インプラントアンカー矯正
インプラントというと、歯のないところに埋め込む人工歯根を思い浮かべる方もいますが、「インプラントアンカー矯正」は矯正歯科治療において歯茎に小さなネジのような装置を埋め込み、この装置を抵抗源として矯正したい歯やあごを引っ張る治療法のことです。
一般的な矯正歯科治療において治療が終り、装置をはずす瞬間は本当に患者さんには喜んでもらえます。
いつも「ゴムを二十四時間使ってください」「ヘッドギアは毎日使ってください」などと、患者さんに矯正歯科治療に協力してもらうため、嫌われそうになる言葉を一生懸命理解してもらえる様に来院ごとに伝えていますが、この患者さんの装置をはずした瞬間の喜ぶ笑顔が見られたときは、お互いに努力したんだなと私自身にとっても最高にうれしい瞬間です。
しかしそのままゴムを使ってくれないような協力的でない患者さんの場合は予定通り治療が進まず、長引いてしまうこともあります。
最悪の場合は治らないこともあるでしょう。
近ごろでは、患者さんに大きな負担をかけることなく治療効果の上がるいろいろな治療法が考えられております。
「インプラントアンカーシステム」もその一つの方法で、患者さんへの負担が小さい治療法です。
その上、いろいろな方向への歯の移動が今までよりも容易になる可能性があります。
ゴムやヘッドギアなどの代わりに口の中に抵抗源となるインプラントアンカーを治療開始時に入れます。
歯を動かしたい方向に応じて挿入する場所も考慮し、動的治療終了時に撤去します。
この方法だと患者さんの協力がなくても、予定通りに歯が移動しやすくなります。
今のところ主に成人が対象で欠点ももちろんありますが、術者と患者さん双方にとって利点をもった治療法の一つです。
この方法により矯正歯科治療の短期間化や以前は不可能であった左右非対称な歯の移動、患者さんの協力が得られない場合でも治療が可能となり、顔ぼうの改善を含めた患者さんの希望が、より得られやすくなります。
もちろん丁寧な歯磨きなどの協力は不可欠です。
大きくなる顎(あご)と変わらない歯
身長94cm、体重12kgの3歳児が大人になり、身長160cm、体重60kgになったとすると、身長で1.5倍、体重だと5倍に成長したことになります。
背が大きくなるにつれて、あごの大きさも大きくなりますが、3歳児のあごの中の永久歯の冠の大きさは、もう大人の大きさと同じです。
そしてこの永久歯が、6歳ころになると口の中に現われてきますが、まだ成長しきっていないあごの上の歯が大きく見えるのは、当たり前と言えそうです。
歯並びの悪い子の場合、あごが大きくなることで、歯並びが良くなる可能性もなくはありません。
良くなるかどうか予測することは身長が 180cmになるか160cmで止まるかを予測することが難しいように困難です。
しかし、親と似るということは、間違いないようです。
なかなか治らないニキビ ピーリング&レーザーピーリング
ニキビ治療では抗菌剤含有のローション、ジェル、クリーム、時には少量のステロイド含有の軟膏を皮膚に塗り、抗菌剤、ビタミン剤を内服することが一般的に行われています。20歳以上の方のなかなか治らないニキビ、特に顎や首に局所的に発生するニキビの多くは、ダイエット時の偏食などによる貧血や女性ホルモン異常、ストレスに原因があります。
ピーリング治療は、一般的治療でなかなか治らない方やニキビ治療時から美白を考えている方への治療で、できるだけニキビ跡が生じないようにするのに有効です。
また、レーザーピーリングやメソローラーによる治療は、ニキビによって黒ずんだり陥没してしまった部分を軟化させて、黒ずみや陥没を改善し、化粧のむらを解消させるのに効果的な美白治療です。
ニキビ治療には保険治療から自費治療までいろいろあります。カウンセリングの時に、治療後の経過のことや注意事項をお聞きになった上で、生活様式に合った治療方法をお選びください。
歯科金属アレルギーについて
今回は、歯科金属アレルギーについてお話したいと思っています。
通常、金属自体は体に対して無害なものですが、汗や唾液などの体液によってイオン化した金属が体内に取り込まれ、体内のタンパク質と結合し、異常と認識した生体が抗原性をもつようになり、再び同じ金属が体内に入った時に皮膚や粘膜を破壊することが金属アレルギーのメカニズムと言われています。
