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今年の感染症の振り返り(2024年12月ハコラク掲載)Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平
新型コロナ5類感染症移行して約1年半。函館市内の観光名所には活気が戻ってきました。大型客船入港や円安の影響もあってか訪日観光客も見かけます。普段の生活でマスク着用する方も少なくなり、新型コロナ流行前の「いつもの日常」が戻ってきた、そんな感じがします。2024年も年末に差し掛かりました。今年の函館の感染症流行を振り返ると大人は新型コロナの流行が主体でした。小児は溶連菌性咽頭炎、咽頭結膜熱、新型コロナなど多数みられましたが、特に手足口病の流行が印象に残っています。手足口病は3〜5日間の潜伏期間を経て口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3㎜の水疱性の発疹が現れます。発熱は約3分の1にみられ、一般的には軽症で経過し、発疹も3〜7日程で痂皮(かさぶた)を残さずに消失します。感染予防には手洗い、咳エチケットが有効です。発疹が消えた後も3〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、特に手洗いは重要です。函館では8月〜9月頃に一度流行がみられましたが、函館保健所の報告では10月時点でも警報継続となっています。2回かかってしまったという方もいらっしゃるので、一度かかったとしても注意が必要です。また、各医療機関でインフルエンザワクチン接種も開始となっています。今年の特徴として鼻にスプレーするタイプのワクチンが国内でも正式に接種できるようになりました。適応は2歳以上19歳未満となっています。函館では接種可能な医療機関が少なく、ワクチンの種類や費用など従来のワクチンと異なる部分があります。接種を考えている方は一度かかりつけ医療機関にご相談ください。これからインフルエンザ流行時期に入っていきます。23年度の冬は2種類のインフルエンザに加え新型コロナも流行しました。中にはその3つ全てにかかってしまい苦労された方もいらっしゃると思います。今年度の冬がどのようになるかまだまだ予想がつかない状態ですが、手洗い・咳エチケット・必要であればマスク着用など十分な感染対策を行っていきましょう。
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不妊症の検査Text by 産婦人科 ほんどおりクリニック 工藤 隆之
避妊せず1年間妊娠に至らなければ不妊症と診断します。まず基礎体温を測定・記録して、原因検索のため検査を行います。必須項目は①内診・超音波・子宮がん検診・クラミジア抗原(初診時)②ホルモン・子宮内膜症マーカー(月経中)③子宮卵管造影(月経後)④頸(けい)管粘液検査・ヒューナーテスト(排卵期)⑤黄体機能検査(高温期)⑥精液検査です。必要に応じホルモン負荷試験、クラミジア抗体、子宮内膜組織診、子宮鏡、抗精子抗体などを追加します。卵巣予備能をみるAMHというホルモンが話題になりましたが、その値が低くても治療法はなく、体外受精の排卵誘発時に参考にする程度です。子宮内膜症性不妊には腹腔鏡検査が治療効果もあり有効です。不妊期間が短い方はブライダルチェックとして①を受け、基礎体温でのタイミング法を指導してもらうとよいでしょう。
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ほくろのレーザー治療Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二
レーザー光線治療は形成外科・美容外科の場合、皮膚疾患を高密度の強力な光エネルギーを短時間に照射し、できるだけ周りの細胞や組織に損傷を与えずに治療する方法です。光の波長によって治療する疾患が異なり、ほくろの治療のレーザーとしみ・しわ・あざを治療するレーザーは異なります。また、照射後の治療経過も異なりますので専門医の説明をお聞きになることが大切です。ほくろの治療は小さいほくろの場合以前は電気メスで焼却したりしていましたが、最近は炭酸ガスレーザー治療が行われています。レーザー治療でも消しゴムで消すようなわけにはいきません。きれいに治すためには術後の毎日のスキンケアが必要で、治療部位をぬらすことは避けて頂きます。大きなホクロは切除摘出することが原則ですが、美容的に浅く切除する方法もあります。しかし、再発がありますのでお勧めできません。
