お酒を飲まなくても起こる脂肪性肝炎 ~NASH~
最近、食生活の欧米化で急増する脂肪肝、かつてはアルコール(飲酒)が主な原因と考えられていました。
しかし、お酒を飲まない人の脂肪肝から発症する肝炎は「NASH」と呼ばれ、将来、肝硬変、肝がんへ進展する危険性があることが分かってきました。
検診で肝機能障害があっても、腹部エコーで脂肪肝を指摘されても、自覚症状がないため放置するケースが多くあります。
軽度の脂肪がたまっているだけであれば、放置していても肝臓に悪影響はありませんが、重度だと脂肪肝に刺激が加わり、脂肪性肝炎「NASH」となることがあるのです。
NASH予防の原則は、脂肪肝からNASHへの進展を食い止めること。
肥満や脂肪肝と診断されたら、食生活の改善や運動で体重を落とすことが重要です。
3kgの減量で、肝機能の改善が見込まれます。
1~2カ月で1kgを目安にすると良いでしょう。肝臓は「沈黙の臓器」で、再生能力が高いため、自覚症状が出たときは病状が悪化していることが多くあります。
定期的な検査で、脂肪肝を疑われたら、まずは生活改善を心掛け、状態の改善が無ければ精密検査が必要です。
マウスピースで歯並びは治せるの?
マウスピースを用いた歯列矯正が注目を集めつつあります。
これは、透明で取り外し可能なマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かす治療法です。
ワイヤーを用いた矯正の時にみられるような痛み・違和感がきわめて少なく、見た目を気にせずに歯並びを治すことができ、また、お口のケアもしやすく、虫歯や歯周病のリスクが抑えられます。
しかし、「マウスピースで歯並びを治せるの?」「軽いデコボコしか治せないんじゃないの?」と、疑問を抱く方々(歯科医を含めて)も多いのが実情です。
そう思われるのは仕方がないことです。
なぜなら、マウスピース矯正といっても数多くの治療法があり、そのほとんどが軽い症状にしか対応していないからです。
しかし、重い症状にも対応できる唯一の治療法が「インビザライン」です。
「インビザライン」とは、3D画像処理、3Dプリンターなど最先端技術を活用し、歯の移動をシミュレーションして、治療計画を決定、治療の最終段階のマウスピースまでデザイン、製造を行い、治療を進める画期的な歯列矯正法です。
軽度の症状にしか対応できない他のマウスピース矯正とは大きく異なります。
「インビザライン」は、今現在、全世界で250万人以上の方々が治療を受けられており、日本でも全国的に広がりをみせつつあります。
東京、大阪など大都市にはインビザライン専門矯正歯科があるほどです。
以前は、マウスピース矯正は、ワイヤーを用いた矯正と比べて治療期間がかかりすぎる、仕上がりが良くない、治せる症状が少ないなどといわれておりましたが、「インビザライン」は日々改善、改良がなされており、治療期間、仕上がりに差がなくなってきており、抜歯が必要なほどの重い症状でも対応できます。
症状が重い場合、マウスピースのみで対応しづらいこともありますので、詳しくは「インビザライン」に詳しい矯正歯科医にご相談下さい。
歯周病について
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯にとって大切な土台となる歯茎や、顎の骨の周りの組織を破壊する病気のことをいいます。
歯と歯の間の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉の周りが炎症を帯びて赤くなったり、腫れたりします。
進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり歯を支える土台が溶けて動くようになります。
歯周病は食習慣、歯磨き習慣、喫煙なども関連があるので、歯科医院の治療のみではなく、個人の生活習慣の改善も大きく関与します。
歯や口は消化器官の一部の役割と同時に体全体ともつながっているため、慢性化することによって細菌が血液中に入ったり、心臓や肺などの病気を起こす可能性もあります。
歯周病を予防することは、歯や口の健康のみならず全身の健康にもつながります。
疣(いぼ)の治療方法となかなか治らない疣(いぼ)の治療
疣とは俗称で老人性疣贅(脂漏性角化症)、尋常性疣贅、偏平疣贅、伝染性軟属腫など4種類に分けられます。
一般的治療としては液体窒素、ドライアイス、炭酸ガスレーザーなどが行われます。
浅く小さい疣であれば、1ー2回の治療で治りますが、広範囲であったり、深いものでは長期間の治療が必要な時もあります。
原因はそれぞれ異なり老人性疣贅は、皮膚の老化現象で遺伝的な要因と日光紫外線による光老化が要因です。
人やほかの部位に広がることはありませんが、あとの尋常性疣贅、偏平疣贅、伝染性軟属腫3つはウィルスが原因なので、このウィルスが付着した指で掻いたり、タオルなどで拭いたりすることで、ほかの部位に広がったり、また、自分での不適切な治療は、感染部位を広めたり、ほかの方にうつすことになるので、皮膚科または形成外科で診断治療を受けてください。
