毎日足を見ていますか?
閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患ともいわれています)をご存知でしょうか?足の動脈が動脈硬化のため進行性に狭くなったり詰まることにより血液の流れが悪くなることで、様々な症状を引き起こす病気といわれています。典型的な症状としては―
- 足が冷たい
- 足がしびれる、感覚が鈍くなる
- 一定の距離を歩くとふくらはぎが痛くなり、休むとまた歩ける
- つま先の色が悪い
- 足のちょっとした傷がなかなか治らない、などです。
閉塞性動脈硬化症は動脈硬化がより早く進む糖尿病や腎臓病、高血圧など、さらに喫煙習慣のある方に起こりやすいことが分かっています。
これらの基礎疾患を持っている方で、足先を見て、変だなと思われたら、次回の受診時に臆せず足を出して主治医に相談してみてください。また、足の動脈の変化は全身の血管の動脈硬化をよく反映している面もあり、注意が必要です。
はじめに足の病気が見つかり、ひきつづき心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など他の病気が見つかることも少なくありません。
そうなれば素早い対応ができ、病気の悪化を未然に防ぐこともできるはずです。閉塞性動脈硬化症は進行すると、水虫やちょっとした小さな傷をきっかけとして、潰瘍や壊死(えし)といった重篤な状態になり、不幸なことに足を切らなければいけなくなることもあると言われています。
あなたの大切な足を守るために、まず出来ることといえば、毎日足の状態を観察することだと思います。
毎日観察していると、ちょっとした色の変化や傷の有無が分かるようになってきます。
さらに右足と左足を比べることも病気の発見にはとても大事なことと覚えておいてください。最近は足を専門にみるフットケア外来を設置している医療機関もありますので、お近くの医療機関にお気軽にご相談ください。
私、大動脈瘤(りゅう)が心配で…
「先生、何となく胸と背中が痛いような気がするので、私も大動脈の検査を受けなくてもいいでしょうか?」とAさんは心配そうに聞いてきました。どうやら最近のニュースで有名人が解離性大動脈瘤のため緊急入院し、とても危険な病気であると報道されたので、自分は大丈夫かと不安になったとのことでした。
解離性大動脈瘤とは正しくは大動脈解離といい、大動脈の血管壁が二層に裂ける(=解離する)ことで起こります。喫煙歴のある高齢者、低蛋(たん)白血症の状態、寒い冬場や朝の血圧が高い時間帯などに起こりやすく、急性期には激烈な痛みが胸、背中、腹などに出現し、その痛みは解離の進行とともに移動する事がしばしばあります。
その他に胸部や腹部の大動脈壁がふくらんでこぶのようになる胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤という病気もあります。高齢者や高血圧の方、また腹部大動脈瘤では喫煙歴のある方に起こりやすく、無症状のまま慢性に経過した場合は発見が遅れる事もあります。
これらの病気の診断にはCTやMRIや超音波検査などが行われます。
治療法は解離や瘤のある場所、その大きさ、進行の速度、痛みの有無などによって、手術(人工血管置換術)か内科的治療(降圧、安静、鎮痛)かが選択されます。また近年はステントグラフトによる治療も選択肢の一つとなり、手術より身体に負担の少ない治療法として期待されています。
大動脈の解離や瘤は、一部には遺伝により発症するものもありますが、多くは動脈硬化が原因であり、生活の欧米化や高齢化社会の到来により近年は増加の一途にあります。しかし突然の解離や瘤の破裂による致死率は高いものの、その発生件数は心筋梗塞などと比較すると多くはありません。Aさんのように必要以上に心配するのではなく、それよりもまずは毎日の動脈硬化予防、とりわけ高血圧やスモーカーである方は食事の塩分を減らすことと禁煙に努めていくことこそが大切です。
タコとウオノメについて
歩く度に足の裏に痛みを感じることはありませんか?今回はタコとウオノメのお話です。 タコもウオノメも皮膚が硬くなってしまう状態です。
医学用語ではタコは胼胝腫(べんちしゅ)、ウオノメは鶏眼(けいがん)といいます。
わたしたちの皮膚は繰り返し圧力がかかると厚くなっていきます。
これは刺激から皮膚やその下の組織を守るための正常な反応です。
たとえばいつもペンや鉛筆を持っていると利き手の中指などが厚く硬くなります。
この状態がタコで通常痛みは伴いません。
