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どういう人が乳がんに注意する必要があるか?

乳がんの発症に関係する環境要因としては、肥満やアルコール、出産の有無など、因果関係が指摘されているものもありますが、あまりにも漠然としすぎており、切実感がないかもしれません。以前から、家族の中で乳がんになった人が多くいる場合は注意した方がよいことは聞いたことがあると思います。遺伝が関係する乳がんもあることはご存じでしょうか?最近、種々の遺伝子の異常によって乳がんが家族性に発症しやすいことがわかってきています。乳がん全体の約5~10%がこれらに関係があると言われています。BRCA1、BRCA2という遺伝子に異常がある人は、生涯、乳がんにかかる可能性が50~80%ほどあると言われ、一般の人の約10~20倍もの危険があります。また、卵巣がんにかかる可能性も高くなってきます。海外に比べ、乳がんの罹患(りかん)率が低い日本では、これらに対する認知度が低いのが現状です。しかし、私たちは、家族に乳がんの人がいたからといって、すぐに、遺伝子に異常があるかないかを調べることは一般的ではありません。では、どうしたらいいのでしょうか?まずは、心配な場合は、専門医に相談してみること、それと同時に、乳がんは身近な病気であることを少し気に留めていただき、面倒がらずに、検査を受けてみることです。検査には、マンモグラフィーが有効ですが、日本人は、高濃度乳房と言って、乳腺濃度が高いために実際のしこりを見つけにくいことが多く、そのような人は、超音波(エコー)検査などを併用するのもよいかと思われます。乳がんにかかる人の数は、増加しており、すべての女性は気をつけた方がよいのですが、特に、自分の母親や祖母、叔母など近親者に乳がんや卵巣がんになった人が多くいる場合は、若いうちから、十分注意していただきたいと思います。
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失神

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、今朝の朝礼で長い時間立っていたら倒れてしまいました。頭を打ってすぐに気がついたのですが…」と、心配そうに言うAさんの額には、失神時に床にぶつけて出来た内出血による大きなこぶがありました。失神は、救急外来を受診する患者さんの3.5%と言われ、再発率も20―30%と、けっして稀な疾患ではありません。失神の原因は多く、①心原性(不整脈、器質的心疾患)②神経調節性失神症候群(神経調節性失神、血管迷走神経反射、頸動脈洞過敏症候群、咳嗽[がいそう]、排尿、排便など)③起立性低血圧(自律神経障害、薬剤、アルコール、出血、下痢など)④脳血管性(盗血症候群、過呼吸)などがあります。これらの中で特に危険なのは①の心原性失神です。心室頻拍や心室細動などの頻脈性不整脈による失神は、突然死する危険性も高いため除細動器を体に植え込むことでその予防ができます。ブロックなどの除脈性不整脈による失神には、ペースメーカーを植え込む治療法もあります。失神をおこす器質的心疾患には、狭窄性弁膜症、心筋梗塞、心筋症、心房粘液腫、大動脈解離、大動脈炎、心タンポナーデ、肺塞栓症などの致死的な疾患もあり、精密検査が必要になります。一方、②③④は比較的軽症で、頻度の多い神経調節性失神症候群は、長時間の立位姿勢、痛み刺激、肉体的または精神的ストレスなどが誘因となりますが、予後の良い場合が多く過度に心配する必要はありません。失神の原因疾患が軽症だったとしてもAさんのように失神時に頭部を強打した場合は、CTやMRIなどで頭頚部の精密検査が必要になります。前駆症状から失神を予知できる場合には、その場でしゃがみこむことで転倒による外傷を最小限に防ぐことができます。失神の再発予防としては、日常生活の睡眠不足や運動不足の防止、過度の減量の防止、アルコールを控えることなどが大事です。また降圧薬を服用している場合には、薬の種類、量、内服時刻などの調節が必要になりますので担当医へ必ず相談してください。
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メタボリックシンドロームと目

