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私の血管は何歳?…Text by 関口内科 関口 洋平
「先生、血管年齢って何ですか?私の血管は何歳ですか?」と、Aさんは聞いてきました。どうやら、健診を受けた夫の血管年齢が実際の年齢より10歳も高かったので、とても心配になったとのことでした。ウィリアム・オスラーの「ヒトは血管とともに老いる」という名言があるように、人の血管は年齢を重ねるごとに老化していきます。その老化現象はいわゆる動脈硬化と言われ、自分では気づかないうちに静かに進行し、血管の壁が硬くなり弾力性も失い、内腔は狭くなり詰まることもあります。老化=動脈硬化の進展度を評価診断するには、いくつかの方法があります。血管造影による狭窄(きょうさく)度評価、血管内視鏡や血管内超音波による血管壁の質的評価、頚(けい)動脈超音波法による頚動脈硬化の量的、質的評価などです。また造影CTにより、冠動脈の狭窄を簡便に検出することも可能です。Aさんの夫が受けたのは脈波検査といわれるもので、動脈の波動が心臓から動脈の末梢へ伝導する速度を検出することで、動脈硬化の度合いを血管年齢としても評価できます。これは仰向けになって5分間ほどで測定できるとても簡便な検査で、下肢動脈の狭窄も同時に評価できます。非侵襲的な検査ですので年1回の測定による経年変化の観察が可能で、これにより老化の速度を評価することができます。日本人の死亡原因の三分の一は脳卒中や心疾患などの動脈硬化と強く関連する疾患です。その動脈硬化の原因には遺伝の要素もありますが、他の大きな要因には喫煙、肥満、運動不足、睡眠不足、ストレス、高血圧、糖尿病、脂質異常症(LDL=コレステロールや中性脂肪が高値)などの生活習慣病があります。これらの要素を複数併せ持っている人は、何も持っていない人の数倍も心血管病(脳卒中や心筋梗塞)を発症しやすいと言われています。Aさんのように自らの血管年齢を知ろうとすることは、日常の食習慣や運動習慣の是正に心がけるようになることにつながるので、とても良いことだと思います。
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男性の性(29)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
前3回は、勃起機能改善薬であるバイアグラ・レビトラ・シアリスといったいわゆるPDE5阻害薬について、使用方法や注意点などを中心にお話しました。これらの薬はひじょうに有効性が高く、また副作用もほとんどなくとても良い薬で、医師の注意事項をきちんと守れば重大な合併症を引き起こすことはほとんどないと言えますが、中にはこれらの薬が無効であったり、狭心症や心筋梗塞の既往があり硝酸薬や類似の薬を投与されていて、これらの薬が使えない患者さんもいます。また、現在、硝酸薬や類似薬を投与されていなくても、狭心症や心筋梗塞の既往があると今後投与される可能性が高いため、これらの薬を使うことをためらう患者さんもいます。また他にも、重度の高血圧・低血圧、重度肝障害、網膜色素変性など、これらの薬が使えない患者さんもいます。そういう患者さんには、海綿体注射という治療法があります。1982年に塩酸パパべリンという薬を陰茎海綿体に注射することによって勃起が誘発されることが報告され実際にも使われましたが、これは海綿体が線維化したり持続勃起症の頻度が高かったりで使いにくい薬でした。その3年後、プロスタクランジンE1という薬が勃起誘発に有効なことが日本人(東邦大学医学部泌尿器科前教授石井先生)により、世界で最初に報告され、副作用も少なく勃起の誘発も確実なことから、PDE5阻害薬無効例や禁忌例に世界各国で使用されています。陰茎海綿体に、つまりペニスに直接注射をする、というとかなり痛くて危険と思われるかもしれませんが、実際はとても細く短い針で一瞬で注射が終わるようなキットがありますので、ほとんど痛みもなく医師の指導通りに行えば危険もほとんどないのですが、現在日本では医師がEDの検査のために行う以外は承認されていません。海外では自己注射が一般的で、患者さんは性交の15分くらい前に自分で陰茎海綿体に薬を注射しています。特定の病院(大学病院など)では、研究として病院の倫理委員会を通して、医師と患者さんの自己責任という形で、この治療を行っています。日本性機能学会ではもう2001年からこの治療を認可してもらうよう厚労省と折衝していますが、残念ながら日本人が発見した治療薬が日本ではまだ承認されていない状況が続いています。