ところが、足の裏の皮膚が硬くなってしまうと、歩くたびに押されるため、次第に奥に入り込んでしまい、痛みが出てくるのです。
表面から見ると芯の部分が丸く見えるためウオノメ(魚の目)という名前がついています。 1度ウオノメができると、歩行の度に押されて奥に入ってしまい、次第に強い圧力がかかるようになるため、自然にはなかなか良くなりません。
さらに痛みのある側の足をかばって歩くうちに腰まで痛くなってしまうこともあります。 ウオノメの治療は硬く入り込んでしまった皮膚を専用のハサミで取り除いていく方法です。
一見痛そうですが、通常、ウオノメ自体には神経は来ていないため、治療時の痛みはありません。
ウオノメを柔らかくする絆創膏も市販されていますが、奥の方にはまり込んだ芯は取れにくいですし、ご自分でハサミやナイフなどで削っている方もいらっしゃるようですが、足の裏側というのは意外と手が届きにくく、かえって刃物で怪我をしてしまう恐れもあります。
またウオノメやタコと思っていても実はウィルス性のイボである場合もあり、これは治療法も異なりますので、医療機関で1度御相談されることをおすすめします。
最新の関節リウマチ(RA)の治療について
RAとは、本来身体を守るべき免疫の異常により発症します。
主として関節に炎症が生じ、軟骨や骨が破壊され、進行すると関節の機能が低下し様々な日常動作が不自由になります。 1998年にメトトレキサート(MTX)という薬が使用可能となり、従来の対症療法から大きく進歩しました。
更に2003年からは生物学的製剤が認可され、免疫の異常を根本から改善する事が可能となりました。
この生物学的製剤には数種類あり、免疫に関連するサイトカインという物質の異常な作用をブロックします。
しかしどちらの薬にも重篤な副作用があり、MTXでは「肝機能障害」「骨髄抑制」など、生物学的製剤では結核や肺炎などの「感染症」に特に注意が必要です。 これらの副作用に注意し、適切な治療を行えば今ではRAは克服可能な病気になったと言えます。
月経困難症の原因である子宮内膜症について
月経困難症とは、月経時に下腹部や腰に痛みを感じたり、下痢や頭痛、イライラするなど日常生活に支障をきたすことを言います。 今回は、その原因となる子宮内膜症について書こうと思います。
子宮内膜症とは、子宮内膜あるいはそれに類似した組織が子宮腔以外(腹膜・卵巣・卵管・腸など)に発生し、女性ホルモンの刺激をうけることにより増殖し、さまざまな症状を引き起こす疾患です。
また、子宮の筋肉内に病変が発生するものは、子宮腺筋症といいます。
子宮内膜症のほとんどは骨盤内に発生し月経時に子宮内膜と同様にはがれて出血します。
また、卵巣内で増殖すると、卵巣に毎月チョコレート状の古い血液がたまり、大きく膨れ上がり、チョコレートのう胞となります。 主な症状は、月経痛・月経時以外の下腹部痛、性交痛、排便痛、出血が多い過多月経や不正出血などの月経異常です。
そして、卵管や腹膜などの癒着によって卵子をつかみづらくなり不妊の原因にもなります。
子宮内膜症の患者様の30~40%が不妊であり、不妊の女性の50%に子宮内膜症があるといわれています。 検査は、問診、内診、直腸診、血液検査、画像診断、腹腔鏡など必要に応じて行います。 治療として、重症の場合は手術をして病巣を除去する方法と薬物療法があります。
薬物療法とは鎮痛剤で痛みを軽減させたり、ダナゾールやGnRHアナログという薬で病変を縮小させたりします。
その場合女性ホルモンが低下しますので更年期障害のような症状が出ることがあります。
また、避妊にも用いられるピルを服用することで、月経の出血量を少なくし、月経痛を改善させる方法もあります。 今まででしたらピルは自費扱いでしたが、最近は子宮内膜症の治療薬として「ルナベル配合錠」というピルが、保険適用となり患者様に使いやすいものとなりました。
ただの月経痛だと我慢せずに、つらい症状がある方は、婦人科を受診してみて下さい。 前回子宮頸がん予防ワクチンについてお書きしましたところ、多くの方々からお問い合わせがあり、接種される方も増えてきました。
1回目接種後、1カ月後に2回目、半年後に3回目の接種となります。
子宮がん検診と同様にワクチン接種をおすすめします。
シェーグレン症候群について
口の中がねばねばしたり、目がごろごろする感じはありませんか? こんな症状があったら、あなたはシェーグレン症候群かもしれません。
この病気は中年女性に多く発症し慢性に経過する自己免疫疾患で、主に涙線と唾液(だえき)腺が傷害されます。
