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三種混合ワクチン同士の接種間隔に注意Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
厚生労働省は昨年「三種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風)ワクチン同士の接種間隔が八週を超えるものは定期接種として法の認めた接種ではないので任意接種扱いにしなさい、今年の四月からは厳密に運用する」と、小児科医とこどもたちには悩ましい通達を出しました。三種混合ワクチンによって免疫が与えられる百日せきという病気は、このワクチンがしっかり打たれることで、ほとんどみられない病気となりました。しかし、過去には三種混合ワクチンが副作用のために一時的に中止に至ったために、百日せきがこどもの命をたくさん奪うということがありました。それは昭和49年のことです。昔の三種混合ワクチンは副作用が強く、それが社会問題化してしまいました。5年後には百日せきが全国でみられることになり、1年間で1万5千人のこどもが百日せきに罹患(りかん)し、41名の尊い命がワクチンができないがために奪われてしまいました。ワクチンは国が法律で定め、地方自治体が実施主体となり行われます。この通達に関して、全国でも対応が分かれており、国の通達に従って三種混合同士の接種間隔が八週を超えるものを一律に任意接種扱いとし、任意接種に対しては自費を徴収するところ、任意接種とはなるものの、自治体が接種料金を負担し、公費接種と同じ状態を保とうとするところがあります。皆さんが住んでいる市や町はどうですか?この問題を回避する一番の方法は、三種混合ワクチンの接種を3ヵ月になったらすぐに始め、一期初回の3回が終わるまで他のワクチンをしないで三種混合をやり終えることです。ポリオワクチンは3月から6月にかけて行われることが多いですが、日本では昭和55年を最後にポリオの発生はありませんので、このワクチンを急いでする必要があるのはインド周辺にこどもを連れて行かなければならない方に限られます。BCGは接種が6ヵ月までとなっていますので、いつも診ている先生と相談して行うようにしてください。
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コレステロールについてText by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
食生活が豊かになり、コレステロール値の高いことを心配する人が増えています。
高コレステロール血症が心筋梗塞や脳卒中の危険因子であることは、すでに確立された事実です。 肥満や運動不足から血中コレステロール値が高くなると、動脈硬化が引き起こされ、心臓(冠動脈)や脳(脳動脈)の血管が詰まることになります。 日本人の死亡原因の2、3位は、これらの疾患ですから、何か特別に不摂生な生活をしている人にだけ起こる、自分とは無縁な病気と考えるわけにはゆきません。 コレステロール値や中性脂肪の増加が比較的若い人たちにも見られるようになり、動脈があちらこちらで細くなってる人が増加しているのですから。コレステロールの正常値は220mg/dl以下とされていますが、低ければ低いほど冠動脈疾患の危険度は低くなるとわかってきました。 血液に含まれるコレステロールの20%は食べ物由来で、80%は肝臓で合成されたものです。 コレステロールが高い場合には、まず、食事療法(卵、バターを減らし、野菜を多く食べる)と運動療法(朝夕に20分程度速く歩く)を行いますが、動脈硬化の危険因子の多い人は、コレステロールがあまり高くないうちに薬で治療を開始することが必要です。 家族性高コレステロール血症の場合には、遺伝子の持ち方で、300mg/dl以上の高コレステロール血症になる場合もあり、食べ物のせいばかりでコレステロールが高くなるとは限りません。最近、コレステロールや中性脂肪を下げる薬には、これらを下げる作用だけではなく、血管壁に直接働く抗酸化作用や抗炎症作用があって、動脈硬化の進行を止める働きもあることがわかってきました。 薬を飲むことに抵抗を感じるのは自然ですが、250mg/dl以上で、食事に気をつけても低くならず、ストレスに感じる時には、薬物療法も利点が多いので勧めています。 血管に張り付いた脂肪がやわらかいうちなら、はがれてきれいになることもあるので、健康診断などで異常を指摘されたら、放っておかないようにしてください。 |
赤ちゃんの哺乳についてText by 北斗歯科クリニック土永 浩史