歯科で使用される金属を見てみると、金はイオン化しにくいという点で安全性が高いのですが、パラジウム、銀、銅、ニッケルなど多様な元素を含んだ合金が使用されています。
口の中の金属はイオン化して溶け出しやすく、唾液、口腔細菌、血液などのタンパク質と結合して抗原性を持つようになります。
その結果、皮膚炎や肌のシミなどを生じるようになると言われています。
また口の中の金属は帯電しやすく、ガルバニ電流と呼ばれる微弱な電流を生じて頭痛や関節痛を悪化させたりするとも言われています。
溶出度の高い金属とは、アマルガム(水銀)、銀合金、ニッケル合金、金銀パラジウム合金などで、症状としては、口内炎、口角炎、舌炎、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)、全身疾患としては、全身性接触皮膚炎、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)、扁平苔癬、偽アトピー性皮膚炎、顔面湿疹などです。
これらの症状が慢性的に続いた場合は、金属アレルギーをも疑い、調べてもらう必要があります。
検査としては口腔内検査、パッチテスト、毛髪ミネラル検査、リンパ球刺激試験などがありますが、一般的なパッチテストは内科や皮膚科、また金属アレルギーをみる専門の歯科病院で実施されています。
次に治療についてですが、原因除去が基本で、検査で特定されてた金属を除去し、安全性の高い材料に取り替える治療(ノンメタル治療)を行います。
セラミックは最も安全性の高い材料で、チタンという金属も安全性の高いものです。
また、部分入れ歯やブリッジでは金属を使用せざるを得ないのですが、最近ファイバー素材やジルコニアを使用したブリッジやプラスチックのツメを使用した部分入れ歯もできています。
いずれのものも一般には保険が適応されず価格も高価なものが多いため、かかりつけの歯科医院に相談の上治療を行って下さい。
あなたはドライマウスではありませんか?
当院の外来では、口の渇きや、食べ物が飲み込みにくいという訴えで来院されるかたが意外と多くみられます。
ほとんどの方が糖尿病や食道の病気を心配されるようですが、実はその多くが口腔乾燥症が原因であることをご存知でしょうか。
口腔乾燥症はドライマウスともいわれており、口が渇く、のどがかわく、パンやクッキーが食べにくい、味がおかしい、飲み込みにくい、など多様な症状を呈します。
原因はいろいろありますが、大きく分けると唾液の出方が少なくなるものと少なくならないものに分けられます。
唾液は出ているが乾燥を感じるものの原因には、鼻がつまることで口呼吸が多くなるための過蒸発や、夜間に口をあけて寝ることなどがあげられます。
問題は唾液の出方が少なくなるためにおこるドライマウスです。
主なものとして放射線治療後におこる唾液腺の分泌障害や手術、脳血管障害などに伴う神経障害によるもの、さらにある種の薬剤によってもおこりますし、一番多いのはやはりストレスに伴うもののようです。
ドライマウスの状態を示す病気で見落としてはいけないものにシェーグレン症候群があげられます。
この病気は関節リウマチの親戚に当たる関節の痛みをともなう膠原病の一種ですが、女性に多くみられるのが特徴のひとつです。
口の中の症状としては虫歯が急に悪くなったり、義歯をつけたときの違和感なども起こります。
通常は目の乾燥も伴うため、目の異物感やかゆみ、さらにコンタクトレンズをすると痛くなるなどの症状も現れることがあります。
診断には耳鼻科、歯科口腔外科、眼科などの専門医の受診が必要になります。
また関節症状については整形外科や膠原病科の受診も必要となるでしょう。
治療としては、唾液分泌を促す、うがい薬や飲み薬を使うことになります。
またストレスが原因の場合はそれを軽減する薬を使うこともしばしばあります。
シェーグレン症候群は他の膠原病(全身性エリトマチートスなど)と同時に出てくることもあり、ドライマウスがきっかけで膠原病が見つかることも少なくありません。
ドライマウスが気になる方は一度医療機関を訪ねてみてはいかがでしょうか。
私、納豆食べてもいいですか?
