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緊急避妊をご存知ですか?Text by 湯の川女性クリニック 小葉松 洋子
「避妊」とは妊娠を望まない性交渉の時に妊娠を避ける手段です。日本で最も広く使われている方法はコンドームです。コンドームのよい点は、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど身近で安価に入手可能で、性感染症の予防にもある程度有効なのですが(コンドームをきちんと使用していてもうつる病気はあります)、反面、使い方が正しくなければ破れたり、はずれたりで失敗し、妊娠してしまう例は後を断ちません。女性が行う避妊法のうち、経口避妊薬は、飲み忘れさえ気をつければ失敗も少なく、月経も軽くなり、卵巣腫瘍や卵巣癌、子宮体癌などが減るという副効用も多く、持病のない若い女性にはお勧めなのですが、産婦人科を受診して処方してもらう必要があるためか、敷居が高く、日本ではまだあまり普及していないのが残念なところです。また、避妊をしなかった、避妊に失敗した、性犯罪の被害にあった場合に使うのが「緊急避妊」で、緊急避妊専用の薬がノルレボ錠です。使い方は非常にシンプルで、妊娠を望まない性交渉後72時間以内に1回内服するだけです。黄体ホルモン剤で受精卵の着床を阻害する作用です。妊娠阻止率は81~84%と言われており、海外でも標準的に使われている薬です。日本ではノルレボ錠が認可される前は、中等量ピルを高用量で使用し、緊急避妊薬として代用していましたが、吐き気、嘔吐、頭痛などの副作用が多いことが問題でした。ノルレボ錠認可後は、ノルレボ錠の使用で以前のような副作用は格段に減っています。しかし緊急避妊に健康保険は使えないため、診察料と薬代合計で最低15,000円程度はかかります。このような急な出費を避けるには、妊娠を望まない方は、女性が自分で自分の身を守るために、日常から経口避妊薬や子宮内避妊具を使用する方が結果的には安心安価なのです。避妊に失敗して妊娠するのは女性だけですからね。
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高血圧の薬はやめられる?Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨
診察室でしばしば聞かれる質問です。あるいは、「高血圧の薬は飲み始めたらやめられないから飲みたくない」と言われます。どうでしょうか?高血圧の治療の目的を思い出してもらうと良いです。最終の目的は脳梗塞や心筋梗塞にならないように、つまり動脈硬化した血管が詰まって、臓器に血液が流れなくなることがないようにすることです。血圧が高いと血管が詰まり易くなるので、血圧を低く保つようにします。それで体重を適切に保ったり塩分を少なくしたり、生活習慣の改善を勧めます。血圧が160/95でも、「明日脳梗塞になる」わけではありません。でも10年後までには100人のうち8人が心筋梗塞を起こしたり、脳梗塞で半身まひになったりするのです。では生活習慣病の改善を試みても血圧が下がらない場合にどうするか?薬を飲んで血圧を下げてもらうことになります。「薬をやめた人がいないか?」と聞かれると、少ない人数ですがいます。①急に太った後に血圧が高くなったのですが、「薬を飲み始めたのがショックだった」そうで、体重を減らして数種類必要だった降圧薬がゼロになりました。少し経過を見ましたが、もう血圧が上がってこなかったので自己管理することにした人がいます。②最初から軽症の高血圧で減塩食にしてもらうと、次第に血圧が下がり薬をやめることができた人もいます。減塩でも上の血圧が10くらいは下がります。③診察の時には緊張するために血圧が高くなりますが、家庭で自己測定してみると正常血圧であった人も薬は飲みません。ひじで測る血圧計の場合には、正しい測定法であれば診察室の血圧より家庭血圧を参考にします。「160/95前後の高血圧なら20%の人で薬をやめられる」そうですが、血圧が高くなればなるほど中止は難しくなります。長い間高血圧を放置すると血管も硬くなるので、治療しても血圧が下がりにくくなります。血圧をただ下げるのではなく脳梗塞などの大病を防ぐのが最終目標だと理解してください。そうすることで将来の寝たきりや認知症になる可能性を少なくすることができるのです。
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網膜剥離(もうまくはくり)Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利
