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赤ちゃんがなかなかできません。不妊治療はどのような治療法がありますか?

産科婦人科2011/03/07

原因に伴いさまざまな治療法があります。
高度不妊治療は安全性が高く確立された治療法です
 不妊治療の現状から見ると、ほとんどの患者さんが、若いうちに子どもができなくても、いつかできると思い、自分が不妊症である現実を自覚せず、その結果治療が遅れ、30代後半になりあわてて診察に訪れる傾向にあります。
早めに不妊症を発見し適切な治療を受けることは、妊娠できる可能性が高まることにつながります。 原因に伴う治療法はさまざまですが、不妊治療の主な内容は、性交タイミング指導と人工授精の一般不妊治療、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療に分かれます。 性交タイミング指導は、基礎体温やホルモン検査、超音波検査による卵胞計測などにより、排卵日を予測したり、人工的に排卵させるなどして、排卵に合わせて性交のタイミングを指導する治療法です。
この治療法の重要なポイントは、排卵時期を正確に見極めることです。 人工授精(AIH)は、パートナーの精液を洗浄濃縮した後、細い管で精子を直接子宮の中に注入する治療法です。
AIHの目的は、「受精が行われる場である卵管膨大部に到達する精子の数か少ない場合、子宮の内腔に直接、精子を送り込んであげることで、卵子に到達する精子の数を増やす」ことです。
性交タイミング指導と同様に、排卵時期を正確に特定することが重要です。 これらの一般不妊治療で良い結果が得られなかった場合には、体外受精や顕微授精といった高度不妊治療に移行します。
体外受精は簡単に言うと、卵巣から卵子を体外に取り出し、培養液の中でパートナーの精子と受精させ、その受精卵を子宮に戻し妊娠を試みる方法です。 体外受精や顕微授精というと、理解不十分から人為的に遺伝子を操作するものと誤解する人が少なくありません。
しかしこの過程は、体内で行われる自然受精・妊娠となんら変わりはありません。 国内では、1983年に体外受精第1号赤ちゃんが誕生以来、高度不妊治療の進歩は目覚ましく、2007年には生まれた赤ちゃんの約50人に1人、1万9595人が誕生しています。
日本産婦人科学会生殖内分泌委員会の報告では、体外受精児の奇形発生率は自然妊娠児と差がなく、さらに6~13歳までの追跡調査を行った研究でも、予後に自然妊娠の子と差がないことが明らかになっています。「体外受精で誕生した赤ちゃんは、自然妊娠児となんら変わりません」ということです。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

市販薬や専用化粧品でもなかなかニキビが治りません。 病院を受診したほうがいいですか?

皮膚科2011/03/07

ニキビは立派な皮膚病です。種類によって薬も使い分けが必要。
きれいな肌を保つためにも専門医で正しい治療を受けましょう
 ニキビには、毛穴の出口の角質が厚くなって毛穴が塞がれ、皮脂が詰まってできる白ニキビや、毛穴の中身が増えて毛穴が開いた黒ニキビ、もともと毛穴にいるニキビ菌が皮脂を栄養源として増殖し、炎症が起きて赤く痛みを伴う赤ニキビがあります。
これらのニキビは体の中の白血球とニキビ菌が闘うようになると、皮膚の下に膿を持つようになり、毛穴の壁自体が壊れて毛穴の周囲にも炎症が及び大きく腫れるようになります。
これを嚢腫(のうしゅ)、硬結といいます。その後、炎症が治まるとニキビの膿は皮膚の外に排出されたり、中で吸収されていきますが、炎症の程度、体質によっては瘢痕(はんこん)、クレーターなどのニキビ痕が残ってしまいます。
ですからニキビの治療は、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビの段階で治してしまうことが大切です。 またニキビには、乳幼児と思春期、大人ニキビがあります。乳幼児では出生以後27日以内に発症する新生児ニキビと生後28日以降に発症する乳児ニキビがあります。
乳児ニキビはまれですが、症状が強くなることが多く、長期間持続すると瘢痕として残ったり、思春期ニキビが発症する確率が高く、3歳を過ぎても軽快しなければ内分泌異常の可能性もあるため検査をお勧めします。
思春期ニキビは平均的に13歳前後で発症し、90%以上の人が経験するといわれています。
ニキビの原因は、主に男性ホルモンの量や男性ホルモンに対する感受性の亢進の影響が大きいと考えられますが、ストレスが皮脂を増加させるというデータもあり、大人ニキビはストレスや疲労、不規則な生活習慣による体内バランスの乱れが原因と考えられています。
現在はフルタイムで働く女性が多くなってきたためか、20代、30代だけでなく、40代のニキビが増えていることも、そういったことが背景にあると思われます。 治療は、新生児ニキビでは基本的に石鹸で優しく洗うこと、思春期や大人でも生活指導が中心ですが、それ以外にはニキビに適した抗生剤の内服や外用、漢方薬を使った治療なども行います。
このほか保険外診療ですが、当院ではケミカルピーリングや高濃度ビタミンCのイオン導入、フォトフェイシャルでの治療も行っており、よい治療効果が得られています。 よくニキビ予防や適切なケアについて聞かれますが、一番大事なことは、正しい方法で1日2回洗顔をすることです。
1日に何回も洗顔する人がいますが、ニキビ菌は皮膚の常在菌で皮膚表面のバランスを正常に保つ善玉菌なので、1日2回の洗浄で十分です。 現在、ニキビ用化粧品が多くみられますが、ニキビにはいろいろな種類や、状態によっても薬を使い分ける必要があり、すべてのニキビに効果があるものはありません。
ニキビは立派な皮膚病です。
将来もきれいな肌でいたいのであれば、皮膚科専門医をぜひ受診してほしいです。


