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緑内障についてText by 吉田眼科病院 目谷 千聡
緑内障とは、視神経が障害され視野(正面を向いて前方を見つめた時に上下左右の見える範囲)が狭くなったり、部分的に見えなくなる目の病気をいいます。眼球に一定の張りを与えて形を保つ圧力のことを眼圧(がんあつ)といいますが、房水(ぼうすい)という眼内の水分がこの役割を担っています。房水は、毛様体(もうようたい)というところから生産され、目の中を循環しながら組織に栄養を与え、最終的には隅角(ぐうかく=房水の出口)を経て血管に流れ出ていきます。この流れがスムーズである限り、眼圧は一定に保たれています。ところが、房水が排出される隅角が目詰まりを起こすと、目の中の房水が多くなりすぎて目がパンパンに張ってしまいます。これが、眼圧が高い状態です。急激に眼圧が上がると視神経はすぐに傷つきます。また、眼圧がそれ程高くなくても、上昇している期間が長ければ徐々に傷ついていきます。眼圧の正常範囲は10~21mmHgとされていますが、視神経がどのくらいの眼圧に耐えられるかは個人差によります。実際、眼圧が正常なのに緑内障をわずらっている人が緑内障全体の半数以上を占めています。ですから、眼圧が正常でも決して安心はできません。多くの緑内障は、初期の段階では自覚症状はほとんどありません。実際、視野障害が起きていても視線を動かすなどして無意識に両方の目で補い合って物を見ているため、自分では視野障害に気付かないことが多いのです。また、視力は末期まで良好に保たれるため、視力を測っても緑内障が発見されないこともあります。現在、日本では四十歳以上の十七人に一人が緑内障に罹患(りかん)しており、自覚症状がないために緑内障患者さんの約九〇%が治療を受けていないといわれています。早期発見、早期治療のため、何も症状がなくても、一度は眼科検診を受けることをお勧めします。
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スポーツと頭部外傷Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
スポーツにケガはつきものですが、頭部外傷は、時に命を奪ったり、重い障害を残したりします。特に、脳振盪(しんとう)には注意が必要です。脳振盪を起こした後、短い間に二度目の衝撃が加わると、致命的な出血が起きることがあります。セカンドインパクト症候群と呼ばれ、世界中で問題となっています。日本では、柔道の練習中に指導者に投げられた後、頭痛を訴え、元気がなくなっているのに、練習を続け、再び投げられた結果、頭蓋内出血で生徒が亡くなった事件を覚えていらっしゃる方もいるでしょう。脳振盪とは、頭部への直接的または間接的な外力によって引き起こされた脳の機能障害で、頭痛や体の不安定性、意識の混乱、行動の異常などを示し、多くの場合、意識消失は伴わない、と定義されています。頭を強く打った後、一時的に意識を失ったとか、動きがノロい、ぎこちない、バランスが悪い、記憶が途切れている、表情がおかしい、といった症状を一つでも認めたら、すぐに運動を止め、医療機関を受診して下さい。脳振盪から1~2日が最も危険と言われており、この期間は傍に誰かが付き添い、急な変化に備えましょう。さらに、競技への復帰は段階的に行い、最低でも1週間近い時間を掛けるようにします。とても慎重な対応に見えますが、脳の回復には、かつて考えられていたより、はるかに時間がかかることや、中高校生位の年齢の脳は、成長途中でデリケートなことも分かっています。選手は、重要な試合(勝ち抜き方式の大会など)で、途中退場はしたくないでしょう。復帰に時間がかかることも受け入れ難いかも知れません。でも、選手生命、あるいは競技を辞めた後の長い人生を考えるなら、生命や重い後遺症の危険は避けなければいけません。FIFAやIOCなどの国際スポーツ機関が共同で、「SCAT3」という脳振盪への対処の手引きを公表しています。スポーツを指導する方たちは、是非一度「SCAT3」をご覧下さい。インターネットで見ることができます。
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大きくなる顎(あご)と変わらない歯Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
身長94cm、体重12kgの3歳児が大人になり、身長160cm、体重60kgになったとすると、身長で1.5倍、体重だと5倍に成長したことになります。
背が大きくなるにつれて、あごの大きさも大きくなりますが、3歳児のあごの中の永久歯の冠の大きさは、もう大人の大きさと同じです。そしてこの永久歯が、6歳ころになると口の中に現われてきますが、まだ成長しきっていないあごの上の歯が大きく見えるのは、当たり前と言えそうです。歯並びの悪い子の場合、あごが大きくなることで、歯並びが良くなる可能性もなくはありません。 良くなるかどうか予測することは身長が180cmになるか160cmで止まるかを予測することが難しいように困難です。 しかし、親と似るということは、間違いないようです。 |
不老長寿の秘薬Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
脈拍数(心拍数)は走ったり、人前で緊張したりしたときに多くなり、ドキドキして、つらくなることがあります。ゆったりしていると脈は遅くなります。脈拍数は刻々と変化しますが、5分間安静にした後の脈はいつも大体同じになり、その人固有の脈拍数と言えます。60~70拍/分が普通の脈ですが、医学的には50~100拍/分が清浄範囲と決まっています。昔エライ学者たちが「これぐらいだべー」「そだねー」と決めただけで、特に根拠なく決めました。ところで、動物界を見ると脈が速い小さな動物の一生は短く、脈が遅い大きな動物は寿命が長いことから、「脈は遅いほうが長生きなのではないか」と考えられました。そして今では、脈が正常な人でも、脈が速い人と遅い人では違いがあることがわかってきました。住民健診を10~20年間続けた調査結果で、脈と死亡率の関係を調べた人たちがいます。どの論文でも「脈が多いと死亡率が(死亡率が高くなる)」そうです。日本でも16年かけて調べた結果、「80拍/分以上の人は、60拍/分の人に比べると総死亡が1.45倍、心臓病死は2.5倍多かった」そうです。脳卒中死は脈の多い少ないで増えたりはしませんでした。ということで、脈は心臓病死に関係していました。理由としては、脈が多い人のグループにはメタボリック症候群の人が多いため、心臓病が多くなったと考えられています。脈が多いメタボの人は3年間くらいで高血圧を発症することが多く、動脈硬化が進んで心臓病の原因となります。脈を少なくするにはどうするか?運動選手の脈は遅いので運動習慣をつければ脈は遅くなりそうです。食事を減らして運動をすれば、肥満は解消されることでしょう。「わかっちゃいるけど、やらないでいたこと」を実行すると、健康に長生きできるようです。ちなみに、認知症を予防することとして認められているのは、「高血圧や糖尿病の適切な治療」と「ウォーキングなどの運動習慣」です。これが秘薬のようです。
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舌下免疫療法 ~ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の方へ~Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
舌下免疫療法の対象としてダニによるアレルギー性鼻炎が追加になりました。免疫療法とは原因物質(アレルゲン)を投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に起こる症状を緩和する治療法です。対象は12歳以上の方です。アレルゲン錠剤を舌下に1分間含み、その後服用するという方法で行います。初回は病院で、以後は毎日1日1回ご自身で行います。2週間かけて徐々に増量していき維持量になったら3年以上継続することが必要です。この治療法の注意点は①アナフィラキシーショック等の強いアレルギー反応が起こる危険性がある。②治療医は関連学会の講習を修了している者で副作用発症時に迅速に対応できる医療施設、あるいは対応できる医療施設と連携している医療施設でなければならないことです。興味がある方は耳鼻咽喉科にお尋ね下さい。
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