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乳房再建について

Text by 北美原クリニック 早川 善郎
現在の乳がんの手術は、乳房温存術(乳房部分切除)が第一選択ですが、大きい乳がんや広範囲に拡がった乳がんでは乳房切除が行われています。乳房を全摘出した方の中には、やはり、どうしても左右のバランス、乳房の喪失に伴う見た目の問題で悩んでいる人も少なくありません。温泉などの公共の場から足が遠のいてしまうこともあると思います。『乳房再建』という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。乳がんで失われた乳房を再び取り戻す手術を乳房再建と言います。再建する方法には、人工乳房を用いる方法(インプラント)と自家組織を用いる方法があります。以前は、人工乳房を用いる方法は保険適用外であり、乳房再建を希望する人は自費で行っておりましたが、2013年7月から、人工乳房を用いた乳房再建手術が保険適用となり、乳房再建を希望される方がさらに増えることが予想されます。保険適用ではなかった時期は、約80~100万円程度の自費負担でありましたが、現在は、保険適用と高額療養制度を用いると、10万円ほどで乳房再建が可能になってきております。実際、乳がんの手術自体も以前に行われていたような無理な温存手術が減り、安全に乳房全摘出した後に乳房再建を行うという選択肢が増えてきています。実際の再建までの流れを、乳がんで乳房切除を行っている人を例にとってみます。まずは、人工乳房を入れる部分に、皮膚拡張器(ティッシュエキスパンダー:簡単に言うと水の袋)を挿入し、数カ月かけて徐々に水を増やしながら皮膚を拡張させていきます。その後、永久的な人工乳房(インプラント)に入れ替えを行います。乳房再建は主に形成外科医が中心になって行いますが、乳腺専門医との協力が非常に重要です。それぞれの資格を持った病院・医師にご相談してください。しかし、これらの乳房再建は、美容の目的や予防のための乳房切除(遺伝性乳がんなど)には、保険適用がありません。今後、乳房再建手術は、乳房切除をされた方の生活の質の向上に役立つ一つの選択肢になってくると思われます。
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ノドの違和感~逆流性食道炎

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
ノドの違和感はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭喉頭炎、感冒などの鼻、ノドの炎症性疾患、咽頭がん、喉頭がんなどの腫瘍性疾患、バセドー病や橋本病などの甲状腺疾患など様々な疾患で起こりますが、具体的な疾患が見当たらず症状のみがある患者さんもいらっしゃって耳鼻咽喉科医泣かせの症状でもあります。そんな中、最近注目されているのが逆流性食道炎です。胸焼けや食道病変を伴うのが普通ですがそれらの症状、病変を伴わない例もあります。咽頭、喉頭などの粘膜は酸に弱く炎症を起こしやすいと言われておりノドの違和感を訴える患者さんに逆流性食道炎が認められ、咽頭や喉頭粘膜に炎症性変化が確認されたことで注目されるようになりました。鼻やノドに疾患が見当たらずノドの違和感がある場合は逆流性食道炎を疑ってみることも必要と思います。
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男性の性(2)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
−染色体的性の決定−
ヒトがオトコになるかオンナになるかは、精子が卵子と受精した瞬間に決まります。
卵子の染色体はどれも22+Xですが、精子の染色体は22+Xと22+Yの2種類あって、22+Xの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XXでオンナになり、22+Yの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XYでオトコになります。
つまり、受精卵がオトコになるかオンナになるかは精子によって決まるわけで、X染色体を持った精子ならオンナ、Y染色体を持った精子ならオトコ、ということになります。
昔、歌手のちあきなおみは“X+Y=LOVEという歌の中で、『X、それは貴方、Y、それは私、プラス、イコール、ラブ、ラブラブアイラブユー〜(作詞:白鳥朝詠)』と歌いヒットさせました。
“喝采”が大ヒットしてレコード大賞を取るずっと以前の、まだセクシーアイドル路線で売り出していた頃だと思います。
またプロレスの世界では“ミスターX”という覆面レスラーがたびたび登場し(複数いたらしい)、どうも世間では“X=オトコ”というイメージが強いようですが、染色体的にいうとYがオトコなのであります。ー性器的性の決定ー染色体によりオトコと決定された受精卵はその後、お母さんのお腹の中(胎内)で成長していくわけですが、その間、男性ホルモンやある種の女性化抑制物質(ミュラー管抑制物質)により、性器は男性型へと発達していきます。
逆に言うと男性ホルモンや女性化抑制物質が正常に分泌されないと、いくら染色体的にはオトコでも性器は女性型となってしまいます。
なかなかオトコになるの大変なのであります。
通常、胎生12週ぐらいで男性器が形成され男女の区別がつくようになります。
ただこの時期、外性器(陰茎・陰のう)はそれらしき形をしているものの、陰のう内にまだ精巣(睾丸)は無く(胎生12週では睾丸は腹腔内にある)、胎生30週くらいになってやっと、精巣(睾丸)もあるべきところー陰のうーに納まり、外見的にはこれでようやくオトコが完成します。
では、なぜオトコだけが股間にあのようなものをブラブラさせているのでしょう?(つづく)
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片頭痛の新しい治療薬

