変形性膝関節症の痛み
歩く時に膝に強い痛みを感じ、正座が困難となり、「O脚」となってはいませんか。
この症状は女性に多く見られ、膝の内側の軟骨とパッキングである半月板が擦り減ったために、強い痛みが生じるもので「変形性膝関節症」といわれます。予防は、体重を増やさないための食生活の改善と、体重に見合った下肢の筋力を維持する必要があります。
エレベーターや車を使わずできるだけ歩いたり、週2・3回の軽い運動(ウォーキングなど)を行い、椅子に座りながら膝を伸ばす「四頭筋体操(しとうきんたいそう)」といわれる大腿(たい)前面の四頭筋の増強運動が有効です。
治療には、鎮痛剤や理学療法、関節注射、人工関節などの手術が行われますが、お勧めしたいのは「外側楔足底板(がいそくくさびそくていばん)」の装着。装具は膝の内側の負担を軽減するもので、日常の装着でも違和感が少なく、使用感も悪いものではありません。
膝の痛みの改善に大いに役立ちますのでご相談ください。
病診連携を密に地域の頼れる存在を目指す。神経ブロックなど痛みの治療にも尽力。
深堀町電停すぐそば2010年4月に開院した「たき整形外科クリニック」。
滝健児院長は、長年にわたって総合病院での診療にあたってきたが、「患者さん一人ひとりとのコミュニケーションを充実させ、より密度の濃い医療を提供したい」と、地域住民が気軽に利用できるクリニックを目指している。 専門の腰や膝はもとより整形外科全般における診断と、日常生活指導や物理療法など保存治療に重点を置き、症状の改善に努める。
また麻酔科医としての経験から、神経ブロックを中心とした“痛みの治療”にも力を入れ、ペインクリニックとしての役割も担う。
手術が必要な場合には、患者の要望や症状に応じて函館中央病院ほか市内各総合病院と密接な連携が図られ、安心の体制が整っている。 院内はデジタルレントゲン、MRI、骨密度測定器ほか、画像ファイリングシステムや電子カルテも導入され、病院レベルの医療機器を完備。
待ち時間の短縮や診療の迅速化、モニター画像を見ながらの分かりやすい説明など、患者にとって満足度の高い医療を提供する。
待合室には、下肢に疾患のある患者やお年寄りが足を伸ばしてくつろげるよう約10畳の小上がりが設置されるなど、細やかな配慮も施されている。「体の痛みなど、困ったときの窓口として気軽にご相談ください」と話す。
口の外傷 ー歯が折れたり、抜けたらー
幼児がハイハイを卒業し、つかまり立ちを始めるのを見ると我が子の成長を実感するものです。
しかし疲れを知らずに自由に走り回るようになると、頭をぶつけたり、膝を擦りむいたりと怪我が多くなります。
そして、顔をぶつけたときに唇を切ったり、歯を折ったり(破折)、歯が抜けたり(脱臼)と口の中にも外傷が見られます。
産まれたての乳児の歯が無い時期から半年くらい経ちますと、下の真ん中の前歯が最初に萌出し、その後1歳までに上下合わせて8本の前歯の乳歯が萌出します。
受傷年齢は1〜3歳が1番多く、前歯の乳歯の萌出した後に転びやすい時期が重なって外傷が多くなりやすいと思われます。
また、前歯が生えかわり、7〜8歳頃にも前歯の永久歯に外傷を受け来院されるケースも多く見られます。
外傷を受けた場合、原因となった事故により頭部、顎顔面等への外傷や全身状態への影響を疑われる場合は、まず医師による緊急処置を優先します。
そして顎の骨折の治療の必要があれば口腔外科などで治療を行います。
そういった緊急性がなく歯の処置を行って差し支えない場合は、損傷を受けた歯の治療をすみやかに受ける必要があります。
歯が抜けた場合は、速やかに抜けた歯を牛乳(ロングライフミルクや低脂肪乳を除く)、生理食塩水等に入れるか、歯茎と唇や頬の間に入れて歯科医院に来院するのがいいと思われます。
その抜けた歯は条件が良ければ再植(歯を顎の中に戻す)し、その後も歯は機能し続ける可能性がありますので、速やかに来院されるのが良いでしょう。
欠けた歯は、これも条件が良ければそれを接着剤で戻すことが可能です。
いずれにせよ、その場合は歯が欠けて神経が露出しているケースもありますので、早期の歯科医院への来院が必要となります。
目の現代病『加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)』
こんな風に見えてませんか?
