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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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妊娠すると虫歯になりやすい?

歯科2008/08/13

 妊娠すると歯が悪くなるという話があります。胎児が母親の栄養(カルシウム)を取り入れることが原因といわれていますが、本当でしょうか?

 実際は何の因果関係も無いのが事実です。では本当の原因は――

  1. つわりなどにより歯磨きなどの衛生管理が不十分になること
  2. ホルモンのバランスが崩れて母体が虚弱化してしまう

 これらこそが虫歯や歯周病を発症させる原因なのです。歯科疾患はいったん発症すると自覚症状が出るまで一定期間かかるため、多くは出産後に気づき錯覚するのでしょう。

 これを防ぐためには日ごろから定期的に歯科医院を訪れることです。まめに定期健診を受けていれば治療が必要となった場合でも期間は短くて済みます。妊娠中の歯科疾患は胎児に影響を及ぼす場合もありますので、かかりつけの歯医者さんに相談してみて下さい。


Text by かも歯科クリニック 加茂 勝巳(  「」掲載)

血液透析治療と水との関係

泌尿器科2008/08/13

 最近コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で、多種多様なミネラルウォーターが販売されているのを目にし、水に対する関心の高さがうかがえます。私たちが行っている血液透析治療も水がとても重要な役割をはたしていることをご存知でしょうか。

 血液透析というのは、腎臓の働きが悪くなってしまった時に、腎臓の役目を果たす治療法ですが、具体的には、老廃物のたまった血液を身体の外に取り出し、透析器(ダイアライザー)の中できれいにして、再び身体に戻すという治療です。この老廃物を血液から取り除くために、ダイアライザーという小さな孔がたくさんあいた特殊な膜を介して血液と水(透析液)が逆方向に流れることによって、色々な老廃物を血液から取り除いて血液をきれいにします。そのため、透析治療では透析液がたくさん必要となります。

 透析液は、各透析施設の中で、水道水を原料として作られていますが、浄化をする前は、鉄分やカルシウム・マグネシウムなどのミネラル、塩素、また細菌や細菌が壊れてバラバラになる際に出てくる毒素(エンドトキシンと呼ばれています)なども入っています。これらの不純物を取り除いて、きれいな透析液を作ることが必要となります。最近は特に透析液の水質が注目されています。なぜなら、透析液と血液とは直接まざりあうわけではないのですが、本来の目的の血液から透析液へ老廃物が移行するだけではなく、逆に透析液からエンドトキシンなどが血液に移行してしまうこともあるからです。

 エンドトキシンが含まれていないきれいな透析液で透析をすると短期的には貧血を改善したり、血圧の低下や発熱などが少なくなり、シャント(手術によって動脈と静脈をつなぎ、動脈から直接静脈に血液を流すこと)の閉塞が減るなどの報告もされていますし、長期的には動脈硬化や透析アミロイドーシスなどの合併症の発症に対しての抑制効果が期待できます。もちろん、透析液の水質管理以外にも、透析治療には必要なことがたくさんありますが、きれいな水(透析液)が、「より良い透析ライフ」に直結していくものと考えています。


Text by 北美原クリニック 秋濱寿賀子(  「」掲載)

メガネを作る時は、先に眼科受診を!!

眼科2015/11/30

 ひとくちにメガネと言っても、遠用なのか、近用なのか、遠近両用なのか、度数決定の際にどこを見たくてメガネが必要なのか、が、とても重要です。
日々の診察で、使用中のメガネが見づらいとおっしゃる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
例えば、パークゴルフをする方で遠くと4~5m先にあるカップが見たいのに、遠近両用の近く部分が30cmにピントが合うようなメガネでは見えるはずがありません。
また、車の運転はしないので、テレビなど家の中の物が見えて、新聞が読めればいいという方には中近両用メガネがよさそうです。
それなのに、はるか遠くがバッチリ見える強すぎる遠近両用メガネをかけているせいで、頭痛・肩こり・眼痛、しまいには、めまい・吐き気などの眼精疲労(疲れ目)の症状を起こしていることも大変多いのです。

 ご自分では、十分見えていると思っていても、眼科の診察を受けることによって、60歳を過ぎると多くの方に出てくる加齢性の白内障や失明原因疾患の緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症などを早期に発見することができます。
ですから、メガネを作る時には、まずは眼科で視力検査やその他の検査をして目の病気がない事を確認してから、眼鏡処方箋を眼科医に書いてもらい、眼鏡店に行くのがいちばん安心な方法と言えます。
眼鏡処方箋の発行に別料金は発生しませんので、お気軽に申し出て下さい。