Text by うめき皮膚科( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

膝の靱帯を切ってしまうと、もうスポーツはできませんか?

整形外科2011/03/07

再発予防のためのアスレチックリハビリなども実施。
手術後のスポーツ復帰は可能です
 膝関節の中心にある前十字靱帯の損傷は、バスケットやバレーなどのジャンプや着地動作、あるいはサッカーなどのフェイントで体と膝が反対方向に動いた際に生じます。
これらの場合、ほとんどが非接触型損傷で、他人と接触して損傷することはまれです。 急性期には膝の腫れ、痛み、曲げ伸ばしができない、歩行困難などの症状が現れますが、時間が経つと腫れや痛みが取れるため、軽い捻挫と勘違いする方がいます。
しかし、放置してスポーツを続けると膝崩れ(膝が抜けるような症状)が生じ、それを繰り返すうちに膝関節の軟骨や半月板まで損傷し、日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、自己判断せず早期受診が大切です。
また高齢者では、加齢による変形性膝関節症による痛みと診断される場合もあります。 前十字靱帯損傷は手術が必要な場合が多いです。
まったくスポーツを行わない中高年以降の方は、保存療法で様子を見てもいいですが、趣味程度でもスポーツをされる方や日常生活でも膝崩れが生じる方は手術を考えるべきでしょう。 手術は、太ももの裏側で主に膝を曲げる機能を補助している半腱様筋腱や、薄筋腱を採取して移植する再建術が主流です。膝の前部分に2カ所切開(約8)し、1カ所から内視鏡、もう1カ所から器具を入れて手術を行います。
麻酔専門医による麻酔で、約1時間程度の低侵襲な手術です。半月板に損傷があった場合でも1時間半程度で済む、いわゆる最小侵襲手術(MIS)の先駆けといわれています。
術後の回復も早く、翌日か2日後には少しずつの歩行や膝を動かす練習を行います。
膝を保護する装具をつけた状態で120度まで膝が曲げられ、日常生活が送れるようになれば退院となり、当院では10日間ほどの入院で済みます。
ただし完全なスポーツ復帰を目指すためには、まず日常生活を十分に行えるためのリハビリを約12週間行います。
その後、スポーツ復帰のための訓練となるアスレチックリハビリを行います。前十字靱帯損傷ではケガをしやすい体質や体型といった素因があると言われています。
したがって、このリハビリプログラムには通常の筋力訓練のほかに再損傷や、反対の膝のケガを予防するためのプログラムも含まれています。
当院では3次元動作解析装置なども活用しながら治療を行っており、最短で術後約6カ月で競技復帰が可能となっています。


Text by 函館整形外科クリニック( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

高血圧気味と医師から指摘されました。どのようなことに気をつけるべきでしょうか?

