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大人の鼠径(そけい)ヘルニア治療の最近

整形外科2009/04/02

 鼠径ヘルニアの「鼠径」とは太ももの付け根の部分のことをいい、「ヘルニア」とは体内の臓器などが正しい位置からはみ出した状態をいいます。

 つまり鼠径ヘルニアとは、本来はお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てきてしまい、症状として鼠径部近くに違和感や鈍い痛みを感じたり、そこが軟らかく盛り上がり、横になって力を抜くと平らになり、重い物を運ぶと膨らみが目立つようになるなど一般に「脱腸」と呼ばれている病気のことです。

 鼠径ヘルニアは手術以外治療方法がありません。手術方法としてポリプロピレン製の人工膜で筋膜の穴をふさぐメッシュ法が痛みも少なく短期入院で済むため普及してきており、再発率も約1%で、生活の質を考慮すれば積極的に治療した方が良い病気です。

 鼠径ヘルニアはお薬では治すことはできません。下腹部に隆起を認め不快な症状がある場合は、専門医にご相談ください。


Text by 函館渡辺病院 伊坂 直紀(  「」掲載)

失神バンド

循環器内科2009/03/25

 1960年頃にはグループサウンズが流行っていて、オックスとか「失神バンド」がありました。演奏する人が失神してしまうとコンサートは終わりなので、失神するのは最前列に来ている女の人たちでした。
キャーッと騒いで、ぐったりしている所を係員に運び出されていました。
「入場券がもったいない」と小学生ながらに心配したものです。

 失神を主訴に外来を訪れる人はよくいます。
26年間の住民調査で「男3%、女3.5%の人が、一度は失神していた」と言う論文があります。
命に別条のない失神の原因もありますが、倒れたときに頭を打ったり、骨を折ったりすることもあります。

 失神する状態とは、一過性に脳への血流が減少する状態です。
頭への血流が6~8秒間途絶えるような不整脈が起こったり、上の血圧が60まで低下したり、脳への酸素が20%低下しても失神します。
失神前にふわふわする浮遊感を自覚することもありますし、前駆症状のない場合もあります。
完全に意識を回復するので、「あれはなんだったのだろう?」と不思議になりますが、繰り返すことが多いので、原因を調べるのは大事なことです。

 脈の速くなる不整脈と脈の遅くなる不整脈のどちらも失神の原因になります。
脈が速くなる不整脈が起こって、それが止まるときにしばらく心臓が打たないので、失神することがあります。
心房細動と言う不整脈で、脈が非常に遅いときも失神します。
心臓がやたら速く動くのだが、速すぎて血液を送り出せない不整脈の時も失神します。
出血して血圧が下がった時も失神します。
血を吐いた時は原因がわかりやすいのですが、動脈瘤の血管が裂けて体内で出血している時は失神の原因がわかりづらく、命に別条のある失神です。
朝礼で失神するのは、失神バンドと同じで、一時的な血圧低下が原因の命に別条のない失神です。
心臓血管に病気があると失神の原因になり易く、繰り返すと言われています。

 致命的な病気の前触れかもしれないので、気を失ったときは原因を調べましょう。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨( 2009年4月 「青いぽすと」掲載)

最近のレーザー事情

皮膚科2009/03/18

 レーザーというのは光の一種です。自然の光はいろいろな波長の光が混ざり合ったものです。それに対してレーザーとは単一波長の光のことです。

 いろいろな波長が混ざった光を、ある媒体(ルビー、アレキサンドライト、ヤグなど)に当てると単一な波長の光だけを取り出すことができます。
これがレーザーで、その媒体の種類によって、取り出される光には固有の波長があります。
それがレーザーの種類になり、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどと呼ばれます。

 そして、それぞれ固有の波長があるため、一つのレーザーはある固有の色にしか吸収されないのです。
ですからレーザーは種類によって効く色が違うのです。レーザーを生体組織に当てると単一の色(水、ヘモグロビン、メラニン)に吸収されて熱を出します。
こうして発生した熱によって、メラニンをこわしてシミを取ったり、毛根こわして脱毛したり、毛細血管をこわして赤いアザを取ったりしているのです。
しかし、熱を出すということは、周囲の正常な組織にも熱が伝わるということです。

