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腹八分とはよく言ったもの

内科2021/12/22

 最近健康診断で肝機能障害はありませんでしたか?

 自粛による巣ごもり、なんとなく運動も控えがち、いわゆるコロナ太りの患者さんが目立っています。アルコールを飲まなくても、肝機能障害は起こります。いわゆる脂肪肝です。

 この脂肪肝には、最近、曲者がいます。全く症状がなく、徐々に進行して、気が付いた時には肝臓の終末状態になってしまう、非アルコール性脂肪肝炎「NASH」です。脂肪肝に、①肥満②2型糖尿病③下記代謝異常のうち2項目以上を合併する場合(ウエスト周囲罫の増大~男性90センチ

女性80センチ以上・高血圧症・高中性脂肪血症・低HDLコレステロール血症・耐糖能障害いわゆる糖尿病予備軍・インスリン抵抗性・高感度CRP高値)をMAFD(metabolic dysfunction-associatedfattyliver disease)
代謝異常を合併する脂肪肝と呼ぶようになってきています。このMAFLDの方々が、NASHとなりやすいといわれています。あれ?でもこれって私かも?と思う方も多いと思います。いわゆる生活習慣病の重なっている状態です。治療も食事療法・運動療法によるダイエットが基本となります。運動療法は、消費カロリーの多いランニング等の有酸素運動が勧められていましたが、最近では、筋トレ等のレジスタンス運動も、同様に効果的であることがわかってきました。運動内容にかかわらず、脂肪肝の改善効果は、運動の実施時間に比例していることが報告されています。体重減少の効果は、7%の体重減少で肝臓の組織についた脂肪が取れてきます。10%の減量では、肝臓が固くなる線維化という現象が改善してきます。食事療法は、カロリー制限が重要であり、内容も炭水化物50%脂質20~25%に制限することが推奨されています。医食同源・腹八分とは、よく言ったものです。難しく考えず、脂っこいものを少なくして腹八分の食事を目指しましょう。残り物が出た場合、もったないといって食べずに、冷凍・冷蔵保存、もしくは、食べない努力を!フードロスの観点からは、食材を残さないで済む買い物をしましょう。


Text by はら内科クリニック 院長 原 信彦( 2021年11月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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