眼科医は何を診るか
眼科へ受診すると必ず、台に顎を乗せ、光を浴び目を診察を受けます。その診察中に眼科医が何を診ているかについてお話しします。
目は前眼部と後眼部に大きく分かれます。簡単にいうと目の表面と奥です。前眼部の診察は眼瞼(まぶた)、結膜(白目)、角膜(黒目)、虹彩(黒目の中にある茶目)を診ていきます。
「目が痛い」「目やにが出る」「充血する」「かゆい」「ゴロゴロ」などの原因はこの前眼部にあることがほとんどです。
次に後眼部の診察では、水晶体、硝子体、網膜、視神経を診ていきます。
それぞれ説明すると水晶体は年齢を重ねることでご存知の白内障を引き起こす部位です。また硝子体は目の中のゼリーのようなものです。そして網膜はカメラでいうフィルムにあたり物を見る部位で、最後に視神経は網膜で見た映像を脳に伝えます。
「見えにくい」「かすむ」「視野が欠ける」「何かが飛んで見える」などの症状はこの後眼部に原因があることも多いです。
前眼部は遮るものがないのでいつでも診察が可能ですが、後眼部に関してはそうはいきません。虹彩という茶目が遮り、後眼部は通常だと一部しか観察できません。
そのため後眼部の詳細な観察が必要と判断した場合は、茶目を一時的に開かせる目薬をし、後眼部の観察を詳しく行います。
ここで注意すべきことは、茶目が開いた状態だと目に入ってくる光の量が増し、元に戻るまでまぶしさを感じます。おおよそ5時間ほどで茶目は元通りに戻りますが、その間は少し見えにくくなるので車を運転することは危険です。
後眼部の症状がある方は車以外で受診するか、時間を空けて帰宅することをお勧めします。
今回は診察台での話をしましたが、眼科では他にも素晴らしい最新の検査機器も多々あるので、それらと共に皆さまの目をわれわれの目で診ていきます。