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コラムを読む

生活習慣病、メタボリック症候群

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
「生活習慣病」や「メタボリック症候群」という名前は、ご存知でしょう。医療者は病気に色々名前をつけますが、診断された人は気持ちの良いものではありません。診察の際に「メタボですから」と恥ずかしそうに、苦笑いを浮かべる人がいます。どうして苦笑いなのでしょう。「スティグマ」という言葉があります。ギリシャ語で、奴隷や犯罪者に付けられた「印」の意味です(日本でも「島流し」から戻った犯罪者の腕に入れ墨が入れられました)が、現代では、身体的な障害や宗教など、周りとの違いが好ましくないとして区別する「印」として使われます。さて、「生活習慣病」や「メタボ」と診断されると、自身も、周囲の人間も「乱れた生活から、病気になったダメ人間」のレッテルを貼ってしまいます。この「レッテル」がスティグマです。結局、心配なので毎年、健診は受けますが、健診結果を隠し、医師には相談しません。「ダメ人間」のレッテルを見せたくないのです。最近、糖尿病学会の偉い方の講演をオンラインで聞きました。糖尿病に対する「スティグマ」を取り除きましょうというお話でした。現在、世界中がコロナウイルス感染で苦しんでいますが、糖尿病などの病気を持っている人の死亡数が多いという報道がされています。そのため、糖尿病患者さんの中には「私なんか、コロナにかかったら、一発でお終いですヨネ」などという人がいます。今回聞いた講演によると、これまでに分かっているデータからは、糖尿病でも血糖コントロールが良好な人達では、糖尿病でない人達と死亡率に差はないということでした。結局、病気であることが悪いのではなく、それをほったらかしにするのがいけないのです。病気は誰かのせいではなく、まして本人の責任でもありません。恥ずかしがることはありません。「生活習慣の悪い人」のレッテルを剥がしましょう、生活習慣病とは、生活習慣の改善でコントロールできる病気だと考えましょう。
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網膜剥離(もうまくはくり)は早期発見が大切です

Text by 江口眼科病院 森 文彦
網膜剥離は眼のフィルムの働きをする網膜の下に水がたまる病気です。
網膜に穴が生じ、その穴から硝子体の水が網膜の下にたまる裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離が一般的な網膜剥離です。この病気の症状は、黒い点やごみのようなものが見えたり(飛蚊症)、ピカピカ光って見えたり(光視症)、見ているものの一部が見えなくなる(視野欠損)などです。
点眼薬で瞳孔を開いた後に、眼底検査を行うことにより診断ができます。治療には手術が必要になります。早期の網膜裂孔のみの場合は、外来でのレーザー治療になります。網膜剥離に進行した場合は、入院して網膜復位術や硝子体手術が必要です。
早期の網膜剥離は90%以上が手術により、網膜は復位します。
また、網膜剥離の範囲が小さく、期間が短いほど、手術後の視力予後が良いです。気になる症状がありましたら、早めに眼科で眼底検査を受けて下さい。
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膵臓がんと糖尿病の関係

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
先日、元プロ野球監督の星野仙一さんが膵臓(すいぞう)がんで亡くなったと報道がありました。膵臓がんは日本人のがんの死亡原因として臓器別で男性は第5位、女性は第3位となっており、年々増加傾向にあります。また解剖学的にがんが周囲に広がりやすい特徴があり、早期発見や治療が難しい手ごわい腫瘍です。ところで、膵臓がんと糖尿病の関係についてご存じでしょうか。まず、糖尿病にかかっていると、いろいろな臓器にがんの発生が多くなります。国内外で発表された研究によると、糖尿病の方はがんになるリスクが20%ほど高いことが報告されており、日本人では特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高いとされています。そのうち膵臓がんについては健常者に比べて1・8倍なりやすいと報告されています。その原因ははっきりとは分かっていませんが、糖尿病の多くを占める2型糖尿病の方はインスリンが効きにくくなっている状態のために逆に血液中のインスリン濃度が高くなっており、血液中の過剰なインスリンががん発生に関与する可能性があると考えられています。その反対に、膵臓がんから糖尿病を新しく発症した、あるいはそれ以前からあった糖尿病が悪化したと考えられる場合もあります。膵臓がんと診断された時点で、その前2年以内に糖尿病を新しく発症した方が約半数と高率に認められます。また、高齢で糖尿病を新しく発症した患者さんは、その後3年以内に1%の方が膵臓がんになったという報告があります。これらは、膵臓がんが糖尿病の発症や経過に影響を与えたと考えられます。そのため、高齢者で新たに糖尿病を発症した場合や、糖尿病の治療中に急激な血糖コントロールの悪化が見られた場合には、積極的に膵臓の検査を受ける必要があります。このように、膵臓がんと糖尿病は深い関係にあるので注意が必要です。
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悪くなってきた腎臓の働きを長持ちさせるには?

腎臓の機能が正常か、どのくらい悪いかを示す指標のひとつに血清クレアチニン値というものがあります。おおよそ1.0mg/dlまでが正常で、2.0mg/dlを超えるほど悪化した場合、残念ながら急性の病気を除いて回復は難しいです。次第に悪化していって、末期腎不全になると透析療法が必要ですが、もっとも多い療法である血液透析の場合、週3回、1回につき4時間ほどの治療を強いられます。病気の進行をすこしでも抑え、透析開始を遅らせるということが、非常に重要です。禁煙、肥満の改善などの生活改善。減塩、タンパク制限、カロリーについての食事療法。厳重な血圧管理、高脂血症、貧血の管理などについての薬物療法。この3本柱に対して、医師や栄養士とよく相談しながら、できる範囲での自己管理を気長に継続していきましょう。
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70歳代の8人に1人に潜む緑内障

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
先日、岐阜県多治見市に於いて40歳以上の方を対象に大がかりな緑内障の住民検診が行われました。受診した方の数は1万7千人に上ります。その結果として、40歳以上の方の5・8%(17人に1人)に緑内障が認められました。ところが、そのパーセンテージも年齢が上がるに連れて増加してゆきます。40歳代ならば2%台なのに対し、70歳代ならば実に13%(8人に1人)の方が緑内障になっているという結果になりました。さて、それでは緑内障と言う病気はどんな病気なのでしょうか。カメラのフィルムにあたる網膜には、一面に視神経がはりめぐらされています。その視神経が、太い1本の束となって脳へ向かうところを、視神経乳頭といいます。緑内障は、この視神経乳頭が眼球内側から押し潰されることで凹みができ=陥凹、正常に機能する視神経が減少する病気です。一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり=視野欠損、最悪のケースでは、光を失うことになります。視神経が痛められる大きな原因は、眼圧が高過ぎる状態「高眼圧」です。高眼圧は、空気を無理につめてパンパンに固くなったボールのようなものです。しかし、眼圧が正常でも、視神経乳頭が陥凹することもあります。それは高齢者の場合、視神経乳頭の構造が相対的に弱くなる(眼圧に対する感受性が強過ぎる)ためです。緑内障治療の最初のキーポイントは、早期発見です。40歳を過ぎたらできるだけ眼底検査を受けるようにしましょう。緑内障は早期発見と適切な治療により、多くのケースでは、一生十分な視野・視力を保つことができるようになっています。緑内障は途中まで、自覚症状がほとんどありません。一旦視野の異常が起きたら後戻りはできないのです。眼圧コントロールの必要性をよく理解し、欠かさずに通院しましょう。
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