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インプラントアンカー矯正Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
インプラントというと、歯のないところに埋め込む人工歯根を思い浮かべる方もいますが、「インプラントアンカー矯正」は矯正歯科治療において歯茎に小さなネジのような装置を埋め込み、この装置を抵抗源として矯正したい歯やあごを引っ張る治療法のことです。一般的な矯正歯科治療において治療が終り、装置をはずす瞬間は本当に患者さんには喜んでもらえます。
いつも「ゴムを二十四時間使ってください」「ヘッドギアは毎日使ってください」などと、患者さんに矯正歯科治療に協力してもらうため、嫌われそうになる言葉を一生懸命理解してもらえる様に来院ごとに伝えていますが、この患者さんの装置をはずした瞬間の喜ぶ笑顔が見られたときは、お互いに努力したんだなと私自身にとっても最高にうれしい瞬間です。 しかしそのままゴムを使ってくれないような協力的でない患者さんの場合は予定通り治療が進まず、長引いてしまうこともあります。 最悪の場合は治らないこともあるでしょう。近ごろでは、患者さんに大きな負担をかけることなく治療効果の上がるいろいろな治療法が考えられております。「インプラントアンカーシステム」もその一つの方法で、患者さんへの負担が小さい治療法です。 その上、いろいろな方向への歯の移動が今までよりも容易になる可能性があります。ゴムやヘッドギアなどの代わりに口の中に抵抗源となるインプラントアンカーを治療開始時に入れます。 歯を動かしたい方向に応じて挿入する場所も考慮し、動的治療終了時に撤去します。 この方法だと患者さんの協力がなくても、予定通りに歯が移動しやすくなります。 今のところ主に成人が対象で欠点ももちろんありますが、術者と患者さん双方にとって利点をもった治療法の一つです。この方法により矯正歯科治療の短期間化や以前は不可能であった左右非対称な歯の移動、患者さんの協力が得られない場合でも治療が可能となり、顔ぼうの改善を含めた患者さんの希望が、より得られやすくなります。 もちろん丁寧な歯磨きなどの協力は不可欠です。 |
鼻の調子が悪く、いつまでも治りません。単なる風邪ではないのでしょうか?Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
症状が2週間も続くならアレルギー性鼻炎の可能性も。子どもの場合には続発する中耳炎も心配。早期受診が大切冬といえば風邪の季節ですが、その中で一見風邪の症状だと思っていたものが、実はアレルギー性鼻炎による症状の悪化である場合が意外と多く見られます。風邪だと思っても、症状が2週間も続くようであれば何らかの慢性的な状態が考えられます。また、必ずしもアレルギー性のものではない場合もあるため、いずれにしても医療機関で検査してみる必要があります。通年性のアレルギーは基本的にハウスダストやダニが原因で、すでに鼻は過敏な状態にあります。そこに冬場は寒暖差や湿度差が激しいなどの物理的刺激が多くなるため、鼻の調子が悪くなりがちになるのです。経験的に秋口から寒くなって、乾燥が進む季節に入ると調子を悪くして不安定な状態に陥る人が多いので、その季節から注意が必要です。ただアレルギー性鼻炎の発症を予防することは難しく、すでにアレルギー性鼻炎と診断されている人であれば、事前に薬を飲むなどの対策もとれますが、既往症がない人ではいかに初発症状を見逃さず、少しでも早く専門医を受診することが大切といえます。特に注意しなければならないのは、子どものアレルギー性鼻炎で、意外と放置された状態のままの子どもが多いのです。鼻の状態が悪いと風邪をひきやすく、またアレルギーなどで鼻の状態が常に悪ければ、いずれ鼻の機能がまったく失われてしまいます。例えば鼻から空気を吸った際に、鼻の中で粉塵(ふんじん)や細菌を取ったり、空気を加湿化し肺に送るという大事な機能がまったく破綻してしまうわけです。当然あらゆる感染症にも罹りやすくなってしまいます。さらに鼻の状態が悪いと、結果的に中耳炎にも罹りやすくなるのです。中耳炎が子どもに多いのも、そういったことが関係していて、多くの場合、風邪から鼻の調子を悪くしてしまい、続発的に中耳炎を起こしているのです。そのため中耳炎の発症も冬場に多く見られます。その意味では、中耳炎の治療のポイントは、鼻の状態のコントロールにあるということがいえるわけです。また、治療には抗生物質の適切な使用が重要です。一般的風潮として抗生物質は敬遠されがちですが、特に幼少期に起こす中耳炎や鼻炎の細菌の種類は決まっていますので、その動向を見極めて適切な抗生物質を選び使用することで、それぞれの症状も速やかに改善されます。耳鼻科は基本的に感染症外来です。風邪も感染症ですので、鼻の調子が悪いなどの症状が長く続く場合や、特に学童期以下の子どもの場合には、まず耳鼻科への受診をお勧めします。
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白内障Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利