 近年のパソコンやスマホの普及により、画面に使用されているLEDが放つブルーライトが直接網膜に到達してしまうことで、目に障害を引き起こすことも分かっています。
メガネを作る時には、ブルーライトカットのレンズを選ぶのもよいでしょう。

 眼科医が、患者さんの年齢・職業と、その方にとって見たい距離はどこなのかを考慮して、心地よい見え方のメガネを処方するためには、患者さんも遠慮なくどういう目的のメガネを希望しているのかを伝えましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2015年11月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

痛みやシビレとの付き合い方について

脳神経外科2021/12/22

 この原稿を書いているとき、丁度、東京パラリンピックが閉会しました。日本での開催なので、時差がないため、色々な種目をテレビ観戦できて、大変感動しました。

 “失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ。”

これは、パラリンピックの創始者とされるグットマン博士の言葉ですが、今まで、この言葉は知りませんでしたが、神経の病気で機能を失った患者さん達を診てきた私も、同様の言葉を患者さん達に掛けてきました。

 さて、手足が麻痺して動かせないことだけでなく、痛みやシビレがあることも、機能の喪失と考えられます。つまり、患者さん達は「痛みやシビレのために、○○が出来ない」と訴えます。治療に関わる人間は、様々な方法で、その痛みやシビレを取ろうとしますが、残念ながら、完全に痛みやシビレを取り除けることは多くありません。先日、ある鎮痛薬のパンフレットの言葉に目が留まりました。「痛みがなくなることを治療の目標にせず、痛みはあるけれど、○○ができることを目標にしましょう」というものでした。患者さん達の痛みを無くして欲しいという気持ちはよく分かります。でも、完全に症状が無くなることを目標にすると、得てして不満だけが残り、病気が悪化しているような気になってきます。私は最近、患者さん達に、「痛みやシビレがある」今の状況から、「痛みやシビレはあるけど、○○が出来るようになる」ことを目標にするようにお勧めしています。これはまさしくグットマン博士の言葉と相通ずるものがあるでしょう。

 病気で出来なくなった状態を嘆き悲しんでばかりいるのではなく、病気の症状を抱えたままでも、出来ることを増やす努力をしていくことが、充実した生活を送るのに役立つと考えるのですが、どうでしょうか。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2021年9月20日 「北海道新聞夕刊」掲載)

美容外科の肌の若返り治療の変遷

形成外科2008/08/29

 肌のハリを取り戻す若返り治療はシワ取りの手術(フェイスリフト)、コラーゲンやヒアルロン酸の注射、ボトックス注射、IPL(光治療)、RF(高周波)のフォトフェイシャルなど治療方法は年々変化しています。

 施術後であっても化粧ができて日常生活に支障がない方法が主流になってきましたが、持続期間が約6カ月であったり、たびたび治療を受ける必要があるため、効果が確かでかつ、効果持続期間が長いシワ取りの手術は今でも行われています。

 最近では自分の血液の白血球と血小板を利用した最新皮膚再生治療(セルリバイブ)が注目されています。血液中の各種の細胞成長因子を含んでいる血小板を濃縮して気になる部位に注入する方法で、今までにない自然なふくやかさを再現でき、顔の若返りには最適です。効果持続期間も2~3年と長いことが大きな特徴です。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二(  「」掲載)

お腹とストレス

内科2013/04/15

新年度が始まりました。学校や職場など、新しい環境でストレスを感じることもあるでしょう。
中には、お腹の調子が悪くなる人もいるかもしれません。
胃腸はストレスの影響を受けやすい器官です。
脳にある神経と同様の神経が腸にも分布しており、脳と腸の神経は自律神経を介して結びついているため、脳で感じたストレスが腸へ伝わり、腸の動きに異常を来すと考えられています。
腸に直接的な異常はないのに、腸の動きが過剰になったり、動きが悪くなることで、下痢したり便秘したり、お腹がすっきりしない、痛くなるなどの症状が出ます。
これを過敏性腸症候群といい、ストレスの関与がいわれています。
ただし、腸に炎症が起きて腹痛や下痢などを繰り返す病気もありますので、まずは病院できちんと診断を受けましょう。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2013年4月15日 「みなみ風」掲載)

マイコプラズマ肺炎

内科2012/09/18

 マイコプラズマ肺炎は健康な人もかかる肺炎です。
昨年7月から冬まで猛威をふるい今年はさらに勢いを増しており、8月下旬の時点で去年の1.5倍のペースで増えています。

 病原体は細菌より小さくウイルスより大きい微生物で患者さんの咳の飛沫(ひまつ)に濃厚に接触するとうつります。
このため家庭・職場・学校などで流行することがあります。
感染者全員が肺炎になるとは限らず気管支炎程度で治癒される方もいます。