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内視鏡による胃がん検診Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
日本では年間4万8千人が胃がんで死亡しており、悪性腫瘍による死亡率の臓器別で第2位を占めています。全てのがんに共通ですが、医療がこれほど進歩した現在においても、がんで命を落とさないためには早期発見・早期治療が最も重要です。日本では昭和57年度から胃バリウム検診が広く行われてきましたが、ここにきて変革のきざしが見えてきました。昨年9月に厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」が「従来の胃バリウム検査に加え、胃内視鏡検査(胃カメラ)による胃がん検診を新たに推奨する」との報告書を出しました。バリウム検査に比べて内視鏡検査の方がより早期のがんを発見しやすいことは臨床現場の消化器科医なら昔から肌で感じていたことですが、内視鏡検査による胃がんの死亡率減少効果を証明した最近の研究結果を根拠の一つとして今回の提言となりました。今後これを基に検診のガイドラインが改正され、それに従って各市区町村が検診方法を見直していくことになります。もともとバリウム検査には放射線被ばくの問題もあるため、今後は内視鏡検診への移行を目指す自治体が増えるものと予想されます。ただし内視鏡検査は費用の問題、検査を実施する医師の確保、検査に伴う合併症に対応できる体制作り、など検診を適切に実施するための課題を解決する必要があるため、早い自治体でも来年度からの実施となりそうです。当面は胃バリウム検査もこれまで通り行われるため、胃内視鏡検査と両方の実施体制が整う自治体では、受診者がどちらかを選べるようになるかもしれません。がん検診をお勧めすると「症状がないから」とか「自分は大丈夫」と言って検診に消極的な方を時々お見かけしますが、がんは症状が出るころにはある程度進行していることが多いのです。今後検診方法が変わっても、日頃からの生活習慣の管理と適切ながん検診の受診が大切であることに変わりはありません。
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乾き目なのに涙目[結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)]Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
白目(強膜:きょうまく)の表面は結膜(けつまく)という薄い膜で覆われています。その結膜は黒目(角膜:かくまく)から始まって外側へ伸び、数㎝外側でUターンして赤目(眼瞼:まぶた)の表面から瞼の縁まで戻ってきます。両手で薄い透明なビニール袋を持っている状態を想像してみてください。そのビニール袋の中に涙がたまっていて瞬きをする度に開いている側から涙が流れ角膜の表面を覆って潤してくれます。年齢とともにこの結膜がゆるんでだぶついてきてしまう方がいます。この状態を結膜弛緩症といいます。結膜弛緩症になると、例えば下瞼でゆるんできた結膜は上の方に上がってきて、下瞼の縁からはみ出して角膜の上まで飛び出して、下瞼の縁から白目の固まりが盛り上がって見えるようになっています。この状態になると、結膜の折り返し部分に涙をためることが出来ないため涙があふれて涙目になってします。でも逆に、折り返し地点に涙がちゃんとたまっていないということは瞬きをしたときに涙が黒目をきれいに覆うことが出来ず、すぐに涙が蒸発してしまいます。ですから、結膜弛緩症の方の問診票を見ると、「涙が多い」と、「目が乾く」の両方に丸がついている場合がよく見られます。そのほかに、シブシブする、イズい、目やにがたまる、涙が目尻にあふれるので目尻の皮膚が肌荒れする、といった症状も出てきます。治療法としては、結膜を引っ張って張りを持たせた状態で強膜に縫い付ける結膜縫合術(けつまくほうごうじゅつ)を行います。程度の軽い場合には電気焼灼等方法で簡単に行うことも出来ますが、引っ張って強膜に縫い付けることもあります。程度の重い場合には結膜を一部切り取ってから縫い付ける場合もあります。涙目だけれど乾き目、シブシブする、朝に目やにがたまっているという方は一度眼科を受診して結膜の状態をチェックしていただきましょう。
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