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高血圧の基準値の変更に伴う混乱Text by 関口内科 関口 洋平
今年の4月に、高血圧の基準値の変更に関して二つの学会からそれぞれの発表がありました。一つは日本高血圧学会、もう一つは日本人間ドック学会からでしたが、この二つの学会が示す基準値の意味には大きな相違がありました。ところが、一部のマスメディアがこの相違を説明することなく「血圧はもっと高くでも大丈夫だ」と思わせるような報道をしたため、高血圧治療中の患者さん達に大変な混乱を引き起こしてしまいました。日本高血圧学会が新しく改訂した高血圧治療ガイドラインで変更した点は、主に若年・中年者(65歳未満)と後期高齢者(75歳以上)の降圧目標値でした。これまでの降圧目標値は、若年・中年者は130/85mmHg未満でしたが、新ガイドラインでは140/90mmHg未満へ緩和されました。また後期高齢者は140/90mmHg未満でしたが150/90mmHg未満へ緩和され、降圧による悪影響が無い場合には140/90mmHg未満を目指すこととなりました。一方、人間ドック学会が発表した「健康者の血圧の上限は147mmHg」という値は、2011年にドック健診を受けた人の中から、その時点で健康な人(約1万5千人)の血圧の分布範囲の上限値が147mmHgであったという事実を示したにすぎない数値でした。つまり、ここまで下げれば将来の脳卒中や心筋梗塞などの発症を減らせるという数値ではありませんでした。高血圧の治療の目的は将来起こる疾患を予防することですので、「今は健康である」という人の血圧の上限値は降圧目標値にはなり得ません。日本高血圧学会のガイドラインの基準値は、世界や日本で行われてきた一般住民の科学的な長期的追跡調査の結果から導き出された最新のものですので、その降圧目標値の信頼性は高いものと考えて良いでしょう。
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エコと矯正歯科Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
地球温暖化により、CO2削減の関心が高くなってきております。2003年に地球環境保全のISO14001認証取得をさせていただいた当院としては、非常に喜ばしいムードと感じております。皆さんにはあまりなじみが深くないかもしれませんが、近ごろは歯列矯正装置に大きな工夫が施されてきております。
以前は、歯に接着しているブラケットといわれる装置に歯列を整えるための金属線をくくり付けるのに細い線や小さな輪ゴムを使っておりましたが、現在ではキャップのように装置自体にくくりつける方法が増えています。 このことにより金属線を外すときに捨てる部分が出ないのはもちろんですが、結果的に痛みが減り歯の動きがスムーズになり治療期間が短くなるというような効果が顕著に現れます。電力会社や自動車産業などに比べれば、非常にわずかなものですが、矯正歯科分野のエコは、啓蒙という面で大きな効果があると考えております。 |
痔と直腸がんText by 北美原クリニック 岡田 晋吾
いわゆる痔という言葉にはイボ痔、切れ痔などさまざまな病態が含まれています。ここでは各病態の説明は割愛しますが、ある程度の年齢以上の人間であれば、程度の差はあるものの痔疾があると考えてもらって良く、決して恥ずかしいと思う必要はありません。しかも生活習慣の改善や適切な薬物治療により、手術をしないで症状が治まる方がほとんどです。怖いのは痔と自己判断して症状があっても、肛(こう)門科を受診されない方です。進行直腸がんの約60%の患者さんは、痔と思って放置されていて、症状が重くなってからやっと肛門科を受診される方です。専門医であれば外来における簡単な診察で、70~80%の直腸がんは診断でき、内視鏡検査をすれば、ほぼ100%診断可能です。ご家庭で痔かな?と悩まれるなら、ぜひ専門医にご相談されることをお勧めします。
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血液検査でがん早期発見の時代へText by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
「がんは血液検査で分からないんですか?」患者さんにそう尋ねられることが時々あります。現在血液検査には腫瘍マーカーと呼ばれるがん診断に関する項目があります。しかし、この検査はすでにがんの治療を受けている方の経過観察には有用ですが、残念ながらがんを早期に発見することは困難です。腫瘍マーカーはがん細胞の表面にある物質で、がんがある程度大きくなってから一部が死んで血液中に漏れてきたものを見ているので、もともと早期がんの発見には向いていないのです。胃カメラなど手間や苦痛を伴う検査を受けなければ分からないのが現状です。その限界を打破する新技術の開発プロジェクトが国立がんセンターなどを中心として現在進行中です。エクソソームと呼ばれる細胞から出される膜に包まれた物質の中にある、マイクロRNAという物質ががんの増悪や転移に深く関わっていることが近年分かってきました。エクソソームは血液、尿、唾液などの体液中に含まれており、これを抽出してマイクロRNAを測定してみると、がんの人と健康な人とでその内容・種類が異なることが分かりました。さらに重要な点はこれらの異常ががんの超早期から見られることで、早期の卵巣がんがこの手法で100%近い診断率であったという驚くような報告もあります。現在は13種類のがんについて診断薬として問題ないか多数例で検証する段階に入っており、数年以内の実用化を目指して研究が進んでいます。この技術には現在のがん検診・診断の体系そのものを根底から変えるほどの大きなインパクトがあります。長年続く画像診断を中心としたがん検診の時代から新時代の検診スタイルに進化すると思われます。早期発見されるがんが増えることになれば、最終的にがんの死亡率改善が期待されます。1日も早い実用化を期待したいところです。
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矯正治療の目的Text by 大内歯科医院 大内 英樹
新学期を迎え、お子さんの歯列矯正治療を考えているご家族も多いと思います。「悪い歯並びは病気でしょうか?治療しなければいけないでしょうか?」と相談されることがあります。
もちろん、重症例は病気と考えられますが、軽症例はどうでしょう?教科書によれば、「歯列矯正治療の目的は虫歯・歯槽膿漏(しそうのうろう)や顎関節症の予防をする」とあります。 日本人の9割が、歯並びに何らかの問題を抱えていると言われていますが、皆さんが健康を害しているわけではありません。 では審美性のみが目的でしょうか?私たち歯科矯正医は歯列矯正治療を「より良い人生を送るための健康増進手段」と考えています。 よく噛める機能的な咬み合わせと整った歯並びによる美しい笑顔は、お子さんの将来はもちろん、高齢化社会においては成人にも大きな財産になると考えています。 |








