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赤ちゃんが欲しいご夫婦は《養生食(ようじょうしょく)》を大切にしましょう

産科婦人科2010/02/22

 晩婚化は年々進み初婚年齢の統計では30代で結婚した女性が36・5%を占めています(厚生労働省/平成20年度人口動態調査)。
女性の場合妊娠する力には年齢の壁があり、一般的に34歳を境に、妊娠成立の絶対条件である排卵をする力は低下します。
このため30代で結婚した女性、特に30代後半を迎えた子宝に恵まれないと悩んでいる女性は一日も早く不妊症の検査を受け自身の妊娠力を確かめ、必要であれば不妊治療を受けて欲しいものです。
体外受精・顕微授精などの生殖補助医療をはじめ不妊治療は非常に進歩しており、昔なら不可能だった夫婦にも、今日ならば赤ちゃんを授かる可能性があります。
しかし不妊治療をもってしても加齢に伴う妊娠力の低下を止めることは困難です。

 しかし、何も方法がないかというとそうではありません。
不妊症の臨床医として、私が大いに期待しているのが「養生食」のひとつである糖質栄養素です。
糖質栄養素の摂取(せっしゅ)は「糖鎖理論」をベースとする代替療法のひとつです。
糖鎖は核酸、タンパク質に次ぐ「第三の鎖」と言われ、タンパク質や脂質と結合することでさまざまな生命現象…受精、細胞の発生や分化、細胞の老化などに深く関与しています。
毎日の食事に糖質栄養素を加えることで生殖に関与する細胞群の活性化が図れるのでは…と期待されます。

 卵子や精子は生殖細胞です。
私たちの体を構成する細胞は発生、老化、アボトーシス(細胞死)を繰り返していますが、とくに卵子は他の細胞より早く老化します。
仮に卵子の老化を抑えることができれば、40代であっても自身の卵子による妊娠も夢ではありません。
そのためには細胞を傷つける活性酸素の過剰摂取を控えることが重要!
喫煙や飲酒、偏食による栄養バランスの乱れはいけません。

 西洋医学による治療と同時に家庭でできる養生食が妊娠力維持の大きな力になると考えます。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2010年2月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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