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認知症の方との付き合い方

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
認知症の家族への接し方をよく聞かれます。明快なお答えが出来ませんが、認知症の人が特別なのではないと考えるよう勧めています。たとえば、徘徊と聞くと、やみくもに歩き回る姿を思い浮かべがちです。ご本人が言葉で説明できないことも多いのですが、出かけた後をつけて行くと、その目的が分かることがあります。また、「徘徊」しているところを警察に保護された時、その発見場所にヒントがあることもあります。かつての職場を目指していたり、子供時代を過ごした、今はない実家を探していることがあります。認知症では、過去から切り離され、未来への見通しもつかない全くの暗闇の中、足元を照らす光だけが残っている状態です。「今」がとても不安なために、安心できた過去に戻ろうとして家を飛び出すことも多いといわれます。ただ、途中で道が分からなくなり、「徘徊」という姿になってしまいます。排泄に失敗したとき、「私はやっていない」と言い張り、汚れた下着を箪笥の奥に隠し、介護者を驚かせます。これらは「身内に格好悪いところを見られたくない」という、誰にでもある当たり前の気持ちから出たと考えられます。一見、理解しがたい行動も、よく観察すると理由があることが分かります。また、患者さん自身が語った言葉に対して、「ゆっくり話してください」、「何を話したかより、どのように話したかということが大事です」というのがあります。患者さんは、早口で幾つもの事柄を話されると付いていけません。同じ言葉でも、喋り方、声の調子、顔の表情などで受ける印象が変わります。この聞いた時の気持ちは記憶に残るようです。したがって叱るような話し方ばかりしていると、患者さんとの関係が壊れ、後々のお世話が困難になるという悪循環に陥ります。どんな時でも人と話す時には、相手を傷つけない話し方、態度というものがあると思います。認知症だからと「構える」のではなく、自分と同じ一人の人間として、ちょっと相手のことを大切に思って接することをお勧めしています。
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糖尿病あれこれ

Text by はら内科クリニック 原 信彦
これから忘年会・クリスマス・お正月、嫌でも食べる機会が増え、体重も増えそうな気配がします。日本人の糖尿病は、盆と正月に悪くなると言われています。こんな時に、あれこれ考え、できることから実践しませんか?まずは食事について。時代は低糖質。ご飯1膳=うどん1玉=6枚切りの食パン1枚半=角砂糖14個分の糖質です。角砂糖に換算されると、とても怖い感じがします。ここで言いたいのは、この程度の糖質は普通の生活で十分消費できるので、ここに糖質を重ねないようにするのがポイントです。まずは500mℓペットボトルの清涼飲料水。角砂糖17個程度の糖質を含んでいます。これは不要ですよね!あとは、外食時のセットメニュー、ラーメン+半チャーハンなど、確かに魅力的ですが、追加した炭水化物が、さらに角砂糖を追加していることになります。角砂糖を20個もいれた紅茶は飲めないですよね?炭水化物の重ね食いにはご注意を!運動について。以前は20分以上かけないと脂肪燃焼しないと言われていましたが、現在では10分の運動を繰り返すことでも効果があると分かってきています。目標は30分を週5日もしくは10分3回を5日間。ハードルが高ければ少なくてもかまいません。バス停1駅手前!少し歩きましょう!また有酸素運動ではなくても筋トレも効果があり、血糖値が下がりやすくなります。歩くのが苦手であれば室内で腹筋や腕立て伏せ、ラジオ体操またはストレッチをして背中の筋肉を大きく動かすのも効果的です。これから雪が降るので、転倒の危険もあり、室内での運動もお勧めです。最後に毎日体重計に乗りましょう。1日2回の測定がお勧めです。少しでも増えると食事の見直しができて、あまり体重が大きく増えたりしなくなります。体重は、量らないと、あっという間に2~3㎏簡単に増えますよね?体重が2㎏増えたら2ℓのペットボトルが自分の体についたことになります!このようにしてダイエットのモチベーションを維持し頑張りましょう。あきらめないこと、少しずつでも変えていけば時間とともに良くなるはずです。そう!明日からではなく、今日からスタートしましょう!
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CKD(慢性腎臓病)を知っていますか?