 特徴的な症状は発熱・頑固な咳・倦怠感などです。
鼻水が出たり喉や耳が痛くなる方もいます。
合併症としてしばしば肝機能障害を認めます。
また、まれに心筋炎、中耳炎、髄膜炎、発疹、ギランバレー症候群(全身の力が入らなくなる神経疾患)を合併する方もいます。

 診断は症状・レントゲン・血液検査などで行います。
治療法は特定の抗生物質を使います。
発見が遅れると重症肺炎になる方もいます。
長引く風邪や咳がひどい時は早目に医療機関を受診してください。


Text by 金井内科クリニック 金井 晶子 医師( 2012年9月18日 「みなみ風」掲載)

訪問診療について

歯科2017/07/10

 歯の治療をしたくても通院が出来ないと悩んでいる方はいませんか?
そこで訪問診療について簡単にお話をしたいと思います。

 訪問診療は、病的理由等で独歩で通院不可能な方が利用可能な保険診療の制度です。
病院に入院加療中、施設に入所中はもちろん在宅療養中の方も利用可能です。
そこで、簡単なQ&Aを。

①Q.どんな治療が出来るの?
A.診療室とほぼ同じ治療が可能です。
②Q.費用は?
A.適応であれば保険診療となります。
③Q.介護保険がなければ診てもらえないの?
A.介護保険の有無は、関係ありません。
④Q.どうすれば診てもらえるの?
A.近くの歯科医院や歯科医師会に相談するか、介護保険の認定を受けている方は、ケアマネージャーさんに相談してみて下さい。

 よくかんで食べることは、とても大切なことです。


Text by 吉田歯科口腔外科 川村 兼央( Array 「北海道新聞みなみ風」掲載)

三大疾病(がん、脳卒中、心筋こうそく)の予防は難しい?

禁煙2009/04/20

 がんの予防法としてもっとも有効なことは、禁煙です。

 喫煙によってがんになる危険度が2倍から100倍に増え、禁煙により減ることがわかっています。いちど禁煙に失敗した方も、あきらめずに再挑戦し続けることが重要です。

 脳卒中(脳こうそく、脳出血)、心血管病(心筋こうそくや狭心症)の主な原因として、血管が硬く、詰まりやすく変化してしまう「動脈硬化」があります。動脈硬化は年齢とともに進むものですが、それをさらに早めてしまうのが悪玉コレステロール、高血圧、高血糖、それに喫煙です。

 健診で悪玉コレステロールや血圧が高いとわかった場合、症状がなくても時間を割いて内科・循環器科を受診しましょう。高血糖や尿糖を指摘された方は糖尿病になる前の境界型(予備群)の段階からの対処が必要です。食事と運動、病状によっては積極的にくすりを使いこれらの「危険因子」を排除することで、全身に起こる「血管の病気」をようやく予防することができるのです。


Text by あんざいクリニック 安斎 治一(  「」掲載)

認知症の早期発見、早期治療

脳神経外科2010/03/29

どんな病気も早く、軽いうちに治療する方がいいに決まっています。
ですが、最近、認知症を「早期に発見する」難しさを痛感しています。病気の診断には、まず医療機関で診察してもらう必要があります。
ところが、誰だって「認知症」と宣告されたくありません。
だから、患者さん本人も、その御家族もなかなか医療機関に行く決心はつきません。
症状の軽いうちは、本人は「何ともない」と思っているので(病気の自覚がなく)、家族に受診を勧められても拒否します。
家族は家族で、おかしいと思いながらも「年のせいだろう」と考えたりします。
結局、多くの場合、病院や診療所にやってきたときには病気は進んでしまっています。MRIをはじめとする画像検査など、認知症の診断方法も進歩しています。
また、ご存知でしょうが、認知症の中には「正常圧水頭症」のように手術で治るものもあります。アルツハイマー病を治す方法はまだ確立されていません。
昔は、医師でさえも「どうせ治せないのだから、病院にかかるのは無駄だ」と考える人が少なくありませんでした。
しかし、現在では、「根治」はできなくても、進行を遅らせる薬があります。
さらに、新しい薬が続々と承認申請されています。
ワクチンなども研究されています。
今は治せなくとも、数年先には全く新しい治療方法が出現する可能性も十分あります。
「進行を遅らせる」ことは無意味ではありません。治らないと諦めず、また、今は治せない病気だからこそ、早期発見早期治療が重要だと考えます。
是非、「怪しい」あるいは「不安」だと思った時には、医療機関にご相談いただきたいと思います。「上医治未病」。これは中国の古くからの言葉だそうです。
「上医」とは良いお医者さんの意味で、「良い医師は、病気になる前に治す」という意味と聞きました。
「上医」にはまだなれませんが、何とか出来るだけ早く病気を見つけて治したいと、日々考えています。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2010年3月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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