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円形脱毛症

Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
円形脱毛症は突然、円形に脱毛が起こる病気です。頭だけではなく、「毛」が存在する所なら、まゆ毛やまつ毛、ひげ、体毛など、どこにでも起こりえます。脱毛に先立って現れる病変や前兆はなく、かゆみや痛みといった自覚症状もありません。したがって、何らかの前兆があったり、自覚症状を伴ったりする場合は、別のタイプの脱毛かもしれませんし、他の病気を合併しているのかもしれません。円形脱毛症は皮膚科を受診される方の二~五%の割合をしめます。また一生を通じて円形脱毛症が発症する確率は一~二%と推測されています。患者さんの一〇~三〇%の方に家族内発症があるといわれています。アトピー性疾患や染色体異常のダウン症候群における脱毛症の合併率の高さや一卵性双生児における、脱毛発症の一致率の高さから遺伝の関与があることは確かです。しかし、この円形脱毛症は、その原因がいまだに、はっきりとしていません。以前から円形脱毛症と精神的ストレスの関連が指摘されていましたが、確かな証拠はありません。ただ、ストレスと脱毛を関連づける実験結果が一昨年に報告されていますので、その因果関係を否定することはできません。精神的ストレス以上に、原因として有力なのが、自己免疫の異常です。病原菌などから身を守るための免疫機能が、その矛先を自分自身に向けてしまっているのではないかと考えられています。つまり、自分の持っている免疫力が毛を構成する組織を攻撃しているのかもしれないのです。治療は古くから行われている内服治療や外用治療の他、ステロイド内服・外用・病変局所への注射治療、紫外線照射治療、液体窒素による冷却療法、局所免疫療法など様々です。症状に応じて、その治療方法を選択しますが、中には治癒が困難な場合があります。さらに、いったん治癒しても再発する場合もあります。いずれにせよ、脱毛に気付かれたら、皮膚科を受診してみて下さい。
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熱さましの使い方

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
インフルエンザが流行すると、高熱で子どもたちが苦しみます。アセトアミノフェンの座薬は、インフルエンザ流行期でも小児に使ってよいとされています。では、どんな時なら使っていいのでしょう。熱を下げることは、病気と闘って熱を出すことを妨げるので、使わないで済めばそれに越したことはありません。でも、熱でグッタリ感が強いお子さんは、熱を下げて水分の補給や食事ができると、病気と戦う元気が盛り返してきます。最初にすることは、水分補給や、わきの下などの冷却、着ているものやお布団などの掛け物の調節です。それでもだめなら、座薬を使うようにしましょう。高熱が続いても、子どもの脳に重大な影響が出るのは本当に稀(まれ)なことです。
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年に1度は健康チェックを(2025年6月ハコラク掲載)

Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉置 耕平
新年度になり約1カ月。雪も融けて白一色だった函館の風景にも新しい生命が芽吹き、花や木々の色彩が戻ってきました。クルーズ客船の入港も増えてきており、西部地区では至る所で外国語を耳にするようになりました。新年度といえばいろいろな健康チェックの案内が届きます。主に「健康診断(健診)」と「検診」の2種類あり、異なる意味合いを持ちます。「健診」は全身の健康状態を調べるもので、病気の予防や健康増進を目的たしたものになります。「検診」は特定の病気の早期発見をするための検査になります。どちらも重要なものには変わりません。主な健康診断としては、会社勤めの方であれば会社主導で行われる一般健康診断や、40歳以上の方に届く特定健診があります。年齢で多少変化ありますが、項目は主に①身体計測②胸部レントゲン③心電図、④血液検査(貧血・肝機能・コレステロール)⑤尿検査で構成されています。それぞれの検査項目の意味を理解することが健康を守るために大事です。もし項目や数値について分からないことがあれば、かかりつけ医に遠慮なく相談しましょう。また、健康診断は毎年受けることをおすすめします。生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)は発症初期や予備軍の段階では自覚症状がほぼないため、健康診断を積極的に受けていないと見逃されてしまうことが多いからです。毎年受けることで数値の変化を比較することができるため、生活習慣病もしくはほかの病気の早期発見に繋がることがあります。検診にはがん検診や歯科検診があります。特にがんの初期は無症状で経過することがあるため、早期発見・早期治療するには、定期的な健康診断と併せてがん検診もご利用ください。函館市では年齢によって無料クーポン券も配布しています。新年度明けは歓送迎会や花見そして大型連休といったイベントが多く、どうしても飲食・飲酒の機会の多い時期になります。5月はそういったイベントも一段落する頃です。この一息つけるタイミングでご自身の健康にも目を向けてみませんか?
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在宅での褥瘡(じょくそう)治療