なかなか治らない疣(いぼ)に困っている方には、色素レーザー(Vbeam)による治療があります。
この治療は疣(いぼ)本体にダメージを与えるのではなく、疣(いぼ)の養う血管にダメージを与えて疣が生育できなくする方法です。
治療後の日常生活にも支障がなく、2~3回の治療で治療の有効性を感じることができます。
とくに足底や爪の周囲の盛り上がり、切り取らないと完治できないような難治性疣(いぼ)に有効です。
3mm程度の疣(いぼ)であれば、一個につき所要時間は5秒程度、料金は2,000~3000円(1照射:1000円)です。
色素レーザー(Vbeam)による治療は保険治療ではありませんが有効な治療です。
費用に関しては疣の症状によって異なりますので医師に相談してください。
男性の性 31
(1~30は、函館医療情報のページで読むことができます)
精子の話。
精子はイラストやマンガでオタマジャクシのように描かれることが多いと思いますが、実際に顕微鏡で見ても、本当に丸く大きな頭部と細長い尾部からなり、採取したばかりの精子はほとんどがオタマジャクシの様に活発に動き回っています。
精子の質と量(数・奇形率・運動能など)は、喫煙・飲酒・ある種の薬物・性交(射精)頻度・陰部の温度・長時間の座位や自転車等、に影響を受けることが判っていますが、最近、季節によっても精子の質と量が変動することがイスラエルからの報告で明らかになりました。
考えてみれば、ほとんどの動物の繁殖には季節変動があり、“発情期”と称される時期を明確に持っている動物も少なくないので、高度に文明化した人間でも、野生動物としての精子季節変動が残っていても不思議ではありません。
不妊治療を受けている6447組のカップルから得られた6455の精液サンプルを対象として検討したところ、正常精子数の男子では、精子濃度(1mℓ中の精子数)は春と冬で高く、夏と秋では低かったそうです。
また、高速運動精子(元気よく活発に運動している精子)率は、秋と冬で高く、春と夏は低いそうです。
正常形態精子率は冬が最も高く、夏と比べると優位に高かったようです。
これらは、あくまで男性側の因子のみについての結論ですが、子供をつくりたい場合は、夏よりも冬に性交したほうが妊娠する確率が高いことになります。
なお、男性不妊症の診断に用いる精液検査の方法や正常値が2010年に世界保健機構(WHO)により推奨されたことにより、一般の泌尿器科や産婦人科医院ではこの推奨通りに精液検査を行うことが難しくなり、専門の不妊症外来を持っている施設で検査を受けることが薦められています。
人には聞けない『痔(じ)』の話
冬の寒さが原因で痔が悪化することが多いこの時期ですが、20歳以上の日本人の10人に1人は痔だといわれています。
痔であることが恥ずかしい、まだ痛くはない、お尻を見せたくないと病院を受診しないため、早期のうちに治療できずに悪化してしまうことが多いようです。
痔は男性の方が多いイメージがありますが、実際は女性にも多く見られます。
女性が痔になりやすい要因として、便秘があります。女性は便意を我慢したり、生理前に女性ホルモンの影響で便秘を起こしやすくなること、また、出産時に強くいきむことにより痔を発症したり、悪化させたりする方も多く見られます。
これから痔にならないように、またこれ以上悪化させないポイントが三つあります。
①トイレで3分以上いきまない
トイレに新聞や雑誌を持ち込んでいる方はいませんか?
必要以上に時間をかけていきんでしまうこと、また、ウォシュレットで肛門を刺激して無理に便を出そうとすること、肛門を洗いすぎることも肛門に負担をかける原因になります。
まとめて便を出してしまおうと頑張りすぎないことが大切です。
②便秘や下痢をおこさない食生活・生活習慣を心掛ける
いつもより、30分早起きをして朝食をしっかりとることも大切です。
朝、空の胃の中に食べ物が入った瞬間に、前日まで腸の中に溜まっていた便が肛門の近くの直腸に下りてきます。
そして、直腸の壁を便が圧迫することによって脳に便意が生じます。
するとほんの少しのいきみで便を出すことができます。
少し早起きをすることで、学校や職場へ行く前に、自宅で排便する時間の余裕が生まれます。
③ゆっくりお風呂に入る
簡単にシャワーで済ませず、入浴して肛門付近の血行をよくすることも大切です。
痔の治療には、生活習慣の改善、薬物治療、手術がありますが、まずは生活習慣を改善し、痔となった原因を踏まえて治療していくことが重要です。
しかし、肛門からの出血は痔だけが原因とは限りません。
出血の1割は、大腸ポリープや大腸・直腸がんが原因の場合があります。
出血や肛門の異物感などの自覚症状が続く時は、きちんと検査をしましょう。
3種混合ワクチンの打ち忘れはありませんか?
