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コラムを読む

脳卒中と遺伝

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
身近な人が病気になったと聞くと、自分は大丈夫だろうかと心配になります。それが、血のつながった身内であれば一層不安です。日常外来でも、しばしば患者さんから「親が脳卒中だったから、自分も不安なので検査してほしい」と言われ、何とか病気の発症前に発見したいと、各種の検査を行います。結論から言うと、脳卒中が不安なら、高血圧、高脂血症、糖尿病などに注意して、喫煙や飲酒、運動などの習慣の改善に努めるのがベストです。遺伝病として脳卒中が発症するパターンは、ごく限られた特殊な病気で、脳卒中に関連した遺伝子はたくさん発見されていますが、それらだけでは予測できません。脳卒中は、遺伝子だけでなく、環境因子も絡んで複雑な要因で発症するものなのです。片親が65歳未満で脳卒中になった場合、子供の危険性は2倍以上になり、片親が65歳未満で脳梗塞にかかった場合、子供の危険性は3倍以上になるという報告があります。くも膜下出血では、一親等の家族に脳動脈瘤(りゅう)の人がいる場合、くも膜下出血の危険性は2.5倍になると言います。脳動脈瘤は家族内に多く発生する事実はよく知られていて、数%から20%台までの発生率が報告されています。このことと、いったん破裂した場合の重大な結果から、脳外科医は未破裂動脈瘤の発見に努めてきました。しかし、ここに挙げた危険性の数字は遺伝子と脳卒中の関係だけを表したものではなく、環境因子も加わったものです。くも膜下出血では、家族にくも膜下出血の人がいなくても、喫煙だけで危険性は3倍以上になります。これを読んでも、不安は尽きないかもしれません。脳出血の予測は困難ですが、現在、脳動脈瘤はMRI検査でかなり小さなものも見つけられます(見つけた全ての動脈瘤が治療対象となるわけではありません)。また、脳梗塞は血管に異常が見つかれば、いろいろ対策が取れます。お近くの脳外科医にご相談ください。検査で多少なりとも安心できるでしょう。
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胸の痛み、それをどう伝えていますか?

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、昨日の夜テレビを見ていたら突然胸が痛くなりました。
すこしの間我慢していたらおさまったので、救急病院へは行かなかったのですが・・・」と、Aさんは不安な表情を浮かべながら今は痛くない胸をさすりました。このAさんのように診察の時に既に症状が無くなっている胸痛は、しばしばその診断を難しくさせます。
このような一過性の胸痛をおこす疾患で一番重篤なものは狭心症です。
狭心症は心筋梗塞の前兆でもあり、その診断が遅れることは死亡への危険を高めます。
そのため、その胸痛の原因が狭心症であるか否かを鑑別することはとても重要になります。狭心症は、胸痛が残っている間であれば心電図をとることですぐに確定診断がつくのですが、Aさんのように来院時にすっかり胸痛が消えている場合は、心電図だけでは判らないことが多いのです。
そのため、診断の決め手としてとても重要なのは、どんな性質の胸痛だったのかということです。
何をしていた時に発症したのか、安静時なのか動作時なのか、痛みの場所は胸のどのあたりなのか、背中や肩や下あごの痛みを伴ったのか、痛みは体位によって軽減しなかったのか、痛みの強さは冷や汗が出るほどの強い圧迫されるような痛みか、弱い違和感のようなものだったのか、動悸や眩暈(めまい)や息苦しさも伴ったのか、持続時間は数秒間か、数分間か、数時間か、などの情報が狭心症を強く疑わせるか否かを診断する鍵となります。
また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、メタボなどの生活習慣病があるかどうかも重要です。このようにして診断された結果、狭心症を「強く疑われる人」は入院して心臓カテーテル検査(冠動脈造影)を受けることを勧められます。
その結果で冠動脈に高度な狭窄病変が見つかった場合は薬物治療の他にカテーテル(ふうせん、ステント)治療やバイパス手術などを受ける場合があります。
しかし、「強くは疑われない人」の中にも狭心症である可能性は少なからずあるため放置されることはとても危険です。
入院せずにできる冠動脈CT検査や運動負荷検査やホルター心電図などを行い、狭心症を否定してしまう事で大きな安心を得る事ができるでしょう。
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クモの巣状静脈瘤の治療

