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コラムを読む

病気と闘う?

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
ドラマの主人公が病気の人に「病気と闘うというのは、おかしいと思います。病気と闘うのは医療者であって、患者は闘わなくていいと思います。」と言うシーンがありました。なるほど、そういう考え方もあるかと感心しましたが、後から「それは違うな」と思い直しました。もちろん、医療関係者は日々、いろいろな疾患と闘っていますが、それぞれの患者さんにも一緒に闘っていただかなければ、病気を克服することはできません。例えば、リハビリは本人の意欲、やる気がなければ続けられませんし、理学療法士さんにやってもらうという受け身の姿勢では効果が上がりません。医療機関などを離れても、自分一人で続けていく努力が必要です。糖尿病や高血圧では、きちんと服薬することはもちろん、本人が食事の節制や運動など、日常生活を改善することが必要です。医療関係者に「お任せ」では病気とうまく付き合っていくことはできません。また別の番組で、病気に悩む人が「頑張れっていうけど、これまでも頑張ってきたのに、これ以上、何を頑張ればいいの?」と泣き叫ぶシーンも記憶にあります。私の師匠は病棟回診の際、いつも患者さんに「頑張れ」ではなく、「頑張りましょう」と声をかけていました。「私も一緒に頑張りますよ」と伝えているのだと、感心したものでした。私は、病気とは闘わずに、お付き合いしていくと考えた方がいいと思っています。残念ながら、病気は完全に治すことは難しく、長く付き合って行くことの方が多いと思います。病気になる前の体に戻ることを目指すのではなく、病気の症状はあるけれど、暮らしていけるというところを目標にすると、悩みが小さくなると思うのです。人生はマラソンに例えられることがありますが、病気は困った競走相手です。この相手には勝たなくてもいいので、負けないようにゴールすることを目指しましょう。医療関係者は、そのための伴走者として、一緒に頑張ります。
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アトピー性皮膚炎

Text by 江口眼科病院 佐々木 功
眼科の診察では眼とその周囲を重点的に観察しますが、そこでアトピー性皮膚炎に関連した所見がみつかったり、関連がありそうな症状の訴えを聞くことは多々あります。代表的なものとして、まぶたの皮膚の乾燥や赤み、結膜炎による慢性的なかゆみ、擦過や眼瞼内反症に伴う角膜のキズや微生物の感染などが挙げられます。皮膚に慢性的な炎症があると、それに引き続いて眼にもトラブルが波及する場合があるのです。では眼科ではどうするか。まず、まぶたの表側(つまり皮膚)のトラブルは、アトピー性皮膚炎の管理の基本に則ってまず清潔と保湿を意識することを勧めます。それでも不十分ならば副腎皮質ステロイド(いわゆるステロイド)入りの軟膏を使用します。そしてまぶたの内側(結膜)のトラブルには抗ヒスタミン薬やステロイド入りの点眼液を主に使用します(程度によってはさらなる治療が必要な場合もあります)。このように眼科でもまぶたの治療は行うものの、先述のとおりアトピー性皮膚炎においては眼の状態は皮膚のコンディションに大きく影響されますので皮膚科の受診も要検討です。過去に色々とアトピー性皮膚炎の治療を試したが奏功せず諦めたという方も少なくないと思いますが、「アトピー性皮膚炎は大人になってからでは治療できない」という誤った認識を捨て、現代の標準的な治療アプローチでもう一度治療に取りかかることも一案です。また、治療のキープレイヤーとなる点眼液や軟膏などの局所投与用ステロイドはその使い方のルールを守り、定期的な監視を怠らなければ有効かつ安全に使用できますので、やみくもに忌避することは有益ではありません。眼の健康を保つためにも、信頼できる皮膚科医をみつけ、地道なケアを根気強く継続することが肝腎と言えます。
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高齢者って、何歳?

