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ビスフォスフォネート系薬剤を服用しての注意点~顎骨壊死について~

Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史
医科で処方されますビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍(癌)の骨への転移、悪性腫瘍による高カルシウム血症、骨粗鬆症に用いられています。
近年、これが顎骨壊死に関わっているとの報告が相次いでいます。この顎骨壊死はビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様にまれに起こり、顎の骨が部分的に腐った状態になり、口の中の細菌が感染します。
その場合、
①口の中の痛みや腫れ、膿が続いている
②歯茎に白い硬いものを感じる
③歯がグラグラする
④下唇のあたりがしびれる
などの症状が現れます。こういったビスフォスフォネート系薬剤による骨壊死は顎の骨以外では見られなく、特に下の顎に起こりやすいと言われています。
口の中の粘膜は傷つきやすく、口の中の細菌が顎の骨に感染する可能性が他の骨に比べ高いためだと考えられています。また、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様が抜歯などの口の中の外科治療をした場合も顎骨壊死が生じる原因に挙げられています。ビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍、骨粗鬆症の治療に非常に有用です。
こういった顎骨壊死のリスクがあるので、服用されている患者様はかかりつけの歯科医にあらかじめ伝えておくことが必要です。
そして、どうしても抜歯などの治療が必要であれば、ビスフォスフォネート系薬剤を処方している医師と薬剤師と歯科医が連携を取った上で治療を進めてもらった方が良いでしょう。先ほども述べましたとおり、この顎骨壊死は頻度としてはまれに起こるものですが、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様はそのリスクを減らすためにも、口の中を清潔に保ち、定期的な歯科クリニックでの口腔清掃をすることをお勧めします。
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視野の真ん中がぼやける、ゆがむ、暗くみえませんか

Text by 吉田眼科病院 吉田 紳一郎
物を見る中心部がぼやけて、暗く感じる(中心暗点―ちゅうしんあんてん)、ゆがんで見える(変視症―へんししょう)という症状を自覚される場合、網膜の中心部、黄斑(おうはん)の病気が考えられます。黄斑とは網膜(カメラに例えるとフィルムに当たる所)の中心にあり、物を見るために大切な部分です。その黄斑に異常をきたす代表的な病気を挙げます。中心性網膜炎眼底の中心部黄斑が丸く腫れる病気で、ストレスが多くかかる中年男性によくみられます。治療はストレスからの解放、睡眠をしっかり取ることが第一です。また、内服療法や早く治すためにレーザー治療を行います。ほとんどは半年くらいで治癒(ちゆ)しますが再発することもあります。心身の過労を避けることが大切です。
黄斑上膜年齢の変化で黄斑の上に膜がはる病気です。中心部に膜がはると収縮し黄斑にしわがより、症状を自覚します。治療は視力低下やゆがみがないときは経過観察となりますが症状が強いときには手術の適応になります。
加齢黄斑変性症アメリカで中途失明の原因の一位で、黄斑に異常な加齢変化がおこり症状がでる病気です。唯一の危険因子に喫煙があります。大きく二つのタイプがあり、萎縮型は病気の進行は緩やかで高度の視力障害はおこらないため積極的な治療はしません。一方、滲出型(しんしゅつがた)は脈絡膜(みゃくらくまく)から病的な新しい血管(新生血管―しんせいけっかん)が発生し、網膜のほうに進行します。治療は決定的な方法はありませんが新生血管をレーザーで閉塞させる光線力学療法、栄養血管をつぶすレーザー光凝固や黄斑下に出血を伴うときには手術を行うこともあります。
以上のほかにもいろいろな病気があります。目の治療で大切なのは早期発見、早期治療です。自分で少しでも異常を感じたら眼科専門医の診察をうけてください。
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胃アニサキス症に注意しましょう

