次世代型矯正 インビザライン
歯列矯正というと、歯に付ける銀色のボタン(=ブラケット)やワイヤーなど目立つ装置を思い浮かべるかもしれません。
しかし、今ではワイヤーを使わずに歯列矯正を行う「マウスピース矯正」があります。
マウスピース矯正とは、取り外し可能なマウスピースを定期的に交換しながら歯を移動させる治療法です。
しかし、マウスピース矯正といっても1種類だけではなく、数多くの種類があります。その中でも精度が高い診断、治療が可能な「インビザライン」という歯列矯正システムが世界中で注目を集めています。これは、3D画像化技術や3Dプリンター(光造形)技術を駆使して、歯の移動をシュミレーションし、治療ブラシを決定。そして、治療の最終段階のマウスピースまでデザイン、製造を行い、治療を進めます。「インビザライン」の特長として
①装置が透明で目立たない
②取り外しが可能で衛生的
③痛み・違和感が少ない
などが挙げられます。
また、他のマウスピース矯正と異なり、装置を製作するために何度も何度も歯型を取る必要がないのも利点といえます。
アメリカで開発された「インビザライン」は、世界中で250万人以上の方々が治療を受けられております。
(2013年12月現在)日本でも東京、大阪など大都市を中心に広まっており、インビザライン専門の矯正歯科医院があるくらいです。
マウスピース矯正は表側に装置を付ける矯正治療法(唇側矯正)と比べて、治療期間がかかりすぎる、仕上がりが良くない、治せる症状が少ないなどといわれておりましたが、次世代型のマウスピース矯正といえる「インビザライン」は絶え間ない改良が日々なされており、今では期間、仕上がりに差がなくなってきており、重い症状の方にも対応できるようになってきております。
ただし、年齢や症状によってはマウスピースのみで対応しづらい場合もありますので、詳しくは、「インビザライン」に詳しい矯正歯科医にご相談下さい。
歯のホワイトニングについて
「芸能人は歯が命」というフレーズが、一昔前はやりましたが、現在は、一般の患者さんにもホワイトニングが浸透してきました。
白い歯を手に入れた患者さんは笑顔に自信が持てたり、もっと健康になりたいという意識が高まるようです。
また、かぶせ物を交換するときも周りの歯の色に合わせるため、事前にホワイトニングを行う方も多くなっています。
ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニング(OW)と、ご自宅で行うホームホワイトニング(HW)の2種類あります。
OWは1回約1時間を2回行います。
効果の持続期間はHWに比べて短く、一過性の痛みを伴う場合があります。
HWは歯科医院でマウスピースを作り、ご自宅にて自分で薬液をマウスピースに入れて装着し行います。
1日2時間以上2週間行います。
時間をかけ、マイルドに薬液を浸透させるため、効果の持続期間はOWに比べて長く、痛みを伴う事も少ないです。
最近では、効果が確実なためHWを選択する方が多くなっています。
注意点としては、事前に歯科医院にて虫歯や歯周病の有無、問診やホワイトニングの説明、歯面のクリーニングを行うことも大切です。
表面の汚れを落とし、歯本来の色が出ると、それだけで十分満足される患者さんもいるからです。
その場合ホワイトニングは行いません。
さらに白くしたい場合にホワイトニングを行うこととなります。
現在、ホワイトニングは手軽で安全に行う事ができますが、妊娠中や授乳中、光線過敏症などの禁忌症や、白くなりにくい歯の色もあります。
保険適用外となる場合がありますので、詳しくは担当医にお問い合わせ下さい。
「サービス付き高齢者専用住宅」と「有料老人ホーム」の違いについて
サービス付き高齢者専用住宅は、専門のケアスタッフによる安否確認や生活相談サービスが義務付けられている高齢者のための賃貸住宅です。
入居者が疾病や事故などで介護が必要となった場合はケアマネジャーへ相談しそれぞれのニーズに合った介護保険サービス(居宅介護サービス)を受けることが可能です。
有料老人ホームは、日常生活を営む上で必要な食事、入浴、排せつ、家事、健康管理などの支援が義務づけられている施設です。
健康型、住宅型、介護付と大きく特徴が分かれており身体状況に応じて介護サービスが提供されます。
