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歯の移植と矯正歯科治療

最近の矯正歯科治療では、出来るだけ抜歯せずに治療する、非抜歯治療を重視しています。しかし、治療後どうしても歯が飛び出てしまう可能性が高い、乱杭歯(らんぐいば=八重歯など)の矯正歯科治療には、診断の結果、抜歯し歯の数を減らし、治療をしなければ治らないケースが、数多く見受けられます。ほぼ10年前から、矯正歯科治療の際に、抜歯が必要な場合、抜歯した自分の歯を、同時にすでに抜けてしまった歯の場所に移植する自家歯牙(じかしが)移植に取り組み、学会報告を重ねてきました。移植した歯牙が、10年間ほかの永久歯と同じように使われていることを見るたびに、自分の抜いた歯でも、利用できる場合には、歯の移植が、最良の方法の一つであると強く感じます。症例によっては、親知らず(智歯)なども含めて、出来るだけ長期を見通した十分な配慮が必要と思われます。
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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

Text by 江口眼科病院 根本 穂高(ほたか)
ものや景色がゆがんだり小さく見えたりする(変視症・小視症)最近視力が落ちた気がする色の感じ方が以前と違う、色の違いがわかりづらい(色覚異常)このような症状を自覚したことはありませんか?もしかしたらそれは「加齢黄斑変性」の初期症状かもしれません。加齢黄斑変性とは網膜の中心部に異常が起きる疾患で、加齢や酸化ストレス、喫煙などさまざまな因子が発症に関わっていると考えられています。放っておくと視力低下することもある怖い病気で、世界的には視覚障害の上位に位置します。実際に視力が低下するまで進行した人の割合は人口の約1%程度ですが、網膜に前駆病変を持つ予備群は人口の実に約10%に及ぶと報告されています。検査は視力検査、眼底検査、視野検査、光干渉断層計検査、蛍光眼底造影検査等、個々の患者の状態に合わせて検査を行います。眼底検査は瞳孔を広げる薬を点眼するため、薬の効果で数時間程度見づらさが出現します。そのため来院時は車の運転を控え、他の交通手段で受診することをお勧めします。外来での治療は眼の中に薬剤を注射したり(硝子体注射)、病変部にレーザー治療を行ったりします。タバコは病気を悪化させるため、禁煙をお勧めしています。また加齢黄斑変性の予備群と考えられる方には、予防のための薬(サプリメント)の内服を勧めることもあります。少し前までは有効な治療が少なかった疾患ですが、現在はいい薬が日本でも導入されたため薬剤のみで病気の進行を抑制し、失明を予防できる機会も増えてきました。しかし早期発見、早期治療が大事なのはどの疾患も共通ですので、冒頭に挙げた症状に心当たりがある方はお近くの医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
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危ない不整脈の症状

正常の脈拍とは、1分間に50~100回打つ規則正しい心拍ですが、これ以外をすべて不整脈と言います。
症状もなく無害な不整脈から突然死んでしまう不整脈まで、いろいろな種類があります。
ドキドキして気持ちの悪くなる不整脈は、命の危険がなくても治療すると生活の質が保たれるように治療をします。
「失神する」「目の前が暗くなる/白くなる」「引きずり込まれるようなめまい」を自覚するときは心臓から頭に血液が送れなくなるような状態で、命にかかわる重症な不整脈の存在を疑わせます。
不整脈が発作のように一時的に出ても時期を逃すと証拠がなくなるため、想像で危険な不整脈かどうか考えなくてはならない場合も多いのです。
正確に診断して危険な不整脈を見つけるためには、「心電図」や、1日中体に電極を貼り付けて心電図を記録する「ホルター心電図」(普段どおりの生活をしながら記録します。
入浴中の心電図をとれる機械もあります)、運動中の心電図をとる「トレッドミル運動負荷心電図」などがあります。どんな不整脈が出ていたか想像するのに1番助けになるのが、動悸の自覚症状です。
普通は、心臓が動いているのには気がつきませんが、思春期に異性に「好きです」と言うときに感じたようなドキドキ感が速かったり、リズムが狂ってしまったりしたのが動悸です。
「ぽっくり病」と言われていましたが、夜、寝ている間に不整脈のために突然死するブルガダ症候群は30~40歳代の男性に多く、特徴的な心電図変化があることがわかってきました。
初回の発作で死亡することが多いので、不整脈としては非常に危険な不整脈に分類されています。
「動悸がして変だな」と思ったら、「1度きりで繰り返さないし」と自分を納得せずに、まず、病院で病状を話し、心電図を撮ってみて下さい。
1番大事なのは危険な不整脈を予防するように治療を受けることです。
まさかの時は蘇生術を周囲の市民が施行してくれ、AED(除細動器)で電気ショックを用いて心拍を再開させるのを期待することになります。
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片頭痛の新薬