涙や唾液が少なくなるため目や口が乾きます。患者数は全国で30万人以上といわれています。 乾燥症状のほか、関節痛やレイノー現象(指が白くなったり紫色になる)もよく見られ、皮膚、甲状腺、肺、肝臓、腎臓などに異常をきたすこともあります。
診断には血液検査、眼科的検査、耳鼻咽喉(いんこう)科[または口腔(こうくう)外科]的検査が必要です。 原因不明で完治は難しい病気ですが、症状を和らげる治療法はあります。
関節リウマチなどの膠原(こうげん)病を合併している場合もありますので、心当たりのある方はリウマチ内科を受診してみてください。
症例・治療について
定期手術は1日1症例を基本としている。入院に際してはクリニカルパス(入院治療計画表)を活用し、入院料金の概算を前もって知らせるなど、患者さんが安心して治療が受けられるよう配慮している。
手術に際しては硬膜外麻酔を用い、週術期疼痛管理を行っている。脱肛時は結紮(けっさつ)切除を基本として、ALTA(ジオン硬化療法)の併用も考慮する。
裂肛などによる肛門狭窄ではSliding Skin-Graft(SSG法:肛門のうしろ側の皮膚を肛門内に移動させて肛門を広くする方法)を主要術式として根治する。
肛門・直腸周囲膿瘍は局所麻酔、硬膜外麻酔で排膿・SETON(膿瘍腔にシリコン、生ゴムチューブなどを通すことで、より排膿しやすくしたり、根治術では一次口と二次口を通してしばり、自然治癒力でゆっくり切離する治療法)を行う。
痔瘍根治術では筋間痔瘍はCORE-OUT・SETONを行い、複雑痔瘍はLAY-OPEN・SETONが主要術式となる。
入院期間は2週間程度を目安に置くが、1泊入院、数日の入院など、患者さんの都合に合わせている。
大腸内視鏡検査は年間270〜300症例行っている。大腸がん(年間15〜20症例)、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病等は市中病院の消化器外科医・内科医と相談して治療戦略を練る。
痔の基礎知識
A.痔核(いぼ痔) 肛門を閉じるクッションの役割をしている血管がうっ血していぼ状になったもの。直腸側にできれば内痔核、肛門の外側にできれば外痔核です。B.裂肛(切れ痔) 太くて固い便によって、肛門の出口付近が切れて炎症が起こります。排便時に激しい痛みがあり、便意をがまんして症状を悪化させがち。女性に多い痔です。C.痔ろう(あな痔) 直腸と肛門の小さなくぼみに便が入りこんで細菌感染し、たまったうみを出すあなができる病気です。男性に多く、治療には手術が必要です。 |
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■痔と思っていたら、大腸ガンというケースも。お尻からの出血、痛み、腫れ、いぼなど、肛門周囲の病気を総称して「痔」と言っています。
場所が場所だけに羞恥心から受診をためらう方も多いのですが、自己診断は危険です。切れ痔だと診断を受けていた方がクローン病という炎症性腸疾患だったということもありますし、検査をしたら大腸ガンが隠れていたというケースも私のクリニックでは年間20例ほどみられます。
「赤い血なら痔、黒い血なら大腸ガン」という人もいますが、色では診断できません。
もし出血や痛みがあって、市販の軟膏などを数日使っても症状が緩和しない場合は、安易な自己診断は避けてすぐに医師の診察を受けましょう。■痔の大敵は下痢と便秘。肥満もお尻によくありません。切れ痔の原因は主に便秘症です。排便が3日に1回でもスムーズに出ているのなら問題ありませんが、痛みや出血などの症状があれば治さなければなりません。
反対に、痔ろうの原因は下痢です。1日3回、3日以上下痢をすると炎症が起きて痔ろうになりやすくなります。
便利と下痢、その共通点は排便のときに強くいきむこと。そういう意味では、腹圧がかかる肥満もお尻によくありません。
理想の便は、成人の場合、足の親指よりもちょっと細めで、軟らかさは少し茶色くなったバナナくらい。
毎日の食事に気をつけて、食物繊維と水分をたっぷり摂るように心がけなくてはいけません。■治療の流れ痔は虫歯の次に多い国民病。日本人の成人3人に1人は痔を持っていると言われています。
しかし羞恥心がわざわいしてなかなか人にも相談できず、病院にも行けずに悩んでいるという方が多いのではないでしょうか?病院では医師が診察し、患者さんの症状にあわせた的確な薬を処方します。また、痔を予防したり悪化させないための治療法や日常生活においてのセルフケアなどについてのアドバイスをいたします。痔の治療法も劇的に進化し続けており、昔のような「恥ずかしい」や「痛い」などのイメージではありません。治療を行っていく上で手術をおすすめする場合、急いで手術を要する症状以外は最終的に手術する・しないは患者さんの意志です。当院は手術を行う場合、患者さんに安心して当日にのぞんでいただくために、詳しい入院治療の流れを説明しています。