加齢黄斑変性の症状は、視野の中央がよく見えない、歪む、暗く見えるなどです。
最初は片方の眼に起きて程度も軽いために、見過ごしていることも少なくありません。
しかし徐々に、病型によっては急速に視力が低下してしまいます。
通常、中心以外の視野は保たれ全く光を失ってしまうことはありませんが、見たいところが見えず読みたい文字が読めないというとても不便な状態になってしまいます。
欧米では中途失明原因のトップが加齢黄斑変性です。
日本でも高齢化や生活様式の変化などのためか、この病気が急増しています。
患者さんのほとんどは六十歳以上で喫煙者、男性に多いという特徴があります。
網膜のなかで一番重要なのは黄斑
黄斑とは網膜の中央にある物を見るために一番重要な部分です。
ものの形、大きさ、色、立体性、距離などの光の情報の大半を識別しています。
どうすれば早期に発見できますか?
格子状の表を使い片目で見る習慣をつけるのが一番簡単な方法です。
字が読みにくい、見る中心が暗くなる、細かい線が歪んで見えるという症状に注意しましょう。
加齢黄斑変性の種類は?加齢黄斑変性には二つのタイプがあり、視力の経過や治療手段が異なります。
1.萎縮(いしゅく)型
黄斑の組織が加齢とともに萎縮してくるもので、加齢黄斑変性の多くはこのタイプです。症状の進行はゆっくりです。
2.滲出(しんしゅつ)型
黄斑を中心に出血と滲出物がみられます。萎縮型よりも進行が早く、異常な血管の成長とそこからの出血や滲出物により症状が悪化していきます。
どのような治療法がありますか?
病気の進行度や重症度、また病型によって治療法はいくつかあります。
滲出型に対しては血管の異常な働きを抑える薬剤を注射する「薬物療法」、光に反応する薬剤を投与しレーザーを病変部に照射する「光線力学療法」などがあります。
詳しくは眼科医におたずねください。
大腸がん死は大腸内視鏡検査で予防しよう
男性131.8、女性136.2は、函館市における大腸がんの標準化死亡比です。
標準化死亡比とは全国平均を100として、年齢を調整した各地域の大腸がん死の割合を示しています。
すなわち、函館市民は大腸がんで死亡する人が全国平均より30%以上多いことになります。
これは道内都市の中でも突出して高く、札幌市は男性109.4、女性108.0です。
最も高い都道府県は、男性は青森県で127.6、女性は岩手県で117.3ですが、函館市はそれも大きく上回っています。
これは函館市民には大変由々しき問題です。
わが国の大腸がんによる死亡者数は年間約5万人に達し、毎年増加しております。
臓器別では女性で第1位、男性では肺がん、胃がんに次いで第3位です。
全国レベルで予防に取り組む必要がありますが、とりわけ函館市民には重要です。
大腸がん死の予防法は、便潜血反応を使った大腸がん検診を毎年受けること、大腸内視鏡で大腸ポリープをすべて切除することです。
大腸がん検診が大腸がん死を約60~80%減らすという成績があります。
また、米国での大規模研究で、大腸内視鏡で大腸ポリープをすべて切除して20年間追跡すると、大腸がん死が約50%低下することが明らかにされました。
