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コラムを読む

糖尿病網膜症診療の現況

Text by 江口眼科病院 森 文彦
現在、糖尿病とそれを強く疑う患者さんは1000万人を超えるといわれています。糖尿病になると網膜血管の細胞が高血糖になって障害され、糖尿病網膜症になります。糖尿病網膜症は糖尿病の最も怖い合併症の一つで、糖尿病患者の15~30%に生じます。初期には自覚症状がなくじわじわ進行し、網膜症が起こるのは糖尿病発症後平均7~8年です。1992年に糖尿病網膜症は視覚障害の原因の1位でしたが、2017年には3位となっています。これはこの25年で内科の先生による血糖コントロールがより良好に行われるようになったことと、早期に糖尿病網膜症の診断・治療がされるようになったこと、そして眼科診療の進歩によると思われます。糖尿病網膜症に対する病態の把握はこれまでの眼底検査や眼底造影検査に加えて、光干渉断層計(OCT)や広角眼底検査によってより正確にされるようになりました。また、糖尿病網膜症の治療は網膜レーザー光凝固や硝子体(しょうしたい)手術の普及により失明に至る患者さんは減少しました。重度の視力障害になる患者さんは減少しましたが、現在糖尿病黄斑浮腫による視機能の低下が問題になっています。黄斑浮腫の治療はこれまでの網膜レーザー光凝固、硝子体手術に加えて、ステロイドの眼局所投与、VEGF阻害剤硝子体投与が行われています。以前より視機能の改善が期待できるようになりましたが、まだまだ限界があります。さらに最近ではOCTAngiographyという造影剤を使わない検査やパターンスキャンレーザー、小切開硝子体手術のような低侵襲の治療が行われています。診療はより進歩していますが、早期発見、早期治療が重要です。血糖検査を行い、糖尿病と診断されたら眼科を定期的に受診することをお勧めします。
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皮膚の悪性腫瘍

Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡
皮膚の悪性腫瘍(皮膚のガンです)として代表的なものには次の3つがあります。基底細胞癌(きていさいぼうがん):多くは光沢のある青黒い腫瘍です。潰瘍状にジクジクすることもあります。顔に多く特に目や鼻の周囲に多く見られます。皮膚癌の中で最も多く見られますが、悪性度は低く、転移はほとんど見られません。有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん):比較的多く見られます。紫外線、慢性の刺激や炎症、放射線などが原因となったり、ヤケドの跡や傷跡から発生してくることもあります。潰瘍を作ってジクジクしたりします。悪性度は中等度で、転移することもあります。悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ):黒い色をしている皮膚の癌で、ホクロとの区別が難しい事もあります。頻度としては少ないのですが、悪性度は高く、進行が早くて転移することも多く致命的になることも多い癌です。ホクロなどが悪性化してくるとき、その変化の指標となるのは、①形がイビツで左右対称でないこと。②境界が不規則であること。③色が均一でないこと。(濃い部分や薄い部分がある)④短期間のうちに大きくなってくること。などです。その他に多いものとして日光角化症があります。これは正確には悪性腫瘍ではありませんが、有棘細胞癌の前駆症状(そのままにするとガンになる可能性のあるもの)です。日光によってできるため、顔、耳、手、腕によく見られます。ほとんどが中高年の方で、日焼けをすると赤くなる人に多いといわれます。赤や褐色の斑で表面がざらざらして少し硬くなっています。角のように伸びてくることもあります。これは焼いて取ったり、軟膏で治療したりできます。
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高齢者って、何歳?