内科2011/03/07

まずは生活習慣の見直し・改善が重要です
リラックスした家庭での血圧測定も大切です
 高血圧はほとんどの方が症状がないので、サイレントキラー(静かなる殺人者)ともいわれています。
血圧が高いのをそのままにしていると、脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎臓病などの罹患率及び死亡率が高くなります。
このような合併症を起こしてから加療を開始しても後遺症が残ったりしたままの生活を余儀なくされたり、脳卒中などであれば寝たきり状態、半身麻痺などになり、非常に生活の質が低下する場合があります。 血圧高値は、最近話題となっているメタボリックシンドロームの要素のひとつでもあります。
高血圧はわが国では約4000万人いるといわれています。ある調査によると、30歳以上の日本人男性の47%、女性43%が血圧高値または降圧薬内服中といわれています。
つまり中年者以後の約半数が高血圧といわれることになり、珍しい病気ではないのです。
高血圧は本態性高血圧と原因が明らかである二次性高血圧に分けられます。
本態性高血圧とは原因が明らかである二次性高血圧を除外した原因不明の高血圧で約90%が本態性高血圧といわれています。
原因がハッキリしている二次性高血圧については原因加療が主体となりますが、原因不明の本態性高血圧は血圧管理が必要となってきます。
高血圧症はそのほとんどの人がほぼ無症状であり、健康診断や他の病気で病院を受診した際の血圧測定で発見されることが多いようです。 現在の高血圧の基準は2009年のガイドラインによると、下記の表のようになっています。
高血圧と診断されれば、すぐに薬の加療をしなければならないということではありません。
まず大事なのは生活習慣の改善です。減塩(6g/日未満・現在の日本人は約11g程度摂取しているといわれています)、適度な運動、節酒、禁煙です。
これらの生活習慣を改善しても血圧高値が持続するようであれば、薬による加療が必要と考えられます。
現在血圧に対する内服薬はさまざまな種類があります。血圧の薬も徐々に新しくなり、現在は1日1回の内服薬でよい薬、合剤といって異なる種類の薬を一粒にした薬も増えてきており、以前に比べ内服の継続もしやすくなってきています。
健康診断で血圧が高いといわれたことのある方は、ぜひ家庭での血圧を測定してみてください。
健康診断などでは緊張などで血圧が高くなっているだけの方も多いのです。
家庭での血圧が高ければ、減塩、適度な運動などの生活習慣の改善をしてみてください。
それでも血圧高値が持続するようであれば、合併症が起こり、あとで後悔する前に医療機関への受診をお勧めします。


Text by 斉藤内科消化器科医院( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

蓄膿(ちくのう)症は治りにくいと聞きました。本当なのでしょうか?

耳鼻咽喉科2011/03/07

専門医による正しい治療により約1カ月で治ります。
10日以内に鼻汁を止めることで予防も可能に
 蓄膿症は、一般的に難治性の病気だと思われがちですが、正しい殺菌・除菌処置と、専門医の処方する薬を継続して飲むことで、ほぼ1カ月くらいで治ります。
具体的には、最初に除菌のために殺菌性の抗生物質を1週間使用し、その後、マクロライド系の抗生物質を少量・長期投与を行うのが蓄膿症治療のスタンダードです。 よく小さな子どもで蓄膿症ではないかと心配される親御さんがいますが、そもそも副鼻腔は骨格が固まる2歳後半から出来るものなので、それ以前の子どもでは副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症はまずありえません。
そのため鼻汁が続くなど、蓄膿症が疑われるような症状については、単純に鼻の構造が小さくて詰まりやすい、また自分で鼻汁をかまないために長引いているだけで、まず心配はありません。 一般的に蓄膿症とは、副鼻腔炎のことで、基本的に鼻の中の空洞部分である副鼻腔といわれる交通路が構造的に小さかったり、狭くなった状態に、いわゆる鼻汁が続くことで換気が悪くなって炎症を起こしてしまい発症する症状をいいます。
基本的には長く続く鼻汁を、遅くても10日以内で止め、蓄膿症へと移行しないように処置することが重要です。
基本的な治療は小児も大人も同じで、抗生物質を使ったスタンダードの治療で、症状によっては2、3カ月投与する場合もあります。
ただし、それでも治らない場合、特に大人では手術療法を考えます。小児で手術に至るケースはほぼありません。 手術は、従来、歯茎を切開して空洞を開けて中の悪いものを粘膜から根こそぎ取ってしまう方法が行われましたが、現在は基本的な考え方が変わり、内視鏡を使った鼻内手術によって、蓄膿症の原因となる副鼻腔という鼻の交通が狭い状態から通りの良い状態に広げる、いわゆる形成手術を行っています。
それによって、その後、薬を使って治癒を促すためのきっかけを作ることが蓄膿症手術の目的となっています。
手術は両鼻でも、全身麻酔下で2時間くらい。
1週間程度の入院は必要ですが、術後の負担や痛みも少なく、その日から普通に食事もできます。 蓄膿症は、鼻の真ん中にある鼻中隔という仕切りが曲がっている人でなりやすく日本人には多いといわれています。
また鼻の状態を悪くする慢性的な病気としてアレルギー性鼻炎や喘息のある方も注意が必要です。
まずは蓄膿症を予防するためにも、風邪の初期治療は大切で、耳鼻科の立場からは10日以内に鼻汁を止めることが第一となりますので、気になる場合には、早めの受診をお勧めします。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