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
食欲の秋、ついつい食べ過ぎてしまう季節になってしまいました。ところで、最近メタボリックシンドロームという言葉をよく聞くようになりました。太っている人を見ると「メタボだね」と略して言うこともありますが、では、メタボって何でしょうか?肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが肥満―特に内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満といいます)ーが原因であることが分かってきました。このように、内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』といい、何でも横文字にするのは日本人の悪い癖ですが、簡単に訳すと、メタボリック:新陳代謝、シンドローム:症候群(=病気の集まり)という意味です。これらの病体は目にもいろいろな病気を引き起こします。特に眼底に出血を来して、目がかすんで視力が低下してしまうことが多いのです。例えば、高血圧では眼底に出血や白斑(白斑=白いしみ)、視神経の浮腫(腫れ)を起こす高血圧網膜症を来たします。高脂血症は眼底の動脈硬化を来すため隣を走っている静脈を圧迫して血がしみ出してしまう病気:網膜静脈閉塞症(へいそくしょう)を起こすこともあります。この病気になると、ある日突然視力が低下して、目の前の半分くらいが暗くぼやけるようになってしまいます。一番怖いのは糖尿病でしょう。糖尿病でもやはり出血や白斑を来しますが、目の中間部に出血する硝子体出血を起こして突然見えなくなったり、網膜の上にクモの巣みたいな膜が張って来ると網膜はく離を起こしたりして放っておくと失明することもある状態にまでなることがあります。これらの病気は、眼科だけではなく、内科の先生と連携を取って治療していく必要があります。
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自覚症状が出てからでは遅い

Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利
眼科の目標は視覚障害を防ぐことですが、現在、すべてを治せるわけではありません。今回はその中の一つ、糖尿病網膜症についてです。糖尿病を発症すると血糖値が高くなり、血管の壁が障害されます。血液循環が悪くなり、網膜の細胞に必要な酸素や栄養が不足します。さらに、老廃物の回収が滞ります。初期の単純網膜症から中期の前増殖網膜症、末期の増殖網膜症へと進む過程で、自覚症状が出るのは末期になってからです。増殖網膜症では眼球の内部構造が変化しているため治療しても完全に元通りにはならず、何らかの後遺症が残ることがあります。そのため、自覚症状がでる前のできるだけ早くからの加療が必要です。自覚症状がある人、健診で高血糖を指摘されたのについつい内科に行きそびれている人、内科での治療を中断してしまった人、血液検査を何年もしていない人はできるだけ早く受診しましょう。「糖尿病が疑われる人」は国内で約1,000万人と推計されています。
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咳でおこまりではないですか?

Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長
咳は長引くとつらい症状です。友人とおしゃべりをしていてもしゃべろうとすると咳こんでしまうとか、授業中や演奏会の最中に咳が出て止まらず退席を余儀なくさせられるとか。経験のある方もいらっしゃると思います。咳をひき起こしている原因疾患を診断し、治療していくためには症状の持続期間が重要な手掛かりのひとつになります。咳がではじめてから3週間以内のものを「急性の咳」、3~8週間ものを「遷延性の咳」、8週間以上を「慢性の咳」と定義されています。「急性の咳」の多くは風邪などの急性の呼吸器感染症が原因です(ただしマイコプラズマ感染や百日咳感染ですと咳は長引きやすい傾向があります)。持続時間が長くなればなるほど、原因に急性感染症が占める割合は少なくなってきて、8週間以上続く「慢性の嗽」では急性感染症以外の原因があると考えられています。長引く咳の主な原因疾患はアトピー咳嗽・感染後咳嗽・咳喘息・気管支喘息・薬の副作用の咳・胃食道逆流症(逆流性食道炎)・喉頭アレルギー・間質性肺炎・心因性咳嗽・肺結核・副鼻腔炎・気管支拡張症・肺癌・肺気腫など多岐にわたります。たとえばエアコンの風や冷たい飲食物・会話などで誘発され喉がイガイガする咳はアトピー咳嗽であることが多く、風邪の後に咳だけが残ってしまう時は感染後咳嗽を疑います。また、ぜろぜろする感じを伴う場合は気管支喘息や副鼻腔気管支症候群・肺気腫などを第一に疑います。体力の消耗が著しい場合は結核や癌・間質性肺炎なども疑われます。一部の降圧薬・漢方薬・免疫抑制薬などの副作用でも咳が出ることがあります。呼吸器内科医は患者さんの自覚症状・聴診所見・レントゲン所見・全身状態など詳細に観察し咳の原因を突き止めそれぞれの病態にみあった治療をおこなっていきます。しつこい咳は専門家に相談しましょう。
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