や異物が排除されない限り止まらないわけです。従って鼻水、咳を止めるためにはいかに除菌をうまく図るかが治療のポイントになります。また、風邪の症状は1週間から10日程度で治まるのが普通ですのでそれ以上長引いた場合は何らかの慢性的な状態になっていると考えて診断、治療を行うことが必要です。鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎を引き起こす病原菌は①インフルエンザ菌②肺炎球菌③ブランハメラ・カタラーリスがあり、これらを三大起炎菌と言います。これらの細菌を除菌することがポイントですが近年、抗生物質が効きにくい耐性菌が増加していますので有効な抗生物質を選択し新たな耐性菌を増やさない為にも用量用法を工夫する必要があります。中途半端な抗生物質の使用は効果がないばかりではなく新たな耐性菌を生む原因となります。最近では抗生物質の特性にあった用法で高用量を使用し確実に除菌を図ることが推奨されています。誤った用法で使用すると同じ1日量を服用したとしても効果が低下しますので用法は変えないことが大切です。抗生物質の使用を嫌う風潮もありますが適時に適切な選択、使用をすることで最大の効果を発揮し副作用も軽減できます。病原菌を把握し抗生物質を使うべき時に思い切って使うことが重要です。
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軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)

軟性線維腫というのは、ポリープ状に皮膚が隆起している良性の皮膚腫瘍です。30歳代以降にできてきます。原因は摩擦や日光など皮膚の老化によります。首、ワキ、そけい部(脚の付け根)、大腿の内側など比較的やわらかい部分にできることが多いものです。初めは小さな皮膚の突起ですが、徐々に大きくなってポリープ状で茎のある、やわらかい皮膚の腫瘤(しゅりゅう)になってきます。スキンタグといって、頚部(けいぶ)やワキに小さいイボのようなものが多数できることもあります。肥満した方や中年以降の方に多く見られ、皮膚の老化と考えられています。これも軟性線維腫の一種です。大きくなってくるとくびれができて、皮膚にぶら下がったような形になってくることもあります。やわらかい良性の皮膚腫瘍で、悪性化することもありませんから、そのまま様子を見ていても良いのですが、ゆっくりとですが大きくなってきます。引っかけて出血するなど、邪魔になる場合は治療が必要です。治療は小さいものでは、ハサミで切ったり、焼いて取ったりすることもできます。大きいものは、くびれた部分の根元の皮膚を含めて切除します。そうすると縫合が必要になりますが、きれいに取れます。
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ウオノメについて

足の裏に痛みを感じることはありませんか?今回はウオノメのお話です。皮膚は強い力で圧迫が繰り返されると硬くなる性質を持っています。例えば鉄棒の練習をしたり、重いカバンを長く持っているとその部分が硬くなってマメができます。あるいは、書き物が多い方ですと中指の皮膚が厚くなり、いわゆるペンダコができます。足の裏側は常に体重がかかるため、どこかに重みが集中するとその部分が硬くなってきます。この時点では痛みはないのですが、圧迫が繰り返されているうちに硬い皮膚が押されて、奥深くに入り込んでいきます。そして神経に触る厚さにまで成長すると、痛み始めてしまいます。丸く見えるためウオノメ(魚の目)という名前がついています。一旦、ウオノメができてしまうと、歩行の度に押されてさらに奥に入り込み、進行することはあっても自然には治りにくいものです。治療方法はウオノメを柔らかくする絆創膏が市販されていますが、すでに厚みがあって奥にはまり込んだ部分が取れにくい場合には、専用の器具で取り除きます。痛そうなイメージがあるかもしれませんが、ウオノメには神経がきていませんので治療に苦痛は伴いません。ご自分でハサミやナイフで切ってみたという方もいらっしゃいますが、足の裏は意外と手も目も届きづらく、かえって怪我をしてしまう場合があります。また足の裏にはウイルス性のイボや粉瘤などウオノメと別なものが発生することがあり、これらは治療法も異なります。ウオノメの原因は立ち方、歩き方などで1カ所に重みが集中することですので、治療しても長年の習慣を変えることは困難であるため繰り返しやすいものです。しかし放置していると痛みは増しますし、痛い部分をかばって体重のかけ方を変えて生活していると、今度は体が歪んでしまい、腰まで痛くなってしまう場合もあります。
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陰のうが大きくなってきたら・・・

陰のうの中には生殖器官として重要な精巣があります。陰のう全体が腫れたときは、精巣に関係なく浮腫によることが多いです。片側の陰のうが腫れたときは、痛みの有無にかかわらず泌尿器科専門医を受診したほうがいいです。小児や高齢だと陰のう水腫によることが多く、小児は手術が必要なこともあります。痛みのない腫れで重大な病気があります。精巣腫瘍(がん)という病気です。20代の若い年齢に多いですが、4才以下あるいは高齢でも発生する腫瘍です。恥ずかしいからと親にも話さなかったり、受診しなかったりしますので、お子さんに腫れていないか聞いてみるといいでしょう。大人の方は、たまにお風呂で触ってみる。左右をくらべて大きさ、しこりがないかどうかチェックするといいでしょう。
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