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どっさり・スッキリが基本です

内科2022/06/28

理想の排便は体外に排出すべき便を十分量かつ快適に排便できる状態と定義されています。
腹部膨満感や腹痛を訴え来院された方を診察した時「便秘はありません」と話されていたのに診察で大量のガスや便が腸内に貯留していることは少なくありません。 数日に1度もしくは毎日でもそれなりに排便があると便秘と自覚されてはいないようです。

排便の量が少なかったり残便感がある、コロコロ便、力まないと排便できないのは普通ではありません。
便秘や下痢が継続すると「過敏性腸症候群」を疑います。
運動不足やストレスにより腸の運動・機能障害をおこしお腹が張ったりゴロゴロしたり、また腸の粘膜が過敏となり痛みを伴うこともあります。 長期化するコロナ禍で発生頻度が増えている病気の1つです。

十分な睡眠、規則正しい食生活やストレスの解消の他、脂質やカフェイン、香辛料や飲酒を控えることはもちろんですが、最新の研究では「小腸で吸収されにくい糖質(FODMAP)の制限」も注目されています。 小麦、牛乳、玉ねぎ、りんご、大豆、ヨーグルト、とうもろこし、蜂蜜などです。

これらの食品は小腸で分解・吸収されにくく大腸で異常発酵しガスを発生させることで過敏性腸症候群の症状を悪化させる可能性があります。一般的にお腹に良いとされている食品も含まれていますが、意外にも自分の体質に合わないこともありこれらを食べ過ぎた時に調子が悪くなることがあれば摂取量を控えて様子を見ることも大切です。 便秘や下痢になる命にかかわる病気はやはり大腸がんです。
女性が亡くなる最も多いがんは大腸がんです。

恥ずかしかったり苦痛を伴う不安から大腸カメラを避けている方も多いですが、自宅で下剤を飲むことができたり検査着の改良、鎮静・鎮痛剤の使用、女性医師による検査も増えており以前より苦痛は改善されています。 早期に発見されれば内視鏡の治療で完治できますので40歳を過ぎたら大腸がんの検査(便潜血検査・大腸カメラ)をお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2022年6月20日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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