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コラムを読む

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)に対する新しい治療法について

Text by 江口眼科病院 江口 秀一郎
加齢黄斑変性症は欧米諸国では高齢者の主な失明原因となっています。一方我が国においては、食生活や生活様式の変化と共に、この病気が増加しており、高齢化社会では主要失明原因になると危惧(ぐ)されています。この病気は、網膜の裏打ちをしている脈絡膜から新生血管が生じ、その弱い血管からの出血、浸出、それらが吸収された後の繊維性瘢痕(はんこん)により網脈絡膜が非可逆性に変性して視力が低下してしまいます。この新生血管の治療に各種の試みがなされてきましたが、有効性と安全性の観点から満足すべき水準とはなっておりませんでした。そこで新たに出現したのが光線力学的療法(PDT)です。この治療法は光感受性物質を注射してから特定の波長のレーザー光を照射し光化学反応を生じさせ、レーザー照射部位の血管を破壊する治療法です。PDTの適応と照射には厳密な条件が設定されていますが、加齢黄斑変性症に対する新しい治療法として期待されています。
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歯の浮く話

Text by かも歯科クリニック 加茂 勝巳
皆さんの中には疲れたりすると歯が浮いてくる方もいらっしゃると思います。これは歯の根の部分と骨の間に歯根膜という緩衝材の役割をする膜があります。歯が浮いたり噛むと痛いという症状は、歯根膜の毛細血管がうっ血して炎症を起こしている場合が多いようです。歯根膜は周りを骨で囲まれているので、腫れると歯を持ち上げるので歯が浮いてしまうのです。疲れた時には血行障害を起こしやすいので歯の浮く原因になります。また、硬い物を食べた時や歯を食いしばる様な運動をした時などにも浮くことがありますが、一過性のものであればあまり心配はいりません。しかし、虫歯や歯周病が原因で浮いている場合は、菌の活動が活発になって症状を悪化させる場合もありますので、長引いたり、頻繁におこるようであれば、かかりつけの歯科医に相談してみて下さい。
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過敏性肺臓炎という病気をご存知ですか?

Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長
一般的な肺炎は細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染することによって引き起こされる炎症ですが、過敏性肺臓炎はそれ自体病原性や毒性を持たないカビや、動物性蛋白質などの有機物・あるいは化学物質などを繰り返し吸い込んでいるうちに肺が過剰反応を示すようになり、アレルギー性の炎症が生じて引き起こされます。過敏性肺臓炎の症状は発熱や咳・呼吸困難感・だるさなどです。喘鳴(呼吸のたびにぜいぜいする)を伴う方も多く、レントゲン写真上は淡い炎症像を認めます。抗原の多くは患者さんの自宅や職場に潜んでいるため、その環境から離れると症状が軽快・消失し、再びその環境に戻ると悪化します。このような状態が続くと肺に繊維化と呼ばれる不可逆的な変化が生じ、慢性的な咳や呼吸困難感で悩まされることになります。日本でよくみられる過敏性肺臓炎には以下のものがあります。①夏型過敏性肺炎:高温多湿になる夏季に発症しやすく、冬季にはみられません。湿気の多い古い家屋を好むトリコスポロンというカビが抗原です。②農夫肺:北海道や岩手県などの酪農家にみられ、干し草のなかの好熱性放線菌というカビが抗原です。③換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺):清掃を怠ったエアコン(空調)や加湿器に生じたカビ類を吸い込むことによって発症します。④鳥飼病:鳩やインコなどの鳥類を飼育している人、あるいはその周囲で暮らしている人に発症します。抗原は鳥類の排泄物にふくまれる蛋白質といわれています。⑤職業性の過敏性肺炎:キノコ栽培業者がキノコの胞子を吸入して生じる過敏性肺炎やポリウレタンの原料であるイソシアネートを吸入して生じる過敏性肺炎などが知られています。北海道では農夫肺・キノコ栽培者の肺炎が多いです。治療法は抗原からの回避とステロイドホルモン剤です。頻度の高い疾患ではありませんが熱や咳などの症状が繰り返される方は過敏性肺臓炎を起こしていることがあります。
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私、大動脈瘤(りゅう)が心配で…

