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コラムを読む

男性の性(26)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
前回の続きです。ED治療薬として現在最も多く使用されているPDE5阻害薬は、いずれも服用すれば必ず勃起するという訳ではなく、性欲がある人が服用後、性的刺激を受けた場合に勃起する薬です。高度の動脈硬化や糖尿病、手術で神経が損傷した場合など無効な場合も有りますが、現在ではED治療薬の第一選択薬と言えます。元々、狭心症治療薬として開発されたPDE5阻害薬は、狭心症への効果はほとんど認められませんでしたが、偶然、被治験者に勃起機能改善効果があることが判明したためED治療薬として製品化されたものです。バイアグラが一番最初に発売されたため最も有名ですが、空腹時だと服用後1時間程度で効果が現われるものが食後だと2時間以上かかることもあり、この点が改善されて発売されたのがレビトラです。ただ、レビトラも高脂肪食の後ではやはり吸収が遅れることと、バイアグラ・レビトラともに作用時間が5時間程度と短く、性交可能時間にやや制限がある薬でした。医師は処方する時、性交のパートナーにこの種の薬剤を服用していることを告げるように指導していますので、パートナーと相談して性交時間を決めれば問題はないのですが、そう理屈どおりに行かない性交の場合も男女間には有るので、時と人と場合によっては使いにくい薬でした。そこで、もっと長い作用時間の薬を、ということで開発されたのがシアリスです。次回はシアリスとこれらの薬の使用時の注意点をお話します。
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新型コロナワクチンと集団免疫

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
日本ではコロナ感染者が急増(8月中旬執筆時点)し、緊急事態宣言も延長となりました。2月に始まったワクチン接種はコロナ禍終息の切り札と期待され実際7月以降は高齢者の感染や死亡は減少しましたが、まだ決定的な効果とは言えないようです。その原因として、緊急事態宣言の長期化やオリンピックにより人流の抑制ができなくなっていること、ワクチン不足による若年者層への接種の遅れ、水ぼうそう並の感染力を持ちワクチン効果が低下するとされるデルタ株のまん延、など複数の要素があげられます。海外に目を向けると、ワクチン接種率が75%と高いイギリスでは接種による「免疫の壁」を試す実験としてすべての行動制限の解除が行われました。開始2週間後の時点ではデルタ株の感染者が急増したものの死亡率の低下が続いており、ワクチン効果の表れと考えられています。一方感染予防効果については、アメリカで発生したクラスターの分析ではデルタ株が9割を占めさらに感染者の7割がワクチン接種終了者でした。変異株に対するワクチンの感染防止効果については報告によりばらつきがありますが、ファイザー社は先日同社のワクチンの3回接種によりデルタ株に対する中和抗体価が大幅に増強される研究データを公表しました。イスラエルでも感染の再拡大が止まらずファイザーワクチンの3回目接種がすでに始まっています。ドイツも9月から開始の予定で、日本でも来年の追加接種に向けて検討が始まりました。有効な治療薬が開発されるまではワクチンに期待するしかありませんが、はたして狙い通り集団免疫が獲得できるか否かはまだ不透明な状況と言えます。コロナ前の生活に早く戻りたいと誰もが願っていますが、ワクチン接種率が上がっても当面はマスク・手洗いなどの個人防護策は続ける必要がありそうです。
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糖尿病の気がある、と言われていませんか?

Text by はら内科クリニック 原 信彦
日本人は、欧米人に比べインスリン分泌が弱く糖尿病になりやすいといわれ、今や40歳以上の5人に1人は糖尿病かその予備軍であるといわれています。背景としては、ここ10年くらいの総カロリー摂取量は変わらずに、自動車の保有台数と脂肪の摂取量が増えています。つまり、食事量ではなく食事の質が変化し、かつ歩かなくなったことが一因といえます。糖尿病はどんな病気でしょうか?血糖値が高くなる病気なのですが、全身の細い血管を壊していく病気と思って下さい。長い年月をかけ、あまり症状を出さずに、徐々に血管を傷害していきます。脳に起れば脳梗塞、心臓に起れば狭心症・心筋梗塞、眼に起れば眼底出血のため視力低下し、腎臓に起れば腎不全となり透析が必要になります。これが、サイレントキラーと呼ばれるゆえんです。