両施設ともに特徴や利用料金等に違いがありますので、利用をご希望の方は事前にケアマネージャーにご相談することをお勧めします。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバ角膜炎の主な特徴的な症状は、眼の痛みで、涙がたくさん出ます。両眼に起こることもありますが、通常は片眼のみに起こる病気です。また、目やには軽度ですが、白眼の充血が非常に強くなります。
感染初期の視力低下は軽度ですが、進行すると次第に重度の視力障害になることもあります。
主な原因は、アカントアメーバで汚染されたコンタクトレンズや、コンタクトケースを使用していることによります。
アメーバは眼の表面の角膜の小さな傷から眼の中に入り込み感染します。
診断は、角膜の傷になっている部分をこすって、顕微鏡でアカントアメーバを見つけます。
アメーバに対する特効薬がないため、消毒剤、抗真菌薬を使用しますが、それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療を行う必要があります。
根治には何カ月もかかることもあり、治らなければ角膜移植を行う場合もあります。
そのため、アカントアメーバ角膜炎は予防することが非常に重要です。
コンタクトレンズの使用期間を守る、汚染したコンタクトレンズケースは早めに取り替える、異常を感じた際には早めに眼科を受診する、眼鏡とコンタクトレンズを併用することが大切です。
コンタクトの不適切な使用はアカントアメーバ角膜炎の原因の多くを占めます。
2週間交換型のソフトコンタクトレンズと、洗浄や保存などが一つでできる液体だけでアメーバを完全に死滅させることはありません。
レンズのこすり洗いとすすぎを適切に行い、コンタクトレンズケースは乾燥させ、定期的に交換することが予防に重要となります。
肝臓が悪いと言われたら
健診の結果で「肝臓が悪い」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。
同時に「精密検査を受けてください」とも言われると思いますが、それにはれっきとした理由があります。
肝臓が悪くなる原因は数多くあります。
脂肪肝、アルコール、薬剤などが代表的な原因ですが、最も問題となるのはB型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウイルスが原因の場合です。
わが国ではB型肝炎ウイルスに130万人、C型肝炎ウイルスに180万人が感染しているといわれています。
これらのウイルスが感染して慢性化すると長年にわたって肝臓を痛めつけ、肝炎から肝硬変へと進行した末に肝臓がんが発生します。
肝硬変は肝臓全体ががん発生の予備状態になっているため、がんは1個ではなく複数個できる場合もあります。
したがって、感染していることをできる限り早期に発見して、その一連の進行を食い止めることが極めて重要なのです。
これらのウイルスは主に血液を介して感染します。
母親からの出産時の感染、輸血、入れ墨、薬物乱用、性行為などさまざまな経路がありますが、実際にはいつどこから感染したのか経路がはっきりしない場合も少なくありません。
感染は一過性で終わる場合もありますが、慢性的な感染状態になっても厄介なことに数十年にわたって症状を現わさないため、採血での肝臓の数値異常から偶然発見される場合も多いのです。
精密検査を勧められながら「肝臓が悪いのはお酒のせい」などと自己判断で放置すると、重大な結果を招くことになりかねません。
精密検査は採血で肝臓のより詳しい状態と肝炎ウイルスの有無を確認し、さらにエコー・CT検査で肝臓の形の異常や腫瘍の有無などを評価して総合的に診断します。
万一肝炎ウイルス陽性だった場合はウイルスの種類や肝障害の程度、患者さんの年齢などを勘案して抗ウイルス療法を検討することになります。
精密検査を勧められた時は決して放置せず、必ず消化器内科専門医を受診しましょう。
舌下免疫療法 〜新たなアレルギー性鼻炎の治療法〜
アレルギー性鼻炎の新しい治療法として舌下免疫療法が保険適用になりました。これは、原因物質を投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に起こる症状を緩和する治療法で、対象はスギ花粉症の12歳以上の方です。アレルゲン抽出液を舌下に滴下するという方法で行い、初回は病院で、以後は毎日1日1回ご自身で行います。2週間かけて徐々に増量していき維持量になったら3年以上継続することが必要です。
この治療法の注意点は、
