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鼻の調子が悪く、いつまでも治りません。単なる風邪ではないのでしょうか?

耳鼻咽喉科2010/03/18

症状が2週間も続くならアレルギー性鼻炎の可能性も。
子どもの場合には続発する中耳炎も心配。早期受診が大切

 冬といえば風邪の季節ですが、その中で一見風邪の症状だと思っていたものが、実はアレルギー性鼻炎による症状の悪化である場合が意外と多く見られます。
風邪だと思っても、症状が2週間も続くようであれば何らかの慢性的な状態が考えられます。
また、必ずしもアレルギー性のものではない場合もあるため、いずれにしても医療機関で検査してみる必要があります。 通年性のアレルギーは基本的にハウスダストやダニが原因で、すでに鼻は過敏な状態にあります。
そこに冬場は寒暖差や湿度差が激しいなどの物理的刺激が多くなるため、鼻の調子が悪くなりがちになるのです。
経験的に秋口から寒くなって、乾燥が進む季節に入ると調子を悪くして不安定な状態に陥る人が多いので、その季節から注意が必要です。
ただアレルギー性鼻炎の発症を予防することは難しく、すでにアレルギー性鼻炎と診断されている人であれば、事前に薬を飲むなどの対策もとれますが、既往症がない人ではいかに初発症状を見逃さず、少しでも早く専門医を受診することが大切といえます。 特に注意しなければならないのは、子どものアレルギー性鼻炎で、意外と放置された状態のままの子どもが多いのです。
鼻の状態が悪いと風邪をひきやすく、またアレルギーなどで鼻の状態が常に悪ければ、いずれ鼻の機能がまったく失われてしまいます。
例えば鼻から空気を吸った際に、鼻の中で粉塵(ふんじん)や細菌を取ったり、空気を加湿化し肺に送るという大事な機能がまったく破綻してしまうわけです。
当然あらゆる感染症にも罹りやすくなってしまいます。 さらに鼻の状態が悪いと、結果的に中耳炎にも罹りやすくなるのです。
中耳炎が子どもに多いのも、そういったことが関係していて、多くの場合、風邪から鼻の調子を悪くしてしまい、続発的に中耳炎を起こしているのです。
そのため中耳炎の発症も冬場に多く見られます。
その意味では、中耳炎の治療のポイントは、鼻の状態のコントロールにあるということがいえるわけです。
また、治療には抗生物質の適切な使用が重要です。
一般的風潮として抗生物質は敬遠されがちですが、特に幼少期に起こす中耳炎や鼻炎の細菌の種類は決まっていますので、その動向を見極めて適切な抗生物質を選び使用することで、それぞれの症状も速やかに改善されます。 耳鼻科は基本的に感染症外来です。風邪も感染症ですので、鼻の調子が悪いなどの症状が長く続く場合や、特に学童期以下の子どもの場合には、まず耳鼻科への受診をお勧めします。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2010年3月 「ホームドクター健康新常識」掲載)

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