美容外科の肌の若返り治療の変遷
肌のハリを取り戻す若返り治療はシワ取りの手術(フェイスリフト)、コラーゲンやヒアルロン酸の注射、ボトックス注射、IPL(光治療)、RF(高周波)のフォトフェイシャルなど治療方法は年々変化しています。
施術後であっても化粧ができて日常生活に支障がない方法が主流になってきましたが、持続期間が約6カ月であったり、たびたび治療を受ける必要があるため、効果が確かでかつ、効果持続期間が長いシワ取りの手術は今でも行われています。
最近では自分の血液の白血球と血小板を利用した最新皮膚再生治療(セルリバイブ)が注目されています。血液中の各種の細胞成長因子を含んでいる血小板を濃縮して気になる部位に注入する方法で、今までにない自然なふくやかさを再現でき、顔の若返りには最適です。効果持続期間も2~3年と長いことが大きな特徴です。
一年たっても妊娠しないときは積極的に検査を受けましょう
普通に性生活をもっている夫婦の場合、一年の間に八~九割は妊娠します。つまり、一年たっても妊娠しなければ「不妊症」である可能性が高いわけです。
不妊症の場合、妊娠しにくい他は、特別気になる症状もなく、性生活に支障があることもほとんどないので、まさか自分たちが不妊症とは思いもよりません。自然に妊娠するだろうと一年、二年、待つ夫婦もいます。しかし、不妊症専門医から見ると、この一~二年は、とくに三十代で結婚した女性の場合、非常に貴重な時間です。なぜなら、赤ちゃんの基である「卵子」を作る卵巣の働きは、三十代半ばを境に低下するからです。
さて、不妊症の検査は治療につながるのが大きな特徴です。代表的なのは「フーナーテスト」と「子宮卵管造影検査」です。
フーナーテストは、性生活をもったあとで、子宮頚管や子宮腔に精子がどれぐらいいるかを調べます。精子が一定数いれば、男性側に問題はないとわかります。また、フーナーテストでは、医師が排卵日を予測して性生活をもつ日を指導します。つまり、的確な時期に性生活をもつ「タイミング法」という不妊治療でもあるわけです。
子宮卵管造影検査は、造影剤を注入して子宮や卵管をX線で撮影する検査です。この検査は、卵管に軽い狭窄や詰まりがある場合の治療にもつながり、検査を受けたあとで妊娠することも多くあります。
不妊症の治療は、検査で不妊の原因を特定することから始まります。なかには体外受精や顕微授精など、生殖補助医療の助けを借りないと妊娠が難しい場合もありますが、高度な治療が必要なケースはむしろ少数です。タイミング指導や人工授精など、いわゆる一般不妊治療で妊娠にいたることが多いのです。
赤ちゃんが欲しい夫婦、とくに晩婚の夫婦ほど、待つことは美徳ではありません。一日も早く専門医の検査を受けることが重要です。
コンタクトレンズ使用にあたって…2008年版
7月11日付の新聞各紙に、コンタクトレンズ規制の記事が載っていたのを御存知ですか?
現在は「雑貨」として扱われているカラーコンタクトレンズ(カラコン)を「医療機器」として薬事法で規制するというものです。
コンタクトレンズは、材質別ではハードレンズ・ソフトレンズがあり、昨今では使い捨てタイプのレンズの需要が高いようです。また遠近両用型や瞳の色が違って見えるカラーレンズなど用途別にも様々なバリエーションがあります。
特に若い女性の間では、ただファッション用として装用している方も増えており、主に度の入っていないカラーコンタクトレンズが用いられるケースが多いようです。確かに瞳の色や雰囲気が変わる訳ですから使いたいと思う方もいるのでしょうが…???
