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眼科の疾患について

Text by 江口眼科病院 昌原 英隆
白内障白内障とは水晶体の濁る状態です。水晶体は瞳孔のすぐ後にあるので、濁りが強くなると瞳孔が白くなるので、「白そこひ」ともよばれています。視力が低下し、かすんでみえることが特徴です。原因は不明ですが、若い方にもみられます。60歳では約半数の方が多少なりとも白内障にかかっていると言われています。緑内障「あおぞこひ」ともよばれます。基本的には眼が硬くなる病気です。すなわち眼圧の上昇する病気です。眼圧は21mmHgまでが正常です。房水という透明な水が眼内を還流していますが、この水が眼外に排出されにくくなることで眼圧上昇がおこります。その結果視神経が圧迫されて、次第に視神経の機能が低下して視力や視野といった機能を失います。眼圧が高くないにもかかわらず、視神経がこのように萎縮をきたす正常眼圧緑内障もかなりの頻度でみられることも分かってきました。その場合、眼圧値そのものより、視神経周囲の血液循環障害によることが原因とされ、注目を集めている病気のひとつです。糖尿病眼症眼症の代表は糖尿病網膜症、白内障、眼筋麻痺です。年齢、罹病期間、血糖の状態、腎合併などが加味されると多彩な所見がみられます。糖尿病でみられる黒目の表面、角膜の上皮障害は、末梢神経障害が基盤になって生じると考えられており、糖尿病に罹患したため生じた知覚低下が原因です。また、神経症状として複視や眼瞼下垂症状で受診し、眼科で初めて糖尿病の存在を知ることも少なくありません。水晶体に糖が蓄積すると白内障が進行します。他にも網膜剥離、高血圧網膜症、流行性角結膜炎、季節性アレルギー結膜炎、春季カタル、結膜結石、結膜下出血、近視、老視などがあります。
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化膿した粉瘤(ふんりゅう)の治療

Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡
粉瘤というのは、皮膚の下にお粥(かゆ)のようなあかが貯まった袋ができる良性の皮膚腫瘍です。体中どこでもできますが、多いのは顔、背中、お尻、脚のつけ根などです。化膿していなければ、コロコロとした丸い塊が触れるだけで痛みもありません。皮膚の表面に小さな穴があると、押すとそこから悪臭のある内容物が出てくる事もあります。化膿していなければこの小さな穴と、中の袋を取って縫合すると再発はしません。でも、化膿してしまうと、中に膿(うみ)がたまって急に大きくなって赤く腫れてきます。さらに痛みも出てきます。そして、痛みが出てから来院される方が多いようです。しかし、こうなると化膿して膿がたまっていますから、中の袋を取ることはできません。そこで、局所麻酔をして、皮膚を切開し、中の膿を出すだけになります。切開は皮膚の表面の小さな穴がはっきりしていれば、その穴を含めて皮膚を一部切除して穴を開けておきます。そうする事によって膿が中にたまらず、きちんと外に出てくれます。そして、粉瘤の袋が残っていれば可能な限り取り除きます。これを残すといつまでもジクジクして、治りが悪くなったりします。縫合はできません。そして、週2~3回程度時々通院しながら炎症が治まって小さくなるのを待ちます。消毒しなくて良くなるのには、大きさにもよりますが、10日から2週間位です。元になる小さな穴が残っていると、再発してくる事も考えられます。また、炎症が治まらないうちに切開した入り口が閉じてしまうと、中で肉芽腫といってくすぶった状態が続き、炎症を繰り返す事もあります。ですから、粉瘤は化膿しないうちに取ってしまう方が、簡単で早く治る方法なのです。
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胃がん撲滅元年

