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矯正歯科治療技術の進歩と変化Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
皆さんが矯正歯科という言葉を聞くと、まず思い浮かぶのがブラケットと針金でしょう。矯正歯科治療は紀元前3世紀、ヒポクラテスの時代から行われていた治療で、ローマ人医Celsusは悪い歯並びを指で押して治療することを記録しています。近代の歯科矯正学は1900年ころ、米国でDr.アングルから始まり、日本に導入されたのは、1960年ころで、まだ50年経過しておりません。しかし、この間の進歩は著しく、それらの変化の多くは針金の材料と、ブラケットの改良によることに大きく関与しております。これらの進歩は、ほとんど米国でおこり、日本国内ではこれらの技術を導入しているのが現状です。矯正歯科治療を受けている患者数が、日本では、私が10年ほどまえに北海道の学童を対象に調査しましたところ、一割ほどでしたし、現在でも東京、大阪では3割ほど。地方に行くにしたがって受けていない割合が高くなるようで、平均で2割までいっていないと言う調査が学会報告でみられます。人口が日本の2.5倍で、かつ五割ほどが矯正治療をうけている米国では、日本と比べ矯正患者さんの数が七倍ですので、このような進歩の早さは、矯正歯科治療を受ける患者さんの数が、米国が非常に多いため起こっていると考えられます。最近では、20年前にすたれた技術を再考し、新たにブラケットが開発され、痛くなく、取り外しが容易で1回の調節時間が短いため患者さんが歯科用椅子に座っている時間が短く、かつ治療期間が短くなる治療法が脚光をあびはじめ、その良さを患者さんも感じられはじめております。稀ですが、歯の裏側に装着する、マルチリンガル装置は日本発の装置で、米国で進化して逆輸入されております。しかし、米国内では、あまり使用されず手先の器用な、日本人が好んで用いられているようです。また、透明なブラケットもよく用いられておりますが、割れやすいなどの欠点ももっています。歯に目立たない突起物をつけ、歯を覆うような透明なマウスピースのような装置により治療する方法もありますが、やはり時間がかかるといった欠点もあります。また、どうしても短期間で治療したい場合には、歯を動かしやすくする手術を行い、同時に矯正治療を行うといった促進矯正という方法もあります。さらに、インプラント矯正といわれる、歯をより効果的に動かす治療法もあります。このように、同じ矯正治療にも、いろいろな方法があり利点欠点をよく聞き、自分にあった治療法を選ぶことも大切です。
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不整脈が原因の脳卒中Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
脈が乱れる不整脈の中でも、発作性心房細動という不整脈では、心臓から血の塊(血栓)が飛んで脳動脈に詰まり、脳卒中を引き起こします。長嶋監督が、これで脳梗塞になり、リハビリをしていますが、比較的多い病気です。正常な心臓は、時計のように規則正しく、トクトク打ちます。安静にしている時、一分間に五十から百回、規則正しく打つのが整脈の状態です。これ以外でリズムが狂うのは不整脈で、そのうち最も多いのが、心房細動です。心房は細かくふるえて動いて、脈をとると、モールス信号のように不規則に脈が触れます。こうなると、心房の中で血液が固まりやすい状態になります。固まった血が心房の壁から全身に向かって心臓を飛び出すと、五十%は脳動脈に詰まって脳梗塞を発症します。発作性心房細動は、時々心房細動になり、短期間で正常の脈に戻る不整脈です。慢性的な心房細動と同じように、心房の中に血栓を作りますが、それには二日かかります。早くに普通の脈に戻れば大丈夫ですが、二日以上心房細動が続くと、正常の脈に戻るとき、心房の壁にハタキをかけたように、血栓が飛ぶことになります。心房細動の人は、千人中に六から九人いると言われています。ところが、六十歳以上の人では急に増えて、二十人に一人が心房細動になります。心房細動の原因には、弁膜症、高血圧・糖尿病から来る心肥大、心筋梗塞などの心臓病がありますが、特に原因無く細動になることが多いようです。疲れて帰った夜、風呂に入って「フーッ」とため息をついたら、急にドキドキしてきた――今のところ、不整脈の薬を飲むのがいいのか、脳梗塞にならないように血をサラサラにするだけの治療がいいのか、結論は出ていません。不整脈の薬よりは、脳梗塞の予防をしたほうが良い、と言う報告も出ています。脈が速い心房細動では、心臓の働きが悪くなり心不全になる人もいるので、不自由なく安全に暮らせるようになるような治療は、一人一人を良く診て、決めることのようです。
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美容外科の肌の若返り治療の変遷Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二
