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黄斑(おうはん)疾患の治療の進歩

Text by 江口眼科病院 森 文彦
黄斑とは眼のフィルムの働きをする網膜の中心部で、視機能にとって重要な場所です。以前は、この場所に障害が起きると深刻な視力低下となり、治療も困難でしたが、最近、さまざまな黄斑疾患が治療できるようになってきました。欧米の視力低下の原因の上位で、わが国でも増加している加齢黄斑変性も治療が困難でしたが、数年前より光線力学的療法や抗血管新生薬療法で治療が可能となってきました。また、黄斑部に穴ができる黄斑円孔(えんこう)は20年ほど前から、硝子体(しょうしたい)手術による治療が始められ、現在では無縫合小切開硝子体手術が行われています。糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで生じる黄斑浮腫に対しても、さまざまな治療が行われています。見たいものがぼやける、ゆがむなど気になる症状がありましたら、ぜひ眼科で眼底検査を受けて下さい。
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空気が乾燥しています。ドライアイにご注意

Text by 清水眼科クリニック 院長 清水信晶
冬になり空気が乾燥してくるとお肌もかさかさしてきますが、目もシブシブ・ショボショボして疲れやすくなってきます。これは目を潤している涙が奪い取られてしまうためです。このような状態をドライアイ(乾き目)といいます。症状がひどくなると表層角膜炎(ひょうそうかくまくえん)や結膜炎を起こして目の表面に傷をつけた状態にもなってしまいます。疲れ目を訴える人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。「目が疲れやすい/目が乾いた感じがする/目がしょぼしょぼする/目がゴロゴロする/目が重い/目が痛い/なんとなく目に不快感がある/目ヤニが出る/目が赤い/まぶしい/目がかゆい/物が霞んで見える/涙が出る」このうち五つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません。ドライアイには次のような要因があげられます。○空気の乾燥(目の表面から涙液が蒸発しやすくなります)○瞬きが少ない(読書やパソコン操作に集中していると、瞬きの回数が減ります)○コンタクトレンズの装着(コンタクトレンズが水をはじくために、目が乾燥することがあります)○シェーグレン症候群(中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります)ドライアイの治療には、○点眼薬で目を潤す。(保水効果のあるヒアルロン酸や涙を増やすという薬を点眼する)○涙点とよばれる涙を鼻に排出する小さな穴に特殊なプラグを刺し込む手術をして塞いでしまえば、涙を眼球表面に長く留めることができます。○フード付き眼鏡の利用(眼鏡の脇から涙が蒸発するのを防ぎ、小さな加湿器タンクがついているドライアイ専用眼鏡カバーで涙の蒸発を防ぎます)、などがあります。
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こむら返り

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
「こむら返り」は皆さんご存知でしょう。俗に「足が攣(つ)る」とか「足が攣(つ)った」とかと言いますね。脹脛の筋肉が硬く収縮して痛みを感じます。或いは足のユビが攣(つ)ることも有ります。なぜ、こんなことが起こるのか、理由は分かっていないようで、色々な教科書を調べてみても、どんな病気の時に見られるかということは書いてありますが、メカニズムの説明は見つけられませんでした。ですから、これから説明する内容は、筆者の個人的考えであって、正解ではないかもしれないことを初めにお断りしておきます。しかし、当たらずとも遠からずと思っています。患者さんから「足が攣(つ)る」と聞いた場合、血管が専門の医師は下腿静脈瘤を疑います。脹脛に青黒くトグロを巻いたように見える血管の塊りです。スポーツ選手の足が攣(つ)って、チームメートが脹脛を伸ばしてあげる姿を見かけます。この場合は、筋肉に「疲労物質」が溜まって起こると考えます。下腿静脈瘤の場合は、これと同じようなことが起きていると考えられます。つまり、静脈瘤のせいで、足に「血が溜まり気味」になり、運動したのと同じように「疲労物質」が溜まって、攣(つ)るのでしょう。神経が専門の医師は、「足が攣(つ)る」と聞くと、腰の病気を疑います。「脊柱管狭窄症」などの病気があると、足を動かす神経が腰で障害され、脳のコントロールが効かなくなり、筋肉を収縮させるせいで「こむら返り」が起こると考えます。「こむら返り」がしょっちゅう、特に夜寝ているときに起こる場合、こういう病気が原因のことがあります。下腿静脈瘤は、超音波エコー検査などで確認できますし、腰の病気はMRI検査で診断できます。いずれの場合にも、有効な治療方法がありますので、心当たりがある方は、医師に相談してみましょう。
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簡単には変わらない悪い生活習慣を直しましょう

