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ロービジョンケアについて

Text by 江口眼科病院 金井 敬
皆さんは「ロービジョン」という言葉をご存知でしょうか?さまざまな原因で通常のメガネやコンタクトレンズによる矯正、手術などの治療を行っても見え方の改善が難しい状態を言います。私たちの眼は、視力や視野などのさまざまな視機能で物を見ています。先天的あるいは後天的に角膜や水晶体、網膜、視神経から脳に至るどの部分が障害されても物が見えにくくなり、日常生活に不自由を生じてしまいます。具体的には角膜疾患や白内障、糖尿病網膜などによりまぶしくて歩きにくい、かすんで字が読めない、テレビが見にくい、人の顔が判別出来ないなどの症状があります。また加齢黄斑変性などの網膜中心部の疾患では視野の中心が暗い、ゆがむなどにより読み書きができにくくなります。緑内障や網膜色素変性などでは視野が狭くなり歩きにくい、物を探せない、人や物にぶつかるなどの症状で生活しづらくなります。このような治療の困難なつらい症状をさまざまな方法で少しでも緩和させる事を「ロービジョンケア」といいます。まぶしさには遮光眼鏡、字の読みにくさにはルーペや拡大読書器、視野の狭さにはアイムーブメントトレーニングなど患者さん一人一人のニーズに合わせてケアを行います。これらは全て健康保険で受けることが出来ます。また、さらに視覚障害の強い患者さんに対するケア方法として音声時計、音声パソコン、音声図書などの音声を使ったケアもあります。場合によっては見えにくい眼を酷使し疲弊するよりも音声を使う方が良い事もあります。今後日本は超高齢化社会を迎え、医療の進歩によって見えやすくなる患者さんばかりではなく、残念ながら「ロービジョンの方」も増加すると言われています。既に前記の症状などでご本人やご家族にお困りの方がいらっしゃいましたらぜひ「ロービジョンケア」を受けて下さい。日常生活の改善や諦めていた趣味や生きがいが再び見つかるかもしれません。
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自覚症状が出てからでは遅い

Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利
眼科の目標は視覚障害を防ぐことですが、現在、すべてを治せるわけではありません。今回はその中の一つ、糖尿病網膜症についてです。糖尿病を発症すると血糖値が高くなり、血管の壁が障害されます。血液循環が悪くなり、網膜の細胞に必要な酸素や栄養が不足します。さらに、老廃物の回収が滞ります。初期の単純網膜症から中期の前増殖網膜症、末期の増殖網膜症へと進む過程で、自覚症状が出るのは末期になってからです。増殖網膜症では眼球の内部構造が変化しているため治療しても完全に元通りにはならず、何らかの後遺症が残ることがあります。そのため、自覚症状がでる前のできるだけ早くからの加療が必要です。自覚症状がある人、健診で高血糖を指摘されたのについつい内科に行きそびれている人、内科での治療を中断してしまった人、血液検査を何年もしていない人はできるだけ早く受診しましょう。「糖尿病が疑われる人」は国内で約1,000万人と推計されています。
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夏場に多い尿管結石の痛み発作

30~50才といった働き盛りの男性に多い尿管結石ですが、近頃の暑い夏場は発汗が多くなり尿も濃縮しがちとなり結石が育ちやすいため、痛み発作に注意は必要です。急に転げ回るような激痛が、下腹部から左右どちらかの脇腹や背中にかけての範囲のいずれかの場所に感じたら、尿管結石の痛み発作の可能性があります。左右どちらかの下腹部だけとか背中だけということが多いです(いわゆる腰痛のようなからだの中心ということはありません)。治療後5年以内の再発率が20~50%と高率なので、予防や再発防止も重要です。まずは十分なカルシウム摂取。昔は結石のもとになるため食べないように言われましたが、逆であることがわかっています。ほかに重要なのが、十分な水分摂取や就寝前2~3時間は食事をとらないなどで尿の濃縮を防ぐことがありますので、参考にしてみてください。
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メタボリックシンドロームと目

