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ロタウイルス胃腸炎に対するワクチンが接種できるようになりましたText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
皆さんは赤ちゃんへのワクチンをどのように考えていますか?感染したほうが免疫がしっかりつくのでお金がかかるものはしないとお考えですか?それとも積極的に何でもワクチンで予防できるものは予防しようと思っていますか?今年の11月から、ロタウイルス胃腸炎を防止する口から飲むワクチンが使えるようになりました。ロタウイルス胃腸炎は別名乳幼児白色下痢症とも呼ばれ、4カ月ころから2歳くらいまでの乳幼児が多くかかります。2日ないし3日の潜伏期間の後、嘔吐や酸っぱい臭いのする白色の下痢、発熱などを特徴とする病気です。多くは軽症で脱水を来さなければ数日の経過でよくなりますが、中には重症になり、入院を余儀なくされることや、脳炎や膵炎を起こして死に至ることもあります。このロタウイルスに対するワクチンは生後6週から24週の間に4週以上の間隔を開けて2度飲んでもらうワクチンです。通常は生後2カ月から始まるヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなどと一緒に始めるといいでしょう。B型肝炎のワクチンも一緒に始める場合には2カ月では4つ、3カ月では5つのワクチンを同時に接種しなければなりませんが、同時接種に関しては広く国内外で安全と考えられており、ロタウイルスワクチンも同様に考えていいでしょう。任意接種ですので、接種料金は各医療機関で異なりますが、多くは1回1万5千円前後になるものと思われます。生後24週を超えると接種はできませんので、ワクチンをしたいけれども1回しかできそうにない場合にはかかりつけ医とご相談ください。24週以降は腸重積という病気が起きやすくなり、ロタウイルスワクチンでも腸重積が起こることがあるため、24週までに接種を行うこととなっています。24週以降の場合は希望されても接種することはできません。高価なワクチンですが、病気が重症化することを考えると、ぜひともワクチンで予防できる病気がひとつ増えたと考え、積極的に接種されることを望みます。
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男性の性(12)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
精巣で生まれた精子は、長い長い道のりを経てようやく卵子との待ち合わせ場所である卵管にたどり着き、さらにそこで48〜72時間生きているのと比べ、卵巣から排出された卵子は、わずか7cmほどの距離を自力ではなく卵管運動によって運ばれて待ち合わせ場所に着きますが、そこで元気なのはわずか12時間くらいしかありません。
卵子と精子が待ち合わせ時間にピッタリ合えば問題はないけれど、そうでない場合、精子は卵巣から卵子が排卵され卵管まで運ばれてくるのを辛抱強く、場合によっては36〜48時間も待つことになります(子供を作ろうとするならば、排卵日に合わせて性交するよりも排卵日の1〜2日前に性交した方が妊娠の確率は高い)。 僕が昔待たされた6時間なんかざらということになります。このように、性交後受精までの2〜3日間の短い期間でみると、精子(オトコ)の方が待つ確率がかなり高いことになりますが、もっと長い目で精子と卵子の関係を眺めてみると、初潮から閉経までの数十年間、卵子は毎月一度、いつ来るかもしれない精子を、たったひとりで(たった1個で)卵管という待ち合わせ場所で待っていることになります。 卵子にしてみれば最初に待ち始めてから、5年後10年後にやっと精子に出会うくらいが普通で、場合によっては20年以上、さらにはとうとう最後まで待ちぼうけを食わせられることも稀ではありません。毎回毎回デートに遅刻してくるオンナと待たされて煙草や酒の量が増えるオトコ、待ち合わせ場所で36〜48時間卵子が到着するのを待つ精子。『あみん』が“待〜つわ、いつまでも待〜つ〜わ”と歌うオンナと、“男は船で女は港”と口笛吹いてオンナを待たせておくオトコ、毎月一度、数十年間、卵管で待つ卵子といつそこにたどり着くかもしれない精子、どちらも精子卵子時代からの宿命、といえば、こじつけが過ぎるでしょうか? |
コレステロール論争Text by 関口内科 関口 洋平
