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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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草刈りするときには必ず保護眼鏡を

眼科2008/08/13

 これから夏になってくると雑草が気になる季節になってきます。

 本格的に草刈りをするときにエンジン付きの草刈り機を使っている方もよく見かけますが、これが目にとって大変危険な作業です。先端に円盤状のこぎりが付いている草刈り機では、落ちている石ころやドリンクの缶などを引っかけて目にけがをさせることがよくあります。

 特にドリンクの缶の場合、砕けた金属片が目に当たると角膜(かくまく―黒目)を貫通して水晶体(すいしょうたい)や眼底(がんてい)にまで突き刺さってしまうことがあります。ですから、草刈りをするときには、汗をかいたりしてじゃまになることもあると思いますが、必ず保護眼鏡をかけるようにしましょう。

 同じように保護眼鏡をかけずに作業していてよく見受けられる目のゴミには、サンダーで金属を磨いている時に入るゴミがあります。飛んできて角膜の表面に突き刺さっている金属のゴミは茶色に変色していて、たとえほんの0.5ミリ程度の小さな物でも角膜の半分くらいのところまでめり込んでいるときが多いのです。金属の場合、ゴミが付いてから1~2日でも放置すると、サビがしみ込んで来てゴミの周辺が白っぽく変色して来ます。そうすると、一度異物をとっても炎症がなかなか引かないため後日再度こすり直す必要がある場合もあります。

 上まぶたの裏側に引っかかっているゴミでよく見かける物で意外な物があります。

 それは「スクラブ洗顔の粒」です。

 スクラブ洗顔とは、チューブに入っている洗顔石けんの中に汚れやお化粧が良くとれるようにと細かいつぶつぶが入っている物です。この粒が目に入ると、まぶたの裏側に入り込んで引っかかりやすいのです。意外と長時間溶けないで残っているので、いつまでもごろごろしています。顔を洗うとき薄目をあける癖のある方で、何度も繰り返し病院にいらっしゃる方がいます。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

肺がんで死なないために

2018/04/23

 肺がんは日本のがん死亡のトップです。
肺がん死を予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的です。
肺がん死の危険性は、吸わない人と比べると男性で約4・8倍、女性で約3・9倍です。
函館市の平成28年の喫煙率は、男性27・6%、女性12・8%ですが女性はすべての年代で全国より高くなっています。

 たばこの煙には、たばこ自体に含まれる物質と、それらが不完全燃焼して生じる化合物があります。
その種類は合わせて約5300種類とも言われます。
その中には、ニトロソアミン類、ヒ素、カドミウム、多環芳香族炭化水素など発がん物質が約70種類含まれています。
タバコの火の先から立ち上る副流煙には、主流煙に比べてニコチンが2・8倍、タールが3・4倍、一酸化炭素が4・7倍も含まれています。
受動喫煙も肺がんの原因となることが明らかとなっています。
他人が吸っているたばこの煙もできるだけ避ける必要があります。
夫が喫煙する場合、妻の肺がんリスクが約2倍高まります。

 三次喫煙(サードハンドスモーク)の危険性も指摘されています。
喫煙室のカーテンやソファなどがたばこ臭かったり、たばこを吸う人の髪の毛や服がたばこ臭いと感じることがあります。
この臭いは、付着したたばこの煙の成分であり、有害物質が含まれています。
これを吸い込んでしまうのが三次喫煙であり、受動喫煙と同じく周囲の人に悪影響を及ぼします。

 肺がんは、肝胆膵がん、食道がんと並び死亡率の高いがんです。
肺がんになっても死なないためには検診での早期発見が重要です。
検診は毎年の胸部X線検査があり、ハイリスク群(「1日のタバコ本数」×「喫煙年数」が600以上)では痰(たん)の検査も行います。
近年は通常のCT検査の10分の1の被ばく量で済む「低線量CT肺がん検診」が行われて肺がん死の低下が期待されます。

 みんなで肺がん検診を受けましょう。


Text by 国立病院機構 函館病院 岩代 望( 2018年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

禁煙について

禁煙2009/01/08

 平成18年2月に「ニコチン依存症管理料」が新設され、禁煙治療が保険適応されました。

  1. タバコ依存症スクリーニングテストで5点以上
  2. 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上
  3. 直ちに禁煙することを希望している

などの条件を全て満たした方が対象となります。

 喫煙が肺癌や咽頭癌等の癌、また心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の原因になることはよく知られています。
また副流煙の方が主流煙よりも有害物質を多く含んでいるため喫煙している人ばかりではなく側に居る人にも害をもたらすこともよく知られています。
タバコは嗜好品でありストレス解消手段という側面もあると思われますが、禁煙を希望する方々も多いことと思います。

 一度禁煙治療を実施している医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。


Text by 小笹内科医院 小笹 明(  「」掲載)

70歳代の8人に1人に潜む緑内障

眼科2018/04/23

 去る3月12日、13日に五稜郭タワーが緑色にライトアップされました。
これは、緑内障週間の啓発活動の一環ですが、ご覧になった方も多いでしょう。
緑内障は40歳以上の方の5・8%(17人に1人)に認められる病気です。
そのパーセンテージも年齢が上がるに連れて増加していきます。
70歳代ならば実に13%(8人に1人)の方が緑内障になってしまいます。

 さて、それでは緑内障という病気はどんな病気なのでしょうか?

