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「赤ら顔」は体質?(2026年6月 ハコラク掲載)Text by 藤岡眼科 副院長 藤岡 聖子
「昔から顔が赤くなりやすい」「お酒を飲んでいないのに赤い」と悩まれている方は意外と多いものです。単なる「赤面症」や「体質」ではなく、慢性的に続く状態です。その正体は一つではないので、正しい診断が必要です。主な原因として、①酒さ(しゅさ):中年以降の女性の顔に多く見られ、鼻や頬の毛細血管が拡張し、皮膚の表面から透けて見える。②酒さ様皮膚炎:ステロイド軟膏の長期使用などで、特に皮膚が薄い目元・口周りに赤みや激しいかゆみが出て急激に悪化する場合がある。③脂漏性皮膚炎:皮脂分泌が多い頭皮・眉間・耳などに起きやすく、常在するカビの繁殖などで発症し、フケ状の皮むけを伴う場合もある。④アトピー性皮膚炎:身体のほかにも頬・首など幼少期からアレルギー体質以外のさまざまな要因により発症し、強いかゆみと赤み・乾燥を伴う。⑤ニキビ:10代〜大人まで見られ、額・頬あごなど皮脂の過剰分泌や毛穴のつまり、アクネ菌の増殖により発症し、赤みを伴うブツブツや膿疱ができる。気を付けるべきほかの要因として、ストレス・ホルモンバランスの乱れ、紫外線や急な温度変化、刺激物の摂取、便秘などがあり、食生活や日々のスキンケアの見直しも重要です。保険診療での外用薬(塗り薬や保湿剤)や抗菌薬内服などのさまざまな治療で炎症が落ち着いても残ってしまった「血管の開き」には美容医療(自費治療)が効果的なことがあります。美容医療の一つとして、高性能肌診断機により、肌の奥の血管の増殖(炎症による)を見極め、内服やスキンケアを組み合わせて肌の土台を整えつつ、広がった血管にはレーザーで不要な血管を収縮させ、赤みを改善させる治療があります。ただ、やみくもに強いレーザー照射は炎症と赤みを悪化させるので医師による適切な照射で肌色を安定させることが大切です。気になっている方は、専門医や専門科にご相談ください。
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真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)ってご存知ですか?Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
中耳炎と言えば痛い急性中耳炎や耳漏(じろう)が続く慢性中耳炎をイメージされる方が多いと思いますが、今回は中耳炎の中でも注意を要する真珠腫性中耳炎をご紹介したいと思います。真珠腫とは真珠様の光沢がある耳アカのようなものが耳にできる病気です。
周りを破壊しながら大きくなるという性質があり決して良性とはいえない病気です。 進行すると顔面麻痺、めまい、脳膿瘍(のうのうよう)など重大な合併症を引き起こします。初期の症状は難聴、耳漏ですが一般的な治療で耳漏がなかなか治まらない場合には真珠腫の存在を疑う必要があります。 観察顕微鏡を用いた診察で簡単に見つけることができます。 真珠腫を除去する処置で経過を診ることも可能ですが除去できないときは手術が必要になります。耳漏がなかなか治まらない方は一度、お近くの耳鼻咽喉科医院で相談されてはいかがですか。 |
目薬の正しい使い方Text by くどう眼科クリニック 院長 工藤 勝利
このような時期です、手洗いをいつもより念入りに行っていることと思いますが、点眼する前にも手をよく洗い、手指についている雑菌を除去します。上を向き、指で下まぶたをひき開けて点眼します。薬の汚染を防ぐため、点眼容器の先がまつげやまぶた、目に触れないように注意しましょう。点眼後約1分間、静かに目を閉じ目頭を軽く押さえます。この時、薬をいきわたらせるためと眼球を動かす必要はありません。2種類点眼する場合は、5分以上間隔を空けましょう。まぶたがただれるのを防ぐため、周りにこぼれた点眼液はティッシュペーパー等で取り除きます最後にキャップをしっかり閉め、付属の保存袋に保管します。容器に記載されている使用期限はあくまで未開封の状態を指しています。開封後は約1カ月を使用期限と考えるとよいでしょう。
