ニキビ
最近、化粧品を使用してから受診されるニキビの方が多くなりました。 ニキビには白ニキビ、赤ニキビ、ニキビ痕、皮下の塊などの症状が混在し、それぞれの症状に応じた治療が必要で、オールインワンの化粧品で解決するのはかなり困難です。
特にニキビ痕や皮下の塊には保険診療内で効果的な治療法がないので、白ニキビ・赤ニキビの早い段階で正しい治療を開始することが将来の肌を左右します。 現在、白ニキビに対しては新しい外用剤が発売され、赤ニキビに対しても抗生剤の外用や内服、補助的にビタミン剤や漢方薬の内服などを使用して治療効果をあげています。
ニキビは90%以上の人が経験すると言われていますが、病院で受診する人はその10%にすぎません。ニキビは立派な皮膚病です。 後悔しないためにも、早目に皮膚科専門医を受診してみて下さい。
間違ったダイエットは肌を乾燥させ、小じわの多い肌に老化させる古い「カロリーだけのダイエット」はやめましょう。
ダイエットは大切なことです。しかしウォーキングやジョギングなど運動をした後で植物性の食べ物だけを摂っていませんか? 最近の女性の方に運動をしながらベジタリアン的な食事をしている方を時々見かけます。皮下脂肪もなくなりますが、筋肉が減少して血管が浮き出てやせ細った乾燥したしわのある手足になってしまいます。動物性たんぱくなどを含むバランスの良い食事をしなければ肌は乾燥して小じわの多い肌になります。 特に今スレンダーなスタイルになろうと努めている方は、まずアミノ酸を摂取することを勧めます。その理由は、運動すると筋肉のタンパク質が分解されるのでタンパク質を摂取しないと筋肉は育ちません。筋肉を育てないままダイエットをしていると、後にリバウンドが起こります。運動した後は必ず吸収の良いアミノ酸を摂取することを強く勧めます。 なぜか、多くの日本女性が栄養学的にタンパク質不足です。そのため胃腸のタンパク質でできている消化酵素も不足していて、タンパク質を含んだ食事を摂ってもアミノ酸に分解されず吸収されない可能性が高いからです。 効果の出るタイミングでアミノ酸を摂取しながら、スレンダーなスタイルになりましょう。
今年のインフルエンザワクチン情報
今年も、インフルエンザワクチン接種の季節になりました。 昨年は、例年のような季節性のもの、ではない新たな「新型インフルエンザ」の世界的な大流行があり、新型インフルエンザと季節性インフルインフルエンザの2種類のワクチンがあったうえに、接種対象者の優先順位が決められていたため、大変混乱しました。 しかし、今シーズンのインフルエンザワクチンは、季節性A香港型・季節性B型・新型の3種類の混合ワクチンとなるので、1回のワクチン接種ですむことになります。 また、今シーズンは、国が定めた接種の優先順位もなくなりましたので、どなたでも接種できます。 インフルエンザウイルスは、毎年のように変異しながら流行しますので、ワクチンは、毎年そのシーズンの流行を予測して製造されます。 また、インフルエンザワクチンの発症予防効果は、接種後2週間からおよそ5ヶ月間とされています。 したがって、年齢に関わらず、毎年接種することをお勧めします。
顔面けいれんと三叉(さんさ)神経痛
患者さんから時々耳にする言葉に「顔面神経痛」というのがあります。
昔のことは知りませんが、少なくとも私が脳外科を学び始めてからは、正式名称として、このような病気は聞いたことがありません。
一方、顔面けいれん(正しくは半側顔面けいれん)と三叉神経痛という病気があります(さらに紛らわしいものに、顔面神経麻痺というのもあります)。
おそらく、顔面神経痛という言葉は、これらの言葉が混同されて広まったのではないかと考えます。
今回は顔面けいれんと三叉神経痛についてお話します。顔面けいれんは、自分の意志とは関係なく、顔がピクピクとけいれんする病気です。
三叉神経痛は顔が痛くなる病気で、歯科治療のとき、歯の神経に触られた時の刺すような鋭い痛みが、顔に生じます。
顔面けいれんと三叉神経痛は、症状は違いますが、症状が出るメカニズムは似ています。
基本的にはどちらも、頭の中で顔面神経、三叉神経それぞれの神経を血管が圧迫しているために、刺激を受けて勝手に顔がピクついたり、顔が痛くなったりするのです。
したがって、根本的な治療は、手術でこれらの神経と血管の接触を離してやることになります。
しかし、どちらの病気も命を脅かすものではありませんので、頭の手術をためらう患者さんも多くいらっしゃいます。
そこで代わりの治療法として、飲み薬によるものや、放射線照射、注射による方法などがあります。それぞれの治療方法には長所と短所がありますので、どの治療法を選ぶかは、お医者さんと相談するとよいでしょう。
