お薬の管理について
お薬の管理はどのようにしていますか?
長期にわたり通院や複数の医療機関に通院している方は、お薬の種類も多くなりがちです。
通院がなかなかできないから、とたくさん処方してもらって、たくさんのお薬が残っていませんか?
お薬の中には湿度が高い状態を苦手にしているものもあります。自宅での長期間の保管はお薬の性状を変える可能性もあります。
一度残っているお薬を確認してみてください。
また、医療機関を受診する際は「お薬手帳」を必ず持参してください。
お薬の重複やよくない飲み合わせを未然に防止でき、より安全にお薬を処方することができます。
この「お薬手帳」にはドラッグストア等で購入した一般用医薬品や健康食品なども、自分で記載しておくと受診時に、よくないお薬の組み合わせや食べ合わせが思いがけず見つかることがあります。
「お薬手帳」は、いつも携帯してください。
旅行先で病気になった時や災害時に避難した時、また救急外来を受診した時などに飲んでいるお薬を正確に伝えられます。
また飲んでいるすべてのお薬を「1冊に」記録することが大切です。
病院ごと薬局ごとで別々に「お薬手帳」をもらっている方は、一冊にまとめましょう。
お薬の管理が難しく、飲み忘れや、飲んだことを忘れて2回服用してしまうことはありませんか。
また、きちんと内服できていても、毎日の管理が大変と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
お薬の管理が自分で困難な場合は、薬剤師がご自宅に訪問してお薬の設置支援を行うことも可能ですし、介護サービスをうまく利用して服薬介助を受けることも可能です。
また処方日数や剤型等の変更が可能なことがありますので、まずは主治医に相談してみてださい。
睫毛(まつげ)ダニとは?
最近テレビなどで取り上げられている睫毛ダニは、睫毛の根元にすみつきます。
睫毛ダニは、ひとたび目の周りが不衛生になると、皮脂や化粧品を食べて活発に繁殖しだします。
《症状》睫毛の生え際がかゆい・ふけのように白くなっている・ゴロゴロする・充血する・まぶたが腫れる・目やにが大量に出る・目が乾く・睫毛が抜けやすくなった、などの症状がある方は、睫毛ダニがいるのかもしれません。
《原因》寝たきりで洗顔ができていない・メイク落としが不十分・洗顔しないで寝る・「アイライン」「マスカラ」「つけまつげ」「エクステ」で睫毛の内側の皮脂腺が詰まっている、などの原因が考えられます。
《診断》肉眼では分からないので自分で見つけるのは困難ですが、眼科では、睫毛を数本抜いて顕微鏡で診察すると見つけることができます。
特に濃いアイメイクやエクステなどをしていて目が乾く症状が強く出ている方は要注意です。
日本人の5人に1人はすみついており、20代の方では2人に1人がすみついているとも言われています。
心配な方は、眼科で調べてもらいましょう。
おたふくワクチンを受けましょう
今年4月から始まったNHKの「連続テレビ小説 半分、青い。」の主人公 楡野鈴愛(にれのすずめ)は、おたふくかぜにかかったかはっきりしないまま、片方の耳が聞こえなくなり、病院でおたふくかぜによる難聴と診断されます。
その後の主人公は、難聴であることをむしろ楽しんでいるような印象ですが、皆さんのお子さんがおたふくかぜで難聴になったらどうでしょう。予防できる手段があったのにと言われるかもしれません。
おたふくかぜに伴う合併症をお母さま方に聞くと多くの方は男性の不妊と言われます。確かに、成人近くなっておたふくかぜにかかればそういう合併症もあるでしょう。しかし、本当に恐ろしいのは難聴になることです。鈴愛のように、おたふく風邪の症状がないままおたふくにかかっていたというのはおたふくかぜ全体の20%程度あると言われています。