わが国でも同様な成績があります。
大腸がんは早期に発見すれば治すことができ、助けることができる癌です。
そのため自覚症状がなくても40歳になれば、毎年大腸がん検診を受けることが重要です。
便潜血陽性の場合には、大腸内視鏡を必ず受けて、発見された腺腫性の大腸ポリープはすべて切除してもらうことです。
便潜血が陰性であっても、50歳までに1回は大腸内視鏡検査を受けて、小さい大腸ポリープでもすべて切除してもらうことです。
小さいポリープなら外来で焼灼なしのコールドポリペクトミーで切除できます。
大腸内視鏡検査に不安を持つ方には静脈麻酔薬で眠らせて行うこともできます。
函館市の大腸がん死を減らすために、できるだけ多くの方に大腸内視鏡検査を受けてもらいたいです。
ペットボトル症候群
糖尿病の急性合併症の一つに糖尿病ケトアシドーシスがあります。
ケトンという酸性の物質が体の中にたまって血液が通常より酸性(アシドーシス)になった状態で、嘔き気(はきけ)・嘔吐(おうと)や倦怠(けんたい)感が出たりします。
放置すると意識障害を起こし、命にかかわることもあります。
糖尿病の患者さんが糖分を含む清涼飲料やスポーツドリンクなどを大量に飲むと、血糖値が上昇するため喉の渇きが強まり、さらに清涼飲料を飲んで血糖値が上昇するという悪循環に陥ります。
その結果、著しい高血糖とケトアシドーシスを来します。
糖尿病の人はもちろんですが、糖尿病の自覚のない隠れ糖尿の人にも起こることがあり、この人達がペットボトル入りの清涼飲料をたくさん飲んでいたことからペットボトル症候群と名付けられました。
特に肥満の若年男性に多いといわれています。ご注意を!
我慢していませんか?(老眼について)
老眼の症状が出始める時期と、スポーツ選手の引退する時期が同じ位だと考えたことのある人はいるでしょうか?
例えば、野球なら昨年限りでメジャーを引退した松井秀喜が三十八歳、阪神を引退した金本知憲が四十四歳、サッカーで言えば中山雅史が四十五歳と個人差はあるものの、早ければ三十代後半から四十代で引退する選手が多くありませんか?
目も含め肉体的な運動能力が低下し、何らかの変化が出てくるのがこの時期だと考えて良いのではないでしょうか?
では、老眼はどうしてなるのか、また、どんなものなのか?
原因は加齢からくる様々な変化により、ピントを合わせる調節力が低下して近くのモノにピントが合わせにくくなった状態をいいます。
よく間違われるのが、近視は遠くが見えなくて遠視は近くが見えないといわれることが多いので、遠視を老眼という方もいるようですが、それは間違いで全くの別物です。
老眼の初期症状は、近くが見えないというより頭痛・肩こりといった眼精疲労の症状を訴える方が多いです。
特に視力が良く事務作業やパソコンを長時間使う仕事をされる方は早めにその症状に気付くことが多いはずです。
近視の人は老眼になるのが遅いとか、ならないとかいわれる場合もあるようですが、これも間違いでどんな方でも多少の時期の違いはあっても必ず老眼にはなるものだとご理解下さい。
では、最後に老眼になったらどうすれば良いのか?