10カ月にも及ぶ長い妊娠期が終わって出産を無事に終えた後は、生まれてきた赤ちゃんが健康であることがお母さんの何よりの願いです。オギャーと泣いて元気な子であることが分かるとお母さんの気持ちはホッとします。そして、元気にお母さんの乳首を吸っている我が子の姿を見ると、大変だった妊娠期間を忘れさせてくれることと思います。生まれたての赤ちゃんは健康であれば、お母さんのおっぱいを吸うことができます。しかしこの当たり前に思える動作ですが、いつどこで覚えたのでしょうか?おっぱいを吸う動作は思った以上に複雑なものです。赤ちゃんは頬や口唇のあたりを刺激すると、刺激を受けた方向に口唇を向けて乳首を探し、口唇と舌を使ってお口の中に乳首を引っ張ってきます。これらの動作は反射的に行っており、探索反射および口唇反射といわれております。赤ちゃんの頬をお母さんの指で触ると、指をパクッとくわえることがあるかと思います。この頃の赤ちゃんの上顎の口蓋は真ん中がくぼんでいて、乳首をとらえて吸うために適した形となっております。舌を前後に動かし、乳首をしごいて乳汁を吸います。これを吸啜(きゅうてつ)といいます。その後、乳汁を喉の奥(咽頭部)まで送って飲み込みます。これを嚥下(えんげ)といいます。これらもまた反射により行われます。これらの動作は、実はお母さんのお腹の中にいるときからみられるものです。胎生8週頃には口の周りを触れる刺激を与えると、頭や体を刺激した方へ向ける動作を始め、胎生12週頃には嚥下運動、胎生24週頃には吸啜運動を行い始め、この後には自分の指を吸ったり、羊水を吸引していると考えられています。赤ちゃんはお母さんのお腹にいるときから、おっぱいを吸う準備をして、頑張っています。そう考えるとおっぱいを吸う赤ちゃんの姿は違う形で見えてくるかもしれません。
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不整脈に気をつけてText by はら内科クリニック 原 信彦
急にドキドキしたり、何となく胸がおかしくなったりしたことはありませんか?こんな時、脈のリズムをチェックしてみてください。規則正しく早いだけとか、何拍かに一度脈が飛ぶものであれば、あまり心配ないのですが、脈がまったくバラバラなものにはご注意ください。心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈かもしれません。この心房細動は、心臓が一定のリズムを打たずに震えるような状態になるもので、心臓の中で血の塊(血栓)ができやすくなり、その結果、脳梗塞を引き起こすことで有名です。あの巨人軍の長嶋茂雄さんが脳梗塞になったのもこの心房細動が原因でした。心房細動は、発作的に繰り返す方と慢性的に続く方がいるのですが、どちらも同じ確率で脳梗塞を発症します。具体的には、CHADS2スコアといって、C:心不全、H:高血圧、A:75歳以上の高齢、D:糖尿病、を各々1点、S:脳卒中を2点、として合計点を算出します。2点で5年後の脳梗塞の発症率は約13%、3点では約25%にもなります。治療について、以前は不整脈を抑え込もうとする治療が主体でした。しかし、脳梗塞になる方は減りませんし、むしろ不整脈のお薬の副作用が起きたりしたため、現在では、2点以上の方は、まず脳梗塞~血栓を予防する治療を行い、脈が早くなりすぎないように抑えるのが主流です。この脳梗塞の予防で有名な薬が、ワーファリンです。この薬はビタミンKと相性が悪いため、納豆・クロレラ・青汁(いずれもビタミンKの含有量が多い)を食べることが出来なくなります。またこのお薬自体が食事や他の薬との相性の善し悪しがあるため、毎月採血で効果をチェックしなければいけません。最近では、このワーファリンに代わる薬も出てきました。プラザキサといって、食事や他の薬との変化がないため食事への注意がなく、他の薬との相性もあまり気にしないでよい薬です。いまだ新薬なので2週間しか処方が出来ないこと、腎臓が悪いと使えないこと、非常に高価であることが難点です。このように治療薬も進化しておりますのでしっかり治療をしましょうね。
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片頭痛の新しい治療薬Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
今でも社会には「頭痛ごときで仕事や学校を休むなんて」という空気があると思います。そのために我慢を強いられている方も少なくないでしょう。片頭痛は慢性頭痛の代表で、日常生活に支障をきたす厄介な病気です。しかし、トリプタン製剤の発売後、片頭痛の治療は随分改善されました。予防薬が3種類ほどあり、選択肢の幅も増えています(新薬ではありませんが、健康保険上の適用が拡大されています)。ただし、トリプタン製剤は、それまでの頭痛薬に比べ、有効性の高い薬ですが、服用のタイミングを選ぶ(頭痛の早い段階で飲むのが良いとされている)こと、全ての患者さんに有効ではない上に、使いすぎると薬物乱用による難治性の頭痛を起こすことがあります。予防薬も、万能ではない上に、痛みのない日も毎日服用しなければなりません。最近、新薬がいくつか発表されました。発作予防のための注射薬は、国内で3製品が出ています。月1回の注射で済みます。さらに、頭痛発作時の内服薬も新たに出ました。これは従来のトリプタン製剤と異なり、服薬のタイミングを選ばないのが特徴で、痛み始めでも、痛みが強くなってからでも効果があるといいます。片頭痛のメカニズムはだいぶん解明されてきましたが、根本原因はいまだ不明です。今の治療は、対症療法的で、完全には発作を予防できませんし、全ての患者さんの痛みをゼロにするには至っていませんが、治療の選択肢が増えたことは、患者さんやわれわれ医師にとって、大変うれしいニュースです。これまで、頭痛を我慢していた方、従来の薬で満足できずに治療を諦めてしまっていた方は、改めて医療機関で相談することをお勧めします。
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