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インプラントアンカー矯正

矯正歯科2010/01/25

 インプラントというと、歯のないところに埋め込む人工歯根を思い浮かべる方もいますが、「インプラントアンカー矯正」は矯正歯科治療において歯茎に小さなネジのような装置を埋め込み、この装置を抵抗源として矯正したい歯やあごを引っ張る治療法のことです。

 一般的な矯正歯科治療において治療が終り、装置をはずす瞬間は本当に患者さんには喜んでもらえます。
いつも「ゴムを二十四時間使ってください」「ヘッドギアは毎日使ってください」などと、患者さんに矯正歯科治療に協力してもらうため、嫌われそうになる言葉を一生懸命理解してもらえる様に来院ごとに伝えていますが、この患者さんの装置をはずした瞬間の喜ぶ笑顔が見られたときは、お互いに努力したんだなと私自身にとっても最高にうれしい瞬間です。
しかしそのままゴムを使ってくれないような協力的でない患者さんの場合は予定通り治療が進まず、長引いてしまうこともあります。
最悪の場合は治らないこともあるでしょう。

 近ごろでは、患者さんに大きな負担をかけることなく治療効果の上がるいろいろな治療法が考えられております。

 「インプラントアンカーシステム」もその一つの方法で、患者さんへの負担が小さい治療法です。
その上、いろいろな方向への歯の移動が今までよりも容易になる可能性があります。

 ゴムやヘッドギアなどの代わりに口の中に抵抗源となるインプラントアンカーを治療開始時に入れます。
歯を動かしたい方向に応じて挿入する場所も考慮し、動的治療終了時に撤去します。
この方法だと患者さんの協力がなくても、予定通りに歯が移動しやすくなります。
今のところ主に成人が対象で欠点ももちろんありますが、術者と患者さん双方にとって利点をもった治療法の一つです。

 この方法により矯正歯科治療の短期間化や以前は不可能であった左右非対称な歯の移動、患者さんの協力が得られない場合でも治療が可能となり、顔ぼうの改善を含めた患者さんの希望が、より得られやすくなります。
もちろん丁寧な歯磨きなどの協力は不可欠です。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

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