世界保健機構WHOの定義では、65歳以上を高齢者と呼びます。近年、日本の高齢における心身の健康調査からは、20年前と比較して、加齢による衰えが、5~10年遅くなった「若返り」現象がみられました。世論調査でも、70歳以上を高齢者と考えると言う意見が多かったそうです。そうは言っても、寄る年波には勝てませんから、身体が次第に弱っていくのは避けようがありません。「要介護」状態に陥る原因としては、第一位が「認知症」、「脳卒中」、「高齢による衰弱」、「転倒・骨折」、「関節疾患」と続きます。脳卒中のように、突然、健康寿命が終わってしまう場合もありますが、「いくつかの病気が重なって、次第に不調がつのり、だんだん要介護になっていく」という場合が多いと思います。「要介護」の前段階と言える心身の弱った状態をフレイル(脆弱・もろい)と言います。フレイルには、三つのタイプがあります。①加齢と運動不足で、筋力が衰えて転倒しやすくなる「身体的フレイル」。②うつ病や認知症による「精神・心理的フレイル」。そして、③社会的問題等で、引きこもり、ストレスに弱くなった「社会的フレイル」です。身体的フレイルのチェックは、体力テストです。世界17ヶ国15万人を4年間追跡調査した結果では、握力の弱い人で死亡リスクが大きくなるそうです。握力が5㎏低下する毎に死亡リスクが16%上昇すると言うことです。握力計がなければ、簡単にできるのは、開眼片足立ち検査でしょう。目を開けて、片方の足で立ちます。挙げた足を着いたり、ケンケンしたりすると終了です。2回やって、良い方が自分の記録です。65歳の平均は、50秒です。足の筋力とバランスを同時にテストできます。握力も片足立ちの時間も、トレーニングで変えられます。自分の未来や寿命を変えられるのかもしれないのです。まずは、けがをしないように、周りを片付けて、片足立ちしてみてください。
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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の新しい治療

Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典
高齢化や生活様式の欧米化などに伴ってわが国でも増えつつある、加齢黄斑変性と言う病気をご存知ですか?物を見るために重要なフィルムの役割をしている網膜の中心部を黄斑と言います。加齢黄斑変性とは老化に伴いこの黄斑部に老廃物が溜まり、炎症や出血を誘発し視野の中心が歪んだり欠けてみえたりする病気です。黄斑変性には遺伝性のものもありますが、大部分がこの老化に伴う加齢黄斑変性と言われています。殊(こと)に脈絡膜に新生血管が発生し出血することにより網膜が障害される滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性は、進行が速く急激に視力低下を来(きた)します。この疾患に対し以前より様々な治療が行われてきましたが、近年この疾患で社会的失明に至る高齢者も少なくなく、今まで以上に適応範囲が広く効果的な治療が切望されていると言えるのではないでしょうか。そのような中、現在最も注目を集めている治療方法があります。それは光線力学療法(PDT)です。では、どのような治療方法なのでしょうか?PDTとは光に反応しやすい物質(光感受性物質[こうかんじゅせいぶっしつ])をあらかじめ組織や血管内に取り込ませた上で、その光感受性物質に特定のレーザー光を照射する事によってその物質を活性化させ血管を閉塞(へいそく)または組織を障害する方法の事で、既に肺・食道・膀胱(ぼうこう)・皮膚など、多様な疾患に用いられております。具体的にはベルテボルフィンという光感受性物質を投与後十五分の時点で、レーザーを新生血管に八十三秒間照射するものです。このようにする事で他の組織に障害を与える事なく、脈絡膜新生血管のみを特異的に潰す事が出来るため、先に述べた進行の速い浸出型に有効な治療方法と期待されています。以前このコーナーで取り上げた抗酸化ビタミン・ミネラルやカロテノイドの一種であるルテインなどの抗酸化サプリメントやPDTといった効果的な治療法が次々と施行され、今や加齢黄斑変性は治療可能な疾患に変貌しつつあると思われます。
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なかなか治らないニキビ ピーリング&レーザーピーリング

ニキビ治療では抗菌剤含有のローション、ジェル、クリーム、時には少量のステロイド含有の軟膏を皮膚に塗り、抗菌剤、ビタミン剤を内服することが一般的に行われています。20歳以上の方のなかなか治らないニキビ、特に顎や首に局所的に発生するニキビの多くは、ダイエット時の偏食などによる貧血や女性ホルモン異常、ストレスに原因があります。ピーリング治療は、一般的治療でなかなか治らない方やニキビ治療時から美白を考えている方への治療で、できるだけニキビ跡が生じないようにするのに有効です。また、レーザーピーリングやメソローラーによる治療は、ニキビによって黒ずんだり陥没してしまった部分を軟化させて、黒ずみや陥没を改善し、化粧のむらを解消させるのに効果的な美白治療です。ニキビ治療には保険治療から自費治療までいろいろあります。カウンセリングの時に、治療後の経過のことや注意事項をお聞きになった上で、生活様式に合った治療方法をお選びください。
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