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胃食道逆流症についてText by はら内科クリニック 原 信彦
食生活をはじめとする生活様式の欧米化により、近年日本人の胃食道逆流症増加しています。名前の通り、胃液が、食道からのどにかけて逆流するために様々な症状を引き起こします。一般的には、胸焼け・すっぱい水があがる・ご飯が詰まる感じがするなど。変った症状では、のどの違和感・不快感、声のかれ、慢性の咳、胸痛なども起こることがあります。この病気は、症状はあっても胃カメラでは異常がない方が30~40%程度いるという困った疾患です(以前は、胃カメラで異常がないため、神経症と誤診されていたケースもあります)。症状と胃カメラの所見が合わないケースでは、24時間pHモニタリングという検査を行うのが一番よいとされています。しかし、この検査は、鼻から細いコードを飲み込み、その状態で24時間過ごしてもらう検査のため、通常行う検査としては不向きです。このため、胃カメラで所見がなく、この疾患を疑う場合、治療と診断をかねて、PPIテストを行います。これは、プロトンポンプインヒビター(頭文字をとってPPI)といわれる胃酸の分泌を抑える薬を服用するだけです(新薬ではなく、胃潰瘍・十二指腸潰瘍治療に用いられています)。薬は、1日1回の服用で済み、副作用もほとんどありません。胃食道逆流症の場合、内服後症状は改善し、中止後再発することが多いことで診断がつきます。このPPIテストの注意点は、胃カメラで病状を確認することです。つまり、胃カメラで他の病気がなく、PPIが効果ある場合に初めて胃食道逆流症と診断がつきます。そうしなければ、同じ症状でも、食道ガン・胃ガン・胃潰瘍等の疾患を見逃してしまいます。最近では、胃カメラも細くなり、また、以前つらい思いをした方には、鎮静剤を用いた方法でリラックスして検査を行うことが可能です。これらの症状に思い当たる方は、消化器専門医への受診をおすすめします。
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ピロリ菌は万病の元?Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
「かぜは万病の元」。ささいな病気でも軽く考えず早目に治さなければ、より重大な病気をひきおこすと警鐘を鳴らした言葉です。
胃潰瘍の原因菌として一躍有名になったピロリ菌(正式にはヘリコバクター・ピロリ菌)は1983年にヒトの胃から発見されました。 胃液中の酸はその殺菌作用によって細菌感染に対する防御機構として機能すると考えられており、「胃の中に細菌は存在しない」という当時の医学常識を覆す画期的な発見でした。 日本人は人口の約50%が感染しており、除菌療法が2000年に胃潰瘍と十二指腸潰瘍に、その後胃MALTリンパ腫、早期胃がんの粘膜切除術後の胃などにも保険適用となりました。 消化器系疾患では他にも胃がん、胃ポリープ、萎縮性胃炎などとの関連性が判明しています。一方、最近の研究でピロリ菌は、意外な疾患にも関係することが分かってきました。 特発性血小板減少性紫斑病という血液の病気でピロリ菌陽性例に除菌治療を行うと半数以上で病状が改善するため、現在は治療の第一選択となり保険適用にもなりました。 また原因不明の慢性じんま疹はピロリ菌を除菌すると30%前後の例で症状が改善するとされています。 その他にも、心筋梗塞などの虚血性心疾患、パーキンソン病・アルツハイマー病などの神経疾患、肺がんなどの呼吸器疾患、鉄欠乏性貧血、糖尿病、自己免疫疾患、眼科疾患、婦人科疾患など、当初の想定を超えた広範囲な疾患でピロリ菌感染との関連性を示唆する報告があります。 これらの関連性は現時点ではまだ確定的ではないものもあり、保険適用もない疾患が多いですが、今後の研究が期待されるところです。ピロリ菌の除菌療法は一週間の内服ですが、最近は耐性菌の増加により成功率が70%前後に低下しています。 しかし一回目で不成功の場合も二次除菌として有効な治療薬が保険適用となっており、最終的には90%以上の方で除菌は可能です。 除菌を希望する場合は専門医とよく相談するのが良いでしょう。 |








