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脳動脈瘤の自然歴

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
病気の「自然歴」とは、その病気を放っておいたらどうなるかということです。病気は、何でもかんでも治療するわけではなく、自然に治るものや、治らなくても生活に支障なく、寿命を全うできると思われるものもあります。一方、治療にも危険が伴うことがありますので、放っておいた場合の危険と、治療に伴う危険とを天秤にかけて治療するかどうかの判断をします。脳動脈瘤は破れると半数の方が命を落とすとも言われる恐ろしい病気です。また命が助かっても、多くの方が障害を残します。その恐ろしさ故に、かつては検査で偶然見つけた動脈瘤に対して、積極的に手術する傾向がありました。しかし、治療には危険が伴いますから、そのような姿勢に対する批判の声も多数ありました。また、MRIなどの診断機器の発達に伴い、動脈瘤が発見されることが増えてくる一方で、昔から動脈瘤の自然歴が不明でした。そうした中、1998年に発表された欧米の研究結果では、脳動脈瘤の破裂の危険性が、年率0.05%と予想外に低かったため、大変な議論となりました。そこで日本脳神経外科学会が中心となって、2001年から新しく研究を開始しました。その研究結果が、つい最近発表されました。全体としての破裂リスクは年率1%程度と、実際に破裂脳動脈瘤を扱っている脳外科医の実感と一致する結果でした。さらに動脈瘤の場所や大きさ、形による危険性の違いも示されました。これまで脳ドックなどで動脈瘤が見つかった場合、治療をどうするか相談するのに、しっかりした根拠に基づくデータがなかったために、脳外科医も困っていました。今回の研究方法には、まだまだ議論の余地があります。しかし、その判断を下すための材料として、今までの研究報告よりもしっかりとした根拠が示されたものと考えます。個々の患者さんについては、個別の状況から治療方針を決めなければなりませんが、医師として、患者さんに説明するとき、これまでよりも自信をもってお話ができるようになりました。
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歯のホワイトニングについて

「芸能人は歯が命」というフレーズが、一昔前はやりましたが、現在は、一般の患者さんにもホワイトニングが浸透してきました。白い歯を手に入れた患者さんは笑顔に自信が持てたり、もっと健康になりたいという意識が高まるようです。また、かぶせ物を交換するときも周りの歯の色に合わせるため、事前にホワイトニングを行う方も多くなっています。ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニング(OW)と、ご自宅で行うホームホワイトニング(HW)の2種類あります。OWは1回約1時間を2回行います。効果の持続期間はHWに比べて短く、一過性の痛みを伴う場合があります。HWは歯科医院でマウスピースを作り、ご自宅にて自分で薬液をマウスピースに入れて装着し行います。1日2時間以上2週間行います。時間をかけ、マイルドに薬液を浸透させるため、効果の持続期間はOWに比べて長く、痛みを伴う事も少ないです。最近では、効果が確実なためHWを選択する方が多くなっています。注意点としては、事前に歯科医院にて虫歯や歯周病の有無、問診やホワイトニングの説明、歯面のクリーニングを行うことも大切です。表面の汚れを落とし、歯本来の色が出ると、それだけで十分満足される患者さんもいるからです。その場合ホワイトニングは行いません。さらに白くしたい場合にホワイトニングを行うこととなります。現在、ホワイトニングは手軽で安全に行う事ができますが、妊娠中や授乳中、光線過敏症などの禁忌症や、白くなりにくい歯の色もあります。保険適用外となる場合がありますので、詳しくは担当医にお問い合わせ下さい。
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急性期医療・高度医療を担う地域の中核病院 患者サービス向上と地域医療連携の充実を図る