世界保健機構WHOの定義では、65歳以上を高齢者と呼びます。近年、日本の高齢における心身の健康調査からは、20年前と比較して、加齢による衰えが、5~10年遅くなった「若返り」現象がみられました。世論調査でも、70歳以上を高齢者と考えると言う意見が多かったそうです。そうは言っても、寄る年波には勝てませんから、身体が次第に弱っていくのは避けようがありません。「要介護」状態に陥る原因としては、第一位が「認知症」、「脳卒中」、「高齢による衰弱」、「転倒・骨折」、「関節疾患」と続きます。脳卒中のように、突然、健康寿命が終わってしまう場合もありますが、「いくつかの病気が重なって、次第に不調がつのり、だんだん要介護になっていく」という場合が多いと思います。「要介護」の前段階と言える心身の弱った状態をフレイル(脆弱・もろい)と言います。フレイルには、三つのタイプがあります。①加齢と運動不足で、筋力が衰えて転倒しやすくなる「身体的フレイル」。②うつ病や認知症による「精神・心理的フレイル」。そして、③社会的問題等で、引きこもり、ストレスに弱くなった「社会的フレイル」です。身体的フレイルのチェックは、体力テストです。世界17ヶ国15万人を4年間追跡調査した結果では、握力の弱い人で死亡リスクが大きくなるそうです。握力が5㎏低下する毎に死亡リスクが16%上昇すると言うことです。握力計がなければ、簡単にできるのは、開眼片足立ち検査でしょう。目を開けて、片方の足で立ちます。挙げた足を着いたり、ケンケンしたりすると終了です。2回やって、良い方が自分の記録です。65歳の平均は、50秒です。足の筋力とバランスを同時にテストできます。握力も片足立ちの時間も、トレーニングで変えられます。自分の未来や寿命を変えられるのかもしれないのです。まずは、けがをしないように、周りを片付けて、片足立ちしてみてください。
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冬は運動不足の季節です

高血圧症、高脂血症、糖尿病は生活習慣を改善することで、より高いQOL(生活の質)が得られるので、生活習慣病とよばれています。昔は成人病といわれ、年をとると避けて通れない宿命の病気と考えられていました。生活習慣の改善と言っても、そう簡単にはいきません。たとえば、運動について考えてみましょう。生活習慣病をお持ちの方には、1日30分以上の歩行を週3回以上続けるのが良いといわれていますが、この寒い北海道で本当にできるのでしょうか・・・。室内での歩行にも限界があります。そこで私は、家の階段を利用した運動や、高齢者でも簡単にできる運動を考え、患者様に実践していただいています。糖尿病をコントロールするうえで一番困るのが、冬場の体重増加と運動不足といわれています。工夫をしながらこの冬を乗り切りたいですね。
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眼はカメラであり、時計でもある!!

Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子
人間の眼は「物を見る」というカメラの機能ともう一つ、光を使って「時を知る」という時計の機能があります。私達は、「朝起きて、食事をして、仕事(学業)をして夜寝る」というサイクルで生活をしており、その一日のリズムを持たせているのは体内時計なのです。その体内時計の針を動かすのは光です。光にはさまざまな波長光があり、その中でもブルーライトは、目の奥の網膜に到達しやすい波長の光です。夜明け前にはブルーライトが弱く、日中は強いことから、私達の体内時計は朝の光によって「朝だ!」と、認識し目覚めるのです。1990年代に発明されたブルーライトLEDは、現在では照明ばかりではなく、スマートフォンやパソコン、テレビの液晶画面に使用されています。夜までパソコンを使用している方やネット依存になっている方は、本来ならば朝に強いブルーライトに常にさらされているために、体内時計の針の動きが狂ってしまい、夜を認識できなくなり、その結果、睡眠障害になってしまいます。この体内時計の乱れが睡眠障害にとどまらず、うつ病、高血圧、糖尿病、肥満、ガンなどのリスクファクターになっていることがわかってきています。また、ブルーライトは網膜の機能を低下させ、疲れ目の原因にもなります。以上のことから、①昼間はなるべく外でブルーライトを思い切り浴びる。外で遊び、外を歩く。②パソコンやスマートフォンを使う場合は、ブルーライトをカットするPCメガネをかける。③夜間にはパソコンやスマートフォンをやらない。夜間にはなるべくブルーライトを眼に入れない。①~③を守り、眼のカメラ機能と時計機能を正常に働かせれば、体内時計は乱れることがなくなり睡眠障害にもならないですし、眼の疲れも軽減させることができます。
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