四種混合ワクチンの供給が再開になっています
国内にある製薬会社が生産する血液製剤の不正の影響で、四種混合ワクチン、B型肝炎ワクチンが出荷自粛となり、子どもたちの健康を守るという観点から不安が広がりました。
昨年末にも三種混合ワクチンの供給中止のため、現場が混乱しワクチン接種が滞り、他のワクチン接種に来た時に見つけて勧めることが多くありました。
四種混合、三種混合ともに含まれる百日ぜきに対するワクチンは特に重要で、中止していると流行を招く苦い経験を私たちは過去にしています。
百日ぜきは重症化すると、咳が強い状態が続き、低酸素脳症など脳に重大なダメージを来すことが知られ、最悪の場合には死に至ります。
幸いなことに、自粛となっていた四種混合ワクチンの出荷は11月26日をもって解除となっています。
また、違うメーカーの四種混合ワクチンも12月9日から発売され、供給の不安定さは解消しつつあります。
出荷自粛となったワクチンの品質については、製薬会社の第三者委員会や厚生労働省とも問題がない旨を公表しておりますので、安心して接種してください。
早急に、これまでワクチンをしていただいた先生に連絡を取り、接種計画を立ててください。
また、自粛になったワクチンに不安を持っているという保護者の方は他社のワクチンに途中から変えても、効果が薄れたり、副反応が増えたりする事態はありませんので、その点でも安心して早期に再開するようにしてください。
B型肝炎ワクチンは現在、任意接種という位置づけなので、供給量の急速な回復は望めませんが、徐々に回復傾向にあり、これもかかりつけの先生と相談しながら進めるようにしてください。
子どものうちに受けるワクチンは、公費のものでも、任意のものでもとても重要なものばかりです。
新しく導入されたワクチンは、いずれも接種できる年齢が限られているものが多くなっています。
これを機に母子手帳を見直して、接種していないワクチンがあれば早めに接種するように心がけてください。
虫歯のメカニズムについて
歯を磨いているのにまた虫歯が出来てしまったと思っている方もいると思います。
虫歯の主な原因としては、細菌、糖質、歯の質の三つの要素があります。
これら三つの要素が重なると時間の経過とともに虫歯が発生します。
食べ物に含まれている糖質を摂取すると虫歯の原因菌であるミュータンス菌により酸が作られ、この酸が歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし虫歯の活動が始まります。
しかし食後しばらくすると唾液の力などにより酸性から中性に戻りはじめ虫歯の出来やすい環境から出来にくい環境へ戻りはじめます。
しかし食べ物を口にする回数が多いと酸性状態が長くなり虫歯になるリスクが高くなります。
歯の質には個人差がありますが歯の質を向上させるため、カルシウムやリンなどの栄養素を取り入れてバランスの良い食事をしてみてください。
脱毛症
脱毛症と発毛障害の原因はそれぞれ異なっている事があり、それぞれ適応した治療があるため、脱毛症にはどんな種類があるかを知ることが大切です。
びまん性脱毛症は女性に多い脱毛の一つで、頭部全体が均一に薄くなり毛根は正常ですが、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が十分に供給されていません。
遺伝子性脱毛症は男性ばかりではなく女性にも生じますが、男性の場合は早い時期から始まり、見かけも顕著です。
症状は男女で異なり、男性は額の生え際と後頭部に生じますが、女性は前頭部に生じます。
原因は内因性のホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に対する毛根の過敏性反応です。
主な原因は感染症、血行障害、ストレス、アレルギー、栄養障害、ホルモンの変化などいろいろありますが、治療において大切なことは専門医と相談、診断を受け、原因を特定して治療を受けること、治療薬には副作用もありますので専門医の十分な説明を受けて行いましょう。
メガネを作る時は、先に眼科受診を!!
