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夜間頻尿についてText by むとう日吉が丘クリニック 武藤 雅俊
泌尿器科を受診される患者さんの中で夜におしっこに起きることで悩まれている方は実に多いです。しかも長年我慢されている方も多いのが特徴です。夜間頻尿とは、夜眠りについたあと排尿のために1回以上起きなければならないという悩みがあり、そのことで日常生活に支障をきたしている状態をいいます。夜間頻尿は年齢を重ねるごとに増加し、夜間の排尿回数も増え著しく生活の質を低下させます。夜間頻尿は前立腺肥大症が原因の男性の病気だと思われがちですが、女性の患者さんも多く、男女差はほとんどありません。夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こします。そのため、日中の眠気で日常生活に多大な支障をきたします。また、夜に暗い中トイレに行く回数が増えることは、転倒による怪我や骨折の危険が増えます。これらは寝たきりの原因になることもあります。原因は多岐にわたっております。本来尿は日中に多く作られますが、年齢とともに、心臓や腎臓の働きが低下すると、夜間に尿量が多くなってしまいます。また、尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌リズムが変化し日中に尿が少なくなり、その分夜間に尿量が多くなることも原因のひとつです。水分摂取も適度な量であれば問題ありません。しかし過剰摂取することにより、一日の尿量自体も多くなりその分夜間の尿量も増えます。バランスを考えた水分摂取をおすすめします。睡眠障害で、目が覚めるからトイレに行くという方も多く存在します。睡眠障害の原因も不眠症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず足症候群(脚を中心に強いかゆみや痛みなど虫が這うような不快感が起こり、じっとしていられなくなる病気)など多岐にわたります。夜間頻尿という症状は多くの原因もしくはその組み合わせで生まれた結果で、実はかなり複雑な疾患なのです。
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70歳代の8人に1人に潜む緑内障Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
先日、岐阜県多治見市に於いて40歳以上の方を対象に大がかりな緑内障の住民検診が行われました。受診した方の数は1万7千人に上ります。その結果として、40歳以上の方の5・8%(17人に1人)に緑内障が認められました。ところが、そのパーセンテージも年齢が上がるに連れて増加してゆきます。40歳代ならば2%台なのに対し、70歳代ならば実に13%(8人に1人)の方が緑内障になっているという結果になりました。さて、それでは緑内障と言う病気はどんな病気なのでしょうか。カメラのフィルムにあたる網膜には、一面に視神経がはりめぐらされています。その視神経が、太い1本の束となって脳へ向かうところを、視神経乳頭といいます。緑内障は、この視神経乳頭が眼球内側から押し潰されることで凹みができ=陥凹、正常に機能する視神経が減少する病気です。一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり=視野欠損、最悪のケースでは、光を失うことになります。視神経が痛められる大きな原因は、眼圧が高過ぎる状態「高眼圧」です。高眼圧は、空気を無理につめてパンパンに固くなったボールのようなものです。しかし、眼圧が正常でも、視神経乳頭が陥凹することもあります。それは高齢者の場合、視神経乳頭の構造が相対的に弱くなる(眼圧に対する感受性が強過ぎる)ためです。緑内障治療の最初のキーポイントは、早期発見です。40歳を過ぎたらできるだけ眼底検査を受けるようにしましょう。緑内障は早期発見と適切な治療により、多くのケースでは、一生十分な視野・視力を保つことができるようになっています。緑内障は途中まで、自覚症状がほとんどありません。一旦視野の異常が起きたら後戻りはできないのです。眼圧コントロールの必要性をよく理解し、欠かさずに通院しましょう。
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瞳(ひとみ)の大きさと見え方Text by 江口眼科病院 昌原 英隆
今回は「瞳(ひとみ)の大きさが見え方に影響を与えている」という雑学的な話です。瞳は虹彩(茶目)に囲まれた部分のことで、カメラでいう絞りに相当しますが、その大きさは自律神経によって調節されており、明るい場所では瞳が小さくなり、暗い場所では瞳が大きくなります。