褥瘡というのは「床ずれ」のことです。寝たきりや、それに近い状態の患者さんの体が、ベッドや車いすなどによって圧迫されて起こります。近年、在宅医療の広がりとともに在宅で褥瘡を治療するケースも多くなっています。在宅での褥瘡の治療は、困難ではありますが、可能です。しかし、いくつかの条件はあります。まず、全身の状態がよいことです。寝たきりであっても、栄養状態がよく、褥瘡を治す体力があることです。ある程度動けるような方の場合は、治る確率は格段に上昇します。また、家族の方々の協力も不可欠です。毎日の治療はたいへんで、家族の方の負担は大きなものになります。しかし、家族の方の協力が強い場合には、褥瘡は良くなることが多いと感じています。そして、どのような褥瘡であれば在宅でも治療は可能なのでしょうか。大事なのは、炎症がないことです。炎症があると、熱が出たりして全身の状態が悪くなります。こうなると点滴などの治療が必要になってしまいます。また、褥瘡の深さも重要です。浅い褥瘡であれば、適切に治療することによって比較的短時間で上皮化して(皮膚ができて)治っていきます。深い褥瘡の場合は壊死組織が付着している事も多く、このような壊死組織は外科的に除去しないと細菌の巣になってしまうこともあります。でも、壊死組織が適切に除去出来れば在宅でも治療は可能です。問題は初期の褥瘡です。浅い褥瘡も、深い褥瘡も初めは赤くなっているだけのことがあります。浅い褥瘡はそのまま赤みが取れてきます。でも、深い褥瘡は時間が経つにしたがって紫色になり、二週間くらい経つと黒くなってきます。黒い部分は皮膚が壊死してしまっているのです。初期の褥瘡を深い褥瘡か浅い褥瘡か見極めることが大事です。
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ユマニチュード

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
最近、注目されている、認知症患者さんのお世話の仕方に「ユマニチュード」というのがあります。テレビでも紹介されましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。基本的には、看護や介護を仕事とする方たちのための「技術」ですが、考え方の基本は、誰にでも役に立つと思います。柱となるのは、「見る」「触れる」「話す」「立つ」の四つですが、紙面の関係で「見る」「触れる」についてお話します。まず、「見る」とは、互いの視線を合わせて、存在を認め合うということです。世話をする人が患者さんの存在を認めているというメッセージを送ることです。具体的には、患者さんの正面に回ることが基本です。こちらを向いていないときには、声を掛けて振り向かせたり、壁を向いて寝ている人にはベッドを動かしたり、座っている人にはひざまずいて目線の高さを合わせるなどして、とにかく視線を合わせます。お世話を始める最初の段階です。次に患者さんに「触れる」ときは、赤ちゃんに触れるように、広い面積で、ゆっくり、優しく触れます。いきなり顔や手に触れないように、上腕や背中といった鈍感な所から始めます。「つかまない」ように、親指を閉じて手のひらで触れます。使う力は、せいぜい小学校低学年の子供程度です。このユマニチュードの方法論から、馬の世話の話を思い出しました。馬の世話をする時には、必ず声を掛けて、こちらに気付かせてから近づき、体に触る時、最初からデリケートな場所には触れず、離れたところから、徐々に目的の部位を触れます。さもないと蹴飛ばされるそうです。馬は臆病なので、安心させるためにこういう注意が必要だといいます。認知症患者さんも、不安の中、警戒心が強くなっています。スムーズなお世話には安心、信頼が大切です。動物と人を一緒に語ることに批判的な方もいるでしょうが、近年、動物と人間には共通点が多いことから、動物と人間の病気を一緒に見るという考え方があります。これについては別の機会にお話しましょう。
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