「先生、私は納豆が大好きなのに一生食べられないのですか?」と、Aさんは不満そうに聞いてきました。
どうやら診察前の待合室で「あなたも血液をさらさらにする薬をのんでいるんだから、納豆はダメよ」と世話好きな友人から言われたとのことでした。
このAさんのように血液をさらさらにする薬=抗血栓症薬をのんでいる人で、食事内容の事で悩んでいたり、また誤解をしている人は決して少なくないようです。
現代の医療において抗血栓症薬は最も有用な薬剤の一つであり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾病の治療や予防に欠かすことのできない薬剤となっています。
抗血栓症薬には大きく二種類あり、抗凝固薬と抗血小板薬とがあります。
抗凝固薬の代表的なものにはワルファリンがありますが、それを服用している人が、ビタミンKの豊富な食材、たとえば納豆、青汁、クロレラ、海草、濃い緑色の緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草など)を食べてしまうと、服用したワルファリンの血液中濃度を低下させ薬効を減弱させてしまいます。
このことを心配しすぎて全ての野菜をほとんど食べなくなる人がいますが、それではかえって健康によくありません。普通の野菜は問題ありませんし、緑黄色野菜でも量を控えめに食べるのであれば大丈夫です。
しかし、納豆は腸内でビタミンKを産生する働きがあリ少量でも影響は大きいので食べてはいけません。
もう一方の抗血小板薬にはいくつかの種類があります。最も代表的なものにアスピリンがありますが、その他の抗血小板薬も近年有効性が証明されるようになりたくさんの人に処方されています。
これらの抗血小板薬の作用はビタミンKに影響されないので、納豆や緑黄色野菜などをたくさん食べても全く問題ありません。
このように「血液をさらさらにする薬」には、大きく二種類があり、基礎疾患の違いによって有効な方の薬が選択されます。
Aさんのように、何を食べてはいけないのか悩んでいる人は、自主判断せずに主治医の先生に一度聞いてみることが大事です。
糖尿病がある方の感染症対策 〜インフルエンザを中心に〜
ウイルス感染を防ぐためには、一般の方と同じく
- 石けんを使った手洗い(十分な手洗いができない場合はアルコール消毒液)
- 水でうがいをする
- ドアノブや手すりなどの拭き掃除
心がけましょう。
血糖値が高いとウイルスに対抗する「抗体」が体内で十分に作られなくなってしまいます。
このため症状が長引いたり重症になったりしがちです。
したがって普段の血糖コントロールを十分よくしておくことが重要です。
また、腎臓の機能が低下している人や神経障害を起こしている人は、さらに抵抗力が弱くなってしまいます。
感染してしまった場合、血糖が一時的に上がりやすくなります。
飲み薬(経口血糖降下薬)を安易に中止しない、などの注意点があります。
あらかじめ医師に確認しておきましょう。
予防接種は、もし感染してしまっても重症になることを防ごうとするものです。
今年の新型インフルエンザに関しては国が中心になり対象者を定めて接種が順次進められています。
知覚過敏(ちかくかびん)
知覚過敏という言葉を聞いた事があるでしょうか?
虫歯でもないのに歯がしみる事ってないですか?