ヒトの場合、おおむね2mm~6mmの間で大きさが変化します。一般的に、瞳が小さくなればなるほど焦点深度(目標物へのピントが合う範囲)が広くなり、逆に大きくなればなるほどピンぼけになります。 目のわるい子供が無意識に目を細めるのも瞳を小さくして見やすくするためです。 また、40歳を過ぎた老眼年齢の方であれば、瞳が大きくなると焦点深度が浅くなるため老眼が顕著となり、夕方や暗い照明での読書が困難になるというよくある症状を既に体験されているかもしれません。 |
男性の性(21)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
『性に目覚める頃』というと「ふるさとは遠きにありて思ふものそして悲しくうたふもの」の詩人・室生犀星の小説を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、思春期「春を思う時期」の[春」を「性」に置き換えれば、『性に目覚める頃』というのは『思春期』とほぼ同じ意味と考えてよさそうです。ところで、その思春期の始まり、つまり『性に目覚めた時』はいつか?というと、女子では『初潮』というはっきりした徴候があり、昔は(今でも?)家で赤飯を炊いてお祝いしたりして非常に開放的であり、初潮以後は生理用品を携帯したり、その頃から乳房や臀部が発達して、見た目にも、「おそらくそうだろう」と世間的にも認知されるわけですが、男子の場合は、女子の初潮に当たる精通現象(最初の射精)が夢精にせよ自慰にせよ秘密裏に(つまりコッソリと)処理されることが多く、またその発来時期も、初潮のように熟柿が枝から落ちる如き自然な発来とはやや趣を異にしていて、最初の射精が思春期の始まりと一致しない場合が多々あります。陰茎・陰のう・精巣(睾丸)・陰毛の発達も衣服に覆われているため外見上は判断しにくく、背が伸び喉仏が出てきて声が低くなりヒゲがうっすらと(文字通り産毛に毛の生えた程度)生えてくると、「おそらくそうだろう」と判断されますが、精通現象については推測するしかないわけです。つまり、女子では『性に目覚めている』かどうかは、外見や行動から比較的容易に判断できるのに対し、男子では外見ではそう見えても、実際はまだ最初の射精がなく、まだ性に目覚めていない場合もあるということです。昔、花街や花柳界に生まれた男の子は、周りにその道のプロの女性が大勢いるため、筆下ろし(初体験)が極めて早く、初めての性交で初めて射精、ということが珍しくなかったそうです(羨ましい)。また江戸時代の大奥のように、将軍とその正室が年少の場合、正室にきちんと性技指導をする役職があったそうですから、男側がまだ性に目覚めていなくても、それなりに何とかなっていたようです。(つづく)
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MR(麻しん風疹混合)ワクチン2期は早めに打ちましょうText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
2015年に日本はWHOから麻しん排除宣言を受けました。これは、MRワクチンが2回、接種率95%以上がお父さんお母さんの努力の結果でなされたためです。しかし、国内からの麻しんの発生はほとんどなくなりましたが、海外から持ち込まれる麻しんの流行が相次いでおります。昨年8月に関西空港から広がった麻しんの流行は関西空港関係者で33名の感染者を出しました。平成28年では最終的に161名の麻しんの報告がありました。持ち込まれた麻しん発端者の渡航先は東南アジアがほとんどで、2回の麻しんワクチン(MRワクチンを含む)を接種して発症した人は15%程度だということが分かっております。今年になっても5月28日までの段階で165名の麻しんが報告されております。現在は流行が続いている所はありませんが、これまでに10以上の報告がみられる都府県は、山形、東京、三重、広島となっております。昨年の流行時にはMRワクチンの入荷が一時的に制限され、1歳台でのワクチンを優先させざるを得ませんでした。MRワクチン2期は、来年小学校に入学するお子さん、つまり年長さんに行うとされており、6歳になってから行うというものではありません。まだ、接種を行っていない年長さんは、出来るだけ早期にワクチンを受けるようにしてください。日本脳炎のワクチンの連絡がきているお子さんはMRワクチンとの同時接種も可能ですので、併せて行ってください。今年の夏休みに東南アジア方面に旅行を計画されている大人の方も、麻しんに罹ったことが明らかか、麻しんワクチンを2回接種している人以外は、渡航前に麻しんワクチン単独か、MRワクチンを打つことをお勧めしております。ひとりひとりの方が、麻しんに対して強い警戒感を持っていないと、1000人に一人といわれる麻しんでの死亡を防ぐことができません。小さな命を守るためにも、格段の注意が必要です。
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