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
最近、片頭痛の新しい治療薬がいくつか登場しました。片頭痛の治療薬には、頭痛発作時の頓服と発作の予防薬の2種類がありますが、その両方に新薬が登場しています。頭痛発作時には、トリプタンというグループの薬が標準的に使われていますが、この薬は使うタイミングが難しく、痛み始めに使うのが良いと言われています。昔の薬に比べ、よく効きますが、タイミングが悪いと、痛みは止まらず、「この薬は効かない」と判断されたりします。また、使い過ぎると薬のせいで頭痛が強く、しつこくなることもあります(薬物乱用による頭痛は、この薬に限ったことではありません)。これらの問題に対して、発作時の薬としては、ジタン系薬剤という新しいタイプの薬が登場しました。これは服用するタイミングを選ばないという特徴があり、トリプタン製剤がうまく使えなかった、あるいは効果がなかったという人にお勧めです。頭痛発作が頻回で長期間続いている人には、予防薬が適用されます。これにも何種類かありましたが、この領域でも新しい薬が出ました。片頭痛のメカニズムは完全には解明されていませんが、痛みを引き起こしている物質の一つと思われるものをブロックする薬ができました。これは注射薬で、3製品販売されています。月に1回、あるいは3カ月に1回、皮下注射します。慣れれば、自己注射も可能ですので、受診回数も減らせます。ただし、完全に片頭痛の発作を押さえられるとは限らず、内服薬を減らすことはできても、完全に縁を切るのは難しいことです。また、非常に高価であるという欠点もあります。どんな薬にも長所や短所がありますが、選択肢が増えることは喜ばしいことです。片頭痛に悩んでおられる方は医療機関でご相談ください。
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メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と狭心症

Text by 北美原クリニック 遠藤 明太
近年、肥満の方がどんどん増えています。脂質を大量に含んだ食事を摂る方が増えているためと考えられます。肥満は生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)の悪化に直結していますが、最近は、メタボリックシンドロームの主要な因子と考えられ注目されています。メタボリックシンドローム(以下MS)は高コレステロール血症に次ぐ心血管疾患予防ターゲットといわれ、一人の人に高血糖・インスリン抵抗性・高中性脂肪血症・高血圧など、動脈硬化の危険因子が集積する動脈硬化性疾患発症のリスクの高くなる病態と考えられています。MSはおなかにたまった脂肪(内臓脂肪)がアディポサイトカインの分泌異常をひきおこし、糖尿病や高脂血症、さらに高血圧を悪化させ動脈硬化を進展させるといわれており、端野(たんの)、壮瞥(そうべつ)両町での疫学研究ではMSの人はそうでない人に比べ、1.8倍心血管病の発症率が高いということがわかっています。2005年4月に発表されたMSの診断基準では必須項目として腹部肥満(ウェスト径男性85cm以上、女性90cm以上)があげられており、そのほかに、高中性脂肪血症(150mg/dl以上)低HDLコレステロール血症(40mg/dl未満)、血圧130/85mmHg以上、空腹時血糖110mg/dl以上の項目のうち、二項目以上満たすものをMSとしています。MSでひきおこされる心血管系の合併症で代表的なものに、狭心症と心筋梗塞(こうそく)があります。特に狭心症は動脈硬化が徐々に進展し心臓の血管(冠動脈)がだんだん細くなることにより、労作に伴う胸痛がでてきます。放置すると心筋梗塞や心不全につながります。さらに糖尿病のあるかたでは、神経障害により重症の狭心症でも痛みが弱く、病気を見過ごす可能性も指摘されています。従来、狭心症の診断は心臓カテーテル検査で直接血管の狭窄(きょうさく)を検出することが必要でしたが、最近は高機能のCT(64列CT)が開発され、カテーテル検査をしなくても冠動脈狭窄がわかるようになりました。CT検査は造影剤を使いますが、一五分程度寝ているだけで終わりますので、非常に体の負担が少なくなっています。狭窄がわかるだけでなく狭心症でステント植込術を受けた方もステント部の再狭窄があるかどうか判定できますので、とても有用な検査といえます。ただし治療に関しては従来のカテーテル法が必要となりますので入院が必要になることにはかわりありません。自分は狭心症ではないかなと感じていらっしゃる方は是非早めに、お近くの循環器専門医にご相談ください。
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