難聴になる頻度はおたふくかぜにかかった人の約1000人に1人と教科書的には書かれています。しかし、この十数年の間に出た論文を見てみますと、200ないし300人に1人という極めて高い頻度で合併するとの報告が多くみられます。この難聴は治ることはなく、ごくまれには両方が難聴になる場合があります。言葉を覚える前に両方の難聴になれば、子どもにとって大きな痛手になることは明らかです。
難聴を発症するのはほとんどがおたふくかぜワクチンを打っていないお子さんです。残念ながら、現在でもおたふく難聴の治療法はありません。唯一防ぐのは、おたふくかぜワクチンを打つことしかありません。おたふくかぜワクチンの主な有害事象は無菌性髄膜炎です。ワクチンを打った後に熱が上がり、頭痛やおう吐がおこるというものです。一般的には後遺症はありません。
おたふくかぜによっても同じような無菌性髄膜炎が起きますが、頻度は高く、ワクチンによるものよりは重症です。
ワクチン接種は1歳の時と年長児、2回の接種が推奨されています。接種料金は各医療機関にお問い合わせください。
もう辛くない、恥ずかしくない! 大腸カメラ
死亡者数がこの30年で5倍に増加し、今や最も多いがんになりつつある大腸がん。特にこの函館では、大腸がんで死亡する人が全国平均より30%以上も多いことが分かっています。だからこそ、定期的に検診や検査へ行くことは、とても大切で早期発見・早期治療が、がんから命を救う有効な手立てになります。
大腸がんで亡くならないためには、まずは、便潜血の検査を毎年受けることです。便潜血検査は、便の中に血が混じっていないかを調べる検査で、便の中に血液が混じっていると「陽性」となり、大腸カメラを受けることになります。ただし、大腸がんができているのに、便潜血が陽性にならない人が15~20%いると言われています。陰性だからといって安心はできませんので、毎年欠かさずすることが大切です。
大腸カメラは、下剤を飲んで腸をきれいにしてから始めます。以前の下剤は、量も多く、とても飲みにくいものでしたが、最近では、量も減り、味も随分改良されています。肛門からカメラを入れて検査が始まりますが、きちんとお尻が覆われた検査着を着用していただきますので、恥ずかしいことはありません。検査で使用されるカメラも細く柔らかく改良されていますので、痛みもかなり緩和されています。それでも不安が強い方、痛みが伴う方は鎮静剤を使用することもできます。
大腸カメラのメリットは、その場でポリープやがんが見えますし、そのような病変があれば、細胞をとって、良性か悪性か、つまりがんかどうかを判断することができます。がんはもちろんですが、腺腫という腫瘍性のポリープがある場合は、全て切除することが大切です。たとえ良性であってもポリープを小まめに切除することにより、大腸がんによる死亡率が低下すると言われています。
いつかは大腸検査を受けなければと分かってはいても、そう思いながら何年もたっていませんか?
そろそろ重い腰を上げてお近くの専門医にご相談下さい。
皮膚疾患に使用するレーザー
形成外科、皮膚科で使用されているレーザーは代表的なものとして、炭酸ガスレーザー、エルビウム・ヤグレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザーなどがあり、パルス幅(照射時間)の違いや波長の違いで治療効果が異なります。
皮膚色素疾患の場合はメラニン色素が病的に増殖している皮膚の深さ(表皮または真皮)で治療方法が異なり、瘢痕(はんこん)が残らない治療方法としてはQスイッチレーザー(エルビウム・ヤグレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー)があります。
また、血管病変(単純性血管腫、イチゴ状血管腫、毛細血管拡張症)の場合、色素レーザーが使用されます。
皮膚色素疾患の治療は、レーザーの種類以外に、病変の色、存在する深さ、レーザーの波長、照射時間によって異なりますので専門医の説明を良く聞いてから治療を受けてください。
保険が適用されない場合がありますので病院にてご確認ください。
念のためにトイレに行くのは悪い習慣!?