「安心・信頼・満足を患者さまと地域に」を基本理念に掲げ、道南医療圏における急性期型病院としての役割を担ってきた。2009年2月には地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、全国標準モデルとなったがん関連の連携パスの作成、医療総合サービスセンター(相談支援センター)の開設など、地域におけるがん医療水準の向上に積極的に取り組んでいる。10年3月には道南で初めてとなる病院機能評価Ver6・0の認定を受けた。また、全国的にも先駆けて導入した五大がん(胃・大腸・肺・肝臓・乳)をはじめとする種々のがん・急性心筋梗塞などの地域連携クリティカルパス(入院生活の治療計画表)の運用に加え、10年4月には医療総合サービスセンターに退院サポート室を設置した。サービスセンターには地域医療連携室、がん相談支援室、医療相談室、訪問看護室、病床管理室、栄養サポート室、持参薬管理室などがありそれぞれが連携することで、よりスムーズな退院、在宅への移行を実施するなど、患者サービスの向上も図っている。地域医療ネットワーク「G│net」を導入し、各医療機関との画像や検査、処置の情報の共有、画像検査予約など独自の取り組みで連携の強化を実施している。「五稜郭セミナー」と題した地域の医療従事者が参加するオープンカンファレンスを定期的に開催し、症例検討などより円滑な医療連携も行っている。診療科目は23科あり、年間の手術件数は5410例(09年度)、救急車搬入人数は2225人に上る。胃がん、大腸がん、肺がん、肝臓がん、乳がんの五大がんの手術件数は道内トップクラスである。手術では低侵襲な腹腔鏡を用いたがん手術を積極的に行い、より傷が目立たない単孔式腹腔鏡下手術を胆石症や大腸がん手術に導入している。腎臓病診療を専門とする腎臓内科を渡島管内で唯一常設している。外科では乳腺外来、ストーマ外来、栄養サポート外来を設置している。また高度医療に対応できる最新鋭の医療機器を整えている。06年には渡島・桧山地区で唯一のPETセンターを開設した。がん診断に威力を発揮するPET/CT検査は10年4月から早期の胃がんを除くすべての悪性腫瘍に対して保険適用となった。09年5月には道内で2番目となる最高水準の320列マルチスライスCTを導入。冠動脈疾患などでより精度が高い診断を実施している。このほか腎臓や尿管の結石に威力を発揮するESWL(体外衝撃波結石破砕装置)、1・5T(テスラ)MRI2台、マンモグラフィなど、患者負担が少ない各種検査機器を導入している。病床数580床を有し、ICU(集中治療室)は18床、人工透析室は32床ある。チーム医療による診療を実践しており、栄養サポートチーム(NST)、緩和ケアチーム、スキンケア委員会を設けている。NSTでは医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師が一体となり、患者の栄養管理を総合的にサポートしている。認定看護師が12人在籍し、接遇面の向上とともにスタッフの質の向上にも努めている。「理念にもあるように地域のみなさまに安心感・信頼感・満足感を提供できる医療機関を目指しています。今後も皆さまが健康で充実した生活が送れるよう、スタッフ一丸となってまい進していく所存です」と老松寛院長は話す。
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美肌と脂肪

低コレステロール食を心がけるダイエットは老化を早めます。「太ること=脂肪」と感覚的に考えている方は多く、簡単に考えて脂肪(油)分が多いと思われる食べ物を避ける傾向があります。体重の減少だけを考えるダイエット、栄養のバランスを考えない偏った食べ物だけをとる食事習慣など、ストレスの多い環境でこのようなバランスの悪い食事習慣は栄養障害を起こし、皮膚のしみ・クスミ、色素沈着など肌の難治性トラブルを起こすことがあります。食事をするときに大切なことは、ただ感覚的に脂肪成分の多そうな食べ物を避けるのではなく、脂肪は選んで摂取することが大切です。脂肪にはいろいろな脂肪酸の形で食べるのですが、中でも選んでとって頂きたい良質の脂肪酸はEPA・DHA(ω[オメガ]3脂肪酸)、オリーブ油、中鎖脂肪酸のオイルです。とくに青身魚(イワシ、サバ)の油ω3脂肪酸は血液をサラサラにしたり、肌の慢性の炎症、乾燥に良いといわれています。健康な美肌のためには野菜、お肉、魚、卵を良質な脂肪で調理した胚芽米食をお勧めします。
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胃がん撲滅元年

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
今年は胃がん診療に大きな動きが2つあり胃がん撲滅元年ともいわれています。1つ目はヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)診療の保険適応の拡大です。ピロリ菌は胃の中に住んでいる細菌で、もともとは胃・十二指腸潰瘍の原因菌として発見されました。その後は血液の病気など多様な病気の原因でもあることが明らかとなり、保険で治療できる病気の種類は増えています。そんな中、今年の2月には慢性胃炎でもピロリ菌の保険診療が認可となりました。ピロリ菌は慢性胃炎を引き起こしてそこから胃がんの原因になっていくと考えられています。従って、胃炎のうちに除菌を行って胃がんの発生を予防し、胃がんの死亡率を下げることが期待されています。保険診療上の注意点は、事前の内視鏡検査が必須条件となっており、そこで胃炎の存在が確認されたらピロリ菌の有無を調べる検査に進みます。もし陽性であれば、希望により除菌治療を行うことになります。2つ目ですが、特に腹部症状がないなど保険でのピロリ菌診療ができない方は、『ABC検診』(胃がんリスク検診)が推奨されています。この検診はピロリ菌と、胃粘膜の萎縮を反映するペプシノゲンを同時に測定するもので、血液だけで調べることができます。検査結果の組み合わせから胃がん発生の危険度によりいくつかのグループに分けられ、除菌を勧めたり、今後の適正な胃がん検診間隔を推奨するなどしてがん予防に生かす方法です。これまで胃がん検診といえばバリウム検査が主に用いられてきましたが、今後は胃がんになりやすい人とそうでない人を選別してその後の対応を決めていくこの方法が主流になっていく可能性もあります。函館市では、この検診は今年度から特定健診のオプションとしても受けることができるようになりましたので、是非活用しましょう。以上の新たな2つの動きは、がんの中で患者数の最も多い胃がんの撲滅に大きく寄与することが期待されています。
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