その多くが知覚過敏と考えられます。
原因は様々ですが、以下のような場合は知覚過敏を起し易くする可能性があります。
- 歯周病により歯の根が露出している。
- 歯の根が露出しその部分を歯ブラシで強く磨いている。
- 歯ぎしり、くいしばりで過剰な力が歯に加わり、歯茎の近くの歯の表面が剥がれている。
対処法としては
- 知覚過敏用の歯磨き剤を使う。
- 専用の薬で歯の表面をコーティングする。
- くびれた部分を埋める。
- 以上の方法で改善しない場合は歯の神経を取る。
知覚過敏は正しいブラッシング法をマスターすると防ぐことができます。
放っておくと症状がひどくなる場合もありますので、思い当たる方はお近くの歯科医院へご相談下さい。
ピカピカ光が見えます
見えるはずもないのにピカピカ光が見えることがあります。それを光視症〈こうししょう〉と言い、光り方によって大きく二種類に分かれます。
原因も目自体と、脳内病変によるものに分かれます。
一つは花火や閃光が流れるように飛ぶように見える場合。
これはたいてい片目だけに見える光り方で、原因が目自体にある場合です。
黒いものが浮かんで見える飛蚊症〈ひぶんしょう〉も光が見えると同時にできる場合が多くあります。
飛蚊症の大きさが大きく形が丸い輪だったり大きな糸くずのように見える場合は視神経と目の中間部にできる硝子体の濁りが分離してできる後部硝子体剥離〈こうぶしょうしたいはくり〉、飛蚊症の大きさが小さく数が多い場合は網膜裂孔〈もうまくれっこう〉、加えて周辺部にピントの合わないところができているような時には網膜剥離〈もうまくはくり〉と言うような目の病気が考えられます。
もう一つはジラジラとした光の形が見える場合です。
小さい光りがだんだん大きく拡大していったり格子状の形が見える場合もあり、これは両目に見えることもある光り方です。
光はたいてい数分で消えてなくなってしまいます。
このような光り方は目自体と言うよりは脳神経的な原因で起こる可能性があり、片頭痛の前兆として見えることも多くあります。
立ち上がった瞬間に目がチカチカしたと言うこともよく聞きますが、一時的な血圧の変動によっても起こる可能性があります。
改めて真っ暗な部屋で目をつぶってみると、意外ですが目の前には明るい光の模様が見えるものです。
目を軽く押してみると光が強くなってしばらくして放してみると明るい光りの残像がしばらく残っているのに気がつきます。
朝起きたら光が見えていたがしばらくしたら消えたという方は寝ながら腕で目を押さえつけていたと言うこともあるようです。
おなかいっぱい食べてないのに?
そろそろ忘年会のシーズンですね。
メタボな方〜おなか回りのぜい肉に苦慮する僕には困った季節です。
飲み会・宴会なんでもござい!気がつけば体重が2〜3kg増!!
恐いですね。
ダイエットをしたい方は糖尿病を基準にして一日の食事の摂取カロリーを考えてみませんか?
仕事がデスクワークであれば、一日に必要なカロリー数は、身長(m)×身長(m)×22(BMI指数)×25(キロカロリー)で求めます。僕の場合、身長が164cmですから、1.64(m)×1.64(m)×22×25=約1480キロカロリーとなります。
大まかに一食500キロカロリーです。
さて、一食500キロカロリーを目安にコンビニへ行ってみましょう。
お弁当をみると、ほとんどが500キロカロリー以上だと思います。
ファミリーレストランもまた同じ。
500キロカロリー位のメニューを見つけるのは非常に難しいと思います。
また、ファーストフード店では、レギュラーサイズのハンバーガーにフライドポテトをつけるだけで500キロカロリーを超えてしまいます。
共通するのは 油を使った食べ物が多いことです。
このようなものを食べるときは揚げ物などの油を多く使用したものを少し我慢するように努力してみて下さい。
宴会などで食べるなとはいいませんが、その翌日は「昨日食べすぎたから朝抜き」「昼は、そばですまそう!」、でも、結局夜におなかがすいて、どか食い!となりやすいので気をつけてください。
食べ過ぎた翌日こそ一食500キロカロリーを遵守してみてください。
一食500キロカロリーと考えるといかに通常の食事のカロリー数が高いか思い知らされます。
そんなに食べていないつもりでも、意外にカロリーオーバーしているものなのです。
一日に食べたものをすべて書きだして、カロリー計算ができれば非常に参考になると思いますよ。
明日からではなく、今日から一緒にがんばりましょう!