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
魚の生食にまぎれて人間の口から入り込み、主に胃で悪さをするアニサキスという名前の寄生虫がいます。胃アニサキス症の症状は食品を摂取して数時間後の激烈な胃痛が典型的ですが、吐き気やじんましんを伴うこともあります。これらの症状はアニサキス症に特異的なものではありませんが、食事内容の問診と典型的な症状から疑う病気の一つになります。そして緊急で胃カメラを行うと、白くて細長い2cmほどの虫体が頭を胃の壁に突っ込んでにょろにょろもがいているのを観察できます。確認されたら引き続き内視鏡を通じて鉗子(かんし)と呼ばれる器具を挿入し、つまんで除去します。その後速やかに痛みは引けていき治療は完了です。アニサキスはもともとクジラやイルカが宿主(寄生する先の生き物)であり、人間は宿主ではありません。クジラやイルカに食べられる前のイカやサバなどの魚の体内で幼虫の状態になっており、人間に悪さをするのは実はこの幼虫なのです。ですから人間の口からうまい具合に入り込んだものの、人間の胃はアニサキスにとって好適な環境ではなく、成虫にもなれずに迷走の末、胃の壁から出ようとしているのかもしれません。もがいているうちに数日で自然に死んでしまい、吸収されたり便とともに排せつされたりして排除されます。アニサキスは食品の70℃以上の加熱か、マイナス20℃以下で24時間の冷凍で死滅します。なので確実な予防策としては加熱か冷凍を、ということになりますが、新鮮な刺身のおいしさは日本人にとって何物にも代え難いものであり悩ましいところです。他の予防策として、食物に付着した虫体が肉眼で見える場合は除去したり、アニサキスは虫体が損傷すると動かなくなるため、よくかんで食べることで発症を防げる場合もあるだろうと想定されています。新鮮な魚はアニサキスの寄生に注意しながら食べましょう。
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黄斑(おうはん)疾患の治療の進歩

Text by 江口眼科病院 森 文彦
黄斑とは眼のフィルムの働きをする網膜の中心部で、視機能にとって重要な場所です。以前は、この場所に障害が起きると深刻な視力低下となり、治療も困難でしたが、最近、さまざまな黄斑疾患が治療できるようになってきました。欧米の視力低下の原因の上位で、わが国でも増加している加齢黄斑変性も治療が困難でしたが、数年前より光線力学的療法や抗血管新生薬療法で治療が可能となってきました。また、黄斑部に穴ができる黄斑円孔(えんこう)は20年ほど前から、硝子体(しょうしたい)手術による治療が始められ、現在では無縫合小切開硝子体手術が行われています。糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで生じる黄斑浮腫に対しても、さまざまな治療が行われています。見たいものがぼやける、ゆがむなど気になる症状がありましたら、ぜひ眼科で眼底検査を受けて下さい。
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矯正歯科と唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)

『ロ蓋裂矯正歯科の健保導入の歴史』「北海道苫小牧市内に住む建築業、竹田洋一郎(仮名)さん・・・・生まれて間もない三女の和美ちゃん(生後三力月)の小さな体が裸のままつぶれたようにタタミの上に倒れていた・・・・竹田さんは自分の車で近くの病院に和美ちゃんを運び込んだ。が、すでに死んでいた。・・・昭和50年5月25日夜のことだった―」これは、1976年毎日新聞北海道支社発行の「谷間の口がい裂児たち―この子らに健保を」の書き出しの部分です。私が卒業直後に大学に勤務し唇顎口蓋裂の治療に携わっていた時期に発行された本で、現在まで歯科医としての私に強く影響を与え、いずれは函館に帰り、口蓋裂児によりよい環境を地方都市で作ろうとの思いを強く抱きました。その後、歯科医としては地方都市では矯正歯科を学ぶ方が効果的と考え、口腔外科から矯正歯科へ移り、米国、カナダの唇顎口蓋裂施設の視察を経て、市立函館病院歯科口腔外科に勤務。現在、当院で唇顎口蓋裂患者の治療にあたっております。「チームアプローチが必須」口唇顎口蓋裂を持つ子供を殺害した事件後、矯正歯科の保険導入の働きかけがコロンビアトップ議員の国会質問により始まり、1982年にようやく保険導入が開始され、はや25年を経過しております。30年前は、出産直後の産院で、手術をしたようですが、現在では、形成外科医、その中でもこの疾患についてトレーニングを積んだ医師のみが、携わっております。言語や心の発達の時期と重なり合うため、言語治療士と歯科医その他の医療従事者によるチームアプローチの下、治療が行われております。治療も出生直後の形成外科および術前矯正歯科治療から始まり、矯正歯科治療が一応めどがつく、17、8歳までと長期にわたります。障害の程度はそれほど重度ではありませんが、心のケアを含めた長期的な展望と年齢を考えた治療ステップを計画する必要があります。また、毎年、この疾患に関する「日本口蓋裂学会」が開催され、日本の治療水準も、世界でも優れている国となってきております。
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