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
食欲の秋、ついつい食べ過ぎてしまう季節になってしまいました。ところで、最近メタボリックシンドロームという言葉をよく聞くようになりました。太っている人を見ると「メタボだね」と略して言うこともありますが、では、メタボって何でしょうか?肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが肥満―特に内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満といいます)ーが原因であることが分かってきました。このように、内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』といい、何でも横文字にするのは日本人の悪い癖ですが、簡単に訳すと、メタボリック:新陳代謝、シンドローム:症候群(=病気の集まり)という意味です。これらの病体は目にもいろいろな病気を引き起こします。特に眼底に出血を来して、目がかすんで視力が低下してしまうことが多いのです。例えば、高血圧では眼底に出血や白斑(白斑=白いしみ)、視神経の浮腫(腫れ)を起こす高血圧網膜症を来たします。高脂血症は眼底の動脈硬化を来すため隣を走っている静脈を圧迫して血がしみ出してしまう病気:網膜静脈閉塞症(へいそくしょう)を起こすこともあります。この病気になると、ある日突然視力が低下して、目の前の半分くらいが暗くぼやけるようになってしまいます。一番怖いのは糖尿病でしょう。糖尿病でもやはり出血や白斑を来しますが、目の中間部に出血する硝子体出血を起こして突然見えなくなったり、網膜の上にクモの巣みたいな膜が張って来ると網膜はく離を起こしたりして放っておくと失明することもある状態にまでなることがあります。これらの病気は、眼科だけではなく、内科の先生と連携を取って治療していく必要があります。
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カサカサ肌になりやすい季節を前に

Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
暑い夏もようやく終わり、秋の気配が次第に色濃くなってきました。季節の移り変わりとともに、皮膚も変化していきます。
これからの時期は、手や足、すねなどの皮膚が乾燥でカサカサし、白い粉をふいたような状態になりやすくなります。皆さんのお肌はどうですか?皮膚のうるおいは、次の三つの要素で決まります。それは、(1)毛穴から分泌される皮脂(ひし)によって形成される、皮脂膜(ひしまく)
(2)皮膚の表面に存在する角質細胞(かくしつさいぼう)の間に存在する、角質細胞間脂質(セラミドなど)
(3)角質細胞内に存在する、天然保湿因子(アミノ酸など)です。これらの三つの要素の働きで、皮膚のうるおいは保たれるのですが、その成分が減少すると、皮膚の乾燥が起こります。この状態が長く続くと、皮膚の表面がひび割れを起こします。乾燥した皮膚は非常に敏感で、かゆみや炎症を起こし湿疹になっていきます。また、かゆみによる「引っ掻く」行為はその症状を更に悪化させます。では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?ポイントは、皮膚を清潔に保ちながら、乾燥を防ぐケアをしていくことです。具体的には、長湯と熱いお湯での入浴を避ける。硫黄成分の入った入浴剤は使用しない。石鹸の使いすぎ、洗いすぎを避ける。ゴシゴシこする行為、ナイロンタオルの使用を控える。入浴後に保湿剤を塗る。肌着は刺激の少ない木綿製のものを使用する。室内の湿度を調節する(加湿器や濡れタオルなどを使用)。爪を短く切り、引っ掻かないようにする。飲酒や香辛料はかゆみを助長するので、控えめにする、などがあげられます。特に、お風呂に入るときにこすらなければ気持ちが悪いとか、お風呂に入った気がしないとおっしゃる方が多いのですが、ゴシゴシこする行為はいたずらに皮膚を傷つけ、皮膚の乾燥を強くするだけではなく、外部からの異物(細菌やウィルスなどを含めて)の侵入を許すことにもなりかねません。注意して下さい。普段の生活で、以上のことを実践しても、かゆみが強く、湿疹になってしまう場合は早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。
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