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
今でも社会には「頭痛ごときで仕事や学校を休むなんて」という空気があると思います。そのために我慢を強いられている方も少なくないでしょう。片頭痛は慢性頭痛の代表で、日常生活に支障をきたす厄介な病気です。しかし、トリプタン製剤の発売後、片頭痛の治療は随分改善されました。予防薬が3種類ほどあり、選択肢の幅も増えています(新薬ではありませんが、健康保険上の適用が拡大されています)。ただし、トリプタン製剤は、それまでの頭痛薬に比べ、有効性の高い薬ですが、服用のタイミングを選ぶ(頭痛の早い段階で飲むのが良いとされている)こと、全ての患者さんに有効ではない上に、使いすぎると薬物乱用による難治性の頭痛を起こすことがあります。予防薬も、万能ではない上に、痛みのない日も毎日服用しなければなりません。最近、新薬がいくつか発表されました。発作予防のための注射薬は、国内で3製品が出ています。月1回の注射で済みます。さらに、頭痛発作時の内服薬も新たに出ました。これは従来のトリプタン製剤と異なり、服薬のタイミングを選ばないのが特徴で、痛み始めでも、痛みが強くなってからでも効果があるといいます。片頭痛のメカニズムはだいぶん解明されてきましたが、根本原因はいまだ不明です。今の治療は、対症療法的で、完全には発作を予防できませんし、全ての患者さんの痛みをゼロにするには至っていませんが、治療の選択肢が増えたことは、患者さんやわれわれ医師にとって、大変うれしいニュースです。これまで、頭痛を我慢していた方、従来の薬で満足できずに治療を諦めてしまっていた方は、改めて医療機関で相談することをお勧めします。
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家庭血圧の値のバラツキ=血圧変動

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、家庭血圧の値のバラツキが大きくなったのは、私の機械が壊れているのでしょうか?」と、高血圧で通院しているAさんは首をかしげて聞いてきました。どうやら、毎朝きっちりと同じ時刻、同じ姿勢で家庭血圧を測定しているのに、季節が秋に入った頃から、測るたびに血圧の値が大きく違うようになり、自分の家庭血圧計が信用できないとの相談でした。血圧の値は測定する度にバラツキがあるものです。これを血圧変動といって、病院で測る診察室血圧も家庭で測る家庭血圧にも必ず変動があります。以前は、測定器の機械的誤差や測定方法が丁寧でないことなどが、血圧変動の主な原因と考えられていました。しかし2010年頃から、血圧変動が大きいことが脳卒中の発症と関係があるとの研究結果が報告されるようになり、血圧変動は老化や動脈硬化の進行とも深く関係があると考えられるようになりました。血圧変動には、夏に低く冬に高くなる「季節変動」、病院の定期受診時に測定する度に違った値となる「受診間変動」などがあります。さらに近年は家庭血圧測定が普及したことによって、毎日測定すると毎日違う値となる「日間変動」、朝と夜などの1日の中で違う値となる「日内変動」、さらに1機会に複数回測定した場合に違う値となる「測定間変動」などが容易に調べられるようになりました。最近はそれらの変動に関して幾つもの研究がされるようになり、血圧を下げる薬の中でも特にカルシウム拮抗薬が、「受診間変動」を小さくすることで、脳卒中を予防する可能性がある事が分かってきました。Aさんのように気温が寒くなり始める秋頃から血圧変動が大きくなる人は、動脈硬化が進行していると思われますので、冬期間は気温の低い場所に突然出ることを避けるなど気温の変化に注意することで、血圧変動を大きくさせない生活をおくることがとても大事です。
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