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アンチエイジングとしての白内障手術Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典
最近、巷でアンチエイジングという言葉を耳にします。和訳すると「老化予防」、中には「若返り」と過大解釈している方もいらっしゃるでしょう。私の知る限り、現在のところそれを百%実現できる方法はありません。ただ、それを知りつつも大人になった時から、誰しもアンチエイジングや不老不死の方法を模索してしまうものではないでしょうか?我々眼科の領域でも、加齢性疾患は多数認められ今ではアンチエイジングは必須の分野となりつつあります。その中で真っ先に思い当たるのは老眼。次に思い当たるのは白内障でしょうか?ことに白内障は、手術によって混濁したレンズ(水晶体)を透明な人工のレンズに置き換えるため、視力の回復が得られます。言ってみれば手術による視力の若返りが可能な部位なのです。また、ただ白内障を治すというだけではなく個々の希望に沿った見え方にするための研究も進んできています。その一つとして多焦点眼内レンズがあります。現行の眼内レンズは単焦点(一箇所にのみピントが合っているレンズ)なため手術後遠くも近くもメガネが必要となります。多焦点眼内レンズはレンズ表面に特殊な加工を施すことによって、可能な限りメガネを使わずに遠くも近くも見えるように工夫がなされています。したがって、若かりし頃の見え方通りというわけにはいきませんが、現在の技術で出来る限りそれに近づけた仕様となっています。これを用いれば白内障の治療によって老眼の改善も可能となるわけです。しかし、従来の手術と違い全額自費となりますので、十分ご理解の上で選択していただきたい治療方法である点を付け加えさせて頂きます。
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心不全についてText by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
日本では、がんが死因のトップです。しかし、高齢者では心臓病・脳卒中で亡くなる人の数は、がんとほぼ同じで、超高齢者になると、心臓病・脳卒中で亡くなる人の方が、がんより多くなります。男性の平均寿命は81歳、女性では87歳と、世界2位の高さです。介護を受けずに、元気に生活できる健康寿命は、男性で9年、女性だと12年、平均寿命より短くなります。人生の最後に、10年近く、誰かの介護を受ける必要があるのですが、その原因の第一位は脳卒中で、心臓病と合わせると、要介護になる原因の4分の1を占めています。心臓病が悪くなると、(元の病気は心筋梗塞、弁膜症、心筋症などいろいろですが)心不全になります。心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。全国で、心不全のために入院する人は、2017年には年間26万人でした。35年には、132万人になると推計されています。日本の人口は減少していますが、超高齢化が進むために、心不全の人は増えていきます。心不全の治療は進歩しているのですが、5年生存率は60%程度で、良くならない種類の病気です。心不全は、4段階のステージに分類されています。(A)危険因子はあるが、心臓病のない人(B)心臓病はあるが、心不全症状のない人(C)心不全症状がある人(D)軽い動作で心不全症状が出る人。ステージCやDでは、息苦しさや疲労感などの症状が軽くなることを目指すので、治癒するということはありません。AやBの段階で、病気が進むのを予防するのが、心不全の治療としては良い方法です。危険因子とは、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などです。普段からかかりつけ医とよく相談しながら、減塩をする、体重を管理する、適度な運動習慣を身に付ける、適切な薬の処方を受けることが肝心と思われます。重い病気になると、治療は難しくなりますが、予防的な治療は、毎日根気よく続ければ、重病になるのを防いでくれます。
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生活習慣病、メタボリック症候群Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
「生活習慣病」や「メタボリック症候群」という名前は、ご存知でしょう。医療者は病気に色々名前をつけますが、診断された人は気持ちの良いものではありません。診察の際に「メタボですから」と恥ずかしそうに、苦笑いを浮かべる人がいます。どうして苦笑いなのでしょう。「スティグマ」という言葉があります。ギリシャ語で、奴隷や犯罪者に付けられた「印」の意味です(日本でも「島流し」から戻った犯罪者の腕に入れ墨が入れられました)が、現代では、身体的な障害や宗教など、周りとの違いが好ましくないとして区別する「印」として使われます。さて、「生活習慣病」や「メタボ」と診断されると、自身も、周囲の人間も「乱れた生活から、病気になったダメ人間」のレッテルを貼ってしまいます。この「レッテル」がスティグマです。結局、心配なので毎年、健診は受けますが、健診結果を隠し、医師には相談しません。「ダメ人間」のレッテルを見せたくないのです。最近、糖尿病学会の偉い方の講演をオンラインで聞きました。糖尿病に対する「スティグマ」を取り除きましょうというお話でした。現在、世界中がコロナウイルス感染で苦しんでいますが、糖尿病などの病気を持っている人の死亡数が多いという報道がされています。そのため、糖尿病患者さんの中には「私なんか、コロナにかかったら、一発でお終いですヨネ」などという人がいます。今回聞いた講演によると、これまでに分かっているデータからは、糖尿病でも血糖コントロールが良好な人達では、糖尿病でない人達と死亡率に差はないということでした。結局、病気であることが悪いのではなく、それをほったらかしにするのがいけないのです。病気は誰かのせいではなく、まして本人の責任でもありません。恥ずかしがることはありません。「生活習慣の悪い人」のレッテルを剥がしましょう、生活習慣病とは、生活習慣の改善でコントロールできる病気だと考えましょう。
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舌下免疫療法 ~ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の方へ~Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
舌下免疫療法の対象としてダニによるアレルギー性鼻炎が追加になりました。免疫療法とは原因物質(アレルゲン)を投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に起こる症状を緩和する治療法です。対象は12歳以上の方です。アレルゲン錠剤を舌下に1分間含み、その後服用するという方法で行います。初回は病院で、以後は毎日1日1回ご自身で行います。2週間かけて徐々に増量していき維持量になったら3年以上継続することが必要です。この治療法の注意点は①アナフィラキシーショック等の強いアレルギー反応が起こる危険性がある。②治療医は関連学会の講習を修了している者で副作用発症時に迅速に対応できる医療施設、あるいは対応できる医療施設と連携している医療施設でなければならないことです。興味がある方は耳鼻咽喉科にお尋ね下さい。
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高度近視と視力検査Text by くどう眼科クリニック 釜石 清隆
「私、目が悪いから視力は測りたくない」という患者さんが時々いらっしゃいます。そういう患者さんの多くは「高度近視」の方です。高度近視は強い度の近視のことで、確かに裸眼視力は良くありません(例えば0.04、0.05など)。しかし、裸眼視力が悪くても矯正視力がしっかり出れば視力に関して“目が悪い”ということにはなりません。矯正視力はその人の物を見る最良視力値であり、矯正視力=視力という考え方が眼科では一般的です。但し、高度近視の人は眼球の作りが大きく、そのため、目の奥の膜が萎縮していたり、薄かったりと正常な目の大きさの人に比べ病気になるリスクが高くなります。矯正視力の低下は何かの病気のサインかもしれません。眼科でしっかり視力検査をうけ、自分の矯正視力を知っておくことも、目を守る大切なことなのです。
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