長引く咳やのどの違和感、繰り返す胸痛、それは胃酸が原因かも
食べ物を消化するために胃から分必される胃酸は、PH1.0~1.5で、食べ物を消化・殺菌するために強力な酸性を保っています。
その強力な酸から胃の粘膜を保護するために、胃からは粘液が分泌され、わずか1mlに満たない量で胃を守っています。
胸やけは、胃酸が食道に逆流することで食道に炎症を起こす逆流性食道炎が原因です。
本来は、食事の時以外は、食道括約筋が胃の入り口を締め付けているので胃酸が食道に逆流することはありませんが、食事や生活習慣、また、食道括約筋が緩んでしまうことが原善薬などで改善しますが、非びらん性食道炎には、抗不安薬や抗うつ剤睡眠薬なども効果がある場合があります。
また、内服で効果がみられない方、食道括約筋が既に緩んでいたり、食道裂肛ヘルニアを伴っている場合は、「腹腔鏡下噴門形成術」といって、胃と食道の間の食道括約筋を補強するために胃の上の部分を引っ張り上げ、胃に巻き付ける手術を行うことがあり、約1週間ほどの入院治療になります。
重症な逆流性食道炎の方は、バレット食道から食道がん(腺がん)へ移行するケースが増加しており、手術は、食道がんのリスクを軽減するというメリットもあります。
また、逆流性食道炎の主な症状は胸やけですが、すっぱい物がこみ上げてくる呑酸やのどの違和感、声がれ、しゃっくり、長引く咳、心筋梗塞や狭心症のような胸が締め付けられるような胸痛を訴える方もいます。
これから年末年始で、食べ過ぎの機会も増える時期ですので、逆流性食道炎を疑われる症状のある方は、自分に合った治療法を消化器専門医に相談してみてはいかがでしょうか。