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
今年は胃がん診療に大きな動きが2つあり胃がん撲滅元年ともいわれています。1つ目はヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)診療の保険適応の拡大です。ピロリ菌は胃の中に住んでいる細菌で、もともとは胃・十二指腸潰瘍の原因菌として発見されました。その後は血液の病気など多様な病気の原因でもあることが明らかとなり、保険で治療できる病気の種類は増えています。そんな中、今年の2月には慢性胃炎でもピロリ菌の保険診療が認可となりました。ピロリ菌は慢性胃炎を引き起こしてそこから胃がんの原因になっていくと考えられています。従って、胃炎のうちに除菌を行って胃がんの発生を予防し、胃がんの死亡率を下げることが期待されています。保険診療上の注意点は、事前の内視鏡検査が必須条件となっており、そこで胃炎の存在が確認されたらピロリ菌の有無を調べる検査に進みます。もし陽性であれば、希望により除菌治療を行うことになります。2つ目ですが、特に腹部症状がないなど保険でのピロリ菌診療ができない方は、『ABC検診』(胃がんリスク検診)が推奨されています。この検診はピロリ菌と、胃粘膜の萎縮を反映するペプシノゲンを同時に測定するもので、血液だけで調べることができます。検査結果の組み合わせから胃がん発生の危険度によりいくつかのグループに分けられ、除菌を勧めたり、今後の適正な胃がん検診間隔を推奨するなどしてがん予防に生かす方法です。これまで胃がん検診といえばバリウム検査が主に用いられてきましたが、今後は胃がんになりやすい人とそうでない人を選別してその後の対応を決めていくこの方法が主流になっていく可能性もあります。函館市では、この検診は今年度から特定健診のオプションとしても受けることができるようになりましたので、是非活用しましょう。以上の新たな2つの動きは、がんの中で患者数の最も多い胃がんの撲滅に大きく寄与することが期待されています。
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毛穴、ニキビ跡の治療

ニキビ跡の治療としてケミカルピーリングがよく行われるようになりました。美白的な効果はありますが、毛穴への効果には時間がかかりますし、ニキビ跡のクレーターのような陥没への効果は満足の頂けるとことではありません。毛穴の治療としてメソローラーはメソセラピーの原理(薬液を皮下や皮内に注入する治療法)でビタミンC,ヒアルロン酸、皮膚成長因子(EGF)を細かな針が付いたローラーで皮膚表皮に注入する方法で皮膚表面の毛穴、小じわに有効な方法です。この方法の特徴は表面麻酔を使用するため痛みが少なく、2~3日赤みがあり、化粧がしづらいかもしれませんが、1~2週間程度から皮膚の張り、柔らかさ、美白効果が実感できます。ニキビ跡のクレーターのような陥没はメソローラーと共にピンポイントのピーリングを行うことで、良好な効果が認められるようになってきました。この治療法ではピンポイントの患部にかさぶたが生じますので施術後7~10日間部分的に化粧が出来ないなどの制約がありますが、クレーターのような陥没が改善され化粧がしやすくなります。これらの治療方法はそれぞれに特徴があります。専門医に十分説明を受けた上で治療方法を選択してください。
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矯正歯科と唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)

『ロ蓋裂矯正歯科の健保導入の歴史』「北海道苫小牧市内に住む建築業、竹田洋一郎(仮名)さん・・・・生まれて間もない三女の和美ちゃん(生後三力月)の小さな体が裸のままつぶれたようにタタミの上に倒れていた・・・・竹田さんは自分の車で近くの病院に和美ちゃんを運び込んだ。が、すでに死んでいた。・・・昭和50年5月25日夜のことだった―」これは、1976年毎日新聞北海道支社発行の「谷間の口がい裂児たち―この子らに健保を」の書き出しの部分です。私が卒業直後に大学に勤務し唇顎口蓋裂の治療に携わっていた時期に発行された本で、現在まで歯科医としての私に強く影響を与え、いずれは函館に帰り、口蓋裂児によりよい環境を地方都市で作ろうとの思いを強く抱きました。その後、歯科医としては地方都市では矯正歯科を学ぶ方が効果的と考え、口腔外科から矯正歯科へ移り、米国、カナダの唇顎口蓋裂施設の視察を経て、市立函館病院歯科口腔外科に勤務。現在、当院で唇顎口蓋裂患者の治療にあたっております。「チームアプローチが必須」口唇顎口蓋裂を持つ子供を殺害した事件後、矯正歯科の保険導入の働きかけがコロンビアトップ議員の国会質問により始まり、1982年にようやく保険導入が開始され、はや25年を経過しております。30年前は、出産直後の産院で、手術をしたようですが、現在では、形成外科医、その中でもこの疾患についてトレーニングを積んだ医師のみが、携わっております。言語や心の発達の時期と重なり合うため、言語治療士と歯科医その他の医療従事者によるチームアプローチの下、治療が行われております。治療も出生直後の形成外科および術前矯正歯科治療から始まり、矯正歯科治療が一応めどがつく、17、8歳までと長期にわたります。障害の程度はそれほど重度ではありませんが、心のケアを含めた長期的な展望と年齢を考えた治療ステップを計画する必要があります。また、毎年、この疾患に関する「日本口蓋裂学会」が開催され、日本の治療水準も、世界でも優れている国となってきております。
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