命に危険がない病気といいましたが、顔のけいれんは外見に影響するために、社会生活に大きな影響がありますし、三叉神経痛は、「歯の痛み」と同じ(歯の神経も三叉神経です)ですので、どんなに辛い痛みであるかは、すぐに想像できます。
ごく稀に脳腫瘍が原因となることもありますので、まずは脳外科でキチンと診断を受けることが治療の第一歩です。
つらい症状を我慢しないで脳外科に相談してください。
よくある良性皮膚腫瘍 ~石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)と眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)
■石灰化上皮腫皮膚の下に石灰のような硬いものができる良性の皮下腫瘍です。
毛母腫ともいわれ毛根から発生してくる腫瘍です。
比較的若い人に多く、小児の眼の周囲、腕、頚などによく見られます。
通常は特に症状はなく、皮膚の下にコリコリとした硬いものが触れるだけです。
時に炎症を起こすこともあり、そうなると痛みが出てきます。
この腫瘍は良性で、ゆっくりと大きくなってきますが、自然に治ることはありません。
また、軟膏や内服薬で治ることもありません。
細菌が入って化膿すれば腫れてきます。
治療法は、手術による切除が普通です。
年齢と腫瘍の大きさによりますが、小学生低学年以下では全身麻酔が必要なこともあります。
それ以上でしたら局所麻酔でも可能です。■眼瞼黄色腫まぶたにできる黄色い皮膚腫瘍です。
上のまぶたの内側に出ることが多く、中年以降の年齢に多く見られます。
高脂血症、抗コレステロール血症の方に出やすいといわれています。
炎症を起こしたりすることもないので、痛みなどの症状は特にありませんが、徐々に腫瘍が大きくなってきます。
この腫瘍も良性ですが、薬での治療はできません。
治療は手術による切除です。
まぶたという場所ですのであまりに大きいものはそのまま縫合できなくなり、植皮などが必要になることもあります。
また、良性ですが、再発の多い腫瘍ではあります。
矯正歯科とサル
サルは人間に似ており、サルのような人間は、外見面や心理面から考えて見ると少なくないかも知れません。
人間とオラウータン、ゴリラ、ニホンザルの歯の数は同じです。
単雄群である、つまり一夫多妻制のゴリラはオスの犬歯が異常に大きい形をしておりますが、数は同じです。
ニホンザルは、大きさや形のオスメスの差がわずかで、人間に近いのかもしれません。 外見についてみれば、サルは目より唇が前にあり、脳の発達している人間は口元が下がっています。
欧米系の顔は下あごが大きく口の位置が後ろにあり、日本人やモンゴル系の顔では下あごが小さく口元が出ているように見えます。
欧米人は、どちらかといえば口元が出ている顔を嫌い、下あごが出ている反対咬合(こうごう)はあまり気にしません。逆に日本人は、反対咬合を嫌います。 日本における美しさの感覚は変化しており、現在の矯正歯科治療の多くは前歯を後ろの方に下げ口元を引っ込めることが目標の一つになってきております。
歯周病を進行させる喫煙、糖尿病
歯周病は無自覚のまま進行し、「歯がグラグラしてきた」「歯茎が腫れて、臭いがする」といった症状が出るまで放置しがちです。
気付いた時には抜歯となり、これからはしっかり歯を磨かなければと思った方も多いと思います。
歯を歯周病から守るために歯周病の原因である歯垢を除去する必要がありますが、他にも歯周病を悪化させるものがあります。
今回はその原因として喫煙と糖尿病を取り上げたいと思います。 歯周病を進行させる原因で、後天的なものは喫煙、糖尿病、骨粗鬆症などがあげられていますが、とりわけ科学的に因果関係が深いデータが多いのは喫煙と糖尿病になると思います。 喫煙者の歯茎は見た目に歯周病の進行が分かりにくいことが多いのですが、ニコチンが好中球、単球、リンパ球といった体を守る細胞に影響を与え、歯周病を進行させます。
また、一部の歯周病菌をも増加させるともいわれています。 糖尿病の方も喫煙と同じく、好中球、単球などに作用し歯周病を悪化させますが、一方で糖尿病により血管が変性することで歯周病から守るシステムが妨げられます。 逆に、歯周病が糖尿病を悪化させることも分かってきました。
糖尿病を増悪させるメカニズムの一つに、肥大した脂肪細胞から産生されるTNF-α(腫瘍壊死因子α)がインスリン抵抗性を起こすことがあります。
歯周ポケット内で歯周病菌から出される内毒素に反応した体内の免疫細胞からもこのTNF-αが産生されることが分かっており、歯周病が糖尿病悪化に加担しているといわれています。 喫煙による害は歯周病悪化だけでなく肺がん、動脈硬化、心筋梗塞などの原因であり、禁煙が求められ、また糖尿病はリスクを避ける意味で早期にしっかりした歯周病治療が必要です。
