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こどもの皮膚病Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
皮膚は外部の刺激から身を守る防御壁の役割を担ったり、汗を分泌して体温調節を行ったり、内臓で起こっている異常を映し出す鏡の役割を果たしたりと、様々な機能を持った生命にとって欠かすことの出来ない重要な臓器の一つです。そして年齢によりその特徴には違いがあります。今回は子供の皮膚の特徴についてお話します。皮膚には、一面に穴があります。汗が出る穴(汗孔:カンコウ)と毛の生えてくる穴(毛孔:モウコウ)です。この穴の数は生まれてから一生変わることがなく、ずっと同じで、成長とともに皮膚の面積は増えても穴の数は変わりません。ということは、子供の皮膚には汗孔や毛孔が過密に存在していることになります。このことは、毛孔や汗孔が関わる皮膚のトラブルが子供には起こりやすいことを示しています。一方、皮膚の厚さは子供の頃の方が薄く、成長とともに厚くなっていきます。低年齢の時ほど皮膚が薄いため、皮膚疾患も多いのです。また皮膚の表面は毛孔から分泌される皮脂(ヒシ)で覆われていますが、この量を大人と比較すると、子供はとても少ないのです。生後2~3ヵ月頃までは、母体からのホルモンの影響などで皮脂を作る脂腺機能は活発ですが、それ以降の幼少時期になると機能は低下します。そのため子供の皮膚はカサカサと乾燥しやすいことになります。つまり子供の皮膚はかなりデリケートなものと言えるでしょう。例えば脂漏性湿疹(シロウセイシッシン)という病気がありますが、これは、乳児期前半に好発します。頭頂部に始まることが多く、顔にも見られ、黄色っぽい色をした厚い鱗屑(リンセツ:かさぶた)と紅斑(コウハン:赤み)、痒みがその症状です。先ほど述べました皮脂腺と関連があります。その一方でもう少し成長した子供に多いのが、乾燥性の湿疹です。これからの季節は気温や湿度が低下し、皮膚の血管は収縮します。更に汗や皮脂も少なくなり、皮膚の表面はカサカサになりがちです。そのため乾燥から皮膚を守る対策が必要です。皮膚を清潔に保つことは必須ですが、保湿のためのケアも行うとなおいいでしょう。
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糖尿病あれこれ その2Text by はら内科クリニック 原 信彦
冬になると運動の機会が減ります。雪国ならではの悩みですね。対策としては①比較的大きなスーパーやショッピングモールへ買い物に行きましょう。陳列棚を眺めながらゆっくりと歩けば、気が付いたら20分程度は歩けます。気を付けるのは、さすがにショッピングセンターですから、買いすぎないこと。また、冬はインフルエンザがはやりますので、マスク着用と帰宅時のうがい手洗いは必須です。歩くことに関して、職場まで片道10分未満しか歩いていない人に比べると、20分以上歩いている人は糖尿病になりにくいことがデータで示されています。(マイナス27%)(※1)②雪かきこれもいい運動にはなるのですが、ヒートショックにご用心。通常起床直後に窓の外をみて、雪かきを始める方が多いと思います。起床後、暖かい室内から急に寒い外に出ると血圧が急上昇。運動により心拍数も増え、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしたり、汗をかくくらい雪かきをしますと、運動により血圧が低下し、めまいをおこして倒れることもあります。糖尿病の方は、お薬を飲んでいる場合、空腹で雪かきをしますと、低血糖になり、倒れやすくなります。ちゃんと暖かい服装に着替え、温かい飲み物で水分を補給してからにしましょう。理想的には、朝食後に行うのが食後の血糖も下がり効果的です。話ががらっと変わりますが、最近話題なのは、糖尿病患者には、がんが多いということ。糖尿病でない人を1としたときの、糖尿病の人のがんによる死亡の危険性(※2)は、がん全体1.26倍、肝がん2.05倍、大腸がん1.41倍、甲状腺がん1.99倍、腎がん1.84倍、前立腺がん1.41倍、卵巣がん1.60倍、子宮体がん2.73倍、乳がん1.72倍、膵臓がん1.53倍、胆嚢がん1.33倍、胆管がん1.41倍、悪性リンパ腫1.39倍ということが分かってきました。特に肝がんは原因が脂肪肝によるものが増えてきており、注意が必要です。春の健康診断では積極的に胃カメラや腹部エコー、便潜血反応や大腸内視鏡検査等、ないがしろにせず積極的に受けてみましょう。(※1)SatoKK,etal.DiabetesCare.2007302296‐2298(※2)ChenY,etal.Diabetologia.2017601022‐1032
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目をぶつけたらものが二重にText by 清水眼科クリニック 清水 信晶