ひとくちにメガネと言っても、遠用なのか、近用なのか、遠近両用なのか、度数決定の際にどこを見たくてメガネが必要なのか、が、とても重要です。
日々の診察で、使用中のメガネが見づらいとおっしゃる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
例えば、パークゴルフをする方で遠くと4~5m先にあるカップが見たいのに、遠近両用の近く部分が30cmにピントが合うようなメガネでは見えるはずがありません。
また、車の運転はしないので、テレビなど家の中の物が見えて、新聞が読めればいいという方には中近両用メガネがよさそうです。
それなのに、はるか遠くがバッチリ見える強すぎる遠近両用メガネをかけているせいで、頭痛・肩こり・眼痛、しまいには、めまい・吐き気などの眼精疲労(疲れ目)の症状を起こしていることも大変多いのです。
ご自分では、十分見えていると思っていても、眼科の診察を受けることによって、60歳を過ぎると多くの方に出てくる加齢性の白内障や失明原因疾患の緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症などを早期に発見することができます。
ですから、メガネを作る時には、まずは眼科で視力検査やその他の検査をして目の病気がない事を確認してから、眼鏡処方箋を眼科医に書いてもらい、眼鏡店に行くのがいちばん安心な方法と言えます。
眼鏡処方箋の発行に別料金は発生しませんので、お気軽に申し出て下さい。
近年のパソコンやスマホの普及により、画面に使用されているLEDが放つブルーライトが直接網膜に到達してしまうことで、目に障害を引き起こすことも分かっています。
メガネを作る時には、ブルーライトカットのレンズを選ぶのもよいでしょう。
眼科医が、患者さんの年齢・職業と、その方にとって見たい距離はどこなのかを考慮して、心地よい見え方のメガネを処方するためには、患者さんも遠慮なくどういう目的のメガネを希望しているのかを伝えましょう。
忘年会を乗り越えろ!(糖尿病編)
年の瀬も差し迫り、忘年会のシーズンがやってきました。
忘年会・クリスマス・お正月とこれからのシーズンが糖尿病の悪化しやすい時期です。
まずは、毎日の体重測定から行いましょう。
できるだけ1日2回測定し、朝と夜の体重差を1㎏以内に抑えましょう。
血糖を自分で測る器械がない方は、自分の状態の良し悪しは、体重測定が一番です。
毎日体重を測定すると、体重が増えた時に、「やばい! 体重増えた!? なんでだろう??」と自分の生活を見直すきっかけになります。
食事の取り方にもコツがあります。
まずは、野菜が先!野菜を先に取ることで、食物繊維がコレステロールの吸収を抑え、糖質の吸収を遅らせます。
結果血糖値の上昇を抑えてくれます。
また野菜を食べる習慣も付き、早食いの食生活改善、そして食事の量が少し減るようになります。また糖質を取り過ぎないこと。
糖質とは、ごはん・パン・麺類などの主食・イモなどの根菜類・果物・お菓子などです。
ジュース類は糖質の量が多く、しかも急速に吸収され血糖値が急上昇します。
最近では果物も糖度が高く、リンゴ・梨などは、半分が1日量とされていますが、甘みが強ければそれよりも少なくしてみましょう。
お菓子は、できるだけ食べないのが原則ですが、食べるのであれば、毎日3時に漫然と食べるのではなく、1日おきにする・何か体を動かしたときだけにするなどのメリハリが必要です。
この時期は、その日だけ食べ過ぎることがあると思います。
その後よくあるのが、朝抜き・昼そば・夜ドカ食い、のパターンです。
食べ過ぎたので、つい食事を抜いたりして血糖値が上がらないようにと、気持ちは分かりますが、糖尿病の薬を飲んでいる場合、低血糖になりかねません。
また、食事を抜くとどこかでおなかがすいて、やはり最後は食べ過ぎることが多くなります。
この時期は、痩せろとは言いませんが太らないように体重管理に気を付け楽しく年末年始を送りましょう。
ケアマネジャーの役割
ケアマネジャーは、ご利用者が入院した時、病院へ出向き家族構成や生活歴、既往歴、身体状態、現在使用している介護保険サービスについてなどの情報提供を行う事や、病院で開催されるカンファレンスへ参加するなど医療との関わりを積極的に行っています。
なぜこのような関わりが必要であるかと言うと、今後の治療方針や退院支援などの方向性がスムーズになり、なによりも、ご利用者のQOL(Quality of life=クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の確保を行い退院後も安心・快適な生活を送ることができるようにするためです。
医療と介護の懸け橋役となっているのがケアマネジャーです。
事故や病気で入院し今後、誰かの介護や支援が必要と言われた際には、ケアマネジャーへご相談ください。
こんな症状に心当たりはありませんか?
「特に悲しいわけでもないのにいつも涙があふれ、一日中ハンカチで涙を拭い、目尻はただれて痛む」。
こんな症状に心当たりはありませんか?