 カメラのフィルムにあたる網膜には、一面に視神経繊維が張り巡らされています。
その視神経繊維が、太い1本の束・視神経となって脳へ向かうところを、視神経乳頭といいます。
緑内障は、この視神経乳頭にへこみができ=乳頭陥凹(にゅうとうかんおう)、正常に機能する視神経が減少する病気です。
一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。
病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり=視野欠損、最悪のケースでは、光を失うことになります。

 視神経が痛められる大きな原因は、眼圧が高過ぎる状態「高眼圧」です。
高眼圧は、空気を無理につめてパンパンに固くなったボールのようなものです。
しかし、眼圧が正常でも、視神経乳頭が陥凹することもあります。
それは高齢者の場合、視神経乳頭の構造が相対的に弱くなるためです。

 緑内障治療のキーポイントは、早期発見です。
40歳を過ぎたらできるだけ眼底検査を受けるようにしましょう。
緑内障は早期発見と適切な治療により、多くのケースでは、一生十分な視野・視力を保つことができるようになっています。
緑内障は一旦視野の異常が起きたら後戻りはできないのです。
眼圧コントロールの必要性をよく理解し、欠かさずに通院しましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2018年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

息苦しさについて

内科2017/05/30

 階段を登ったとき、坂道を歩いたとき、平坦な道を歩いている時に息が切れていませんか?もし皆さんの中に、息切れで同年代の人と同じように歩けない方がいたら、病気が隠れているのかもしれません。今回は肺が原因の息切れの中で最も多い「慢性閉塞性肺疾患」についてお話しします。

 「肺気腫」と「慢性気管支炎」を合わせて慢性閉塞性肺疾患と言います。「気管支ぜんそく」も含みますが、病態が少し違うので一般的には区別されています。慢性閉塞性肺疾患では、息吸った後「吐く」ことが上手くできず、吐き始めの吐く量が正常な人と比べ少ないのが特徴です。息が吐けないと、肺の中に空気がたっぷり存在していても、とても苦しいのです。試しに、息を吸ったところで止めてみて下さい。そのまま少しだけ吐いて、また吸う。ずっとそのまま小さな呼吸でいると、とても苦しいですよね。その状態で坂を登ろうにも、苦しくて登れないと思います。こ
れが慢性閉塞性肺疾患の方の呼吸状態のイメージです。実際には肺自体の機能も低下していて痰もあるので、もっと苦しいと思います。

 慢性閉塞性肺疾患の肺では、両肺あわせて3億あるともいわれる直径0.2ミリ程の「肺胞」という臓器の一部が破壊されています。また、肺胞に空気を送り込んでいる気管支(空気が通るホース)の内側表面の粘膜に、常に炎症が起こり、粘膜が腫れて分泌物が出ますので、痰が発生し、気管支内腔径が細くなります。

 日本には40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者さんが存在すると推定され、死亡原因の9位、男性に限ると7位を占めています。 主たる原因は長期にわたる喫煙であり、喫煙者の15〜
20%が慢性閉塞性肺疾患を発症します。治療によっても元に戻ることはありませんが、呼吸苦を軽減する薬剤が開発されており、年々改良されています。


Text by 桐花通り呼吸器内科 髙橋 隆二(  「函楽」掲載)

歯を白く保つために気をつけること

歯科2016/07/19

①ステイン沈着予防、除去効果のある歯磨剤(しまざい)を使用する。

②炭酸飲料や酸性の食品の過剰な摂取は注意。

③着色しやすい飲食物(コーヒー、紅茶、お茶、カレー、トマトソース、チョコレート、赤ワイン、合成着色料を使用した食品、キムチ、色の濃い果物)の摂取後は早めにブラッシングする。

④洗口剤に含まれるポピドンヨードやグルコン酸クロルヘキシジンは沈着しやすいので表記をみるようにしてから購入する。

⑤口腔(こうくう)内の乾燥は色が沈着しやすいので、唾液が出づらい方は歯科医師に相談する。

⑥歯科医院にて定期的に歯のクリーニングを行う。

上記の注意点を行っても、歯の黄ばみや色が気になる方は、ホワイトニングを行える歯科医院に相談してみて下さい。


Text by にしかわ歯科本通りクリニック 西川 卓志( 2016年7月19日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

コンタクトレンズ(CL)は高度管理医療機器!

眼科2009/07/02

 現在CL装用人口は2000万人を超え、近視だけでなく、遠視・乱視・老視用と種類が豊富になった為、全ての年齢層で増加しています。
一方、インターネット購入や無認可カラーCLの購入などにより重症な角膜障害も増加しています。
眼鏡との大きな違いは、直接目に触れるということで、しかもCLはペースメーカーと同じ高度管理医療機器なのです。
ペースメーカー手術を受ける時、知識のあるベテラン医師のもとに行きますが、CLも同様に角膜の形や大きさ、度数を考えて自分に合う物を医師に選んでもらうべきです。
CLを水道水で洗うとか、唾液をつけて目の中に入れるなど自己流の取り扱い方はもってのほかです。
角膜障害はとても痛いものです!