①治療の開始時期は花粉非飛散期に限られる。
②アナフィラキシーショックなどの強いアレルギー反応が起こる危険性がある。
③治療医は関連学会の講習を修了している者で副作用発症時に迅速に対応できる医療施設、あるいは対応できる医療施設と連携している医療施設でなければならない。
などです。
興味がある方は耳鼻咽喉科にお尋ねください。
美肌と脂肪
低コレステロール食を心がけるダイエットは老化を早めます。
「太ること=脂肪」と感覚的に考えている方は多く、簡単に考えて脂肪(油)分が多いと思われる食べ物を避ける傾向があります。
体重の減少だけを考えるダイエット、栄養のバランスを考えない偏った食べ物だけをとる食事習慣など、ストレスの多い環境でこのようなバランスの悪い食事習慣は栄養障害を起こし、皮膚のしみ・クスミ、色素沈着など肌の難治性トラブルを起こすことがあります。
食事をするときに大切なことは、ただ感覚的に脂肪成分の多そうな食べ物を避けるのではなく、脂肪は選んで摂取することが大切です。
脂肪にはいろいろな脂肪酸の形で食べるのですが、中でも選んでとって頂きたい良質の脂肪酸はEPA・DHA(ω[オメガ]3脂肪酸)、オリーブ油、中鎖脂肪酸のオイルです。
とくに青身魚(イワシ、サバ)の油ω3脂肪酸は血液をサラサラにしたり、肌の慢性の炎症、乾燥に良いといわれています。
脂肪は3大栄養素の一つでとても大事な栄養素で、身体を構成する数十億の細胞を仕切る細胞膜の大事な成分であり、脳の主たる構成要素なので、個々の細胞環境を維持したり、脳の情報伝達機能を高めたり、また、女性ホルモンを産生する材料として非常に大切な成分です。
体内の脂肪を検査する血液検査では総コレステロール値として表示され、220mg以上が異常値といわれていましたが、最近の疫学的検査から総コレステロールが180mg/dl以下の方が220~240mg/dlの方より癌発生率や死亡率が2.5倍高い、また、総コレステロールが240~280mg/dlの方がいちばん低い死亡の危険率であるなどのデータがあり、総コレステロールが250mgあっても悪玉コレステロールLDL(最近では善玉コレステロールHDL、悪玉コレステロールLDLとして表示されています。)や中性脂肪が高くなければリスクは高くないといわれています。
健康な美肌のためには野菜、お肉、魚、卵を良質な油で調理した胚芽米食生活をお勧めします。
男性の性 30
今回も、勃起障害治療薬であるPDE5阻害薬についてです。
中年以降の男性であれば程度の差はあれ年齢を重ねるにつれて、おしっこの勢いが弱くなり回数が多くなってきたと、誰でも感じていることだと思います。
同様に、加齢とともに勃起時の陰茎の硬さや持続時間、勃起回数なども低下していると感じていることだと思います。
男性は女性と異なり、排尿時の尿の通り道と射精時の精液の通り道がほぼ一致していて、どちらも尿道を通って体外に排出されます。
つまり、陰茎と尿道は男性にとって、体内で不要になった老廃物を尿として排出する器官と子供を作るための生殖器官を兼ねていることになります。
PDE5阻害薬は、陰茎の海綿体血流を増加させて勃起障害を改善するひじょうに有効性が高い薬ですが、陰茎の尿道海綿体を通る尿道やその奥にある前立腺、さらに奥の膀胱の血流も改善することが判ってきました。
中年以降の男性の排尿障害は、これまで前立腺肥大症といって、加齢とともに腫大した前立腺が尿道を圧迫するために生じると考えられてきましたが、近年ではそれだけではなく、膀胱・尿道の血流障害も排尿障害の重要な原因と考えられるようになりました。
PDE5阻害薬の一つであるタダラフィルを投与すると、血管が拡張することによって、膀胱・前立腺・尿道での血流や酸素供給量が増加し、尿道抵抗を軽減し、膀胱の過伸展を改善することが明らかになり、さらに膀胱の神経の抑制作用により頻尿や尿意切迫などの症状も改善することが判りました。
これらの知見により、米国では2004年、欧州では2006年から男性の排尿障害に対する治療薬として治験が開始され、1日1回5mgの投与による有効性と安全性が確認され、米国では2011年10月から、欧州では2012年10月から、男性の排尿障害に対しても適応が承認されました。
日本を含むアジア人患者を対象とした比較試験も2008年から開始され有効性と安全性が確認されたため、日本では今年の4月から保険適応が承認されました。
