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コラムを読む

片頭痛の新しい治療薬

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
今でも社会には「頭痛ごときで仕事や学校を休むなんて」という空気があると思います。そのために我慢を強いられている方も少なくないでしょう。片頭痛は慢性頭痛の代表で、日常生活に支障をきたす厄介な病気です。しかし、トリプタン製剤の発売後、片頭痛の治療は随分改善されました。予防薬が3種類ほどあり、選択肢の幅も増えています(新薬ではありませんが、健康保険上の適用が拡大されています)。ただし、トリプタン製剤は、それまでの頭痛薬に比べ、有効性の高い薬ですが、服用のタイミングを選ぶ(頭痛の早い段階で飲むのが良いとされている)こと、全ての患者さんに有効ではない上に、使いすぎると薬物乱用による難治性の頭痛を起こすことがあります。予防薬も、万能ではない上に、痛みのない日も毎日服用しなければなりません。最近、新薬がいくつか発表されました。発作予防のための注射薬は、国内で3製品が出ています。月1回の注射で済みます。さらに、頭痛発作時の内服薬も新たに出ました。これは従来のトリプタン製剤と異なり、服薬のタイミングを選ばないのが特徴で、痛み始めでも、痛みが強くなってからでも効果があるといいます。片頭痛のメカニズムはだいぶん解明されてきましたが、根本原因はいまだ不明です。今の治療は、対症療法的で、完全には発作を予防できませんし、全ての患者さんの痛みをゼロにするには至っていませんが、治療の選択肢が増えたことは、患者さんやわれわれ医師にとって、大変うれしいニュースです。これまで、頭痛を我慢していた方、従来の薬で満足できずに治療を諦めてしまっていた方は、改めて医療機関で相談することをお勧めします。
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真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)ってご存知ですか?

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
中耳炎と言えば痛い急性中耳炎や耳漏(じろう)が続く慢性中耳炎をイメージされる方が多いと思いますが、今回は中耳炎の中でも注意を要する真珠腫性中耳炎をご紹介したいと思います。真珠腫とは真珠様の光沢がある耳アカのようなものが耳にできる病気です。
周りを破壊しながら大きくなるという性質があり決して良性とはいえない病気です。
進行すると顔面麻痺、めまい、脳膿瘍(のうのうよう)など重大な合併症を引き起こします。初期の症状は難聴、耳漏ですが一般的な治療で耳漏がなかなか治まらない場合には真珠腫の存在を疑う必要があります。
観察顕微鏡を用いた診察で簡単に見つけることができます。
真珠腫を除去する処置で経過を診ることも可能ですが除去できないときは手術が必要になります。耳漏がなかなか治まらない方は一度、お近くの耳鼻咽喉科医院で相談されてはいかがですか。
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止まるいびき ZZz~

睡眠時無呼吸の人の多くは、昼間に強い眠気を自覚したり、一緒に寝ている人に大きないびきや呼吸停止を指摘されたりして受診します。はじめは、交通機関や一般の運転手の居眠り事故を防ぐのが主眼でした。中年人口の数パーセントに見られる病気だと思われていましたが、職域団体の男性従業員を対象に行った調査では、30%以上に睡眠時無呼吸が見られました。近年、こうした睡眠時無呼吸は高血圧、不整脈、心不全、無症状の脳卒中、肥満、糖尿病などの生活習慣病や心血管系の病気と密接な関係があることが分かりました。また、反対に、薬を飲んでもなかなか血圧が下がらない治療抵抗性の高血圧や夜間に脈が遅くなってペースメーカーを植え込み手術されるような人に、睡眠時無呼吸が合併していて、無呼吸の治療をすると血圧が下がったり、不整脈が改善したりすることも認められます。血圧が上がる原因としては、呼吸が止まると酸素が足りないので、息苦しくなります。水の中で溺れている時のように何とか息を吸おうと緊張します。夜間の血圧は日中に比べると低くなるのが一般的ですが、夜の血圧がこうした緊張感と浅くなった睡眠で高くなります。この結果、日中の血圧も高くなるように悪影響します。呼吸を再度始める時には、過度に胸の中の圧が変化するので、血管を傷めるような化学物質が放出されたり、酸化ストレス物質が増えたりして動脈硬化を進めます。これも血圧を高くします。不整脈や心不全も同じように無呼吸のために悪化するメカニズムが分ってきました。また、心不全を治療するとよくなる無呼吸もあります。循環器の病気と睡眠時の呼吸障害は密接に関係していました。気楽な独り寝も結構ですが、たまには、一緒に寝るのもよいことです。循環器を受診している人の中には、予想以上に睡眠時無呼吸が隠れていることが明らかになりました。無呼吸と不整脈や突然死の関連はまだよく分からないことが多く、今後、次第に明らかにされてくると期待されます。
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ステロイドについて

Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
皮膚科の治療で切っても切り離せないもの、それは塗り薬です。そのなかでも重要なものはステロイド外用薬です。しかしこのステロイド外用薬は悪の代名詞のように言われ、その治療を拒否する方も少なくありません。今回はステロイド外用薬について少しお話致します。ステロイドは副腎皮質ホルモンとも呼ばれ、副腎という臓器で作られます。血液によって常に体内を循環し、さまざまな臓器や細胞に働きかけ、身体にストレスが加わった時に体調を整える重要なホルモンです。炎症や免疫を抑える強い働きがあります。このステロイドを人工的に化学合成したのが、ステロイド薬です。1949年の初めにアメリカの医師がリウマチの患者さんにステロイド薬のひとつであるコルチコステロイドを注射し、歩けなかった患者さんが歩けるようになったという劇的な効果が現れました。その後、喘息をはじめとするアレルギー性疾患、リウマチなどの自己免疫疾患などの多くの病気に使われるようになりました。1952年にはステロイドが皮膚疾患にも効果のあることが明らかになり、アメリカで外用薬が開発されました。ステロイド外用薬に対する患者さんの最大の不安はその副作用でしょう。飲み薬や注射のステロイドを全身に長期にわたりかつ大量に使用すると、副腎機能が低下する、糖尿病を悪化させる、骨がもろくなる、風邪などの感染症にかかりやすくなるといった全身的な副作用が起こることがあります。その反面、ステロイド外用薬は血液を通さず直接患部に使用するため医師の適切な指示に従って使用すれば、全身的な副作用の心配はほとんどありません。しかし、実際には、ステロイドの内服や注射による全身的な副作用と外用薬による局所的副作用が混同されているようです。ステロイド外用薬を使用するにあたっては、その副作用を正確に把握する必要があります。どんな薬でもそうですが、用法・用量を守ることも大切です。さらに、ステロイド外用薬を使用するにあたっては、その使用中止方法も重要です。短期間で治るものは、さほど問題ではありませんが、慢性に経過する病気の場合、症状が改善したからといって、いきなり、ステロイド外用薬を中止すると、すぐに悪くなることがあります。塗る回数を少しずつ減らし、ステロイド外用薬の強さを弱めていくというように、徐々に薬を止めるようにする必要があります。
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在宅での褥瘡(じょくそう)治療

褥瘡というのは「床ずれ」のことです。寝たきりや、それに近い状態の患者さんの体が、ベッドや車いすなどによって圧迫されて起こります。近年、在宅医療の広がりとともに在宅で褥瘡を治療するケースも多くなっています。在宅での褥瘡の治療は、困難ではありますが、可能です。しかし、いくつかの条件はあります。まず、全身の状態がよいことです。寝たきりであっても、栄養状態がよく、褥瘡を治す体力があることです。ある程度動けるような方の場合は、治る確率は格段に上昇します。また、家族の方々の協力も不可欠です。毎日の治療はたいへんで、家族の方の負担は大きなものになります。しかし、家族の方の協力が強い場合には、褥瘡は良くなることが多いと感じています。そして、どのような褥瘡であれば在宅でも治療は可能なのでしょうか。大事なのは、炎症がないことです。炎症があると、熱が出たりして全身の状態が悪くなります。こうなると点滴などの治療が必要になってしまいます。また、褥瘡の深さも重要です。浅い褥瘡であれば、適切に治療することによって比較的短時間で上皮化して(皮膚ができて)治っていきます。深い褥瘡の場合は壊死組織が付着している事も多く、このような壊死組織は外科的に除去しないと細菌の巣になってしまうこともあります。でも、壊死組織が適切に除去出来れば在宅でも治療は可能です。問題は初期の褥瘡です。浅い褥瘡も、深い褥瘡も初めは赤くなっているだけのことがあります。浅い褥瘡はそのまま赤みが取れてきます。でも、深い褥瘡は時間が経つにしたがって紫色になり、二週間くらい経つと黒くなってきます。黒い部分は皮膚が壊死してしまっているのです。初期の褥瘡を深い褥瘡か浅い褥瘡か見極めることが大事です。
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