コンタクトレンズがメガネと大きく違う点は、目に接触するレンズであるという事だと思います。これによってメガネでは補いきれない強度近視や乱視の矯正ができたり、治療の一環として使用する事で症状を緩和させたりする事ができる訳ですが、反面使い方によっては角膜を傷つけたり、アレルギー性結膜炎の原因となったり、それらを長引かせたりするケースもあります。従って眼科で診察の上、処方される必要があり、また定期的な検査も重要視されるのです。
しかし、量販店もしくはインターネットを通じて購入された場合、個々の眼に合ったレンズか否か判断する事ができません。結果、重篤(じゅうとく)な角膜・もしくは眼球全体の障害を起こし失明に至るケースも見受けられます。残念ながらこの様な悲しいケースをゼロにする事が難しいのが現状です。
従って、法の規制もさることながら、使用している個人個人がコンタクトレンズ=医療機器という自覚をもってお使い頂きたいと願うばかりです。この記事をみて一人でも多くの方が眼科受診の重要性を理解して頂ければ幸いです。
女性に多い甲状腺(こうじょうせん)の病気
甲状腺は頚部(けいぶ=くび)の正面、のどぼとけのやや下にあって、体の活動性を保つのに大切な「甲状腺ホルモン」を分泌する小さな臓器です。甲状腺の病気は甲状腺ホルモンが増えすぎたり足りなくなったりする甲状腺機能異常(はたらきの変化)と、腫瘍や、のう胞ができる場合(かたちの変化)に分けられます。いずれの場合も女性に多いようです。
甲状腺ホルモンが増えすぎると、暑がり・汗かきになり疲れやすい、イライラする、動悸がする、手(指)が震える、食欲はあるのに体重が減る、などさまざまな症状が出ます。
逆に、甲状腺ホルモンが足りない場合は寒がりになり、むくみが出やすくなりますが、症状に気づきにくいことも多いようです。
思い当たる方は、一度、甲状腺ホルモンのチェックを受けられてはいかがでしょうか。お近くの内科、または外科の先生に相談してみてください。
肘内障(ちゅうないしょう):子どもの腕が急に動かなくなった時
肘内障は8歳未満の幼小児に起こりやすい障害で、整形外科では2~3歳が半数を占めています。
少し大きい子供たちと遊んでいたら急に手を使わなくなったとか、親が手をひいて歩いていたら急に痛がったとか、明らかな外傷がないのに痛がる。
そして、肩が痛いとか手が痛いと訴えることも多いのです。
まるで「肘が抜けた」状態になり、腕を下げて動かさなくなります。
橈骨(とうこつ)という前腕にある骨の一つで肘関節を形作るこの骨の頭の部分が輪状の靭帯からはずれかけて、その靭帯が関節にはまり込んだ状態です。単純X線では骨折なく、また神経症状がありません。
治療としては、肘を曲げながら親指が外へ向くように捻ると整復されます。
整復操作後しばらくして手を使い出すことを確認します。
動かさないときは整復が不充分か、骨折などが隠れている場合もありますので再検査が必要となります。
お腹が張っていませんか?
「お腹の張り」は、食べたものが腸内で発酵し、ガスが発生する事によって起こる場合があります。
食べたものは、主に小腸で必要な栄養素が吸収され、ドロドロの残りカスが大腸へと送られます。大腸では水分が吸収され次第に便を形づくり、直腸に送られて最終的には体外へ排出されます。しかし、便秘をした時など、内容物が腸内に長くとどまると、菌の増殖によって、ガスが発生するため、お腹が張った感じになるのです。
便秘の他、下痢の時にもお腹が張ります。お腹が張るからといって、下剤を飲みすぎたりする事は、逆に症状を悪化させます。
この他、胃の機能の低下が原因となることもあります。私達は、食事をしている時、一緒に飲み込んだ空気を、胃の蠕動(ぜんどう)運動によって吐き出しています。しかし、胃の働きが弱くなると、空気を吐き出す事ができずに胃にたまってしまい、げっぷが多くなります。
まずは、生活習慣や食生活の改善ですが、ストレスが原因となる事もあるため、ストレスをためないよう心がけることも大切です。それでも改善しない時は、大腸癌や過敏性腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)なども疑わなくてはなりません。
大腸の検査というと、「検査の朝には、たくさん(二リットル)の下剤を溶かした洗浄液を飲み、のた打ち回るような痛みをこらえて・・・」というイメージがありますが、洗浄液はレモン味やグレープフルーツ味に改善されていますし、最近では、お茶や水で飲むことのできる錠剤もあり、かなり飲み易くなり、好みによって使い分ける事が可能になりました。また、カメラの性能が良くなり、検査の苦痛はかなり軽減されています。