家を出る前に念のためおしっこをしておこう。途中で出たくなったら困るから列車に乗る前にトイレに寄っておこう。
実はこれ、頻尿の原因となる悪い習慣であることが分かってきました。膀胱は主に筋肉でできており、尿を出すのも貯めるのも、この筋肉の運動によって行われます。まだもよおしてもいないのに念のためにトイレに行く、言い換えれば非常に少ないおしっこでトイレに行くということは、膀胱の尿を貯める筋肉運動をさぼっていることになるのです。
それともうひとつ悪い習慣があります。おしっこがしたくなったらすぐにトイレに行く習慣です。念のためトイレに行く場合に比べればまだ少しは貯めていると言えますが、おしっこがしたいと感じる尿量は約200mlです。成人膀胱の最大容量は約500mlですから、この場合もやはり尿を貯める筋肉運動をさぼっていることになります。
このように膀胱の尿を貯める運動をさぼり、少ないおしっこで排尿する習慣が毎日のように繰り返されると、当然のことながら膀胱の尿を貯める筋肉は衰え、やがておしっこが十分に貯められない状態、つまり頻尿になってしまいます。
念のためトイレに行かない、おしっこがしたくてもすぐには行かない、そしておしっこを少し我慢してからトイレに行くようにする。おしっこの我慢は「膀胱訓練」とも呼ばれ膀胱機能障害の治療にも用いられています。頻尿にならないようにするためにも、あるいはすでに頻尿で困っているならなおさらのこと、おしっこの我慢を始めてみましょう。ただし注意も必要です。おしっこの我慢も極端にし過ぎると痛みや排尿困難などトラブルを生じることがあります。余裕のある範囲の我慢から始めてください。また、頻尿の原因はさまざまであり、中には排尿障害や膀胱癌など重大な病気が原因となっていることもあります。我慢を続けても症状が改善しないときや排尿困難や残尿感、痛みや出血など頻尿以外の症状がある場合には泌尿器を受診しましょう。問診と超音波検査などの簡単な検査により診断、治療が可能です。
身近にひそむ睫毛(まつ毛)ダニ!!
最近テレビなどで取り上げられている睫毛(まつげ)ダニは、顔ダニの一種で、睫毛の根元にすみつきます。
実は、日本人のほとんどの方に顔ダニがいますが、通常は悪さをしないので、病院で治療をする必要はありません。
ところが、睫毛ダニは、ひとたび目の周りが不衛生になると、皮脂や化粧品を食べて活発に繁殖しだします。
《症状》①睫毛の生え際がかゆい②ふけのように白くなっている③ゴロゴロする④充血する⑤まぶたが腫れる⑥目やにが大量に出る⑦目が乾く⑧睫毛が抜けやすくなった―などの症状がある方は、睫毛ダニがいるのかもしれません。
《原因》睫毛ダニの大量発生の原因としては①寝たきりの老人で洗顔ができていない②メイク落としが不十分③洗顔しないで寝る④アイラインやマスカラで睫毛の内側の皮脂腺が詰まっている⑤つけまつげ、エクステのせいで生え際が洗えず汚れがたまっている―などの原因が考えられます。
《診断》睫毛ダニは0・5mm以下と非常に小さく、肉眼では分からないので自分で見つけるのは困難ですが、眼科では、睫毛を数本抜いて顕微鏡で診察すると見つけることができます。特に濃いアイメイクやエクステなどをしていて目が乾く症状が強く出ている方は要注意です。日本人の5人に1人にはすみついており、20代の方では2人に1人がすみついているとも言われています。
《予防》予防としては①必ず化粧を落としてから寝る②目の周りは特に清潔に保つ③マスカラやアイラインを使わない④古い化粧品は使わない⑤目の周りの化粧をしない休息日をつくる―などです。自分の自然の睫毛に化粧品を使わずに清潔に保つことが、結局は睫毛が抜け落ちるのを防ぐことにつながります。
《治療》ダニによるアレルギーや感染症・ドライアイなどの合併症状の治療を行います。また、洗浄液を使用し睫毛を清潔にする方法があります。
ぜひ、眼科を受診して下さい。
糖尿病の兆しがありませんか? ~糖負荷試験のすすめ
春の健康診断の時期ですね!
お花見・ジンギスカン・ゴールデンウイークの旅行など忙しかったあなた!
健康診断は、いかがでしたか?
特に糖尿病の血糖値やHbA1cにチェックのついている方はいませんか?
