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唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)と歯科のかかわりText by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
唇顎口蓋裂は、胎生期に癒合するはずであった上あごの真ん中部分が離れたままで生まれてくる疾患で、最近では手術や矯正歯科治療の進歩により、治ってしまえば誰も気づかないこともあります。
私が札幌医科大学の口腔外科に勤務していたころは、この疾患を持つ子どもたちが北海道各地から集まっておりました。 しかし、現在ではほとんどが北海道各地方都市の総合病院にいる形成外科医から治療を受けられます。 その中でも、この疾患についてトレーニングを積んだ医師のみにより手術されております。 最近では、出生直後のホッツ床(口蓋裂があるため哺乳が困難な場合に口と鼻を遮断し哺乳を助ける柔らかい樹脂で作った入れ歯のような上顎にはめるプレート)の使用から始まり、歯列矯正治療を終えるケースで考えると、歯科医とは17年間ほどの長い期間付き合うことになるため「こころ」の管理をふくめて、長期の取り組みが必要となります。 この疾患の発生原因は不明で、おおよそ5、6千人に1人の割合で生まれます。 函館の人口は約28万人ですので統計上500名程の患者がいると考えられるということになります。一昨年、日本口蓋裂学会に当院の統計について報告させていただきましたが、それによると23年間に受診した唇顎口蓋患者さんは、225名でした。 人生80年とすると、23年間の受診者数から算出すると統計上考えられる500名を上回るので函館地区のほとんどの方が当院を受診していることになります。 この疾患へは、言語治療士やその他の医療従事者によるチームアプローチによる取り組み治療がされております。 この疾患の影響により、上あごの発達が悪くなりやすく、反対咬合や乱杭(ラングイ)歯が生じ、矯正歯科を含めた歯科治療が必須のものとなります。 矯正歯科の保険導入については、コロンビアトップ議員の国会質問がきっかけとなり、1982年にようやく保険導入が開始され、まだ30年しかたっておりません。函館でも良い医療を提供するため、歯科医は頑張っております。 |
白内障(はくないしょう)の手術をしたはずなのにText by 清水眼科クリニック 清水 信晶
白内障の手術をすると、今まで霞(かすみ)のかかっていたような目が、見違えるようにはっきり見えるようになります。それなのに、手術してから数年たつと、また少しずつ白っぽく霞がかかって、手術をする前に戻ってしまったようになる場合があります。これを後発白内障(こうはつはくないしょう)と言います。白内障を手術する場合、もともとの水晶体の裏側の皮膜=後嚢(こうのう)を残して、他の部分を器械で吸い取って、その上に人工レンズが乗っかっている形になっています。その後嚢がまた白く濁ってくるため霞んでくるのです。この場合手術のし直しという事ではなく、外来で後発白内障用のレーザー光線を当てると、濁った部分が吹き飛んで、また視力が戻りはっきり見えるようになります。ただ、手術後の目の霞が、すべて後発白内障によるものだとは限りません。ほかの病気が起きた可能性もありますので、目に異常を感じたら、すぐに眼科を受診するようにしてください。
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痛みやシビレとの付き合い方についてText by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
この原稿を書いているとき、丁度、東京パラリンピックが閉会しました。日本での開催なので、時差がないため、色々な種目をテレビ観戦できて、大変感動しました。“失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ。”これは、パラリンピックの創始者とされるグットマン博士の言葉ですが、今まで、この言葉は知りませんでしたが、神経の病気で機能を失った患者さん達を診てきた私も、同様の言葉を患者さん達に掛けてきました。さて、手足が麻痺して動かせないことだけでなく、痛みやシビレがあることも、機能の喪失と考えられます。つまり、患者さん達は「痛みやシビレのために、○○が出来ない」と訴えます。治療に関わる人間は、様々な方法で、その痛みやシビレを取ろうとしますが、残念ながら、完全に痛みやシビレを取り除けることは多くありません。先日、ある鎮痛薬のパンフレットの言葉に目が留まりました。「痛みがなくなることを治療の目標にせず、痛みはあるけれど、○○ができることを目標にしましょう」というものでした。