それでは、どうすれば糖尿病を早期に発見できるのでしょうか?糖尿病の初期には自覚症状はありませんので、まず採血して調べることです。その採血にもコツがあります。糖尿病の初期の段階では、空腹時には正常で、食後の血糖値だけが高くなることが多いのです。その為、糖尿病が心配で受診される際は、食後1~2時間後の血糖値を調べてもらって下さい。そこで少し高いようならば、改めて糖尿病の精密検査を受けましょう。糖尿病の精密検査は、糖負荷試験と呼ばれ、空腹で行う検査です。空腹で受診し、空腹時に血糖値を取り、その後甘いブドウ糖液を飲んでもらい、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ血糖値を測定する検査です。合計4回採血され2時間かかる検査ですが、これで糖尿病かどうか診断します。境界型と呼ばれる糖尿病と正常者の間に位置する人=糖尿病予備軍であれば、体重を5%程度低下させ、1日30分運動すると糖尿病になるリスクを減らすことができます。最近太り気味で糖尿病が心配な方は、まずは食後血糖から調べてみませんか?
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不整脈が原因の脳卒中

脈が乱れる不整脈の中でも、発作性心房細動という不整脈では、心臓から血の塊(血栓)が飛んで脳動脈に詰まり、脳卒中を引き起こします。長嶋監督が、これで脳梗塞になり、リハビリをしていますが、比較的多い病気です。正常な心臓は、時計のように規則正しく、トクトク打ちます。安静にしている時、一分間に五十から百回、規則正しく打つのが整脈の状態です。これ以外でリズムが狂うのは不整脈で、そのうち最も多いのが、心房細動です。心房は細かくふるえて動いて、脈をとると、モールス信号のように不規則に脈が触れます。こうなると、心房の中で血液が固まりやすい状態になります。固まった血が心房の壁から全身に向かって心臓を飛び出すと、五十%は脳動脈に詰まって脳梗塞を発症します。発作性心房細動は、時々心房細動になり、短期間で正常の脈に戻る不整脈です。慢性的な心房細動と同じように、心房の中に血栓を作りますが、それには二日かかります。早くに普通の脈に戻れば大丈夫ですが、二日以上心房細動が続くと、正常の脈に戻るとき、心房の壁にハタキをかけたように、血栓が飛ぶことになります。心房細動の人は、千人中に六から九人いると言われています。ところが、六十歳以上の人では急に増えて、二十人に一人が心房細動になります。心房細動の原因には、弁膜症、高血圧・糖尿病から来る心肥大、心筋梗塞などの心臓病がありますが、特に原因無く細動になることが多いようです。疲れて帰った夜、風呂に入って「フーッ」とため息をついたら、急にドキドキしてきた――今のところ、不整脈の薬を飲むのがいいのか、脳梗塞にならないように血をサラサラにするだけの治療がいいのか、結論は出ていません。不整脈の薬よりは、脳梗塞の予防をしたほうが良い、と言う報告も出ています。脈が速い心房細動では、心臓の働きが悪くなり心不全になる人もいるので、不自由なく安全に暮らせるようになるような治療は、一人一人を良く診て、決めることのようです。
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目薬の『ステロイド』

Text by 江口眼科病院 松浦 恭祐
桜も咲いて暖かくなり、「花粉症で目薬を処方されたら、『ステロイド』と書いてあったので心配です…」とのお問い合わせが多い季節です。テレビ等で危険な印象があるようですが、点眼薬には目以外の副作用はありません。ステロイドの副作用としては、①眼圧上昇:約2週間後から一部の方に起こります。眼科で眼圧を確認するしかありません。放置すれば緑内障に進行し治療法がありませんが、そうなる前に中止すれば問題ありません。②白内障:1年以上後から一部の方に起こります。若い世代でも起こり、手術以外では治すことができません。③(眼の)感染症:期間によらずまれにありますが、糖尿病やコンタクトレンズなどの事情がある方が多いです。自覚症状の悪化で気付くことが多いです。ステロイドは「短い間だけ使う」「長く使うなら受付で『薬だけ』と言わない」「『検査は不要』と言わない」なら心配なく、とても良い薬だと思いますよ。
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