Text by 北美原クリニック  遠藤 明太
高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が脳梗塞や心筋梗塞などの心血管病のリスクを高めることはよく知られています。
しかし腎臓の機能低下が心血管病のリスクになることはあまり知られていませんでしたが、最近ではこのことが大きな危険因子ではないかという考え方が定着してきています。その代表がCKD(慢性腎臓病)です。CKDは「尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見」もしくは「腎機能低下(糸球体濾過量が60ミリリットル/分/1.73平方メートル未満)」が3か月以上続く状態と定義されています。
ここでの糸球体濾過量は年齢と血清クレアチニンから計算される、推算糸球体濾過量(eGFR)を用います。要するに外来で簡単にできる尿検査と血液検査で容易にCKDが判定できるというわけです。CKDは一般に自覚症状に乏しく過ごすと、徐々に腎機能が低下して末期腎不全に進行すると言われています。
米国のデータではありますが、心血管病の死亡群を糸球体濾過量で分けてみると30以下の群は正常群(60以上)に比べ4倍以上多いことがわかっています。
ではどうすればCKDの進展を防げるのか?まずはCKDかどうかの判定をすることが重要です。
さらにCKDのベースには当然高血圧や糖尿病、慢性腎炎や膠原病などがありますので、これらの疾患も見落とさないことが大切です。
特に高血圧ではCKDがある場合、血圧の管理目標は130/80未満と厳しく、糖尿病でもHbA1C(ヘモグロビン・エィワンシー)を6.5%未満に管理することがその進行予防のため必要といわれています。またメタボリックシンドロームには高血圧や糖尿病の初期段階の方を多く含みますので、CKDも当然多く含まれることになります。
ですからメタボリックシンドロームの治療である生活習慣病の改善はCKDでもその進展を抑えるために不可欠であるといえます。日本人では推計ですがCKDが約2000万人いるといわれ、これは成人人口の約18%を占めていますので、今後CKDは大変重要な疾患に位置づけられてくるでしょう。
また症状がないので、CKDと気づかずに生活されているかたも多いと思います。
健診などの血清クレアチニン(Crと記載されている場合もあります)と尿所見をあらためてご確認されてみてはいかがでしょうか。
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目薬でも治らない目の不快感は?

Text by 藤岡眼科 藤岡聖子
目の乾き、かすみ、涙目、ゴロゴロする、しょぼしょぼする、などの不快感は、60歳以上になるとほとんどの方が感じているようです。実は、これは涙と深い関係があります。健康な目は、下まぶたにたまった涙がまばたきによって持ち上げられ、眼球の表面を覆います。
歳を取ると涙の量が少なくなったり、涙の質が悪くなったりするために充分に眼球表面を潤すことができなくなるのが「ドライアイ」です。目の乾きがあるとこすれる原因になり、先に述べたような不快感が出るので、眼球表面を保護する点眼薬をつけなくてはなりません。
「ドライアイ」は目をつぶっていると症状が軽く感じるのがポイントです。それに比べて目をつぶってもずっと不快感がとれない病気に「結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)」というものがあります。
人は1日に1~2万回もまばたきをしているので、歳を取るにつれ結膜(白目の表面の薄い膜)のたるみができてしまうのです。
結膜のたるみができてしまうと、このたるみが邪魔をして下まぶたに涙がたまることができなくなり、涙があふれたり、涙が正常に眼球表面を覆えなくなり、乾き目になったりします。
この「結膜弛緩症」は軽い症状の場合は、ドライアイと同じような点眼治療でも効果がありますが、不快感が続いている場合にはたるんだ結膜を縮める手術が効果的です。
表面麻酔をして痛みを感じなくしてから、たるんだ結膜の部分に熱を加えて縮ませることができます。
これは切開して縫い縮める方法よりも術後の痛みも少なく、外来で10分前後で終了する手術方法です。
下まぶたのすぐ内側に透明な膜のような物がたるんで見える方、目の不快感が取れない方は、結膜弛緩症かもしれませんので一度眼科を受診してみてはいかがでしょうか。
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物忘れ

物忘れが多くて、ボケてきたかしら、と心配して外来で嘆く方が居ます。私も物忘れが多いのは負けていないのですが、自分のことは言いません。
物忘れは、年を取ってくると起こる自然な変化なので、ボケ(痴呆、現在では認知症)とは異なります。40歳以降のほとんどの人に起こり、進行することなく、忘れたことを自覚している場合は「物忘れ」で生理的な変化です。認知症では、今日が何日なのか、住所がどこか、一緒に居る人が誰かわからないなど、わからないことだらけになります(認知障害)。さらに、物を盗られたなどの妄想、幻覚、不安やあせりを自覚することもあります。体験の一部を忘れる「物忘れ」と違い、認知症では体験のほとんどを忘れてしまいます。認知症を分類すると、アルツハイマー型、脳血管型とその他の大体3種類に分かれます。アルツハイマー型は、海馬と言う脳の記憶にかかわる部分が萎縮して起こります。脳血管型は、動脈硬化や心臓から血のかたまりが飛んで、小さな脳梗塞(こうそく)を多発した場合や、大きな脳梗塞の後遺症として、認知症になります。この二つのタイプで認知症の八割を占めています。最近の調査では、65歳以上の人たちにおける認知症の割合は、6~7%、1年間に新たに発症する割合は1%と言われています。日本では、脳血管型がまだ多いのですが、近年は、アルツハイマー型が増えて、半々になっています。注意が必要なのは、一時的なボケ状態をせん妄(もう)状態と言うのですが、「今朝から急にボケた」というような場合には他の病気、肺炎や心筋梗塞のせいだったりすることもあります。せん妄状態は元の病気を治療すると回復します。アルツハイマー型は、進行を遅らせる治療しかありませんが、脳血管型は高血圧、糖尿病など動脈硬化を引き起こす病気を治療することで予防できます。アスピリンを少量服用するのが治療にもなります。介護いらずのパワフルな老人になるためには、若い時からと普段からの健康管理が鍵になります。
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