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胃カメラのお話

消化器内科2022/04/25

 皆さんは胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査を受けたことがありますか?“苦しかった、こんな検査もう受けたくない”と思った方はいませんか?

 実は近年の技術の進歩により”胃カメラ“は大きく変わってきています。胃カメラは経鼻内視鏡(直径5.4ミリ)と経口内視鏡(直径9.9

ミリ)があります。以前は経鼻内視鏡の画質が悪いといった欠点がありましたが、今は経口内視鏡と変わりません。咽頭反射が起きにくく、内視鏡が細いことからより楽に検査を受けられます。したがって鎮静をしないで(咽頭の局所麻酔だけ行い、起きた状態で)検査を受ける場合は「経鼻内視鏡」をお勧めします。

 起きた状態での検査が怖い方は、鎮静下で(麻酔薬を用いて、眠った状態で)の検査がいいでしょう。その際は拡大観察機能や送水機能がついている利点があることから「経口内視鏡」をお勧めします。

 平均5分間の検査ですが、検査の質は施行医の腕によって大きく変わります。ここからはとっておきのお話です。

 僕は質の高い胃カメラ検査とは①患者さんに楽に検査を受けていただくこと、②胃がんを発見することのみではなく、そのリスク因子となる背景胃粘膜(ピロリ菌胃炎、自己免疫性胃炎、好酸球性胃炎など)を適切に診断することの2点であると考えています。特に②が施行医により”違いがでる“ところです。各部位の写真を撮影しながら、ピロリ菌感染状態(現感染、既感染、未感染)を評価し、胃がんの発生リスクが高いと判断した場合は通常光観察に加え、画像強調観察を併用して入念に観察する必要があります。一連の作業を短時間で行うためには高い知識と技術が要求されることから”違いがでる“ことがおわかりいただけたと思います。

 当院で質の高い胃カメラ検査をご希望の際はいつでもご相談ください。


Text by 国立病院機構 函館病院 久保公利消化器科部長( 2022年4月18日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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