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のどの違和感が続いていませんか?

消化器内科2010/01/25

 「風邪でもないのに、のどがつまる。違和感が続く」、それは「胃食道逆流症」かもしれません。

 「胃食道逆流症」は、欧米に多く日本では比較的少ないと考えられてきましたが、食事の欧米化・高齢化社会・診断の進歩等により日本でもこの病気に悩まされている人が急増していることがわかってきました。

 年末年始の多忙やストレス、食べすぎ・飲みすぎも原因の一つと言われています。

 症状が悪化すると、胸やけやげっぷ、声枯れ、口の中にすっぱい水が上がる、さらには動悸(どうき)や胸痛、長く続く頑固な咳、がんや不眠症まで引き起こすことがあります。

 それらを引き起こす犯人の一つが「胃液の逆流」です。
胃液は強い酸性のため、胃酸と混ざり合った食べ物により食道の粘膜を刺激することから起こります。

 本来は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きによって、一度胃の中に入った食べ物が食道に逆流することはほとんどありません。
しかし、加齢や喫煙・飲酒、食道や胃の機能の低下、肥満や重いものを持つことなどによる胃の圧迫、胃酸の分泌の増加等が、胃液を逆流させてしまうのです。

 また、逆流した胃液を洗い流している「唾液」の分泌低下も一因です。
一般的には、診断のときは胃カメラで胃酸の逆流に伴う食道の発赤やただれをチェックします。
他には機器を使って、食道への胃酸の逆流の程度を調べるペーハーモニター検査もあります。

 治療は、内服によるものが主となります。
薬は、胃酸の分泌を抑える「胃酸分泌抑制剤」、胃酸を中和する「制酸剤」、食道や胃の働きを促す「消化管運動機能改善剤」等です。

 それと共に日常生活の改善が最も重要です。

 肥満や便秘、ベルトやコルセットでの締めすぎも腹圧を上昇させ、逆流を起こしやすくします。
また胃を圧迫するような前かがみでの長時間の作業は、控えましょう。

 脂肪食を制限し、食べすぎ・飲みすぎ・早食い・夜食は控え、食後2時間は横にならないことも大切です。

 胃食道逆流症は、「食道がん」の原因にもなる要注意の病気でもあります。

 症状が続く時には専門医へ相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2010年1月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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