テレビでよく出ていた血液サラサラ検査の話です。
芸能人の血液が非常にドロドロしていて、映像的には(他人のことですし)おもしろおかしく見ていられました。
でも実際に、自分の血液を流すときには少し事情が違い、「昨日のビールのせいでサラーっと流れないかもしれない」なんて妙な緊張感があるものです。
サラサラ検査の機械が届いた日に病院に来ていた仲の良い人に頼んで血液をもらい、機械にかけた時には血液ドロドロで制限時間に流れませんでした。
朝食は缶コーヒー、昼ごはんはほとんど食べずにタバコをいっぱい吸って仕事をしているそうです。
でも、ドロドロしているのを見てからは、「野菜を食べるようになった」と言っていました。サラサラになっていたら喜ぶだろうに、その後はまだ再検査をしていません。
今度、やってあげましょう。高血圧や血の中の糖分、コレステロール、中性脂肪が多い状態では、血液がドロドロして、血管が詰まりやすそうな様子になっています。
肥満や脂肪肝でも同じです。
いわゆる生活習慣病では、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高いわけですが、今ひとつ、血液検査の数字を聞かされても良くわからないものだと思います。
血液サラサラ検査(正式には血液流動性検査と言います)では、血糖値やコレステロール値が高くてもピンとこない人に自分で血液の流れる様子を見てもらって、体の中で血が流れるとき、どんなだか見てもらえます。
特に、解説がなくても血液検査の数字とは違い、非常に説得力があります。
血液が流れきる時間だけではなく、流れるときに血液の中の赤血球、白血球、血小板がかたまりを作るのを観察するのが肝心な検査ですから、まずは自分の目で見てみるのが良いと思います。
不摂生のかたまりのような配偶者に手を焼いているのなら、生活が変わるきっかけになるかもしれません。
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かかりつけ医と総合診療(2026年9月 ハコラク掲載)

Text by たからまち総合診療クリニック  院長 玉城 耕平
近年、「どの診療科を受診すればよいか分からない」と悩まれる方が増えています。発熱や咳だけではなく、「体調が優れないけれど原因が分からない」「気になる症状がいくつもある」「健康診断で異常を指摘された」など、どこに相談すればよいか迷う場面は少なくありません。そのようなとき、最初に気軽に相談できる存在が「かかりつけ医」であり、その役割を担う診療分野の一つが総合診療です。総合診療では特定の臓器や病気だけに注目するのではなく、年齢や性別を問わず、患者さん一人ひとりの症状や生活背景まで含めて幅広く診療を行います。原因を多角的に考え、必要な検査や治療を行うとともに、より専門的な診療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へつなぐ「医療の入り口」としての役割も担っています。年齢を重ねるにつれて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に加え、心臓病など複数の病気を抱えながら生活される方も増えてきます。そのような場合には、複数の医療機関で処方される薬の重複や副作用に配慮しながら、患者さん全体の健康状態や生活の様子を把握し、安心して日常生活を送れるよう支える「かかりつけ医」の存在が重要になります。患者さんを総合的に診る総合診療は、まさにその役割を大切にしている診療分野です。もちろん、風邪や花粉症など身近な病気や、健康診断で異常を指摘された際の相談など、日常のさまざまな健康の悩みにも対応しています。「こんなことで受診してもいいのだろうか」と迷うようなことでも、気軽に相談できることは、かかりつけ医の大きな役割です。医療が高度に専門化した今だからこそ、「まず相談できる場所」があることは大きな安心につながります。体調に不安を感じたときや、受診先に迷ったときには、まずはかかりつけ医に相談してみてください。総合診療が、その身近な相談相手として地域の皆さまの健康を支える存在となれば幸いです。
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