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緑内障についてText by 江口眼科病院 青山 裕加
緑内障は、視神経の障害が進行し、視野が欠けていく目の病気ですが、様々なタイプがあります。その一つが、突然発症して急激に視神経障害が進行する急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作)です。目を循環している水の通り道が完全に塞がれ、眼圧が急に普段の何倍にも増して、頭痛、眼痛、吐き気、嘔吐、霧視(霧がかかったように見える)、虹視症(光の周りに輪が見える)、視力低下、視野狭窄を生じます。遠視の中~高齢女性に起きやすいと言われており、薬物や暗所が誘因となることもあります。この発作が起きた場合には視神経が障害される前に早く治療を行うことが重要です。強い頭痛を生じる病気には目の病気だけでなく、様々な病気が潜んでいますが、急いで治療が必要な病気も含まれますので、おかしいなと思ったら我慢せず、早めに病院を受診しましょう。
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インスリン注射を怖がらないでText by はら内科クリニック 原 信彦
日本では、約65万人の糖尿病患者さんがインスリン治療を受けています。このインスリン注射の位置づけが最近変わってきています。以前は、お薬が効かなくなったときの最終手段として、インスリン治療がありました。しかし、高血糖→インスリンの分泌が悪くなる・インスリンの効きが悪くなる→高血糖という悪循環を断ち切ることを目的に、早期にインスリン治療を行うケースが最近増えています。早期にインスリン治療を行うと、血糖が高くても注射でインスリンを補充し血糖を下げることができるので、自分の膵臓(すいぞう)をインスリンを出さずにしばらく休ませ、回復させるとインスリンを分泌できるようになります。そうすると、注射の量が減り、うまくいくと、内服治療だけで良くなったり、常に良くなると、お薬も飲まずに、食事療法・運動療法をきちんと行うことで維持できるようにもなります。これができなければ、インスリン治療をして一旦血糖は下がりますが、その後体重が増えて結局インスリンの量が増え、血糖も上がるという悪循環になります。糖尿病の薬が効かなくなっても、しばらく飲み薬で治療し、いよいよ血糖値が高くどうしようもなくなってからインスリン治療を開始した場合は、長い間、高血糖で痛めつけられた膵臓は回復せず、その後もインスリンを注射するしかなくなります。また、インスリン注射自体もいろいろ進化しており、以前は食事の30分前に打っていたものが、食事の直前・直後に投与することが可能になってきました。注射器もカラフルなものや、使い捨て型の簡単なものも出てきており、針も非常に細く、さほど痛くありません。また、インスリン治療を行いますと、自己血糖測定器の使用が保険で可能になるので、自分で血糖を測定することができます。それにより、治療へのモチベーションも上がります。医師にインスリン治療を勧められたら、なぜ必要なのか、十分に説明を聞いて、怖がらずにトライしてみる勇気を持って下さい。
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最近のコンタクトレンズText by くどう眼科クリニック 釜石 清隆
使い捨てタイプのコンタクトレンズが広く普及していますが、最近、付加価値を加えた製品が増えてきました。レンズの素材では、“シリコーンハイドロゲル”製のものが多く登場しています。従来の製品よりも角膜に多くの酸素を供給することができ、長時間の装用でも目への負担は軽減されます。さらに、乾燥感の低下、タンパク汚れがレンズに付着しにくいなどの特徴があります。紫外線対応(UVカット)している製品もあり、悪影響のある波長をコンタクトレンズで吸収し目に届かないようにします。紫外線は白内障や翼状片(よくじょうへん)などの疾患に関連があると言われています。ただ、どんなに優れたコンタクトレンズでも正しいレンズケアと眼科専門医の定期的な診察は必要です。コンタクトレンズを作るときは眼科専門医に相談し、自分の目に合うものを処方してもらいましょう。
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