輝く笑顔と不正咬合/審美(しんび)性と矯正歯科
輝く笑顔と不正咬合
健康な歯はいつの時代でも若さと活力の象徴であり、悪い歯や歯並びは老いや不健康の兆候です。
笑顔が素敵な女性が載っているほとんどのポスターで、白い歯が強調されているように、白くきれいな歯並びは「輝く笑顔」を作る必須の要素となっています。現在では、短期間で歯並びが治り、かつ痛みの少ない矯正装置が開発され、また歯の裏側に着ける矯正装置により、どんな年齢の方でも他の人に全く気づかれずに、治療を終えることができるようになりました。悪い歯並びは、顎関節症を含めた顎口腔機能異常の要因のひとつとして取り上げられております。矯正治療により得られた良い歯並びかみ合わせにより「輝く笑顔」が作り出され、その自信が、心の健康に大きく影響することでしょう。
審美(しんび)性と矯正歯科
「みつくち」といわれる唇顎口蓋裂児は、ほとんどの場合、反対咬合や乱杭歯となりますが、この子らの歯科矯正治療や、手術が必要な顎変形(あごのへんけい)を伴うかみ合わせの異常についての歯科矯正治療も、保険治療が可能となっております。口蓋裂の治療も進歩し、ホッツ床を口の中に入れることにより、お母さんのオッパイを手術前から飲めるようになり、また骨がない部分への骨移植や歯牙の移植、人工歯根により、良いかみ合わせや歯並びが得られるようになってきております。今までは不可能と思われたり、病気とされなかった分野が治療可能と認識されるようになり、「健康」という言葉の持つ意味も変容しております。特に歯科の分野は、審美(しんび)性に関係が深く、その治り方に時代により大きく違いが出てきています。歯科を含めた医学の進歩により、患者さんにとって地方都市でも、よりよい医療の提供が可能となってきております。
矯正治療の目的
新学期を迎え、お子さんの歯列矯正治療を考えているご家族も多いと思います。
「悪い歯並びは病気でしょうか? 治療しなければいけないでしょうか?」と相談されることがあります。
もちろん、重症例は病気と考えられますが、軽症例はどうでしょう?
教科書によれば、「歯列矯正治療の目的は虫歯・歯槽膿漏(しそうのうろう)や顎関節症の予防をする」とあります。
日本人の9割が、歯並びに何らかの問題を抱えていると言われていますが、皆さんが健康を害しているわけではありません。
では審美性のみが目的でしょうか?
私たち歯科矯正医は歯列矯正治療を「より良い人生を送るための健康増進手段」と考えています。
よく噛める機能的な咬み合わせと整った歯並びによる美しい笑顔は、お子さんの将来はもちろん、高齢化社会においては成人にも大きな財産になると考えています。
歯列矯正治療の流れについて
夏休みが始まりました。学校検診の結果も行き渡り、虫歯や不正咬合(ふせいこうごう=悪い歯並び)を指摘されたお子さんもいらっしゃると思います。
今回は、不正咬合の治療の流れについてお話します。
(1) 矯正相談
お口を拝見させていただき、おおよその治療方法、期間、費用についてのご説明をします。
(2) 検査
(3) 診断
(4) 治療
(5) 治療終了・保定開始
歯並びが整い、うまく咬み合うようになったら矯正装置を取り外します。しかし、これで矯正治療は終了ではありません。治療直後の歯並びは不安定ですので後戻りが無いように保定を行います。
(6) 保定完了・矯正治療終了
保定期間が終了して、矯正治療は完了となります。
矯正治療は虫歯の治療と違い、治療期間が長く、また費用も自費となりますので、歯科医師と十分に相談して、納得してから治療を受けることが重要です。
矯正治療と美容(審美)について
最近、テレビでは美容外科や審美歯科のコマーシャルや番組がよく見受けられます。私もテレビをよく見ますので、出演者(患者さん?)が美容外科治療で大変身する姿に驚き、感動し、そして外見が、いかに本人の心理状態に大きな影響を与えるのか知ることができます。さて、今回の題名ですが、矯正治療と美容(審美)治療はどこが違うのでしょうか。
矯正治療を希望される方のほとんどが、審美(美容)の改善を主訴に来院されます。実際、矯正治療では症状によって、大きく審美性を改善することが可能で、歯並びだけではなく、顔・・・特に口元の形を大きく改善し、美しい笑顔を得ることができます。
しかし、矯正治療の目的は審美(美容)の改善だけではなく、悪い咬(か)み合わせを正しい咬み合わせにすることにより「咬む」「発音」等の口腔機能を改善し、同時に虫歯や歯周病の予防をすることが大きな目的です。また、成長途上のお子さんにとっては、顎(あご)・顔の成長を正しく誘導し、健やかな成長・発育を促すことも大切な目的です。少し難しいお話になりますが、形態と機能は表裏一体で形態(歯並び)を治療することにより、機能(咬む、発育)を改善するのが矯正治療と言えます。
矯正治療の開始時期について
歯の矯正治療は、いつ始めたら良いのでしょうか?