3種混合ワクチンは百日ぜき、破傷風、ジフテリアを予防するワクチンです。
現在はそれに不活化ポリオワクチンを加えた4種混合ワクチンとして生後3か月から打つようになっています。
4種混合ワクチンは2年前から接種が始まりました。
不活化ポリオワクチンは2012年9月から接種が始まり、その時期までに3種混合ワクチンをしたお子さんでは、口から飲むポリオワクチンや注射で打つ不活化ポリオワクチンが混在して行われたため、多くの方が混乱したり、分からないまま時が過ぎてしまったりした方もずいぶん多いように感じます。
インフルエンザワクチンを接種するときに母子手帳を見返すと、3種混合ワクチンがちゃんと終わっていなかったり、不活化ポリオワクチンが最後まで終わっていない人がいたりして、その都度勧奨してきました。
しかし、つい先日3種混合ワクチンが供給されないという一報がクリニックに届きがくぜんとしました。
3種混合ワクチンなど不活化ワクチンはきちんと決められた回数を打って初めて効果が出るワクチンです。
特に、1期3回の初回接種の後の追加接種を忘れると、しっかりした免疫ができないといわれています。
母子手帳を見返してお話しする中では、特に1期3回までは行っているけど、追加接種がなされていなかったり、不活化ポリオワクチンが途中で終わったりしている方を多く見かけます。
このようなことがそのまま放置されますと、今ですら問題となっている成人期での百日ぜきの流行が今後増えかねません。
どうかそのようなことが3種混合ワクチンでも起きないように、今一度母子手帳を見直してください。
4種混合で置き換えができる人は4種混合で、できない人は行政機関と相談しながら、わずかに在庫のある3種混合ワクチン供給をお願いするということになるとの予定です。
7歳半までのお子さんは無料で接種できますので、早めにかかりつけ医にご相談ください。
地域に親しまれる身近なかかりつけ医
開設5年目を迎えた『飯田内科クリニックいしかわ』は、石川町の函館運転免許試験場向側に位置する「医療・介護」複合施設メディカルスクエア内に開設した有床(19床)診療所です。診療科目は内科、血液内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、リハビリテーション科があり、地域のかかりつけ医として、発熱や咳の症状から腹痛など内科疾患ほか、幅広い診療ニーズに対応するとともに、健康管理の相談や専門性が求められる相談などにも対応。会社で働く人の健康診断も行ってます。
また、伊達院長は函館圏では数少ない血液内科専門の医師で、24時間体制の在宅療養支援診療所及び入院病棟の機能性を生かし、総合病院との密接な地域連携も図りつつ、患者本位の「医療と介護」の提供に努めているとのこと。
院内は広くゆったりと開放的なくつろぎの空間となっており、診察室は完全個室化され、プライバシーへの配慮も行き届いています。さらに、最新のCT診断装置を完備するなど最先端医療機器の導入にも積極的で、迅速かつ精密な診断と治療を心がけているとのこと。
診療時間は仕事帰りでも受診しやすいように、週3日(月・木・金曜日)は夜6時までとなっており、土曜日は昼12時までとなっています。さらに、通院の難しい人に対する往診の要望にも応えています。「これからも地域に親しまれるクリニックとして、皆様のお役に立てれば」と伊達院長。また、医療機関に併設する介護施設「デイケアいしかわ」「ショートステイいしかわ」は、緊急時の安心感も大きな特徴です。
本稿は本紙記者が『医療法人社団善智寿会飯田内科クリニックいしかわ』に取材し執筆しました。
なかなか治らない疣(いぼ)の治療
疣{尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)}はヒト乳頭ウイルス(ヒトパピローマウイルス)による皮膚のできもので、このウイルスの付着した指でかいたり、タオルなどで拭いたりすることにより肌に広がっていきます。
一般的治療としては液体窒素、ドライアイス、炭酸ガスレーザーなどで行われますが、なかなか治らない疣に困っている方には色素レーザー(Vbeam)による治療があります。
この治療は疣本体にダメージを与えるのではなく、疣を養う血管にダメージを与えて疣が生育できなくする方法です。
治療後の日常生活にも支障がなく、2~3回の治療で有効性を感じることができます。
とくに足底や爪の周囲の盛り上がり、切り取らないと完治できないような難治性疣に有効です。
3mm程度の疣であれば、一個につき所要時間は5秒程度です。
この色素レーザー(Vbeam)による治療は保険治療ではありません。
費用に関しては疣の状態で変わってきますので、医師に相談してください。
実はありふれた病気、統合失調症
統合失調症は、大体100人に1人がかかる、ありふれた病気です。
原因は不明で、元々の体質と環境が関連して発症すると考えられています。
症状は個人差が大きく、代表的なものは幻聴や妄想です。
幻聴は誰もいないのに話し声が聞こえ、不快な内容が多いようです。
妄想とは、どんなに説得しても訂正されない誤った考えのことで、被害妄想などがあります。
治療は薬物療法が主体で、より副作用が少なく効果の高い薬が開発されてきています。
症状がよくなっても服薬をやめると再発することが多く、再発を繰り返すと元の生活に戻りづらくなるので、よくなったからといって自分で薬を減らしたりやめたりせず、副作用などについて主治医とよく相談しながら治療を続けることが大切です。