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新型コロナウイルスワクチン

内科2021/06/03

 いよいよ日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まろうとしています(2月10日現在)。接種するか迷われる方もいらっしゃると思いますが、異例のスピードで開発されたワクチンだけに判断材料となるデータが少ないのはやむをえないところです。

 日本国内のメーカーもワクチン開発を急いでいますが、最初に使用されるのは米国ファイザー社の製品になりそうです。海外データでは有効率は95%(かかる人が20分の1に減ったという意味です)と高く期待がもてますが、一方で気になるのは副反応です。軽微なものが多い中で、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応は接種直後に蕁麻疹(じんましん)やのどのつまり感などの症状を発現し、さらに重症例では血圧低下・意識障害などをきたします。他のワクチン接種においても100万回に1回程度の発症があるとされてきましたが、今回のワクチンは100万回あたり5例にみられたと1月下旬に報告されています。当面は接種後15分から30分間ほど接種会場での経過観察が推奨されることになります。また日本人における正確な有効性や副反応の頻度は今後の大規模な接種例の蓄積によって初めて明らかになるでしょう。

 2月上旬の北海道の1週間あたりの新規感染者数は人口100万人あたり約120人です。感染者が他の人に感染させるのは2割くらいまでとされており、そのような感染者と出会う確率は数万人に1人くらいとなります。そのため感染した場合の死亡率が高い高齢者については、ワクチンを接種するリスクよりしないリスクの方が高いのではという意見もあります。

 改正予防接種法ではワクチン接種は国民の「努力義務」と位置付けられていますが、原則として接種を受けるのは任意となっています。私たちは、ワクチンのメリットとリスクを天秤(てんびん)にかけて判断しないといけません。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2021年2月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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