病気は、早期発見、早期治療が基本です。矯正治療においても早期発見は重要です。しかし、早期治療はどうでしょうか?
人間の歯は、乳歯から永久歯に生え替わります。最初の永久歯が生えるのが6歳頃ですので、どんなに早くても7歳頃が矯正治療の開始時期となります。子供の場合、身長が大きくなる(成長)と同様に、この時期に顎(あご)の骨も成長しています。
受け口(反対咬合=はんたいこうごう)や出っ歯(上顎前突=じょうくぜんとつ)等の上下顎骨の大きさのバランスが悪い場合は、この時期を利用して上手くバランスを整えることが重要になります。凸凹した歯並び等、比較的軽症の場合は、永久歯がほぼ揃う10歳頃から治療を開始するのが良いと言われています。また、上下顎骨の大きさのバランスが悪い場合は、早期より長期にわたって治療することになります。
もちろん、治療により正常な成長の軌道に乗った場合は、いったん治療を中断し、定期的に成長を見守ることになります。どちらにしても、判断は専門的な知識が必要となります。
お子さんの『歯並び』と矯正治療について
そろそろ小、中、高校の学校歯科検診も終わり、検診結果がそれぞれのご家庭に届き、中には、不正咬合(ふせいこうごう=悪い歯並び)を指摘されたお子さんもいらっしゃることと思います。
最近では、矯正治療も一般的となり、矯正装置を装着したお子さんも珍しくなくなりましたが、まだまだ勘違いされている方も多いようです。
不正咬合とは、下顎前突(かがくぜんとつ=受け口)、上顎前突(じょうがくぜんとつ=出っ歯)、叢生(そうせい=八重歯などの乱杭歯)などの悪い歯並びの状態を言います。
不正咬合は、審美的な、いわゆる見た目の問題と思われがちですが、虫歯や歯槽膿漏(のうろう)になりやすく、また、重症の場合、食事を「咀嚼(そしゃく=噛み砕く)」する機能が著しく損なわれている状態ですので、お子さんの健やかな成長にとってマイナスになっていると考えられます。
矯正治療は、矯正装置を装着し、歯を削ったり、かぶせたりせずに、自分自身の「歯並び」を整えることにより、「咀嚼」機能を改善する治療です。もちろん、健康的で美しい笑顔も得ることができます。
治療の開始時期は、不正咬合の種類、症状の重軽、歯の生え変わりの状態によって異なりますので、かかりつけの歯科医院でご相談ください。
不正咬合と矯正治療
日本人の2人に1人は歯並びが悪く、矯正治療が必要であるといわれています。矯正治療とは、出っ歯や受け口、八重歯などの悪い歯並びや咬(か)み合せを矯正装置を使って正しい歯並びにする治療を言います。入れ歯や差し歯で治すのではなく、矯正装置の力を用いて自分の歯を動かして治します。どうして矯正治療が必要なのでしょうか?