男性の性(19)
「日本人は元々、草食系男子が多かったのでは?」ということは、以前(2006年)このコラムで、W杯サッカー日本チームが予選リーグでオーストラリアに負けた試合を観て『精子時代まで遡っても勝てないのではないか?』などという珍説を披露しましたが(この説は今年のW杯日本チームの活躍で一部覆されました)、原始時代から食生活が穀物中心で他人との争いごとや収奪を嫌う草食系が日本人には多いということならば、仕方ないかな、と思います。 ところで、草食系にも良いこともあって、例えば前立腺癌は欧米人に多くアジア系では少なく、10万人あたりの前立腺癌の患者数は日本、中国(北京、香港)、台湾と欧米を比べると5〜20倍欧米で多く、人種的には同じ日本人のハワイ在住日系人でも日本人とハワイ在住白人の中間の患者数で約5倍でした。(Cancer Incidence in Five Continents Vol.IIIより) 米国では男性癌患者数の1位、死亡者数は肺癌に次いで2位が前立腺癌ですが、日本では近年患者数が増加しているものの、それでも米国のほぼ10分の1です。
また、世界癌研究機関・米国癌研究協会より発表された栄養と癌に関するレビューによると、前立腺癌の危険因子として可能性のあるものとして、総脂肪・動物性脂肪・肉類・牛乳・乳製品が挙げられています。
生活習慣(特に食生活、性生活)や人種、近親者に前立腺癌に罹った人がいるかどうかは前立腺癌の発生率と関連が深いといわれていますが、草食系男子はこの点で有利といえます。 ただ高度成長期〜バブル期を経てこれから高齢者になろうとしている年齢層の、日本人には稀有な肉食系男子(筆者の年代がそれに当たります)が今後どうなるか、自分自身も含め注意深く見て行きたいと思っています。(続く)
目の周囲の若返り
上まぶたのたるみ、目の下の小じわ・たるみそしてくすみ、目尻の小じわ・笑じわなどの若返りを目的とした切開をせずに行う治療方法についてお話いたします。 皮膚再生治療であるセルリバイブ・ジータは自分の濃縮血小板を注入する安全で、迅速に変化が見られ、施術後2時間で化粧ができ、肌質も改善され、2〜3年維持される満足度の高い方法です。
細部に対しより上質の若返りを希望するときにはフォトフェイシャルなどのIPL・RF治療を行います。
アンチエイジングとして毎日のスキンセラピーと細胞整合性医学に基づいたヘム鉄・アミノ酸・ビタミンB、Cなど信頼のある高濃度のサプリメントを服用することで「現状維持」以上の肌の若返り・老化予防が可能となります。 目の周囲の肌は薄く、繊細な部分です。
総合的に治療をすることで迅速な若返りが期待できます。 カウンセリングで、治療方法、治療経過を十分お聞きになった上で治療をお受けになることをおすすめします。
最先端近視治療《イントラレーシック》
イントラレーシックは新しい屈折矯正手術として、世界的に非常に評価の高い術式です。
■レーシックとは
マイクロケラトームというステンレスのブレードを使用して角膜に切り込みを入れ、フタ状のフラップと呼ばれる部分を作成し、エキシマレーザーで角膜を削り近視を治します。
■レーシックとイントラレーシックの違い
角膜を削ってフラップを作る際に、高精度な医療用レーザー(イントラレーザー)を使用します。
マイクロケラトームよりもフラップを薄く作成できるため、レーシックで対応できなかった重い近視の方に対しても手術ができるようになりました。
■イントラレーシックの利点
イントラレーザーを使用しフラップを作成するため直接角膜に触れませんので、感染症の心配はほとんどありません。
イントラレーザーは一定の深さにエネルギーが放出され、角膜の円弧に沿った、精密で厚さが一定な滑らかなフラップを作ることができます。
フラップの作成の精度が上がった事で、術後の裸眼視力の回復を早めてくれました。
また、イントラレーシックで作成したフラップ面はレーザー照射による蒸散の影響により接着するまでにレーシックよりも多少時間がかかります。
しかしフラップのエッジ部分が垂直になっているため、フラップをはめこむような形でしっかりと元に戻せるので、ずれたりシワになったりする心配はほとんどありません。
以上のような点からイントラレーシックは安全性の高い、よりクオリティーの高い屈折矯正手術といえます。
従来のレーシックでも十分な成果を上げてきましたが、より安全で効果が高い方法に進化していったわけです。安心して安全にそして確実な成果を得られるように、患者様のニーズを織りまぜながら、医師と相談して納得いただける方法を選択してください。
そして手術後は眼鏡のない生活をエンジョイしてください。