目の乾きや不快感が続いています。ドライアイについて教えてください。

眼科2011/03/07

空気が乾燥しやすい冬は特に注意が必要です。
角膜障害をきたす場合もあるため、早期診断・治療が大切
 冬になり空気が乾燥してくるとお肌もカサカサしてきますが、目もシブシブ・ショボショボして疲れやすくなってきます。
これは目を潤している涙が奪い取られてしまうためです。
このような状態をドライアイ(乾き目)といいます。
疲れ目を訴える人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。
これからの季節には特に注意が必要です。 主な症状として、目が疲れやすい、目が乾いた感じがする、目がショボショボする、目がゴロゴロする、目が重い、目が痛い、なんとなく目に不快感がある、目ヤニが出る、目が赤い、まぶしい、目がかゆい、物がかすんで見える、涙が出るなどがあり、これらのうち5つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません。 ドライアイには次のような要因があげられます。 一つには空気の乾燥です。秋から冬にかけて空気が乾燥してくると、目の表面から涙液が蒸発しやすくなります。 二つ目には瞬きが少ないということがあげられます。
読書やパソコン操作に集中していると、瞬きの回数が減ります。
最近では携帯のメールを打つときにも多く見られVDT症候群と呼ばれています。 三つ目はコンタクトレンズの装着によるものです。
コンタクトレンズが水をはじくために、目が乾燥することがあります。 四つ目はシェーグレン症候群が原因によるドライアイです。
中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります。 ドライアイの治療は、保水効果のあるヒアルロン酸という薬を点眼して、眼の表面を潤すことが基本的な治療法となります。
また、涙点(涙を鼻に排出する小さな穴)に特殊なプラグを刺し込む手術による治療法もあります。
涙点を塞いでしまえば、涙を眼球表面に長く留めることができるというものです。
さらに、フード付き眼鏡を利用する方法もあります。
眼鏡の脇から涙が蒸発するのを防ぎ、小さな加湿器タンクがついているドライアイ専用眼鏡カバーで涙の蒸発を防ぐというものです。 ドライアイは、涙液の量的な不足などが原因で起こりますが、症状がひどくなると、表層角膜炎(ひょうそうかくまくえん)や結膜炎を起こして目の表面に傷をつけるなど、さまざまな角膜障害をきたす状態にもなってしまいます。
単なる疲れ目や目の乾き程度と考えず、角膜障害の早期発見という意味でも早めに眼科医に受診するとよいでしょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

涙道(るいどう)内視鏡を用いた新しい治療

眼科2011/03/07

 最近では、涙目の原因である涙道閉塞(へいそく)症の治療に涙道内視鏡が登場し、従来の治療に比べて、安全で成功率が高い治療が可能となってきています。 涙が目から鼻へ流れる道がつまる病気を涙道閉塞症といい、涙が自然とあふれ出てきたり眼やにが出たりします。
たかが涙目・眼やにですが意外と不快感があり、患者さんは『いつもハンカチで涙を拭かなければいけない』などと訴えて来院されます。 以前は、ブジーという針金で盲目的につまった部分を突き破っていましたが、正常な涙道以外に穴を開けることもあり、治療成績は良くはありませんでした。 最近では涙道内視鏡というとても小さいカメラを使用してつまった部分を直接見ながら治療することができるようになり冒頭で記したように安全性・治療成績ともに高くなってきています。 気になる症状がありましたらお近くの眼科医に相談してみて下さい。


Text by 江口眼科病院 昌原 英隆( 2011年3月7日 「みなみ風」掲載)

親知らずについて

歯科2011/03/03

一番最後に生えてくる歯、それが親知らずなのですが、歯科医院や病院の口腔外科で抜いたご経験のある方も多いと思います。
できれば、抜くというような外科処置はさけたいものですが、親知らずの生え方が通常の歯とは異なるときは、ブラッシング清掃がしにくくトラブルが起こりがちです。
中途半端に生えることにより歯肉が腫れて痛み出したり、知らぬ間に大きな虫歯になっていてズキズキ痛みが出たり、歯並びに影響を与えるなどのさまざまな症状が出ることがあります。
こういった場合には抜歯が治療の選択肢に入ります。
逆にこれを放置して、親知らずやその手前の歯の歯周病が進行し、骨が吸収し、事態がさらに悪化する場合があります。 一方でこういった悪い状態でなく、正常な歯の向きに生えていて、反対側の歯と咬み合っているのであれば抜歯の必要性は少ないといえるでしょう。 親知らずはただ抜いて無くすだけではなく、抜いた後に活用できる場合があります。
親知らず以外の奥歯が無くなった場合、その部分の骨が十分残っていて、歯肉の状態も健康であるなど条件が整えば、その部分に親知らずを移植する「自家歯牙移植」という方法があります。
また、親知らずを再生医療に応用する動きがあるなど、あらためて新しい話題を提供しています。
まずはご自身の親知らずの状態は虫歯や歯周病になっていないか、残すべきかどうかを、機会がありましたら歯科クリニックで相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 北斗歯科クリニック 土永浩史( 2011年2月11日 「青いぽすと」掲載)