患者さん達の痛みを無くして欲しいという気持ちはよく分かります。でも、完全に症状が無くなることを目標にすると、得てして不満だけが残り、病気が悪化しているような気になってきます。私は最近、患者さん達に、「痛みやシビレがある」今の状況から、「痛みやシビレはあるけど、○○が出来るようになる」ことを目標にするようにお勧めしています。これはまさしくグットマン博士の言葉と相通ずるものがあるでしょう。病気で出来なくなった状態を嘆き悲しんでばかりいるのではなく、病気の症状を抱えたままでも、出来ることを増やす努力をしていくことが、充実した生活を送るのに役立つと考えるのですが、どうでしょうか。
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屈折矯正手術、最近の話題Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典
皆さんの中には今より少しでも見えるようになりたいと考えている方が多いと思います。特に、現在メガネやコンタクトレンズを使用している方は、なおさらでしょう。それを可能にしたのがレーザー屈折矯正手術、いわゆるレーシック(LASIK)です。レーシックについては以前にこのコーナーでも取り上げられたと思いますが、エキシマレーザーを用いて近視をはじめ遠視や乱視を矯正する手術の事です。実際、この手術を受けたほとんどの方が1.0前後の裸眼視力を得ており臨床的に満足できる方法といえます。ただ、まったく問題がないわけではありません。これは何故でしょうか?実は、視力とは涙液層(涙の膜)・角膜・水晶体・網膜といった眼球全体が関与しているため、一般に言われている近視・遠視や乱視だけではなく、一人一人違った眼球全体からみた歪み(収差)・光の量を調節する瞳の大きさ(回折力)・物を見るための細胞の数(視細胞密度)のバランスが保たれている必要があります。これに対し、レーシックに限らずメガネやコンタクトレンズを含めた今までの屈折矯正は角膜表面のみで考えられており、また収差による影響によって、にじむ感じや夜間視機能の問題が起きるといわれています。したがって、この収差をも消すことができれば、より安定した視力が得られる訳です。その方法がウェーブフロントです。この方法は、従来のレーシックに加えて波面センサーという個々の症例の収差を解析できる装置を用いて、より精密に個々にあった照射(カスタム照射)を行うものです。そうすることによって従来の術式では不可能であった(1)不正乱視の治療
(2)にじむ感じや夜間の視力低下などの改善 (3)理論的には無収差に矯正できるため裸眼視力2.0以上のいわゆるスーパービジョンも可能になると考えられています。メガネやコンタクトレンズで不満のある方は、一度眼科医にご相談してみてはいかがでしょうか? |
男性の性(11)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
歌の世界ではオトコを待つオンナ、実体験ではオトコを待たせるオンナ、どちらも同じオンナですが、よく考えてみると待ったり待たせたりの時間が両者では大きく異なることに気がつきます。
歌の世界でのオンナの待ち時間は数週間から十数年に及ぶのに対し、デートの待ち合わせなどのオトコの待ち時間は十数分から数時間程度だということです。 つまり、長期的にはオンナが待ち、短期的にはオトコが待つ、というパターンが多いのではないかと思います。 そして、このパターンは驚くことに精子卵子時代から続いていることなのでした。性交時、膣内に射出された1〜4億匹の精子は、時速30〜40cmの速さで子宮口から卵管に向かって泳ぎ続けます。 子宮口から卵管までは23cmくらいなので、最短距離を泳いで行けば1時間弱で卵子との待ち合わせ場所である卵管に到達する計算になります。 実際にはどれくらいの時間がかかるかは分かりませんが、射精された億単位の精子のうち泳いで卵管までたどり着く精子は数百匹だけなので、あまりまわり道をしないで来た精子の方が最後の数百匹に生き残っていると考えた方が自然だと思います。 卵管に到達した精子は48〜72時間ここで生きることが出来ます。一方、卵巣から月に一度排出される卵子は通常1個で、先端がラッパのように広がった卵管に取り込まれ、卵管自体の運動と繊毛運動とによって精子との出会いの場所まで運ばれます。精子が精巣で生まれてから精巣上体〜精管〜精嚢〜尿道と長い長い旅をしてようやく膣内に射出され、さらにそこから今度は各々自力で泳いでくるのと比べると、卵子は卵巣から卵管まで、わずか7cmくらいの距離をたった一人の姫様がカボチャの馬車か牛車に乗ってやって来る様な感じです。(つづく) |








