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気道過敏性とは…

内科2020/03/30

 喘息患者さんは、各々がアレルギーを引き起こす要因であるカビやハウスダスト、花粉以外の日常にあるさまざまな刺激にも敏感に反応し、咳や痰、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーすること)などの症状を引き起こします。例えば、線香の煙や冷たく乾いた空気、塩素系の化学物質、急激な運動などが知られています。このような気管支の反応性を、気道過敏性と言います。重症な喘息患者さんほどより敏感になっていて、ちょっとした弱い刺激でも喘息発作を引き起こす事があります。「気管支が弱い」と言われるのはこうした理由からです。

 気管支に炎症が起こり続けていると、より一層刺激に敏感になりますので、喘息治療においては「炎症を抑え続けること」が大切です。そのためには、症状が消失した後でも治ったと自己判断せずに、きちんと治療を続ける事が必要です。必ずしも「症状消失」イコール「炎症消失」ではないからです。気管支の炎症が治まったかどうかを、直接簡単に目で確認できればいいのですが、局所麻酔下に気管支内視鏡というカメラを使わなければ気管支の中を見る事ができず、咳や痰が出ている外来患者さんに気軽にできるものではありません。治ったと思って、薬をやめると気管支に残った炎症はいつまでたっても治まらず、くすぶった状態で留まります。これを繰り返すと、気道過敏性が増します。「以前はすぐに治ってたのに、今回はなかなか症状がよくならなくて…」と話されるのはこれが理由の一つのことがあります。

 肺機能検査を行うことで現在の気管支の状態をある程度把握することはできますので、気になる方は肺機能検査をしてみるのも一つの方法ではないかと考えます。また、喫煙によっても気管支には多かれ少なかれ炎症が引き起こされます。少しでも症状を軽くし、長引かせないためにも減煙・禁煙を心がけましょう。


Text by おの内科呼吸器内科クリニック 院長 小野 貴広( 2020年3月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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