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コラムを読む

世界緑内障週間

Text by 江口眼科病院 親富祖 さやか
疾患に関連した啓発活動としてはピンクリボン運動が有名だが、眼科領域にも実は世界緑内障週間なるものがあり今年は3月6日(日)~12日(土)に設定されている。緑内障では視野が影響を受けるが、端の方からひっそりと進行するため発見が遅れがちで、いざ視野欠損を自覚するほどにもなると余生へのインパクトが大きく、かつ今のところ根治療法がない(※進行を抑制する治療法はある)。だからこそ早期発見が重要で、「働き盛りのあなたも、症状がないあなたも頭の片隅に置いておきましょう」という啓発週間に一人でも多くの方へ訴えかける手段として2015年よりライトアップinグリーン運動が始まった。緑内障なだけにもちろん色は緑(グリーン)である。公式ウェブサイトの情報によると道内の主な施設ではさっぽろテレビ塔、札幌市時計台、五稜郭タワー、そして当院を含め7軒の眼科がライトアップを予定している。ところでなぜ緑内障に「緑」という字が含まれるのか?緑内障という日本語名称は古代ギリシャに提唱された疾患概念であるGlaukosに由来し、この語が緑や青白色という意味をもつから「緑」という色があてられたらしい。緑内障の発作時に眼球の外観が青みがかりその色が病名に反映されたという説が一般的のようだが、私の知る限り発作が起きても青みがかることはないので合点がいかない。なお、現代における緑内障の疾患概念は大雑把に言えば「眼圧が原因と考えられる視神経線維の進行性萎縮とそれに伴う視野障害をきたした状態」であり、外観からわかるような眼球の色調変化を伴うものではなく、Glaukosの語源についても欧米の専門誌でも論争が繰り広げられるほどで、実のところ定説はない。まあ語源はさておき視神経や視野を評価する術のなかった時代に命名されたものが今日も生きている点は誠に興味深い。
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失神

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、今朝の朝礼で長い時間立っていたら倒れてしまいました。頭を打ってすぐに気がついたのですが…」と、心配そうに言うAさんの額には、失神時に床にぶつけて出来た内出血による大きなこぶがありました。失神は、救急外来を受診する患者さんの3.5%と言われ、再発率も20―30%と、けっして稀な疾患ではありません。失神の原因は多く、①心原性(不整脈、器質的心疾患)②神経調節性失神症候群(神経調節性失神、血管迷走神経反射、頸動脈洞過敏症候群、咳嗽[がいそう]、排尿、排便など)③起立性低血圧(自律神経障害、薬剤、アルコール、出血、下痢など)④脳血管性(盗血症候群、過呼吸)などがあります。これらの中で特に危険なのは①の心原性失神です。心室頻拍や心室細動などの頻脈性不整脈による失神は、突然死する危険性も高いため除細動器を体に植え込むことでその予防ができます。ブロックなどの除脈性不整脈による失神には、ペースメーカーを植え込む治療法もあります。失神をおこす器質的心疾患には、狭窄性弁膜症、心筋梗塞、心筋症、心房粘液腫、大動脈解離、大動脈炎、心タンポナーデ、肺塞栓症などの致死的な疾患もあり、精密検査が必要になります。一方、②③④は比較的軽症で、頻度の多い神経調節性失神症候群は、長時間の立位姿勢、痛み刺激、肉体的または精神的ストレスなどが誘因となりますが、予後の良い場合が多く過度に心配する必要はありません。失神の原因疾患が軽症だったとしてもAさんのように失神時に頭部を強打した場合は、CTやMRIなどで頭頚部の精密検査が必要になります。前駆症状から失神を予知できる場合には、その場でしゃがみこむことで転倒による外傷を最小限に防ぐことができます。失神の再発予防としては、日常生活の睡眠不足や運動不足の防止、過度の減量の防止、アルコールを控えることなどが大事です。また降圧薬を服用している場合には、薬の種類、量、内服時刻などの調節が必要になりますので担当医へ必ず相談してください。
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口腔インプラントの安全・安心をめざして

2012年、公益社団法人日本口腔インプラント学会から「口腔インプラント治療指針」が発表されました。これは、内閣府から出された「日本21世紀ビジョン」において、国民生活の最大の願いとして「安全・安心」が取り上げられたことにより、同学会がまとめたものです。内容は多岐にわたり専門的なことが多く書かれておりますが、ここでは、患者さんが受けるべき説明事項について列記させて頂き、実際に説明を受けるときの参考にしてほしいと思います。①インプラントと入れ歯、ブリッジなど他の治療法との比較や利点、欠点②インプラント残存率(他の治療法との比較)③期間④費用⑤麻酔法、痛みや手術後の状態⑥治療の方法やそれに伴う骨移植、軟組織移植などの前処置の有無や侵襲⑦経過不良のリスクや合併症⑧経過不良の場合のリカバリー法⑨回復後の状態⑩メンテナンスについて上記のような説明の努力はしていますが、先生と患者様とのコミュニケーションが良好なことが、安心した治療を受けられる要因の一つでもあります。何か不明な点や疑問点などがあれば先生やスタッフに聞いて頂き、安心した治療を受けて頂くことをお勧めいたします。また、「口腔インプラント治療指針」は同学会HP上で誰でも見ることができるので、興味のある方は一度検索してみて下さい。
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真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)ってご存知ですか?

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
中耳炎と言えば痛い急性中耳炎や耳漏(じろう)が続く慢性中耳炎をイメージされる方が多いと思いますが、今回は中耳炎の中でも注意を要する真珠腫性中耳炎をご紹介したいと思います。真珠腫とは真珠様の光沢がある耳アカのようなものが耳にできる病気です。
周りを破壊しながら大きくなるという性質があり決して良性とはいえない病気です。
進行すると顔面麻痺、めまい、脳膿瘍(のうのうよう)など重大な合併症を引き起こします。初期の症状は難聴、耳漏ですが一般的な治療で耳漏がなかなか治まらない場合には真珠腫の存在を疑う必要があります。
観察顕微鏡を用いた診察で簡単に見つけることができます。
真珠腫を除去する処置で経過を診ることも可能ですが除去できないときは手術が必要になります。耳漏がなかなか治まらない方は一度、お近くの耳鼻咽喉科医院で相談されてはいかがですか。
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シェーグレン症候群について

Text by おぐらクリニック 小椋 庸隆
口の中がねばねばしたり、目がごろごろする感じはありませんか?こんな症状があったら、あなたはシェーグレン症候群かもしれません。この病気は中年女性に多く発症し慢性に経過する自己免疫疾患で、主に涙線と唾液(だえき)腺が傷害されます。涙や唾液が少なくなるため目や口が乾きます。患者数は全国で30万人以上といわれています。乾燥症状のほか、関節痛やレイノー現象(指が白くなったり紫色になる)もよく見られ、皮膚、甲状腺、肺、肝臓、腎臓などに異常をきたすこともあります。診断には血液検査、眼科的検査、耳鼻咽喉(いんこう)科[または口腔(こうくう)外科]的検査が必要です。原因不明で完治は難しい病気ですが、症状を和らげる治療法はあります。関節リウマチなどの膠原(こうげん)病を合併している場合もありますので、心当たりのある方はリウマチ内科を受診してみてください。
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