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第2の心臓と夜間頻尿の関係

泌尿器科2021/12/15

人の体には第2の心臓と呼ばれる部位があります。それはふくらはぎ。

体の中を流れる血液は、心臓のポンプの力で全身に送り届けられます。しかし、心臓から遠い下半身ではその力もおよばず、ここでは第2の心臓であるふくらはぎの収縮力が活躍します。この働きが弱い人やふくらはぎをあまり動かさない人では、下半身の循環が悪くなり足がむくみやすくなります。

夜間頻尿の原因として最も多く見られるものに夜間多尿症があります。日中に十分な尿を作ることができず夜間の尿量が増える病態です。第2の心臓が十分働かず摂取した水分が下半身にたまり日中は尿を作らず、夜になり寝るとたまった水分が上半身へ戻り今度は尿を多く作ってしまいます。

第2の心臓ケアで夜間頻尿の対策

薬局で市販されている弾性ストッキングを朝起きてから夕方まで履き続ける。圧迫の効果で下肢に水分がたまりにくくなり夜間頻尿対策となります。

足を高くして横になる。足の下に柔らかいものを敷き足先が10~15cmくらい上がるようにして寝転がる。夕方に30分くらいが目安。睡眠リズムを崩さぬよう、この時は眠らないこと。

塩分を取り過ぎないようにする。塩分は水分を引き寄せることでむくみを悪化させます。

自宅でできる簡単な体操、カーフレイズ。踵を上げ下げする運動です。どこか安定したところにつかまり立ったままゆっくり踵を上げ下げします。1分間に20~30回くらいのリズムで、はじめは短い時間から始めてみましょう。立って行うのが難しい方は椅子に座ったまま行っても効果があります。

下肢のむくみや頻尿は、第2の心臓と関連のないものもあります。持病のある方や症状が改善しない場合は、主治医やかかりつけ医に相談して下さい。


Text by たんだ泌尿器科 田崎 雅敬( 2021年7月19日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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