目の周りの皮膚炎は眼科受診を

眼科2011/03/03

 最近、目の周りの皮膚炎が増加しています。
かさつき・かゆみ・赤み・湿疹・むくみ・ただれ等が主な症状ですが、原因は皮膚のアレルギーです。
アレルギーを起こす物質はとても多く、化粧品・シャンプー・毛染め剤・石鹸以外にも食品・金属・皮製品・ゴム製品など何でもありえます。
目の周りの皮膚はとても薄く敏感ですから、顔の中でも目の周りだけは薬を別にしなくてはなりません。
それなのに身体や頬や額に塗っている皮膚科処方の強いステロイド軟膏や自宅のオロナイン軟膏などを塗ってしまい、目の周りが真っ赤に腫れ、目も開かないほど悪化してから眼科を受診する方がいます。
特に、長年アトピー性皮膚炎がある方はステロイド軟膏やかゆみ止めの軟膏を目の周りにも塗っていたために…。
①目の周りが赤くパンダの様に腫れる「ステロイド酒(しゅ)さ」
②ヘルペスウイルス感染を誘いこみ、目の周りに水疱がたくさんできてしまう重症な皮膚炎「カポジ水痘様発疹症状(すいとうようほっしんしょう)」などがおきてしまいます。
①は強いステロイド軟膏をやめて眼科の軟膏にかえることで治ります。
②はヘルペスウィルスが角膜に入り込むとやっかいな角膜炎になりますから、必ず眼科を受診して下さい。
特に、思春期以降に顔のアトピー性皮膚炎がある方は、長年のステロイド使用による、緑内障や白内障の合併も心配です。
まぶたの皮膚もただれを繰り返し厚く硬くなっている方は、ほぼアレルギー性の結膜炎も合併しています。
目の表面の治療を点眼で行い、目の周りの皮膚は目の中に入っても安全な眼科専用の軟膏で治療すると、本当によくなります。
これからは、目の周りだけは別な皮膚と考えて下さい。 美しさを求めて顔のマッサージをしている方がいますが、これも目の周りには逆効果です。
目の周りの筋肉はとても薄いので、マッサージで皮膚も筋肉も伸びきってしまい、眼瞼下垂(がんけんかすい)になります。
お化粧を落とす時も洗顔の時も、目の周りは「そ~っと、やさしく」にしてください。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2011年1月18日 「青いぽすと」掲載)

クラミジア感染症について

産科婦人科2011/03/03

 以前にも「クラミジア感染症」をテーマに書いたことがありますが、依然として10代~30代の女性に多い疾患なので、もう1度書きたいと思います。「クラミジア感染症」とは、「クラミジア・トラコマティス」という微生物(細菌)が主に性行為により感染する病気のひとつです。
恐ろしいことに自覚症状がほとんどないため、感染に気がつかない人が少なくありません。
そのため知らないうちに病気が進行したり、パートナーを感染させてしまいます。
放置しておくと、男性では尿道炎から精巣上体炎(副睾丸炎)になることがあります。
女性では感染がお腹の中に広がり、子宮頸管炎から卵管炎をおこし不妊症の原因となったり、妊娠後も子宮外妊娠や流産・早産の原因にもなります。
出産時に感染していると母子感染をおこし、赤ちゃんが結膜炎や肺炎になる可能性があります。 さらにエイズや淋菌などの性感染症にかかりやすくなるといわれていますので、注意が必要です。 男性では、尿道からの分泌物や排尿時の痛み、尿道のかゆみ・不快感、精巣上体の腫れ、発熱など。
女性では、おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交痛などの症状がありましたら、検査を受けたほうが良いと思われます。 検査は採血や子宮頸管の分泌物を採取して簡単に調べることができますので、何かいつもと違うとか症状はないけれど気になるという方は、受診をおすすめします。 治療は、抗菌薬を医師や薬剤師の指示に従って正しく服用することで、通常は完治させることができます。
感染を繰り返さないためにも必ず、パートナーの方も一緒に検査・治療を受けましょう。


Text by 櫻田芳弘( 2010年12月17日 「青いぽすと」掲載)

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