現在、タダラフィルは、勃起障害治療薬としては従来通り10mg錠と20mg錠の保険適応外の『シアリス』として、排尿障害治療薬としては保険適応の5mg錠『ザルティア』として発売されています。
5mg錠ザルティアも、硝酸薬との併用禁忌など注意事項は他のPDE5阻害薬と同じです。
どちらも医師による処方が必要です。
尿酸値と生活習慣病
「先生、いったい尿値はどのくらいまで下がればよいですか?」と、高血圧と糖尿病で通院しているAさんは神妙な顔で聞いてきました。
どうやら、以前に痛風の病歴があり整形外科の先生から尿酸値を下げる薬を処方してもらっているのだが、もう足は痛くないので薬をやめてみたいとの相談でした。
尿酸は体の中で産生されて尿中へ排せつされることによって、その量は常に一定に保たれています。
しかし、産生と排せつのバランスが崩れ血液中の尿酸値が上昇し7・0㎎/㎗以上の状態が持続すると、尿酸は関節内に結晶として出現し、蓄積した尿酸結晶は激痛を伴う痛風発作を引き起こします。
尿酸は温度が低いほど血液中に溶けきれなくなるので、足先などの体温が低い部分の関節に痛風発作が多いわけです。
体温が35度以下になっても尿酸がしっかり血液に溶けている状態を維持するためには、尿酸値を6・0㎎/㎗以下にすることが勧められます。
また、尿酸は血管壁を障害するため、動脈硬化による疾患(心筋梗塞や脳梗塞)、腎臓病、心不全などとも関連しています。
尿酸値の高い人が高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合わせ持っていると、尿酸による血管障害をさらに増悪させることが分かっています。
しかし高血圧や糖尿病では、尿酸値が低すぎても心筋梗塞や脳梗塞の発症が増加すること(Jカーブ現象)も知られています。
そのため、尿酸値の管理目標値は5~6㎎/㎗とするのが最適です。
まさにAさんのような場合は、高血圧と糖尿病などの生活習慣病の治療と並行して尿酸値のコントロールがとても重要です。
夏場は水分を多めに取ること、野菜や海草を取り尿をアルカリ化させること、アルコールやプリン体を取りすぎないこと、適度な運動をして減量することなどに努め、必要時には適量な薬剤を服用し、食生活、運動、薬物治療などの総合的な治療管理を継続していくことが大切です。
歯列矯正は見た目を良くするだけではありません!
「歯列矯正は見た目を良くするだけの治療」と考えている方が多いと思います。
しかし、そればかりではありません。
確かに歯列矯正によって、歯並びが美しくなり、見た目が良くなるのはとても大きなメリットですし、それを第一目的として歯列矯正を受ける方も多いと思います。
しかしながら、それだけが歯列矯正のメリットではありません。
悪い歯並び・かみ合わせ(不正咬合)は、虫歯や歯周病、口臭、顎(がく)関節症のリスクを上げ、身体のバランスにも悪影響を与え、肩凝り、頭痛のキッカケとなったりもします。
発音、そして、メンタルにも悪影響を与えかねません。
たとえ、不正咬合が直接的な原因となっていなくても、さまざまな病気や問題を引き起こす間接的な要因となり得ることを知っておく必要があります。
つまり、お口の中だけではなく、全身の健康増進のためにも、良い歯並び・かみ合わせであることは望ましいことなのです。
また、不正咬合の方の中に、口呼吸、歯ぎしり、くいしばり、望ましくない舌の位置・動かし方(異常嚥(えん)下、低位舌)などの悪い癖(悪習癖)をお持ちの方が実に多く、これらの悪習癖は、歯並び・かみ合わせに悪影響を及ぼすだけではなく、体全体の健康にも害を及ぼしかねません。
歯列矯正を行う際、検査診断で悪習癖があることが確認されれば、それを取り除く指導や治療を進めます。
なぜなら、矯正治療時にそのような悪習癖を放置したままだと、歯列矯正の期間が長引いたり、きれいに治らなかったり、治ったとしても歯列の安定が悪かったりするためです。
つまり、歯列矯正は、悪習癖や問題の発見、改善のキッカケをもたらしてくれるのです。
良い歯並び、すなわち、良い「形(形態)」を手に入れるには、呼吸・嚥下など全身の健康に密接に関係する「機能」も同時に改善し、正常に保つことが必要となるのです。
たとえ、前歯の歯並びなど、見えるところが気にならない方でも、見えない、気付かない問題がひそんでいるかもしれません。
治療内容によっては保険適用となる場合もあります。一度、矯正歯科医やかかりつけの歯科医へご相談してはいかがでしょうか。