 近年、この周囲の熱をできるだけ押さえるためにQスイッチといって高いエネルギーのレーザーを極短時間だけ照射する装置ができてきました。
これによって正常組織への熱の影響を減らすことができるようになりました。
さらにIPL(Intense Pulsed Light)といって波長を単一ではなく、ある幅を持った波長に することによって熱による影響をマイルドにしようとすることも考えられました。

 また、皮膚の真皮層に熱を加えることによってコラーゲンの再生をうながすことができることがわかってきました。これによってシワ、ニキビ跡、キズアト、毛穴の開き、を改善し、皮膚のキメを整えることができます。

 最近では、フラクショナルレーザーといって一平方センチメートルに何十という極細いレーザーを当てて表皮のダメージをできるだけ少なくして、目標とする真皮層に多くの熱を与えるようなものもできてきています。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡(  「」掲載)

『めまい』を考える

脳神経外科2009/03/18

 「めまい」は医者泣かせの症状です。他覚的には、「眼振」という特徴的な目の動きやふらつく姿も見られず、自覚症状だけのこともあり、原因がわからないこともしばしばです。今回は、この厄介な「めまい」を考えます。

 「めまい」とは、体のバランスをとる働きの不調と表現できるでしょう。
体の傾きや動きを感じるには、「視覚(物を見る)」「平衡感覚(耳の奥にある三半規管などによる)」「深部感覚(筋肉や、関節からの感覚)」、これらの感覚を脳に伝える「神経経路」、そして最終的に全ての情報を統合する「脳」が関わっています。このどこに障害が起きても「めまい」が生じます。

 しかし、「深部感覚」や「神経経路」の障害による「めまい」は、注目されることが少ないような気がします。
医師からでさえ、「首や腰、膝や足の病気でめまいなど起きない」と言われることが多いのですが、耳や脳を検査して「異常なし」とされた「めまい」の患者さんの中には、頸椎や腰椎に原因が疑われる方がいらっしゃいます。

 偉い先生の書いた「めまい」についての分厚い本にも、背骨を支えている筋肉の感覚異常から「めまい」が生じることが書かれています。
体の重心を支えている関節や筋肉に異常があれば、ふらつくのは当然です。頸椎や腰椎に病気があれば、その両脇の筋肉に負担がかかることも納得できます。
さらに、糖尿病でも末梢神経障害が生じることがありますが、このとき「平らなところを歩いていても、砂利の上を歩いているみたい」と表現されることがあります。
こんなときも「めまい」という自覚症状となることがあります。

 「めまい」は強い恐怖を感じるものです。実際、脳卒中の場合は命の危険もあります。
頸椎、腰椎の病気や末梢神経障害の場合、比較的「めまい」が軽い印象がありますが、不快なことに変わりません。
耳や脳に異常が見つからないとき、頸椎・腰椎などの脊椎や末梢神経の障害を疑うことも必要でしょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

歯科医療と金属アレルギー

歯科2009/03/12

 金属アレルギーと聞くと、指輪やピアス、時計などによりかゆみや湿疹、かぶれなどを起こす症状を思い起こす方が多いと思いますが、歯科の分野でも、金属アレルギーの問題が取り上げられる様になってきました。
ご存知の通り、歯の被せ物や詰め物には金属が使われることがあり、これらの金属がイオン化して体内に入るとアレルギー反応を起こすことがあります。

花粉症などと同じように、今まで何ともなかったのに突然発症したり、口の中以外に症状が出ることも多いため、口の中の金属が原因であることがわかりにくいケースもあります。

 金属アレルギーのリスクを下げるには

  1. 金、チタンなどの溶け出しにくい金属を使う
  2. セラミックなどの非金属を使用する
  3. できるだけ同じ種類の金属を使う

アレルギーはご自身の体質にも依りますので、気になる方は医師、歯科医師に相談してみて下さい。


Text by かも歯科クリニック 加茂 勝巳(  「」掲載)