涙は本来、目頭にある涙点という排水口から涙小管・鼻涙管という排水管を通して鼻へ排出されますが、この管の通りが悪くなると、涙は排水口より逆流し、眼の表面からこぼれ落ちることになります。
さらに、管の奥にたまった分泌物までもが逆流すれば目頭に目やにがたまり、皮膚のただれも引き起こします。
これらの症状に対して今日では、細いカメラで排水管の中を覗きながら軟らかいチューブを通すという治療法があります。
比較的新しく、日帰りでも実施可能な治療です。
無論、涙や目やには必ずしも排水経路の問題とは限らず、また全ての症例で改善が見込めるわけではありませんので、まずは眼科での診察をおすすめします。
高齢で発症するてんかん
脳内の神経細胞の集まりが過剰な興奮を起こすことによって発作が起きる病気のことを「てんかん」と言います。
症状としては、ボーっとしたり、意識が無くなったり、筋肉が瞬間的にビクンビクンとなったり、けいれん(体が急に硬くなったり、ガクンガクンと震えたりします)が起きたりするのが主なものです。
ところで、「てんかん」というと以前は子供の病気と考えられてきました。
発症する年齢は若い方が多く、おおむね年齢を重ねるにつれて発症率は低下するものだと考えられていたわけです。
しかし、最近ではてんかんの発症率は高齢者の方が高いということが分かっています。
そして、症状の特徴の一つとして、あまり典型的でない場合が多く見られるということがあります。
つまり、比較的けいれんが少なく、意識のくもりや物忘れ、不注意が目立ったりするということです。
また、幻覚、妄想や抑うつなどの精神的な変調のために受診したりして、他の病気との見分けが難しいことがあります。
原因としては、例えば脳血管障害が30~50%で一番多く、その次に多いのがアルツハイマー型認知症などの変性認知症、頭部外傷などであり、30%程度は原因不明といわれています。
ただし、身体的な問題によってけいれん発作が生じることがありますが、そのような場合には状態が良くなればその後は発作の治療は必要がなくなります。
身体的な問題とは、発熱や感染症、高血圧、低血糖や高血糖、血中ナトリウム、低カルシウムなどの電解質の異常などです。
また、さまざまな薬の影響で発作が起こることもあり得ます。
治療薬については、抗てんかん剤が使われますが、他の薬との併用になるべく影響のない薬を選ぶことになります。
今後高齢者はますます増加しますので、てんかんの発症もそれにつれてさらに多くなることが予想されます。
遠近コンタクトレンズと老眼
僕が眼科クリニックを開業したのがまだ30歳代頃になりますが、そのころから遠近両用コンタクトレンズ(以下CL)はこれから使う方が増えてくるだろうと考えていました。
ですが、いかんせん、その当時は自分はまだ老眼ではなかったものですから、テストレンズをつけてみてもよく見えているのかどうか実感がありませんでした。
ところが、50歳にもなってくると自分でも急に老眼になってきました。
そこで自分でもCLの老眼対策をしなくてはならないこととなり、もう一度遠近両用CLを試してみました。
するとどうでしょう。
今度は遠くはもちろん近くも見やすくなっているではありませんか。
改めて遠近CLを見直してみました。
遠近両用CLの仕組みはどうなっているのでしょうか?
遠近両用CLはあの小さいコンタクレンズの中に、遠くが見える度数と近くが見える度数を並べています。
そこで、遠くにピントのあう光と近くにピントのあう光の常時二つの光が目に入ってくるのですが、遠くを見ようと思った時・近くを見ようと思った時、それぞれに目的の光情報を頭の中でピックアップして、いらない光情報を半分カットしています。
それ故逆にピントの合っていない光情報も、常に目の中に入っているためちょっとずつにじんだ感じを感じられてしまいます。
ですからレンズの大きな普通の眼鏡に比べて全てがすっきりというわけにも行かないのが実情です。
それでも、普通のCLから遠近両用CLに替えたときに近くの文字が見やすくなるのには、初めてCLを付けた時以上に感動しました。
最近はゴルフをするのにスコアカードが見えない、老眼鏡をかけるのはファッション的にかっこわるいので遠近両用CLを希望しますというような、50歳になってCLを初めて使う方も増えています。
目に良い食べ物
最近、私の食生活が乱れているため、目に良い食べ物について調べてみました。
ルテインは水晶体や網膜の中央である黄斑部に存在し、水晶体や網膜のダメージを軽減する効果が期待される物質です。
ホウレンソウやケール、ブロッコリーなどに多く含まれます。
ビタミンEは老化を防ぎ、また、血流を良くする効果が期待されます。
これにより、疲労緩和にも役立つ可能性があります。
ビタミンEを含む食品は多く、ラッカセイ、アーモンド、モロヘイヤ、ウナギ、スジコ、抹茶などです。
ビタミンCも目の老化を防ぐ効果が期待されます。
ピーマン、パセリ、レモンなどに多く含まれます。
食品は偏ることなくバランスよく摂るのが基本です。
これらの食材の効果に過度に期待するのは禁物ですが、食べていないなと気づいたらぜひ一品加えてみて下さい。