 痛い目に合わない様に正しい取り扱い方を守り、医師のもとで処方してもらうように心がけましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子(  「」掲載)

季節性アレルギー性結膜炎ってなに?

眼科2010/04/19

 季節性アレルギー性結膜炎(SAC)の人には毎年決まった季節に目のかゆみ、涙などの症状が出現します。

 SACの大部分は花粉性であり約70%に鼻炎症状が見られます。
治療で重要な事は原因物質(アレルゲン)に近づかないことです。
外出時にマスクや眼鏡を装用したり帰宅時に衣服についたアレルゲンをよく落とすことも大切です。

 治療は、抗アレルギー薬の処方が主体ですが、症状が強い場合にはステロイド点眼薬を使用することもあります。
ステロイド点眼薬は副作用もあり眼科医の指導の下に使用する事が必要です。
SAC症状が現れる2週間前から点眼治療を開始する治療法(初期療法)で、症状の発生率が抑えられる事が知られており現在は、この治療法が普及してきています。

 毎年、同じ時期に同じ悩みを抱える方は一度、眼科で相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 江口眼科病院 外山 琢( 2010年4月19日 「みなみ風」掲載)

医療被曝(ひばく)について

その他2008/08/13

 先日、日本では診断用X線によってガンが3・2%増える可能性があるという論文が発表され、様々なメディアで報道されました。要するに、被曝するとガンが増える。これは広島、長崎、チェルノブイリなどからも明らかで、日本ではX線やCTスキャンでの検査数が世界でも飛び抜けて多いので、ガンが増えるでしょう、ということのようです。我が国ではメディア報道に過剰な反応をすることがしばしばあるので、もし患者さんが治療方針決定に必要なX線検査にまで同意してもらえなかったらどうしよう、と思っていましたが、特にそのようなことはありませんでした。

 放射線の影響には、ある線量以上照射されなければ起きないもの(確定的影響と言い、皮膚炎、不妊、白内障などがあります)と、照射される線量に比例して発生確率が増すもの(確率的影響と言い、放射線誘発ガンがあります)があり、確定的影響についてはわかっていて、最も軽い初期紅斑(皮膚がほんのり紅くなること)でも胸のレントゲン写真で連続六千回以上、CTでも連続百回以上とらなければ起こりません(おそらく機械が先に壊れるでしょう)。最初にあげた論文は確率的影響について研究されたもので、それについては残念ながら詳細はわかっていません。しかし、皆さんが受けられるX線検査は病気の早期発見と適切な治療のために必要なもので、例えば1センチの肺ガンはX線検査でなければ発見不可能で、打診聴診触診ではまずわかりません。このように被曝というリスクを払っても治療のために得られる利益が多いという判断のもとに検査は行われているのです。ですが、いくら利益が勝るからといって、被曝線量軽減への努力は怠ってはならず、医療機関のみならず医療機器メーカーも一体となって、質を落とさず線量を落とす工夫をしています。

 皆さん、どうぞ主治医の先生を信じて今後もX線検査を受けていただきたいと思います。


Text by 望ヶ丘医院 田中 慈雄(  「」掲載)

内視鏡とAI

内科2022/08/31

最近AI(エーアイ)という単語を耳にする機会が増えています。AIとは「人工知能」の略称でコンピューターが人間に代わって思考や判断をするもので、多様な分野でその応用が始まっています。

将棋の名人とAIの対局なども話題になりましたが、医療分野も例外ではありません。AIはすでにレントゲンやCTなどの画像を的確に診断できるようになっており、レントゲンではすでに製品化され導入している医療機関もあります。

そして今、胃や大腸の内視鏡検査の世界にもAI導入の波が来ています。 内視鏡検査では進行がんのような大きな病変はあまり診断に苦労しませんが、早期がんの場合はサイズが小さい上に一つ一つ顔つきも違い、さらに周囲の正常部分との境界が分かりずらいことも珍しくないため、専門医でも発見や診断が困難な場合があります。

それは例えるなら複雑な模様が描かれた絵の中から特別な形を見つけ出す作業であり、長年の経験が必要となります。 人間では膨大な時間を要する多数の症例の画像をAIは効率よく短時間で学習し、診断能力を身につけます。そして検査の時にはモニター画面の画像をAIが分析し医師の診断を補完します。

具体的には1.異常病変の発見、2.発見した病変が良性か悪性かの判定、3.病変の範囲の判定、をリアルタイムに支援することでより早く正確な診断が可能となるため、結果的には患者さんの負担軽減につながっていきます。

学術の世界でも内視鏡検査におけるAIの有用性を報告する論文がすでに多数出ており、その評価は高まってきています。大腸の内視鏡ではすでに製品化が始まっており、胃の製品などは間もなく実現する見通しです。

今後内視鏡のAIが普及していけば、よりすばやく的確にがんを発見・診断できるようになるものと期待されます。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2022年8月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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