瞳(ひとみ)の大きさと見え方

眼科2009/02/25

 今回は「瞳(ひとみ)の大きさが見え方に影響を与えている」という雑学的な話です。

 瞳は虹彩(茶目)に囲まれた部分のことで、カメラでいう絞りに相当しますが、その大きさは自律神経によって調節されており、明るい場所では瞳が小さくなり、暗い場所では瞳が大きくなります。
ヒトの場合、おおむね2mm~6mmの間で大きさが変化します。

 一般的に、瞳が小さくなればなるほど焦点深度(目標物へのピントが合う範囲)が広くなり、逆に大きくなればなるほどピンぼけになります。
目のわるい子供が無意識に目を細めるのも瞳を小さくして見やすくするためです。
また、40歳を過ぎた老眼年齢の方であれば、瞳が大きくなると焦点深度が浅くなるため老眼が顕著となり、夕方や暗い照明での読書が困難になるというよくある症状を既に体験されているかもしれません。


Text by 江口眼科病院 昌原 英隆(  「」掲載)

原因不明不妊のなかには『受精障害』が原因になっている場合があります

産科婦人科2009/02/20

 不妊の原因がはっきりわかると治療法が決まります。しかし、なかには検査を繰り返しても原因がわからない場合があり、このような原因不明不妊は、不妊症の10~20%を占めるといわれています。

 原因不明不妊の場合は治療法がないのかと心配になる方もいるでしょうが、そんなことはありません。原因不明不妊はいわゆる「生殖補助医療」と呼ばれる「体外受精・顕微授精」の対象となり、これまで多くのご夫婦が赤ちゃんを授かっています。

 同時に体外受精の研究が進むにしたがい、これまで原因不明不妊とされていたなかには「受精障害」が原因となっているケースがあることがわかってきました。

 受精のメカニズムは大変複雑で未知の部分が多くありますが、簡潔にいうと精子が卵子の中に入り込み、精子と卵子、双方の細胞が融合することで新しい命の源である受精卵となります。そして、受精障害の原因として考えられるのが、精子が卵子の外側を覆う透明帯(とうめいたい)を破って進入することができないことや精子が卵子の中に入ったあと精子あるいは卵子が活性化せずに受精することができないことなどです。

 現在受精障害が不妊原因と考えられる場合、人工授精などの一般不妊治療を長引かせることなく生殖補助医療へステップアップするようになっています。言葉を代えれば体外受精を行っても受精卵とならない場合に早めに顕微授精に切り替えるようになっているということです。実際、受精障害の場合多くの専門医は顕微授精を勧めるようになっています。

 この場合、女性は受精能の高い成熟卵子を確保するために適切なホルモン療法を行うこと、男性では精子洗浄濃縮法により受精能の高い精子を確保することが原則です。

 不妊治療は日々進歩しています。原因不明不妊と診断されてもあきらめることなく、不妊治療専門医に相談されるのがよいでしょう。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

眼瞼下垂(がんけんかすい)について

眼科2009/02/20

 眼瞼下垂とは目をあけても上まぶたが十分に開かない状態のことをいいます。眼瞼下垂があると、視覚の発達期にある小児では弱視、斜視、屈折異常の発生に関係し、高齢化社会の今日しばしばみられるようになった加齢性眼瞼下垂も、高度になると日常生活に不便を来たし生活の質を低下させます。

 眼瞼下垂は生まれつきまぶたをあげる機能が弱い先天性眼瞼下垂と、後天的な要因で生じる後天性眼瞼下垂に分かれます。

 先天性眼瞼下垂では、まぶたを上げる筋肉[上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)]の力がかなり弱いか、上眼瞼挙筋が欠損しているため十分にまぶたが上がらなくなっています。