平成22年9月、脂質栄養学会から「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」が発表されました。その内容は、中年〜高齢の一般集団では、コレステロール値の高い方が低いよりも癌死亡率や総死亡率が低いので、コレステロール値を下げる医療や食事指導は誤りである、というものでした。この発表により、コレステロールに関する認識が覆され、治療中の患者さんや一般の方々の間に大変な混乱を招きました。この発表に反対の立場をとる日本動脈硬化学会は、同年10月に次のような声明をだしました。肝臓疾患や癌患者などの低栄養状態の人達のコレステロール値はそもそも低値であり、そのような状態の良くない人達を含めた一般住民の統計から「コレステロール低下療法は誤りである」としたのは、コレステロールが最初から低値であるという事と高値から低下させる事を混同して論じており、国民に誤解を与えるというものでした。90年代から最近までに報告された幾つかの臨床試験では、悪玉コレステロール(LDL)値を下げると動脈硬化を基にする疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の発症が減少するという、科学的に信頼性の高い評価を受けています。さらにそれらの試験結果から、二次予防(1回心筋梗塞を起こした人が2回目を起こさないための予防)では、LDL値は出来るだけ低値へ下げる方が良く、一次予防(まだ発症していない人の予防)では、動脈硬化リスク(男性、高血圧、糖尿病、喫煙、低HDL、冠動脈新患の家族歴)を多く合わせ持っている人ほど下げる方が良いとされています。また、75才以上の高齢者や女性の一次予防に関しては議論の多いところですが、LDLとHDL(善玉コレステロール)の比や頚動脈エコー検査などで個々の病態を検討し、リスクが高い場合は下げる方が良いと言われています。現在治療中のかたは、食事療法や内服治療を突然中止したりせず、不安がある場合は医師に相談しましょう。
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アトピー性皮膚炎Text by 江口眼科病院 佐々木 功
眼科の診察では眼とその周囲を重点的に観察しますが、そこでアトピー性皮膚炎に関連した所見がみつかったり、関連がありそうな症状の訴えを聞くことは多々あります。代表的なものとして、まぶたの皮膚の乾燥や赤み、結膜炎による慢性的なかゆみ、擦過や眼瞼内反症に伴う角膜のキズや微生物の感染などが挙げられます。皮膚に慢性的な炎症があると、それに引き続いて眼にもトラブルが波及する場合があるのです。では眼科ではどうするか。まず、まぶたの表側(つまり皮膚)のトラブルは、アトピー性皮膚炎の管理の基本に則ってまず清潔と保湿を意識することを勧めます。それでも不十分ならば副腎皮質ステロイド(いわゆるステロイド)入りの軟膏を使用します。そしてまぶたの内側(結膜)のトラブルには抗ヒスタミン薬やステロイド入りの点眼液を主に使用します(程度によってはさらなる治療が必要な場合もあります)。このように眼科でもまぶたの治療は行うものの、先述のとおりアトピー性皮膚炎においては眼の状態は皮膚のコンディションに大きく影響されますので皮膚科の受診も要検討です。過去に色々とアトピー性皮膚炎の治療を試したが奏功せず諦めたという方も少なくないと思いますが、「アトピー性皮膚炎は大人になってからでは治療できない」という誤った認識を捨て、現代の標準的な治療アプローチでもう一度治療に取りかかることも一案です。また、治療のキープレイヤーとなる点眼液や軟膏などの局所投与用ステロイドはその使い方のルールを守り、定期的な監視を怠らなければ有効かつ安全に使用できますので、やみくもに忌避することは有益ではありません。眼の健康を保つためにも、信頼できる皮膚科医をみつけ、地道なケアを根気強く継続することが肝腎と言えます。
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どういう人が乳がんに注意する必要があるか?Text by 北美原クリニック 乳腺センター 早川 善郎
乳がんの発症に関係する環境要因としては、肥満やアルコール、出産の有無など、因果関係が指摘されているものもありますが、あまりにも漠然としすぎており、切実感がないかもしれません。以前から、家族の中で乳がんになった人が多くいる場合は注意した方がよいことは聞いたことがあると思います。遺伝が関係する乳がんもあることはご存じでしょうか?最近、種々の遺伝子の異常によって乳がんが家族性に発症しやすいことがわかってきています。乳がん全体の約5~10%がこれらに関係があると言われています。BRCA1、BRCA2という遺伝子に異常がある人は、生涯、乳がんにかかる可能性が50~80%ほどあると言われ、一般の人の約10~20倍もの危険があります。また、卵巣がんにかかる可能性も高くなってきます。海外に比べ、乳がんの罹患(りかん)率が低い日本では、これらに対する認知度が低いのが現状です。しかし、私たちは、家族に乳がんの人がいたからといって、すぐに、遺伝子に異常があるかないかを調べることは一般的ではありません。では、どうしたらいいのでしょうか?まずは、心配な場合は、専門医に相談してみること、それと同時に、乳がんは身近な病気であることを少し気に留めていただき、面倒がらずに、検査を受けてみることです。検査には、マンモグラフィーが有効ですが、日本人は、高濃度乳房と言って、乳腺濃度が高いために実際のしこりを見つけにくいことが多く、そのような人は、超音波(エコー)検査などを併用するのもよいかと思われます。乳がんにかかる人の数は、増加しており、すべての女性は気をつけた方がよいのですが、特に、自分の母親や祖母、叔母など近親者に乳がんや卵巣がんになった人が多くいる場合は、若いうちから、十分注意していただきたいと思います。
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