私の好きな店〜パート1
基本的に一人で食べたり飲んだりするのが好きで、話し相手はお店のご主人かな。
あくまで私のフィーリングで選んでおりますのでご容赦願いますが、それぞれ素晴らしいお店です。
何故かは行けば判ると思います。◆寿司
「清寿司」
いろんな店を食べ歩いたけどここです。
常連さんもみんな良い人たちで楽しい店です。
◆ラーメン
「あじたか」
浜田省吾を聴きながらスーラータンメン。函館は塩!
とても楽しいアットホームな感じが好きです。
マスターもママも浜田省吾の大ファンで、店内によく歌が流れています。「てっちゃん」
当院から近い。塩400円。ファイターズのファンで、いつも情報交換しています。
◆居酒屋
「きりんじ」
上の国産豚肉使用。オムライスもあります。とにかく材料があれば何でも調理してくれます。
お兄さんが養豚農場経営、産地直入ですので安価で美味しいです。
◆焼肉
「万代や」
生ラムジンギスカンのお店。安くておいしい店です。
特製のたれは絶品です。
浜省大好きマスターと奥さんで、明朗会計。
◆ライヴハウス
「チャップリン」
古い付き合いです。マスターのオリジナル曲もいっぱいあり、リクエストしてみてください。
HP:http://www.chap-lin.com/「ファニーズ」
ロックンローラーの集まる店。みんなでノリノリギター弾いてブルース・キャロル・矢沢などをやってます。「B♭」
私の遠い親戚ですフォークソング中心のお店です。陽水・千春・拓郎・浜省など弾き語りしております。
まぶたが腫れました
『瞼(まぶた)が腫れました』と眼科を訪れる患者さんは非常に多くいらっしゃいます。
一番多いのはやはりものもらいでしょう。
瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。
これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言いますが、特に函館では[めっぱ]と言い、関西地方では[めばちこ]と言うようです。腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが、数日たってしまった場合は切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。
一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ、内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもあります。
これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)と言い、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。
突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無くて少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)と言います。
血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。 朝、瞼(まぶた)が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのがいつもより枕が低かっただけだったという場合です。
しかし、足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。 両上瞼の目頭よりがぽこっと腫れている方も多くいらっしゃいますが、これは年齢的なことが多くあります。
脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦な状態の場合は仮性黄色腫ということもあります。 赤く腫れた中心部にぷつんと茶色い点がある場合もあります。
痛痒かったりする時には虫さされの場合もありますが、よく見るとダニがくっついていることもあります。 一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍と言うこともありますので、まず眼科で診てもらいましょう。