白内障は、目の中の「水晶体」が濁る病気です。おおまかに、加齢によるものとその他の白内障に分けられます。圧倒的に多いのが加齢性の白内障で、早ければ40歳代から始まり、70歳ではほぼ全員に白内障がみられます。「水晶体」はカメラのレンズに相当する器官のため、これが濁ることによりまぶしく感じる、明るいところで見づらい、逆に暗いところで見づらい、霧がかかったようにぼやける等の症状が現れます。ただ視力に関しては、濁り方の違いにより初期から視力が下がるタイプや、進行しても視力が良いタイプまでさまざまです。「白内障です」と言われたら、何もせず経過観察するか、点眼薬または手術による治療を選ぶことになります。点眼薬は進行を遅らせる効果は期待できますが、決して進行を止めるものではありません。各自の日常生活において不便を感じるようになったら手術を考える時期です。
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インフルエンザワクチン今年は…Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
今年もすでに11月。2年前の今頃は新型インフルエンザ(現在は新型とは言わず通常の季節型インフルエンザとして取り扱われるようになりました)の流行で、皆さんはとても不安に思われたことでしょう。今年もすでに東京都や山口県などで局所的な流行が散見され、インフルエンザの流行はすぐそこまで来ているようです。インフルエンザを予防する手段として、手洗いうがいなどの一般的なウイルス感染などを予防する方法の他に、予防接種を行うという方法があります。インフルエンザの予防接種は今年、特に子供の接種の対象・方法と量に大きな変化がありました。まず対象・方法ですが、今までは生まれてすぐのお子さんも予防接種としては可能でしたが、今年から6カ月以降のお子さんが接種の対象になりました。接種量は年齢によって大きく変化し、6カ月から3歳までは1回0・25mlで2回接種、3歳から13歳未満は0・5mlで2回接種となりました。13歳以上では従来と同じ0・5mlで1回ないし2回接種です。インフルエンザワクチンは他のワクチンと違い、インフルエンザに罹(かか)らないことを目標としたワクチンではなく、あくまでも重症化を防ぐワクチンです。子供にとって重症なインフルエンザ脳炎・脳症は、インフルエンザワクチンによって防ぐことはできません。とくに、小さなお子さんで、三種混合ワクチンや麻しん・風疹混合ワクチンなどを後回しにしてまで接種しなければならないものでもありません。必要であれば、他のワクチンと同時接種を行うことは可能ですので、接種を行うかかりつけ医に相談してください。昨年までありました新型インフルエンザ対策としての補助は今年はありませんので、特別に補助を行なっている市町村以外は全て有料となっています。接種量が増えたことから、接種料金も昨年から上がっている所が大半と思われますので、接種を希望される方は早めにご相談されるといいと思います。
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こどもの皮膚病Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
皮膚は外部の刺激から身を守る防御壁の役割を担ったり、汗を分泌して体温調節を行ったり、内臓で起こっている異常を映し出す鏡の役割を果たしたりと、様々な機能を持った生命にとって欠かすことの出来ない重要な臓器の一つです。そして年齢によりその特徴には違いがあります。今回は子供の皮膚の特徴についてお話します。皮膚には、一面に穴があります。汗が出る穴(汗孔:カンコウ)と毛の生えてくる穴(毛孔:モウコウ)です。この穴の数は生まれてから一生変わることがなく、ずっと同じで、成長とともに皮膚の面積は増えても穴の数は変わりません。ということは、子供の皮膚には汗孔や毛孔が過密に存在していることになります。このことは、毛孔や汗孔が関わる皮膚のトラブルが子供には起こりやすいことを示しています。一方、皮膚の厚さは子供の頃の方が薄く、成長とともに厚くなっていきます。低年齢の時ほど皮膚が薄いため、皮膚疾患も多いのです。また皮膚の表面は毛孔から分泌される皮脂(ヒシ)で覆われていますが、この量を大人と比較すると、子供はとても少ないのです。生後2~3ヵ月頃までは、母体からのホルモンの影響などで皮脂を作る脂腺機能は活発ですが、それ以降の幼少時期になると機能は低下します。そのため子供の皮膚はカサカサと乾燥しやすいことになります。つまり子供の皮膚はかなりデリケートなものと言えるでしょう。例えば脂漏性湿疹(シロウセイシッシン)という病気がありますが、これは、乳児期前半に好発します。頭頂部に始まることが多く、顔にも見られ、黄色っぽい色をした厚い鱗屑(リンセツ:かさぶた)と紅斑(コウハン:赤み)、痒みがその症状です。先ほど述べました皮脂腺と関連があります。その一方でもう少し成長した子供に多いのが、乾燥性の湿疹です。これからの季節は気温や湿度が低下し、皮膚の血管は収縮します。更に汗や皮脂も少なくなり、皮膚の表面はカサカサになりがちです。そのため乾燥から皮膚を守る対策が必要です。皮膚を清潔に保つことは必須ですが、保湿のためのケアも行うとなおいいでしょう。
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