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失神

Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、今朝の朝礼で長い時間立っていたら倒れてしまいました。頭を打ってすぐに気がついたのですが…」と、心配そうに言うAさんの額には、失神時に床にぶつけて出来た内出血による大きなこぶがありました。失神は、救急外来を受診する患者さんの3.5%と言われ、再発率も20―30%と、けっして稀な疾患ではありません。失神の原因は多く、①心原性(不整脈、器質的心疾患)②神経調節性失神症候群(神経調節性失神、血管迷走神経反射、頸動脈洞過敏症候群、咳嗽[がいそう]、排尿、排便など)③起立性低血圧(自律神経障害、薬剤、アルコール、出血、下痢など)④脳血管性(盗血症候群、過呼吸)などがあります。これらの中で特に危険なのは①の心原性失神です。心室頻拍や心室細動などの頻脈性不整脈による失神は、突然死する危険性も高いため除細動器を体に植え込むことでその予防ができます。ブロックなどの除脈性不整脈による失神には、ペースメーカーを植え込む治療法もあります。失神をおこす器質的心疾患には、狭窄性弁膜症、心筋梗塞、心筋症、心房粘液腫、大動脈解離、大動脈炎、心タンポナーデ、肺塞栓症などの致死的な疾患もあり、精密検査が必要になります。一方、②③④は比較的軽症で、頻度の多い神経調節性失神症候群は、長時間の立位姿勢、痛み刺激、肉体的または精神的ストレスなどが誘因となりますが、予後の良い場合が多く過度に心配する必要はありません。失神の原因疾患が軽症だったとしてもAさんのように失神時に頭部を強打した場合は、CTやMRIなどで頭頚部の精密検査が必要になります。前駆症状から失神を予知できる場合には、その場でしゃがみこむことで転倒による外傷を最小限に防ぐことができます。失神の再発予防としては、日常生活の睡眠不足や運動不足の防止、過度の減量の防止、アルコールを控えることなどが大事です。また降圧薬を服用している場合には、薬の種類、量、内服時刻などの調節が必要になりますので担当医へ必ず相談してください。
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コンタクトレンズ(CL)の装用で注意すべきことは何ですか?

Text by 藤岡眼科 藤岡聖子
コンタクトレンズ(CL)はペースメーカーと同じ高度管理医療機器です!現在CL装用人口は2000万人を超え、日本人の6人に1人はCLを使用していることになります。わが国にCLが普及して50年がたち、近視用のほかに、遠視・乱視・老視用のCLも種類が豊富になったため、若い人ばかりではなく、すべての年齢層で増加しています。実は、CLは心臓に入れるペースメーカーと同じ高度管理医療機器なのですが、簡単な物と同様に扱っている人が多いのが現実です。インターネット購入や、無認可のカラーCLを洋服屋で購入している人などは重症な角膜障害を起こして痛みが出てから初めて眼科受診をする人もいます。CLと眼鏡の大きな違いは、CLは目の中に入り、角膜に直接触れているということです。角膜が必要とする酸素は涙を介して空気中から供給されます。ですからCLを装用すると涙が角膜とCLに挟まれることになり、眼鏡の人に比べて、角膜は酸素不足になりやすいのです。さらに、自分の角膜の形にあっていないCLや、つけっぱなしで期間を守らず使用したりすると、角膜に取り込まれる酸素が不足して角膜障害が発症します。角膜上皮がはがれると大変な痛みを感じます。また、傷から細菌が入ると重症の眼内炎になり、ひいては失明にいたることさえあります。CL使用者はこれらのことを知って正しい使い方を守ってほしいと思います。眼鏡店の中では、眼科医ではなく他科の医師の免許を使い診療ブースを開設している所もありますので、CLの診療は正確な知識がある眼科医のもとで受けてください。正しい使い方をすれば、CLは大変便利なものです。特にソフトCLでは、激しい運動でもずれにくく、くもらず、視野が広いという利点があり、スポーツ時には最適です。近年はシリコンハイドロゲルという新しい素材のソフトCLが発売され、涙からでなくても酸素が通る素材なのでより安全に使用できるようになりました。ほかにも、乱視や老眼にも対応できる色々な種類のソフトCLがあります。また、強い乱視や円錐角膜などで角膜の形に強いゆがみがある場合はハードCLで角膜表面の形をしっかり覆い矯正することによりはっきり見えるようになります。現在のCLは素晴らしい品質で、あらゆる人に対応できるほど種類も豊富です。レーシック手術を受けてしまうと老眼年齢(40代後半)になってから辛い思いをします。流行のレーシック手術を受ける前に、年齢に合わせてCLを着替えていくことも考えましょう。
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ニキビについて

Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
最近ニキビの傾向は変化してきております。これまで、一般にニキビは「青春のシンボル」と言われ、思春期の10代に見られました。しかし最近は20代~30代にかけてのニキビの患者さんが増え、40代の患者さんも珍しくありません。また以前は脂性肌の患者さんが多かったのですが、局所的に乾燥部分を持った混合肌の患者さんも増加しています。ではなぜ20代後半過ぎの、いわゆる大人のニキビが増えてきたのでしょうか?自然環境、生活環境の変化が、かなり影響していると言わざるをえません。年々強くなっていると言われる紫外線、この紫外線により、肌は大きなダメージを受けます。炎症を起こしたり、細胞のDNAが損傷を受けたりし、皮膚の正常な機能を狂わせます。また気密性の高い住環境は肌の乾燥を助長します。肌の乾燥は、すなわち皮膚のバリア機能低下を意味し、肌の美しさを損なうばかりか、様々な肌のトラブルを引き起こします。食生活の変化も大きな要因の一つです。動物性食品の多い欧米型食事が定着し、動物性脂肪をたくさんとるようになって、脂質の代謝が悪くなっています。これもニキビ人口を増やしていると言えます。ストレスも見過ごせません。ストレスが過剰になると表皮にある角質の異常角化(角質が厚くなることをさしています)が起こります。これがニキビやシミ、くすみの原因になりえます。このように様々な要因が重なり、年齢を問わず肌のトラブルに悩まされる人が増え、ニキビもそうしたトラブルの一つとして増加しています。ニキビの予防と治療のなかで、先にも示しましたが食生活との関連があります。まず大切なのは、言うまでもなく規則正しいバランスのとれた食事をすることです。
更にその中でも
1.ビタミンを摂る
2.食物繊維を摂る
3.飲酒を控える
4.甘いものを控える
5.脂っこいものやナッツ類を控えるということが重要です。1番のビタミンの中で、ビタミンA、B2、B6、Cが大切です。納豆やうなぎ、レバー、いわし、緑黄色野菜等をお勧めします。勿論、、ニキビと食事との関連は個人差が大きく、一概に食事だけを気をつければ良いわけではありません。皮膚科専門医を受診し適切なアドバイスと治療を受ける事が大切です。
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まぶたがぴくぴくします

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
瞼(まぶた)がぴくぴくすることがよくあります。
自分で感じていても他の人の目からは分からない程度の弱いものはミオクローヌスといいます。
もっとひどくなると目が開けにくくなるので他の人にも分かるようになります。
パチパチと早いウィンクをしようとしても、そういう方はウィンクできずに閉じたままになってしまいます。
こういう状態を眼瞼痙攣(がんけんけいれん)といい、顔面神経の異常です。
顔が引きつってしまうようになった状態を顔面痙攣といいます。
強いものだとまず脳神経に異常がないか調べる必要があります。
顔面神経のそばに走っている動脈の拍動が顔面神経に伝わって瞼や顔が引きつってしまうことがあるからです。治療としては、弱いものだとビタミン剤の飲み薬を処方して二週間程度で治ってしまいます。
もっと強い症状の場合、神経を軽い麻痺状態にして痙攣を止める注射を顔面の皮膚にします。
ただ麻痺状態になるので歯医者さんで麻酔して治療した時のように顔が動きにくいような感覚になることがあります。
顔全体が引きつるような症状の場合、顔面神経と動脈を引き離して拍動の刺激が伝わらないようにする手術をする必要があります。逆に顔の力が抜けてしまうのが、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)です。瞼や口角(こうかく=唇のはじの部分)が下がってしまうと、逆に反対側の目や唇がつり上がっているように見えます。
食べ物がかみにくくなったとか、水を飲むと口から漏れて来るという症状が出てきます。
目も閉じにくくなり、瞼に隙間が空くために目が乾燥してしまう兎眼性角膜炎(とがんせいかくまくえん)により、涙目になってしまいます。
まずは脳神経外科で検査をして、眼科では目が乾燥しないように点眼薬や目の中に入れる軟膏を処方します。
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新型インフルエンザ

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
現在、函館市内近郊では新型インフルエンザが流行しています。
学級閉鎖や学校閉鎖、幼稚園閉鎖など、子供が学校や幼稚園、保育園に行くことを前提にして生活をしている多くの大人にも、さまざまなストレスを与えていると思います。これまで多くの新型インフルエンザにかかった子供達をみていると、ほとんどは季節性のインフルエンザの症状と強さも期間も変わらない印象です。
ただ、中には嘔吐(おうと)が強く出るなど、消化器症状が強く出るお子さんがいて、他のお子さんに移さないようにして治療をするのは非常に困難です。多くの医療機関ではインフルエンザを検査するキットが不足しています。
「インフルエンザにかかった人」と、「インフルエンザでないことを確認するために検査を強く希望した人」が一時的に増え、キットが大量に消費されたためです。
それに輪をかけているのが、「検査をしてきてください」という学校、園関係者の一言です。
インフルエンザかどうかははもともと患者さんの状態と地域の流行状態で判断するものであって、検査キットはそれを補うものでしかありません。
検査で陰性で「インフルエンザである」と判断することは実はとても重要で、これまでに検査が陰性でも重症化して死亡や後遺症が残る状態になることが多く報告されています。
状況によっては検査をせずに治療を開始することが子供にとって最良の選択であるということもしばしばです。
「検査キットで陽性でないからインフルエンザでない」などと誤解されてしまうと、治療のためでなく、検査を受けるために受診、その結果で一喜一憂するという間違った行動パターンが形成されることになってしまいます。
この点についてはぜひ御理解ください。新型インフルエンザに対するワクチンは十一月から基礎疾患(子供の場合はほとんどが喘息)のある人から優先して始まる予定です。
十二月からは一歳から小学校低学年のお子さんへの接種が始まる予定ですが、細目はまだ完全に決まっていません。
現在、季節性インフルエンザワクチン接種の最中だと思いますが、二回目の接種の直前にでも、かかりつけ医療機関にお問い合わせください。
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