胃腸以外の病気でもお腹が張る事があります。腹水がたまっていたり、卵巣に腫瘍ができることでも同じような症状になるので注意が必要です。
長期間、お腹が張る症状が継続している方は、専門医に相談をする事をお勧めします。
アンチエイジングと矯正歯科
先日、東京、御茶ノ水で開催された日本成人矯正歯科学会のテーマは、「アンチエイジングと矯正歯科」でした。
同時に開かれた「イーラインビューティフル大賞」に女優の釈由美子さんが選ばれ、学会を華やかなものにしました。
一般にアンチエイジングを日本語で言えば「抗老化」「抗加齢」。
美容整形分野では、しわや肌の若返り、スキンケアや医学的治療により、外部から皮膚そのものをケアすることで、よく使われておりました。
現在、歯科の分野では、抜けた歯の部分に、取り外しタイプの入れ歯や、周りの歯を削らない人工歯根療法(インプラント)などにより、歯を増やすことや、黄ばんだ歯、若いときに治療し変色した歯を、ホワイトニングにより、歯を削らずに美しい歯に回復させる場合に使われ始めております。
しかし、アンチエイジング治療を受けようと考える患者さまの多くは、若く見せたい、昔の自分に戻りたい、という強い気持ちをお持ちの方々と感じております。
したがってサプリメントやホルモン補充療法などの、内部から全身的に若返りを図る方法、つまり全身的な老化防止策が、最近脚光を浴びてきました。
歯科に関して言えば、見せかけだけではない、親知らずなどあまり利用されていない歯を、他の部分へ移植したり、歯槽膿漏により弱った歯茎をブラッシングやスケーリングにより進行を抑え、より健康にすることがすでに行われております。
またこれらに加え、最近では、より積極的に、GTR法や人工骨移植など、歯槽膿漏の手術による、骨再生療法などが手がけられてきております。
今回の学会の特別講演の一つであったプラセンタ(胎盤エキス)治療などと組み合わせたり、高齢者への矯正歯科治療とインプラントを同時に行い、若い頃より良い歯並びを手に入れることによる根本的なアンチエイジング治療が手がけられてきております。
月経痛には昔からの知恵を
男性にはわからない若い女性の悩みに月経痛があります。
20代以上の女性で月経痛がひどい場合には子宮内膜症や子宮筋腫を疑わなければなりませんが、10代の女の子の月経痛には生活習慣が原因と考えられる患者さんが増えています。
悪い生活習慣の一番手は「寒い季節のなま足」です。
下半身を冷やすことが月経痛をつらくしていることに気づかず、堂々となま足で受診し私から説教される女の子は後を絶ちません。昔から「女性は身体を冷やすとよくない」と言われていますが月経が近づいたら、冷たい食べ物、飲み物を避け、暖かい食事、暖まる食材(ネギやショウガなど)を取るだけでも月経痛が軽くなる可能性があります。
意外と知られていませんが、喫煙や受動喫煙も月経痛悪化の原因になります。お父さんのたばこで娘が月経痛なんてかわいそうですね。
リウマチに対する誤解
リウマチは正式には関節リウマチと言い、手足の関節が腫れて痛み、進行すると関節に障害を残し、時には肺や腎臓などもむしばみます。異常をきたした免疫システムが、誤って自分自身の組織を攻撃してしまうために起きると考えられています。
世間ではリウマチに関して、間違った認識もあるようです。例えば、高齢者の病気、女性の病気、遺伝する、治療法がない、など・・・。
実際には、リウマチの発症時期は30~40歳代にピークがあり、20歳代の患者も珍しくありません。逆に、70歳以降での発病はむしろまれです。男性の患者は女性の3分の1くらいいます。親子でリウマチになることもありますが、糖尿病や高血圧にくらべればはるかに低い確率です。
最近は良い薬が次々と開発され、早期に診断すれば進行を抑えることも可能になってきました。
糖尿病と飲酒
年末が近づき、宴会でお酒を飲む機会が増えているかと思います。今回は、アルコールと糖尿病について、お話ししたいと思います。
アルコール(エタノール)は、少量では健康にいいとされていますが、成人男性で1日平均30g(日本酒1.5合相当)以上では死亡率が急上昇します。
また、アルコールは1gあたり、7kcalのエネルギーがあるため、糖尿病の血糖コントロールに悪影響を与えます。そのため、血糖コントロールの悪い方は原則禁酒とする、良い方(ヘモグロビン A1c 6.5%以下)は、一日2単位(ビール500ミリリットル、日本酒1合、ワイン200ミリリットル)以下の飲酒は可能です。外食では、飲み過ぎ、食べ過ぎないことが大切です。外食時ウーロンハイならウーロン茶をたくさん入れる、カロリーの低いものからたくさん食べるなどの工夫をしてみましょう。
休肝日も週2、3回設けてください。では楽しい年末ライフをお過ごしください。