生活や職場環境にもよりますが、見えなくはないが頭痛や肩こりなどがひどい場合は、早めに近く用の眼鏡の利用をお勧めいたします。
コンタクトレンズを使っている方は少し度数を落として合わせたり、遠近タイプのコンタクトを使ってみる方法もあります。
この場合眼鏡をかけるよりはっきり見えるとはいえませんが、最近は種類も増えていますので、体験など出来る施設で試してみるのも良いかもしれません。
決して治ることはありませんが、物を見るということを、スポーツ選手のように引退する訳にもいきませんので、それぞれのライフスタイルに合わせたアイテムを用いて、我慢することなく、上手く付き合っていきましょう。
C型肝炎の治療は新時代へ
肝臓病の原因は数多くありますが、B型肝炎・C型肝炎に代表されるウイルス性の慢性肝炎は特に気を付けなければならない病気です。
これらは主に輸血など血液を介して感染しますが、感染ルートが不明の場合も少なくありません。
この病気の怖いところは、感染後長年症状のないまま肝硬変や肝臓がんになっていくことです。
今から30年ほど前までは有効な治療法がなく、肝機能をできるだけ維持する治療を行うのが精一杯の時代が続きました。
1980年代にウイルスの排除(追い出すこと)を目的とするインターフェロン治療が始まりました。
しかしインターフェロンは長期間頻回の注射を必要とする上に副作用も多く、その上ウイルス排除の成功率も低かったため満足できる状況とは言えませんでした。
B型肝炎については2000年頃よりウイルスの増殖を抑える内服治療が登場し現在も多く使われていますが、C型肝炎の方はインターフェロンを必要とする時代が長く続きました。
しかし昨年その状況に風穴があくことになりました。
C型肝炎に対して副作用も少なくウイルス排除の成功率が85%から100%という内服治療薬が登場したのです。
インターフェロン時代の苦労を考えるとまさに夢のような数字といえます。
C型肝炎ウイルスにはいくつかの型があり、発売当初は日本人に最も多い1型に対する薬でしたが、今年に入って2型に対する治療薬も登場し日本のC型肝炎のウイルス型をほぼ網羅できるようになりました。
さらに治療期間も当初の6カ月間から3カ月間に短縮されつつあるなど、次々に新薬が登場しています。
C型肝炎はまさに治る時代に入ったといえるでしょう。
医療の進歩というよりメーカーの開発競争の成果としての側面も大きいわけですが、結果として多くの患者さんがその恩恵をうけ健康を取り戻せるようになります。
治療には国や道の医療費助成を受けることができますので、消化器病・肝臓病の専門医によく相談しましょう。
妊婦の救急搬送
先日奈良での妊婦の受け入れ拒否による、たらい回しがマスコミで取り上げられていました。
札幌や他の地域でもあったとの報道で、函館はと心配している妊婦さんもいらっしゃるかも知れません。
函館では、夜間の救急体制はしっかりしていて、今のところは受け入れを拒否された事例は起きていません。 夜間妊婦さんに、なにか異常が起きれば、診てもらっている産科に連絡、診察してそこで対応できない時は、対応できる病院に移送してくれます。 まだどこにも診てもらっていない方は、8.00p.mから0.00a.mの間は、毎日どこかの産婦人科が交代で対応、それ以後は救急指定の病院が診ています。 妊娠が疑われる時は、早く産婦人科を受診する事が大事です。 なぜこのような事が起きるのでしょう。 産科医の減少により分娩できる施設が減った。
そのため分娩が集中し、ベッドが空いていない、忙しくて手が回らないということだと思います。 函館でも周産期センターでは、産科医は月8回前後の当直をし当直あけも休まず日中の業務をこなし、32時間働いています。
未熟児センターも欠員が出て二人で頑張っています。 これらの先生方の頑張りで周産期救急医療がようやく成り立っている現状をどう打開していくのか。
浅いシミ、深いシミの治療アプローチ
シミには皮膚の浅いところにあるシミと深いところにあるシミとに分けられ治療方法が異なります。
治療方法を間違えるとかえって色素が濃くなりますので、注意深い診断と適切な治療が必要です。
浅いところの代表的シミには老人性色素斑、脂漏性角化症など、深いところのシミには肝斑などがあります。
シミの深さによって様々な治療法があり、かかる費用も様々です。大切なことは個々の治療方法について専門医と十分に相談したうえで、治療を受けていただくことです。
また、その補助的な方法として、ビタミン、アミノ酸、ミネラルをバランスよく摂っていただき、肌の栄養環境を整えることがキーポイントです。
例えば、栄養環境の悪い砂漠で、植物に光りを照射しても変化がないように、環境をオアシス化してから照射すれば、芽も葉も生えて来ます。
肌のためにはバランスのとれた食事と規則正しい生活が必要であることは言うまでもありませんが、サプリメントの摂取など、皮膚の栄養環境を整えるためビタミン、アミノ酸、ミネラルをより積極的に摂っていただくための方法もアドバイスできますので、医師にご相談ください。