健康、美容、精神面それぞれに必要があります。子どもの場合、悪い歯並びや咬み合せは、お子さんの顎(あご)の形や顔立ちに悪影響を及ぼします。歯垢(しこう)が溜(た)まりやすく、虫歯や、特に成人の場合、歯槽膿漏(のうろう)の原因になりがちです。また、悪い歯並びを学校でからかわれたり、大人になるにつれ、その事で消極的になる方もいらっしゃるようです。不正咬合は、症状によって治療の方法や期間が異なりますので、まずは掛かりつけの歯科医院でご相談ください。
子供の歯並びと矯正治療
日本人の子供たちの2人に1人は歯並びが悪く、矯正治療が必要であるといわれています。しかし、悪い歯並びの影響や矯正治療について、正しく理解されている方は少ないようです。
矯正治療とは
出っ歯や受け口、八重歯など悪い歯並びや噛み合わせを、矯正装置を使って正しい歯並びにする治療を言います。入歯や差し歯で治すのではなく、矯正装置の力で歯を動かして治します。
どうして矯正治療が必要なのか
健康・美容・精神面それぞれに必要があります。まず、悪い歯並びや噛み合わせは、お子さんの顎の形や顔立ちに影響を及ぼします。歯垢がたまりやすく、虫歯や歯槽のう漏の原因にもなりやすいのです。また、悪い歯並びを、学校でからかわれたり、お子さんが成人するにつれ、本人も気にするようになり、精神面で暗くなりがちです。国際化が進む現代社会において、美しい笑顔できちんと自己主張できることが重要な資質であり、口もとの印象の善し悪しが、大きくものを言ってくるものと思われます。
矯正装置とは
以前、1本1本の歯に大きな金属性のバンドを取り付けていましたので、かなり目立っていましたが、現在はセラミックなどの透明な材質の部品を用い、症状に応じて歯に接着し、形状記憶合金製ワイヤー等にしなやかな弾性を利用して歯を動かしますので、目立たず治療できるようになってきました。
治療費と矯正相談について
残念ながら現在のところ、「生れつきの顎の病気や、顎に著しい変形があり外科手術を併用する」以外は健康保険で治療することはできません。治療費は治療方法、治療期間によって異なりますので、ご本人とご家族の方に来院して頂き、歯並びの状態を拝見してから、ご説明することになります。治療を始めるかどうかについては、後日、ご本人、またはご家族の方に、ご連絡していただくことになりますので、お気軽にご相談ください。
矯正治療の流れについて
矯正治療を始める上での治療の流れについてお話します。
1.矯正治療の相談
一口に不正咬合と言っても、症状の種類や程度、患者さんの年齢は様々です。この時点では、検査をしていませんので正確な診断はできませんが、患者さんのお口の中を拝見し、おおよその治療の時期、期間、方法、治療費についてお話をします。
また、この相談時に治療を始めるかどうかを決める必要はありません。
あくまで相談ですので、お帰りになった後で、じっくり考えてからご自身、またご家族で決めていただきます。
2.検査
矯正治療に限りませんが、治療の第一段階は検査です。検査の内容は、数枚のレントゲン写真、お口と顔の写真、歯形を取ります。また、必要に応じて顎関節の検査をすることもあります。
3.診断
検査結果についてのご説明をします。また、検査結果により、治療の時期、期間、方法(治療計画)が決定しますので、こちらのご説明もします。
4.治療開始
いよいよ矯正装置を装着し、治療を開始します。症状や年齢により治療期間は様々ですが、一般的に重症の受け口や出っ歯ではなく、すべて永久歯であれば一年から一年半くらいです。
5.治療終了・保定開始
歯並びが整い、うまく咬み合うようになったら矯正装置を除去します。しかし、これで矯正治療は終わりではありません。矯正治療直後の歯並びは不安定ですので、通常は一年半程度、後戻りしないよう固定する必要があります。この期間を保定期間といい、使用する装置を保定装置といいます。
6.保定完了・矯正治療完了
保定期間が終了し、これで矯正治療は完了します。
以上矯正治療の流れについてご説明しましたが、矯正治療は虫歯の治療と違い、 治療期間も長く、治療費も自費となりますので、治療を担当する歯科医師とよく相談し、納得して治療することが大切です。
歯のホワイトニング
ホワイトニングは歯を削らずに薬剤で歯を白くする方法です。自分の本来の歯以上の白さを手に入れたい方はホワイトニングで白くすることができます。
1.オフィスホワイトニング
歯の表面に薬剤を塗り色素を分解していく方法で、1~4回程度の通院になります。ただし神経を取って黒ずんでしまった歯はこの方法では白くすることができません。歯の内部に薬剤を入れて数回交換し白くします。
2.ホームホワイトニング
自宅で行う方法です。歯科医院で専用のトレーを作り、その中に漂白ジェルを入れて1日数時間1カ月程度装着します。効果はゆっくりですが、白さと透明感が長続きします。
ホワイトニングは永久的なものではありませんが、定期的にクリーニングをすることによって長持ちさせることができます。興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。