糖尿病の兆しがあると曖昧にせず、この際、はっきり白黒つけた方が、今後の心構えや対処に役立ちます。
糖尿病・予備軍の方と、正常な方では、高血圧やコレステロールの治療の基準値が異なってきます。
また、糖尿病の場合使いにくいお薬もあります。
そんな方におすすめなのは、ブドウ糖負荷試験です。
この検査で糖尿病なのか境界型糖尿病(予備軍)なのか、正常なのかを確認してみましょう。
検査は、内科であればどこでもできる簡単な検査です。
早朝空腹で採血・尿検査を行い、その後75gのブドウ糖の入った甘い水を飲みます。
飲んでから、30分、1時間、2時間後にそれぞれ採血を行います。
正常な方は、飲んで30分すると血糖値が上がってくるのですが、30分~1時間をピークに、2時間たつと血糖値は、140mg/㎗以下に低下してきます。
糖尿病初期の方は、空腹の時の血糖値は、正常なことが多いのですが、血糖値を下げるインスリンというホルモンが不足したり、その働きが悪くなっているため血糖値は下がりにくくなります。
そのため、30分・1時間と、血糖値が上がり続け、2時間後には200mg/㎗を超えてしまいます。
予備軍の方はその中間で、一度上がった血糖値が、上がり続けないものの、下がりきれない状態になります。
このように、糖分を負荷した血糖値の反応をみて①糖尿病②予備軍③正常だけど糖尿病になりそうな状態④正常者―を判定します。
特に家族に糖尿病がいる方、血圧やコレステロールの高い方で、血糖値やHbA1cが基準値を超えたときは、確認してみてはいかがですか?
インターバル速歩で健康増進!!
今年の函館は雪が多く外出の機会を奪われてしまった方も多かったのではないでしょうか。
そんな雪もすっかり解け、外出やウォーキングを楽しむのに気持ちの良い季節になってきました。
そこで今回は、通常のウォーキングに比べ効率よく肥満解消、筋力アップ、高血糖や高血圧の改善につながると言われている「インターバル速歩」をご紹介したいと思います。「インターバル速歩」とは、信州大学大学院学系研究科の能勢博教授が提唱しているウォーキング方法です。
お仕事が忙しくなかなか運動に時間がさけないという方、毎年ウォーキングをしているけれどなかなかダイエット効果が表れないという方、ぜひ「インターバル速歩」に挑戦してみてください。
◎「インターバル速歩」の実践方法
①早歩き(3分)ゆっくり歩き(3分)を1セットとして5セット繰り返します。
②週4回以上合計120分以上を目標に行なってみてください。
③しっかり効果を得るためには正しい姿勢で行なうことが大切。胸を張って大きく腕を動かします。前に振り出すことより後ろに軽く引くことを意識してみてください。
早歩きの速さの目安は「その人の体力や年齢によって変わってきますが、『ややきつい』と感じる程度がよいでしょう」(能勢教授)。
3〜5分歩いたら少し息が弾む程度、また誰かと一緒に歩くのならば、会話ができるくらいのペースがひとつの目安となります。
最初3分の早歩きはきつすぎると感じる方は1分または2分のインターバルからスタートしてみてください。
◎屋外歩行は自信がないという方にはこんな方法も!!
屋外歩行が困難な方やちょっと自信がないという方は、お家の中で「インターバル足踏み」から実践してみてはいかがでしょう!!
実践方法は同じです。早いリズムでの足踏み(3分)と、ゆっくりした足踏み(3分)を交互に繰り返してみてください。
足踏みでもちょっとバランスを崩してしまいそうという方は、椅子に座っての足踏みでもOKです。
皆さんそれぞれ方法やペースでぜひ実践してみてください。
2週間の継続で体重減少しはじめ、5か月の継続で筋力・持久力が10%向上し、高血圧、高血糖、肥満の症状が20%改善すると言われています。
継続は力なりですね。
目薬の『ステロイド』
桜も咲いて暖かくなり、「花粉症で目薬を処方されたら、『ステロイド』と書いてあったので心配です…」とのお問い合わせが多い季節です。
テレビ等で危険な印象があるようですが、点眼薬には目以外の副作用はありません。
ステロイドの副作用としては、
①眼圧上昇:約2週間後から一部の方に起こります。
眼科で眼圧を確認するしかありません。
放置すれば緑内障に進行し治療法がありませんが、そうなる前に中止すれば問題ありません。
②白内障:1年以上後から一部の方に起こります。
若い世代でも起こり、手術以外では治すことができません。
③(眼の)感染症:期間によらずまれにありますが、糖尿病やコンタクトレンズなどの事情がある方が多いです。
自覚症状の悪化で気付くことが多いです。
ステロイドは「短い間だけ使う」「長く使うなら受付で『薬だけ』と言わない」「『検査は不要』と言わない」なら心配なく、とても良い薬だと思いますよ。