上手に遮光してますか?
かつて日光は人の体にとって有益とされていましたが、最近は皮膚がん(有棘細胞がん、基底細胞がん、ある種の悪性黒色腫など)や光老化(しわ、しみ)の原因と考えられ遮光が勧められています。
オーストラリアでは子供の頃から遮光を指導した結果、皮膚がんが激減しました。
我々黄色人種は白色人種より日光の影響を受けづらいのですが、近年オゾン層が減少するとともに紫外線量が増え、健やかで美しい皮膚を保つためには遮光を心掛けることが必要です。
大切な点は—
- 雪で反射される紫外線は多いので、この時期でも遮光剤は十分な量を塗り、数時間おきに塗り直す。
- 午前10時から午後2時の外出はできるだけ避ける。
- 夏でも長袖、日傘などで物理的に遮光する。
- 自宅内でも遮光する
—ことです。
もし日焼けをしたらすぐに冷却して下さい。
それでも赤み、痛みがあれば皮膚科専門医の受診をお勧めします。
肩関節周囲炎とは何ですか?
通俗的病名では、いわゆる“四十肩・五十肩”として、よく知られている疾病です。
急性期の疼痛(とうつう)が主なときは安静が必要で消炎・鎮痛を第一とします。そして、重いものを持ったり痛みを伴うような動作をしないこと、夜間痛みのあるときはタオルなどで包んで患部の肩が冷えないようにし、また患部を下にして寝ないこと、更に暑い夏場でも扇風機やクーラーなどの冷気を直接肩にあてないことなども大事です。
次に、入浴して少しでも楽になる時には肩関節を動かします。
自分で運動するときは、まず仰向けになって深呼吸し、リラックスした状態にします。そしてなんでもない方の手で痛みのある方の肘(ひじ)をつかんで、引っ張りあげるようにして腕全体を持ち上げます。少し引っ張られる程度で、少し痛みのある程度まで動かしていきます。
しかし運動したことで逆に痛みが強くなるときは、症状に合わせた治療や運動の方法がありますので、整形外科専門医に相談してください。
MR(麻しん風疹混合)ワクチン2期は早めに打ちましょう
2015年に日本はWHOから麻しん排除宣言を受けました。
これは、MRワクチンが2回、接種率95%以上がお父さんお母さんの努力の結果でなされたためです。
しかし、国内からの麻しんの発生はほとんどなくなりましたが、海外から持ち込まれる麻しんの流行が相次いでおります。
昨年8月に関西空港から広がった麻しんの流行は関西空港関係者で33名の感染者を出しました。
平成28年では最終的に161名の麻しんの報告がありました。
持ち込まれた麻しん発端者の渡航先は東南アジアがほとんどで、2回の麻しんワクチン(MRワクチンを含む)を接種して発症した人は15%程度だということが分かっております。
今年になっても5月28日までの段階で165名の麻しんが報告されております。
現在は流行が続いている所はありませんが、これまでに10以上の報告がみられる都府県は、山形、東京、三重、広島となっております。
昨年の流行時にはMRワクチンの入荷が一時的に制限され、1歳台でのワクチンを優先させざるを得ませんでした。
MRワクチン2期は、来年小学校に入学するお子さん、つまり年長さんに行うとされており、6歳になってから行うというものではありません。
まだ、接種を行っていない年長さんは、出来るだけ早期にワクチンを受けるようにしてください。
日本脳炎のワクチンの連絡がきているお子さんはMRワクチンとの同時接種も可能ですので、併せて行ってください。
今年の夏休みに東南アジア方面に旅行を計画されている大人の方も、麻しんに罹ったことが明らかか、麻しんワクチンを2回接種している人以外は、渡航前に麻しんワクチン単独か、MRワクチンを打つことをお勧めしております。
ひとりひとりの方が、麻しんに対して強い警戒感を持っていないと、1000人に一人といわれる麻しんでの死亡を防ぐことができません。
小さな命を守るためにも、格段の注意が必要です。
真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)ってご存知ですか?