顔面の骨の中で目が入るくぼみは眼窩(がんか)と言い、目の周りの骨は非常に薄い骨で出来ています。目を強くぶつけるとこの薄い骨が折れる事があります。特に下側の骨が弱くて折れやすいので、眼窩底(がんかてい)骨折といいます。テニスボールで言うと堅い硬式ボールよりも逆に柔らかい軟式テニスのボールの方が、顔面の骨に当たってからも変形して眼窩の中に入り込んでくるので、目に強い圧力がかかり眼窩底骨折を起こしやすいと云われています。眼窩底の骨折したところに目を動かす筋肉が引っかかるので上を見ようとした時に目が動かなくなり、ものが二重に見える複視(ふくし)が発症します。複視の程度が軽い場合は様子を見ることがありますが、程度の重い場合や子供の場合は手術が必要になることがあります。
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涙道(るいどう)内視鏡を用いた流涙症(りゅうるいしょう)治療Text by 吉田眼科病院 佐藤 浩介
「悲しくもないのに涙が出て止まらない」「いつもハンカチで涙をふかなければいけない」こんな悩みをもっている方けっこういらっしゃいますよね!この様な症状は涙道(涙の排出路)がつまってしまっている可能性が高いのです。いわゆる涙道閉塞という病気です。人間の眼の内側には涙点という涙の流れる口が上下に2箇所あります。涙はここから2本の管を通り涙嚢(るいのう)という袋に入り、鼻の奥へと流れて行くのですが、このどこかに閉塞している場所があると鼻の方に流れて行かなくなり眼の外にこぼれ出るため、常に泣いているように涙があふれてくるのです。涙道閉塞の治療は目薬では直す事が出来ず、今までは「ブジー」と呼ばれる先の丸い金属棒を使って閉塞部を突き再開通させ、チューブを挿入し治療していました。この方法で治らないケースの場合には鼻の骨を削って小さな穴をあけて、鼻の粘膜と涙嚢の粘膜をつなぐ手術を行うという方法も行われていました。近年、『涙道内視鏡』を用いた新しい流涙症の治療が行われるようになりました。この治療は、涙点から挿入した小さなカメラで涙道の内腔を直接観察しながら、つまっている部分を開放し、柔らかいチューブを挿入し留置しておく方法です。麻酔は涙点から麻酔液を注入し、鼻の中にも麻酔液を浸した綿を詰めます。手術後は2週間に1回洗浄の為に通院が必要で、留置したチューブは約2ケ月後に抜去します。この治療が普及してきたお蔭で、骨を削ったり、顔の皮膚を切ったりすることなくなりました。涙が多いというのは毎日が不快なものです。「治療しなくても我慢すればすむ事」とあきらめてしまう前に『涙道内視鏡』による治療という方法もあります。
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ワクチンを受けましょうText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
こども達は病気と闘うにはとても弱い立場にあります。生後6カ月、お母さんからたっぷりもらった免疫がなくなるころから、ウイルスや細菌に曝(さら)される度に自分の力で一つ一つを克服して大きくなっていきます。多くは自分の力で克服できますが、あるときには病院にいってウイルスや細菌を退治してくれる薬を飲んで克服することもあるでしょう。病気にならないで済むのであれば、それにこしたことはありません。そのために行うのがワクチン投与です。ポリオはワクチンの普及によって全世界でほぼ制圧できつつあります。BCGは結核の中でも重症な髄膜炎(ずいまくえん)や骨髄炎(こつずいえん)には大変有効です。百日咳(ひゃくにちせき)はこどもでは脳症を起こすなどその合併症はあまり知られていませんが、一歩間違えると死に至る病です。ジフテリアや破傷風(はしょうふう)はワクチン投与を行わなければ自然に免疫を得ることはできません。麻疹(はしか)はアメリカやヨーロッパではほぼ制圧できている病気ですが、日本やアジアでは散発的に発生しています。最近は、お誕生日に麻疹ワクチンをというキャンペーンでずいぶんと発生数が減り、今年はおそらく100以下の発生になるものと思われますが、百日咳と同様にこどもにとって罹(かか)ってしまうことが危険な感染症であるのは変わりません。風疹は流行すると赤ちゃんに先天性風疹症候群という重い障碍(しょうがい)が出ることがあります。男の子もワクチン投与を受けるようになり、その発生は劇的に減りました。みずぼうそうは予防すると将来の帯状疱疹の発生が減るのではないかと期待されています。おたふくかぜは合併症に不治の難聴があり、ワクチンでぜひ予防したいものです。10月から11月はインフルエンザのワクチンを受けなければと思う保護者の方が多いと思いますが、この機会を利用して母子手帳を確認して受けていないワクチンがありましたら、ぜひ受けるようにしてください。任意のワクチンはお金がかかりますが、失った有給休暇と賃金よりははるかに安いものです。
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