急いで治療しなければならない目の病気の中に、網膜剥離があります。網膜とは、神経線維があつまって膜状になった組織で、眼球の内壁に壁紙のようにはられており、目に入ってきた光の情報を脳に伝える大切な役割を担っています。この網膜が、内壁からはがれるのが網膜剥離です。網膜は眼球の内壁から栄養を受け取っているため、はがれた状態では栄養が途絶え正常に機能できなくなります。その期間が長くなると最終的に、治療しても光を感じることができなくなってしまいます。はがれた網膜は自然に元の位置に戻ることはありません。そのため、神経線維がダメになる前に手術で眼球の内壁にくっつける必要があるのです。網膜がはがれる原因は何でしょうか?はがれる前にまず、網膜にきれつ(裂孔)ができ、その裂孔が網膜剥離に進行します。進行するスピードは目の条件によりさまざまです。網膜剥離に進行する前の裂孔の段階では網膜光凝固術といって、裂孔の周囲にレーザー光線を照射することで網膜と眼球内壁との接着を強化して網膜剥離に進行するのを食い止める治療が行われます。この治療は、入院の必要がなく外来通院でできるため、できれば網膜剥離に進行する前にぜひ行いたい治療です。それでは、網膜裂孔にはどのような自覚症状があるのでしょうか?裂孔が形成される際、網膜がひっぱられることが刺激になり、光がみえることがあります。また、網膜が切れる際少量の出血があると、この出血が細かな点や蚊のような虫、ススのように見えることがあります。出血量が多いと視界の中に墨汁がたれたようにみえることもあります。いったん網膜剥離を引き起こすと、入院手術が必要ですし、手術が成功したとしてもはがれた網膜は多少なりともダメージを受けますから、網膜裂孔の段階で治療できるよう、見え方に変化が見られたときには放置せず、できるだけ早く診察を受けることをお勧めします。
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放っておくと恐い糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)Text by 吉田眼科病院 武島 俊介
生活習慣病である糖尿病は患者数が近年急激に増加していて、国内の糖尿病及びその予備軍を含め1620万人存在するといわれています(厚生労働省調べ)。視力障害、腎障害、神経障害といった三大合併症が知らないうちに体を蝕(むしば)んでゆく恐い病気なのです。その合併症のなかで視力障害を起こす糖尿病網膜症は糖尿病の患者の実に40%を占めるといわれています。網膜は眼の奥にあり、物を見るのに大切なカメラのフィルムに例えられる所です。そこには小さな血管が密に存在していて、糖尿病で高血糖状態が長く続くと血管に負担がかかり、やがて機能障害を起こしてくるのです。さて、糖尿病網膜症には大まかにいって三つの病期があり、初期は単純網膜症、前増殖網膜症、最終的には増殖網膜症に移行してゆきます。初期は自覚症状がほとんどありません。病期が進行するにつれて視力低下、物が歪(ゆが)んで見えたりする、目の前に何か飛んで見えるような飛蚊症(ひぶんしょう)といった自覚症状が出てくることがあります。早い段階で糖尿病網膜症を発見できれば進行を食い止められますが、かなり進行して硝子体(しょうしたい)出血や増殖膜が形成され、網膜を引っ張ることによる網膜剥離(もうまくはくり)を起こしているときには手術治療が必要で、最悪の場合、失明の危険性もあります。治療は、経過観察、内服薬服用、レーザー光凝固、硝子体手術などが行われます。治療方法は病期により違います。はっきりと言える事は、早い段階であれば入院の必要のない簡単な治療で済むということです。糖尿病は安定させることはできても、完全に治すことのできない病気です。よって、一度糖尿病と診断されたら、眼の自覚症状の有無に関わらず、定期的に眼科を受診されることをお勧めします。
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MR(麻疹・風疹[はしか・ふうしん])ワクチンText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
来年の4月から、MRワクチンの2回接種が始まります。1回目は生後12~24ヵ月に。2回目は小学校に上がる前の1年間(年長さんに)に行うことになります。この変更には、1回目にMRワクチン接種をしていないお子さんは2回目は打てないという取り決めと、麻疹あるいは風疹のワクチンを打ってしまっているお子さんに対しては、来年の4月以降にそれらの単独接種ができなくなり、MRワクチンの追加接種も、公費ではできないという取り決めが追加されました。現在1歳を越えて、麻疹あるいは風疹の両方あるいは片方を打っていないお子さんは、早急にワクチンを受けてください。1歳の誕生日が来年の4月以前で近いお子さんは、主治医の先生とよく相談して、単独でするかMRワクチンでするかのどちらかを選択してください。詳しくは、各市町の予防接種担当係にお聞きください。
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