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、何となく胸と背中が痛いような気がするので、私も大動脈の検査を受けなくてもいいでしょうか?」とAさんは心配そうに聞いてきました。どうやら最近のニュースで有名人が解離性大動脈瘤のため緊急入院し、とても危険な病気であると報道されたので、自分は大丈夫かと不安になったとのことでした。解離性大動脈瘤とは正しくは大動脈解離といい、大動脈の血管壁が二層に裂ける(=解離する)ことで起こります。喫煙歴のある高齢者、低蛋(たん)白血症の状態、寒い冬場や朝の血圧が高い時間帯などに起こりやすく、急性期には激烈な痛みが胸、背中、腹などに出現し、その痛みは解離の進行とともに移動する事がしばしばあります。その他に胸部や腹部の大動脈壁がふくらんでこぶのようになる胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤という病気もあります。高齢者や高血圧の方、また腹部大動脈瘤では喫煙歴のある方に起こりやすく、無症状のまま慢性に経過した場合は発見が遅れる事もあります。これらの病気の診断にはCTやMRIや超音波検査などが行われます。治療法は解離や瘤のある場所、その大きさ、進行の速度、痛みの有無などによって、手術(人工血管置換術)か内科的治療(降圧、安静、鎮痛)かが選択されます。また近年はステントグラフトによる治療も選択肢の一つとなり、手術より身体に負担の少ない治療法として期待されています。大動脈の解離や瘤は、一部には遺伝により発症するものもありますが、多くは動脈硬化が原因であり、生活の欧米化や高齢化社会の到来により近年は増加の一途にあります。しかし突然の解離や瘤の破裂による致死率は高いものの、その発生件数は心筋梗塞などと比較すると多くはありません。Aさんのように必要以上に心配するのではなく、それよりもまずは毎日の動脈硬化予防、とりわけ高血圧やスモーカーである方は食事の塩分を減らすことと禁煙に努めていくことこそが大切です。
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おたふくかぜによる難聴にご用心

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
今年に入って函館市内近郊では、おたふくかぜの大流行が見られ、その数は、過去5年間の平均の5倍以上です。手元に資料が残っている過去20年の統計を見てみますと、今年は大流行した平成9年についで2番目の多さになっています。平成15年、16年にも小流行がありましたが、その後はほとんど流行もなく過ぎています。今年の流行では、小学校高学年のお子さんがおたふくかぜにかかる例が多くみられます。おたふくかぜというと、みなさんはどんな病気と思われるでしょう。耳の後ろの耳下腺やあごのところにある顎下(がくか)腺というところが腫れたり、大人になっておたふくにかかると重症になったり、睾丸(こうがん)炎になって不妊の原因になるというところでしょうか?おたふくかぜになって一番心配なのは、「おたふく難聴」という、片方の耳が全く聞こえなくなるという合併症です。頻度はおたふくになった人の1万人に1人という報告から、数百人に1人という報告までまちまちですが、おたふくの中で最も注意しなければならないものなのです。残念ながら、おたふく難聴の存在はあまり知られていません。難聴を早期に見つけたとしても、治療によって元の聴力に回復することはあまりありませんが、早期に発見して悪くなる可能性を少しでも減らす治療がなされます。耳鼻科の先生にお話を聞くと、函館地域でもおたふく難聴で苦しんでいるお子さんは確実にいますとのことです。おたふくかぜの予防にはなんといっても予防接種が有効です。ワクチンで防げる病気の多くは接種することでほとんどかからなくなるものですが、おたふくかぜワクチンだけは抗体の出来る人が約80%とあまり高くはありません。それでもワクチンをすることにより、難聴になる危険性をできるだけ少なくすることは現在でも可能と考えられています。任意接種でお金がかかりますが、ぜひ接種して欲しいワクチンだと考えています。新入園、新入学の時、まだおたふくに罹っていないお子さんは、これを機会に予防接種をして難聴の危険性を少しでも下げるようにしてください。
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