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乗り物酔いText by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
行楽シーズンになりましたね。旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。でも、乗り物酔いになってしまうとせっかくの旅行も台無しですね。古代ローマ帝国の皇帝シーザーや映画「アラビアのロレンス」のモデルとなったトーマス・エドワード・ロレンスも乗り物酔いに悩まされていたそうです。では、乗り物酔いはどうして起こるのでしょうか。私たちは普段の動作やさまざまな乗り物からの感覚情報を経験として脳に記憶しています。乗り物に乗ったとき、入ってくる感覚情報がこれまでの経験や記憶のパターンから予測される感覚情報と一致しないと情報処理に混乱が起こり乗り物酔いが引き起こされると考えられています。従って経験パターンが豊富なほど乗り物酔いが起こりにくくなると言えます。普段からできるだけ多彩な身体の回転運動や振動運動を体験し、感覚情報のパターンを記憶させておくことが乗り物酔いの予防につながります。しかし、すべての乗り物に適応できる運動や訓練を行うことは難しいので具体的には以下の様な予防対策をしていただくとよいと思います。出発前:①前日に十分な睡眠をとる。②軽く食事をとり空腹を避ける。脂肪分の多い食事を控える。③乗る前に排便を済ませる。④体を圧迫する様な衣服を避け、ネクタイやベルトをゆるめる。⑤酔いやすい人は乗車30分前に酔い止めを服用する。移動中:①揺れの少ない座席を選ぶ。②後ろ向きの座席を避けて進行方向が見える前の方の座席に座る。③遠くの景色を眺めるようにする。④読書やスマートフォンの操作を避ける。⑤寝るように心掛ける。
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粉瘤(ふんりゅう)とはどんな病気ですか?すぐに治すことができますか?Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡
放っておくとだんだん大きくなるおできの一種です。小さなうちに切除することをお勧めします粉瘤とは、皮膚表面にできる腫瘤(しゅりゅう・おでき)の一つで、アテローマともいわれます。半球状に少し皮膚から隆起して盛り上がり、触るとコリコリしているものです。体中どこにでもできますが、多いのは背中と顔(特にあご、首、耳の周り)、頭にできます。お尻や足の付け根、手足などにできることもあります。「脂肪の固まり」などといわれ、これ自体は痛みはないのですが、ばい菌などに感染を起こして膿がたまってくると痛みが出て、赤く腫れてきます。こうなってから外来を訪れる患者さんがほとんどです。皮膚の下に袋ができて、中にお粥のようなアカや皮脂が詰まっています。皮膚の下に硬い塊として触れ、強く押されたりして表面が破れると、悪臭のある白い物質が出ることもあります。また、腫瘤の表面上に点状にへそのようなくぼみがみられることもあります。良性の皮膚腫瘍で初めは、ほんの5くらいで小さいのですが、何年かそのまま放置しているとだんだん大きくなってきます。大きいものは野球のボールくらいになることもあります。治療法は、化膿していないものは手術で切除することです。注射や軟膏では治療できません。まず、局所麻酔をして袋をすべて切除します。その後、ていねいに縫合して終了します。手術時間は10分ほどです。場所によって違いますが、1週間ほどで抜糸できます。1〜2日すればシャワーや入浴も可能です。化膿している場合は、まず皮膚切開して膿を出してしまいます。しばらく消毒して、炎症がなくなった時点で袋を切除する手術をします。袋を取らないとまた再発してくるからです。傷跡は3カ月くらいは赤く硬くなっていますが、徐々に白くやわらかくなって目立たなくなります。手術して皮膚を傷つける以上、必ず傷跡は残ります。そして、できるだけ目立たない傷跡にすることが、われわれ形成外科の仕事です。そのために、ていねいに縫合したり、シワに沿った傷にします。また、外傷性のアテローマというものもあります。これは、ケガの跡にできる粉瘤で、手のひらや足の裏、膝などにみられ、痛みをともなうことがあります。これもやはり治療法は切って取るしかありません。粉瘤は形成外科でよくみられる皮膚の良性腫瘍です。化膿してから来院される方が多いのですが、小さいうちに、そして化膿しないうちに切除してしまうほうが早く良くなりますし、傷も小さくて目立たない傷になります。
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涙道(るいどう)内視鏡を用いた新しい治療Text by 江口眼科病院 昌原 英隆