 後天性眼瞼下垂症には、腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)、神経原性眼瞼下垂(しんけいげんせいがんけんかすい)、筋原性眼瞼下垂(きんげんせいがんけんかすい)、腫瘍性病変によるものなどがあります。まぶたを上げる神経の障害(動眼神経麻痺や脳梗塞後遺症など)、筋肉自体がこわれてしまう病気(筋緊張性ジストロフィーや重症筋無力症など)では原疾患の治療にて改善が期待できることもありますが、薬物治療などで改善が認められない場合には患者さんの状態に応じて手術を行うことがあります。

 後天性眼瞼下垂のなかで腱膜性眼瞼下垂は、加齢や化粧、アレルギー性結膜炎、コンタクトレンズの長期間使用などでまぶたがこすれることにより、まぶたの板[瞼板(けんばん)]とまぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の間をつないでいるすじ(腱膜)が瞼板からはずれてゆるんでしまうことにより生じます。この結果、まぶたを開けようとして上眼瞼挙筋が収縮しても、その力が十分に瞼板に伝わらなくなるため眼瞼下垂になります。この症状があると、これを補うために眼瞼挙筋に付随している筋肉(ミュラー筋)を収縮させてまぶたを開けることになります。ミュラー筋が収縮するためには自律神経の交感神経が緊張する必要があり、交感神経が常に緊張していると頭痛や肩こり、手足の冷え性、不眠などを生じることがあります。治療はゆるんではずれてしまった腱膜を瞼板にとめなおす手術を行います。

 また、まぶたが開けにくい患者さんの中には、まぶたが痙攣をする病気(眼瞼痙攣)を伴っていることがあり、治療は痙攣を抑える作用をもつ薬をまぶたの筋肉に注射します。

 このように眼瞼下垂には原因がさまざまあるので、治療法もさまざまです。まずは眼科医を受診して眼瞼下垂の原因を見つけることが先決です。脳動脈瘤など他の病気の影響だったり予兆だったりする場合はこちらの治療が優先となります。医師に相談し原因を見つけて適切な治療を受けましょう。


Text by 藤原眼科 藤原 慎太郎(  「」掲載)

転倒を予防しましょう

整形外科2009/02/16

 (骨粗鬆症[こつそしょうしょう])×(転倒)=(?)
まず、このクイズの答えを考えてみて下さい。

?は何でしょう。

正解は骨折です。
つまり転倒を予防するという事は骨折の予防にもなります。

転倒の原因を分析すると身体に原因があるものとそれ以外のものがあります。
身体の原因については多くの要素があり体幹筋・骨盤周囲筋・下肢筋などの筋力低下に加えて平衡感覚障害(めまい)・視力障害・脳血管障害などが複雑に影響します。
いずれにしても結果として「二足歩行の破綻」という転倒現象を生じるわけです。

転倒を予防するには「ダイナミックフラミンゴ体操」が効果的です。
聞き慣れない言葉ですが、フラミンゴのように片脚でバランスよく立つという事です。
右足で1分間立ったあと、左足でも1分間続けられれば合格です。

片脚で30秒以下の人は転倒危険群と考えられますので注意が必要です。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

膠原病(こうげんびょう)ってなあに?

内科2009/01/29

 膠原病という言葉は知っていても、きちんと理解している人は少ないと思います。
膠原病とは1つの病気ではなく、膠原(=コラーゲン)の豊富な組織に炎症・変性をきたす病気の総称としてつけられた言葉です。

 何らかの原因によって、自己を守る体の働き(=免疫)に異常が生じて起こります。
代表的なものに、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、シェーグレン症候群などがあります。
このうち、関節リウマチは国内の患者数が70万人以上と大変多いですが、その他の病気は数千人から数万人にすぎません。

 それぞれの病気で特有の症状がありますが、頻度の高いものとして、発熱、関節痛、筋肉痛、皮疹、レイノー症状(寒冷時などに指が白・紫に変色する)などが挙げられます。
思い当たる方は専門医の診察を受けてみてはいかがでしょうか。


Text by おぐらクリニック 小椋 庸隆(  「」掲載)

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