大丈夫ですか? 隠れ高血圧
50歳以上の日本人の「3人に1人は高血圧」といわれるこの時代。
実際には高血圧の診断を受け、降圧治療を行っている人は全体の57%にとどまり、また、治療を受けていてもそのおよそ半数は、高血圧の基準値の140/90mmHg未満にコントロールされていないとされています。
それを受け日本高血圧学会は、今年5年ぶりに高血圧の基準値を見直しました。75歳未満の成人は130/80mmHg未満を目標とするようにと10mmHg引き下げられました。日本高血圧学会によると、降圧目標を改定後の130/80mmHg未満に下げることにより脳卒中の発症リスクが22%、心筋梗塞や心不全といった心疾患の発症リスクが14%も下がることが明らかになったとしています。
まずは本来の自分の血圧を把握することが大切です。家庭血圧の測定は、朝と夜の2回測定します。朝は起床後1時間以内・朝食前・服薬前、夜は夕食前か就寝前がお勧めです。食事や飲酒、入浴後は通常の血圧よりも血圧が下がる傾向にあります。治療といっても、程度によっては、すぐに降圧剤の内服から開始するのではなく、生活習慣の改
善が重要です。運動療法は1日30分、週に4回程度のウオーキングがお勧めです。
食事療法は減塩が重要です。高血圧の方は、1日当たりの食塩摂取目標が6gです。WHO(世界保健機構)では、さらに厳しく1日5g未満に抑えることを推奨しているため、今後はさらに引き下げられる見込みです。現在、日本人の平均食塩摂取量は男性が11g、女性が9gといわれていますので、まだまだ頑張らなければいけません。
これから気温がますます下がり、忘年会新年会で外食も多く、また、運動不足にもなり高血圧には危険な時期です。
検診の時の血圧測定だけでは、隠れ高血圧は見つけられません。自宅で朝晩血圧測定し135/85mmHgを超えるようでしたら医療機関へ受診し適切なアドバイスを受けることが必要です。