下肢静脈瘤(りゅう)は太い血管がボコボコ浮き出ているものばかりではありません。足首周囲、膝裏、ふくらはぎなどに赤紫の細い1㎜以下の血管が見えていることがあります。これがクモの巣状静脈瘤です。皮膚内の毛細血管が拡張したもので、静脈瘤の一種です。欧米人では10代の若い頃から大腿部など広範囲に見られることもがありますが、日本人の多くは年齢が高くなるにつれて足首辺りから土踏まずにかけてたくさん出てきます。太い静脈瘤と違いむくみ、だるさ、痛みなどを起こすことはありませんが、まれに局所が火照ることがあります。原因は体質や加齢に伴う変化と言われています。ただし注意しなければならないのは太い静脈瘤が隠れている場合です。むくみやだるさを伴う場合は診察を受けられるのが良いでしょう。クモの巣状静脈瘤の治療は大きく2通りです。一つは硬化療法、もう一つはレーザー治療(自費)です。硬化療法では血管を固める薬を静脈瘤内に注入します。1㎜以下の血管ですから極めて細い注射針を使いますが、薬液に刺激性があり若干の痛みがあります。また皮膚の体質によっては薬液への反応で色素沈着を来すこともあります。レーザー治療は皮膚の表面からレーザーを照射する方法で、施行中はゴムで弾かれるような痛みがあります。いずれの方法も目立ちにくくなるには半年程度かかります。クモの巣状静脈瘤は自覚症状が出るものではなく、原則経過観察で構いません。ただし加齢が原因の一つであるため徐々に広がってくる可能性があります。そのため治療の目的は美容的な意味合い(見栄えの改善)が主となります。まずは正しい診断と患者さんにあった治療の選択が重要です。赤紫の細い血管が目立ってきたら一度医療機関でご相談下さい。専門科は心臓血管外科です。
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男性の性(21)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
『性に目覚める頃』というと「ふるさとは遠きにありて思ふものそして悲しくうたふもの」の詩人・室生犀星の小説を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、思春期「春を思う時期」の[春」を「性」に置き換えれば、『性に目覚める頃』というのは『思春期』とほぼ同じ意味と考えてよさそうです。ところで、その思春期の始まり、つまり『性に目覚めた時』はいつか?というと、女子では『初潮』というはっきりした徴候があり、昔は(今でも?)家で赤飯を炊いてお祝いしたりして非常に開放的であり、初潮以後は生理用品を携帯したり、その頃から乳房や臀部が発達して、見た目にも、「おそらくそうだろう」と世間的にも認知されるわけですが、男子の場合は、女子の初潮に当たる精通現象(最初の射精)が夢精にせよ自慰にせよ秘密裏に(つまりコッソリと)処理されることが多く、またその発来時期も、初潮のように熟柿が枝から落ちる如き自然な発来とはやや趣を異にしていて、最初の射精が思春期の始まりと一致しない場合が多々あります。陰茎・陰のう・精巣(睾丸)・陰毛の発達も衣服に覆われているため外見上は判断しにくく、背が伸び喉仏が出てきて声が低くなりヒゲがうっすらと(文字通り産毛に毛の生えた程度)生えてくると、「おそらくそうだろう」と判断されますが、精通現象については推測するしかないわけです。つまり、女子では『性に目覚めている』かどうかは、外見や行動から比較的容易に判断できるのに対し、男子では外見ではそう見えても、実際はまだ最初の射精がなく、まだ性に目覚めていない場合もあるということです。昔、花街や花柳界に生まれた男の子は、周りにその道のプロの女性が大勢いるため、筆下ろし(初体験)が極めて早く、初めての性交で初めて射精、ということが珍しくなかったそうです(羨ましい)。また江戸時代の大奥のように、将軍とその正室が年少の場合、正室にきちんと性技指導をする役職があったそうですから、男側がまだ性に目覚めていなくても、それなりに何とかなっていたようです。(つづく)
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LEDディスプレイから出る『ブルーライト』は何が悪い?

Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子
最近、ブルーライトカット眼鏡が売り出されていますが、ブルーライトとは、バックライトにLEDを使う液晶モニターから多く発せられている光です。モニターは明るいほうが見やすいと思われがちですが、明るいとブルーライトがいっぱい入っているわけで、それが「眼精疲労」を引き起こします。また、肌にとっても、紫外線同様に悪影響を及ぼし、くすみやクマができると言われています。一方、ブルーライトによる良い面もあります。ブルーライトは、身体のリズムにも関係しています。海外旅行の時差ボケを解消するためには、太陽の光を浴びた方が良いのですが、これは「明るい=朝=目覚める」「暗い=夜=眠る」という体内のリズムに大きな影響を与えているのです。このリズムにちゃんと従い、昼間に太陽の強い光を浴びると、夜ぐっすり眠れます。しかし、現代社会では、朝から晩まで長時間パソコンやスマホなどをずっと触っているので、パソコンを長時間やった後に寝ようと思っても寝付けないことがあります。ご自分では、頭を長時間使っていたからだと思うでしょうが、実は長時間ブルーライトを見ていたせいで、まるでずっと昼間の明るい中にいるように体内リズムがなってしまい、今が夜だとは認識できなくなってしまうせいなのです。この体内リズムの崩れによって「①睡眠障害②肥満③がん④精神不安定」などの影響がでます。また、20年前に比べると、LEDディスプレイの普及により、あらゆるデジタル機器からブルーライトを知らぬ間にたくさん見ているので、目にも影響があり「①網膜へのダメージ②目の疲れ③目の痛み」などを引き起こします。以上のことから「パソコン作業は、なるべく長時間しないように控える。ディスプレイの輝度を調整する。ブルーライトカットのフィルターやメガネを使用する」などして健康的な生活を送れるように心掛けましょう!!パソコンやスマホ使用の多い方で症状がある方は、眼科にご相談下さい。
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