最近では、涙目の原因である涙道閉塞(へいそく)症の治療に涙道内視鏡が登場し、従来の治療に比べて、安全で成功率が高い治療が可能となってきています。涙が目から鼻へ流れる道がつまる病気を涙道閉塞症といい、涙が自然とあふれ出てきたり眼やにが出たりします。たかが涙目・眼やにですが意外と不快感があり、患者さんは『いつもハンカチで涙を拭かなければいけない』などと訴えて来院されます。以前は、ブジーという針金で盲目的につまった部分を突き破っていましたが、正常な涙道以外に穴を開けることもあり、治療成績は良くはありませんでした。最近では涙道内視鏡というとても小さいカメラを使用してつまった部分を直接見ながら治療することができるようになり冒頭で記したように安全性・治療成績ともに高くなってきています。気になる症状がありましたらお近くの眼科医に相談してみて下さい。
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歯周病を進行させる喫煙、糖尿病Text by 北斗歯科クリニック 土永浩史
歯周病は無自覚のまま進行し、「歯がグラグラしてきた」「歯茎が腫れて、臭いがする」といった症状が出るまで放置しがちです。気付いた時には抜歯となり、これからはしっかり歯を磨かなければと思った方も多いと思います。歯を歯周病から守るために歯周病の原因である歯垢を除去する必要がありますが、他にも歯周病を悪化させるものがあります。今回はその原因として喫煙と糖尿病を取り上げたいと思います。歯周病を進行させる原因で、後天的なものは喫煙、糖尿病、骨粗鬆症などがあげられていますが、とりわけ科学的に因果関係が深いデータが多いのは喫煙と糖尿病になると思います。喫煙者の歯茎は見た目に歯周病の進行が分かりにくいことが多いのですが、ニコチンが好中球、単球、リンパ球といった体を守る細胞に影響を与え、歯周病を進行させます。また、一部の歯周病菌をも増加させるともいわれています。糖尿病の方も喫煙と同じく、好中球、単球などに作用し歯周病を悪化させますが、一方で糖尿病により血管が変性することで歯周病から守るシステムが妨げられます。逆に、歯周病が糖尿病を悪化させることも分かってきました。糖尿病を増悪させるメカニズムの一つに、肥大した脂肪細胞から産生されるTNF-α(腫瘍壊死因子α)がインスリン抵抗性を起こすことがあります。歯周ポケット内で歯周病菌から出される内毒素に反応した体内の免疫細胞からもこのTNF-αが産生されることが分かっており、歯周病が糖尿病悪化に加担しているといわれています。喫煙による害は歯周病悪化だけでなく肺がん、動脈硬化、心筋梗塞などの原因であり、禁煙が求められ、また糖尿病はリスクを避ける意味で早期にしっかりした歯周病治療が必要です。
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ドライアイText by 吉田眼科病院 岡田 佳典
最近、外来では目の乾燥を訴える方を多く見かけます。これはドライアイ(乾性角結膜炎)から来る症状です。黒目(角膜)や白目(結膜)は常に涙の膜で保護されております。涙は外からのばい菌をやっつけたり、黒目への栄養を運ぶ働きがあります。ドライアイとは、その涙の量が少なかったり、涙そのものの働きが悪くなるために目の表面に傷が出来てしまう病気で、女性に多いといわれています。原因は、加齢性変化はもとより、シェーグレン症候群【自己免疫疾患(膠原病)の一つで、主に唾液腺や涙腺などの外分泌腺が慢性炎症をおこす病気。その結果、主として外分泌腺の機能の低下をもたらす】に代表されるような全身疾患の一症状としてドライアイを呈する場合もあります。精神安定剤やその他の薬によって涙の量が減る事や、中には原因の分からない場合もあります。それに近年、パソコンやTVゲームの普及に伴い目を酷使するため同様の症状を訴えるケースも増えております。症状は先に述べた目の乾きはもちろん、ゴロゴロしたり(異物感があったり)、熱く感じたり、充血、かゆみ、目の痛み、目の疲れやまぶしく感じたりと様々です。また夕方になると充血がひどくなったり冬場の暖房などにより悪化する傾向があります。治療は人口涙液や角膜保護剤などの点眼を用いるのが一般的です。症状のひどい方には特殊なプラグや外科的処置で涙の排水口である涙点を閉鎖するなどの処置が必要な場合もあります。また、暖房の使用時には室内を充分に加湿したり、夏場でもエアコンの付近を避けるなどの予防策も効果があります。とにかく目を乾燥させない様心掛ける事が大切です。北海道は他の地域より乾燥しやすいため外での作業をしたときなど、一年中たえず症状を訴える方も少なくありません。前述のような症状が気になる方は一度眼科での精密検査を受けてみられてはいかがでしょうか?
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