肌のハリを取り戻す若返り治療はシワ取りの手術(フェイスリフト)、コラーゲンやヒアルロン酸の注射、ボトックス注射、IPL(光治療)RF(高周波)のフォトフェイシャルなど治療方法は年々変化しています。施術後の経過で化粧が出来て日常生活に支障がない方法が主流になってきましたが、持続期間が約6ヶ月であったり、たびたび治療を受ける必要があるため、効果が確かでかつ、効果持続期間が長いシワ取り(フェイスリフト)の手術は今でも行われています。最近では自分の血液の白血球と血小板を利用した最新皮膚再生治療(セルリバイブ・ジータ)が注目されています。血液中の各種の細胞成長因子を含んでいる血小板を濃縮して気になる部位に注入する方法で、今までにない自然なふくやかさを再現でき、顔の若返りには最適です。効果持続期間も2~3年と長いことが大きな特徴です。まず、ご本人の血液を特殊な採血管(米国FDAの承認済み)に採取して遠心分離することで、白血球を含んだ濃縮した血小板を採取することが出来ます。従来の皮膚再生治療(PRP)に使用された血小板の濃度よりも3~5倍濃度が高く、白血球を混合することで細胞遊走性(細胞を集める性質)を高めるため、従来の皮膚再生治療(PRP)では効果の発現が遅く、成績がまちまちであった問題が改善され、効果出現が速く安定した成績が期待できます。注入時の痛みはヒアルロン酸、コラーゲン注入より少なく注入は短時間で済みます。採血から注入までの時間は40分程度です。細胞成長因子を追加したセルリバイブジータでは洗顔、化粧はでき、軽度の赤味や腫れが7~10日認められますが、その後今までにない自然な外観が再現されます。これからの肌の若返りの治療は効果持続期間が長く満足度の高い最新皮膚再生治療を行いつつ、日常生活に溶け込むような違和感のない、高出力医療機器でシミ・シワ・肌のきめなど多様な治療予防効果のあるIPL(光治療)RF(高周波)のフォトフェイシャルを選択することになります。また、細かなニーズにあったマイルドな肌老化予防を気をつけた各種ビタミンの補給と従来から行われている注入方法を選択していく予防治療になって行きます。
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遠近両用コンタクトレンズと老眼Text by 清水信晶院長
眼科の診療は、ほとんどが顕微鏡を覗きながらの診察になりますが、涙目の検査をする時など、肉眼で患者さんにすごく近づいて行うことがあります。50歳を超えると、そのように近づいて検査する時、患者さんの目を見るのが辛くなってきてしまいました。老眼のはじまりです。近視用のコンタクトをしている方で老眼になってくると面倒くさくなってきてやめてしまう方も多く見受けられます。しかし、最近では「遠近両用コンタクトレンズ(以下CL)」という物があり、遠くから近くまではっきり見ることが出来るようになってきました。はたして遠近両用CLの仕組みはどうなっているのでしょうか?遠近両用CLはあの小さいコンタクレンズの中に、遠くが見える度数と近くが見える度数が同心円状に並んでいます。そして、遠くにピントのあう光と近くにピントのあう光の二つの光が常時目に入ってくるのですが、遠くを見ようと思った時・近くを見ようと思った時、それぞれに目的の光情報を頭の中でピックアップして、いらない光情報を半分カットしています。それ故逆にピントの合っていない光情報も、常に目の中に入っているためちょっとにじんだ様に感じられてしまいます。ですからレンズの大きな普通の眼鏡に比べて全てがすっきりというわけにも行かないのが実情です。それでも数日するとその見え方にも慣れてきて違和感が次第に消えていきます。自分も初めて遠近両用CLに替えてみたときには、近くの文字がぐっと見やすくなり、診察の時も患者さんの目がよく見えるようになりました。最近は「ゴルフをするのにスコアカードが見えない」、「老眼鏡をかけるのはファッション的にかっこわるい」ので遠近両用CLを希望しますというような、50歳になってCLを初めて使う方も増えてきます。
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内視鏡とAIText by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
最近AI(エーアイ)という単語を耳にする機会が増えています。AIとは「人工知能」の略称でコンピューターが人間に代わって思考や判断をするもので、多様な分野でその応用が始まっています。将棋の名人とAIの対局なども話題になりましたが、医療分野も例外ではありません。AIはすでにレントゲンやCTなどの画像を的確に診断できるようになっており、レントゲンではすでに製品化され導入している医療機関もあります。そして今、胃や大腸の内視鏡検査の世界にもAI導入の波が来ています。内視鏡検査では進行がんのような大きな病変はあまり診断に苦労しませんが、早期がんの場合はサイズが小さい上に一つ一つ顔つきも違い、さらに周囲の正常部分との境界が分かりずらいことも珍しくないため、専門医でも発見や診断が困難な場合があります。それは例えるなら複雑な模様が描かれた絵の中から特別な形を見つけ出す作業であり、長年の経験が必要となります。人間では膨大な時間を要する多数の症例の画像をAIは効率よく短時間で学習し、診断能力を身につけます。そして検査の時にはモニター画面の画像をAIが分析し医師の診断を補完します。具体的には1.異常病変の発見、2.発見した病変が良性か悪性かの判定、3.病変の範囲の判定、をリアルタイムに支援することでより早く正確な診断が可能となるため、結果的には患者さんの負担軽減につながっていきます。学術の世界でも内視鏡検査におけるAIの有用性を報告する論文がすでに多数出ており、その評価は高まってきています。大腸の内視鏡ではすでに製品化が始まっており、胃の製品などは間もなく実現する見通しです。今後内視鏡のAIが普及していけば、よりすばやく的確にがんを発見・診断できるようになるものと期待されます。
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