中耳炎と言えば痛い急性中耳炎や耳漏(じろう)が続く慢性中耳炎をイメージされる方が多いと思いますが、今回は中耳炎の中でも注意を要する真珠腫性中耳炎をご紹介したいと思います。
真珠腫とは真珠様の光沢がある耳アカのようなものが耳にできる病気です。
周りを破壊しながら大きくなるという性質があり決して良性とはいえない病気です。
進行すると顔面麻痺、めまい、脳膿瘍(のうのうよう)など重大な合併症を引き起こします。
初期の症状は難聴、耳漏ですが一般的な治療で耳漏がなかなか治まらない場合には真珠腫の存在を疑う必要があります。
観察顕微鏡を用いた診察で簡単に見つけることができます。
真珠腫を除去する処置で経過を診ることも可能ですが除去できないときは手術が必要になります。
耳漏がなかなか治まらない方は一度、お近くの耳鼻咽喉科医院で相談されてはいかがですか。
涙目の治療には
涙は上瞼(うわまぶた)にある涙腺〈るいせん〉から出て来て目を潤すと、目頭にある涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)、涙嚢(るいのう)を通って鼻の穴=鼻腔(びくう)に捨てられます。
そのどこが狭くなっても涙目になってしまいます。
また、白目の表面の結膜(けつまく)がたるんでくるとそこへ涙がくっつくような感じも出ます。
涙目の手術療法としては、
- 結膜を引っ張って伸ばす〈結膜縫合術〉
- 小さくなった涙点を切り広げる〈涙点切開術〉
- 鼻涙管にシリコンチューブを入れて狭くなったところを広げる〈涙道チューブ挿入術〉等を行います。
- 頑固な涙目や鼻涙管に膿がたまっている涙嚢炎(るいのうえん)の場合には涙嚢と鼻腔の間の骨に穴を開けてトンネルを造る〈涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)〉を全身麻酔でしなければならないこともあります。
こちらで拝見しても全然涙がたまっていないのに涙目を訴える方もいます。
そういう方は白内障を患っている方が多く、白内障でぼんやりしている感覚が涙目に感じてしまう事もあるようです。
また、下瞼の皮が余って目の方向にめり込んでくる眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)の場合には余った皮を切り取る手術が必要になります。
生後1~2ケ月の赤ちゃんの涙目や目やにを相談される事もあります。
赤ちゃんの涙目の原因として多いのが先天性鼻涙管閉鎖症(せんてんせいびるいかんへいさしょう)と眼瞼内反症です。
いずれにしても自然に治ってくる事があるので、程度にもよりますが、鼻涙管閉鎖症の場合は生後6ケ月くらいまでは、眼瞼内反症の場合でも幼稚園くらいまで様子を見る事もあります。
それでも治らないようであれば、鼻涙管閉鎖症の治療用の針金で突っついて詰まったところを開通させる涙道ブジー法、眼瞼内反症の場合にはホッツ法という手術をする事もあります。
アンチエイジングとしての白内障手術
最近、巷でアンチエイジングという言葉を耳にします。和訳すると「老化予防」、中には「若返り」と過大解釈している方もいらっしゃるでしょう。
私の知る限り、現在のところそれを百%実現できる方法はありません。ただ、それを知りつつも大人になった時から、誰しもアンチエイジングや不老不死の方法を模索してしまうものではないでしょうか?
我々眼科の領域でも、加齢性疾患は多数認められ今ではアンチエイジングは必須の分野となりつつあります。その中で真っ先に思い当たるのは老眼。次に思い当たるのは白内障でしょうか?
ことに白内障は、手術によって混濁したレンズ(水晶体)を透明な人工のレンズに置き換えるため、視力の回復が得られます。言ってみれば手術による視力の若返りが可能な部位なのです。
また、ただ白内障を治すというだけではなく個々の希望に沿った見え方にするための研究も進んできています。
その一つとして多焦点眼内レンズがあります。現行の眼内レンズは単焦点(一箇所にのみピントが合っているレンズ)なため手術後遠くも近くもメガネが必要となります。多焦点眼内レンズはレンズ表面に特殊な加工を施すことによって、可能な限りメガネを使わずに遠くも近くも見えるように工夫がなされています。したがって、若かりし頃の見え方通りというわけにはいきませんが、現在の技術で出来る限りそれに近づけた仕様となっています。
これを用いれば白内障の治療によって老眼の改善も可能となるわけです。
しかし、従来の手術と違い全額自費となりますので、十分ご理解の上で選択していただきたい治療方法である点を付け加えさせて頂きます。
胃潰瘍にはヘリコバクターピロリ菌を!
今回は4月に厚生労働省の研究班によって作成された胃潰瘍診療のガイドラインについてお話しします。
このガイドラインは多数の論文を検討して得られた結果をもとに、胃潰瘍に対する最 も理にかなった治療の手順を示したものです。このガイドラインの大きな特徴はヘリ コバクターピロリ(以下HP)の除菌療法(抗生物質を2種類とプロトンポンプ阻害剤 という胃酸の分泌を抑える薬の計3種類を1週間内服する)を治療の柱として位置づ けていることです。HPは胃の中に住むことのできる唯一の細菌で、胃潰瘍の重要な原 因のひとつとされ、これまでは、特に潰瘍の再発の予防という観点から、通常の治療 に加えて行われ、その効果が評価されてきました。
しかしこのガイドラインではHP陽性の胃潰瘍患者に対してはHPの除菌療法が第一選択 となっており、除菌療法のみで治癒が可能としています。ということは例えば「胃の あたりががまんできないほど痛くて、検査したら大きな胃潰瘍があった、HPを調べた ら陽性だった、除菌療法をした、その後症状は改善しそれ以後も潰瘍は再発しなかっ た」というような経過が標準的ということになります。使った薬は除菌療法の1週間 分だけなので、非常に効率の良い治療経過です。
HP陰性の場合については次の機会にお話しするとして、HP除菌が今のご時世の「医療 費抑制」に十分貢献できるであろうことは容易に想像できますが、これにはやや不安 を感じる専門医も多いと思われます。除菌療法自体にも下痢その他の副作用があり、 潰瘍の急性期で痛みの強い時期にも除菌療法のみというのは問題があるように思われ るのです。あくまでも除菌療法を主体とする事に異論はありませんが、症状や全身状 態をみながら柔軟に対処したいものです。
最後に、この除菌療法に際し不可欠なことは、まず内視鏡検査(胃バリウムでもよ い)によって胃潰瘍を確実に診断し、あわせてHPをチェックすることです。当院では 鎮静剤を用いて苦痛のないように内視鏡検査を行い、胃潰瘍が認められた場合には、 尿素呼吸法という最も確実なHPチェック法を行い、陽性の場合はほぼ全例に除菌療法 を行っています。
最近よく耳にするようになった『過活動膀胱』 前触れもなく起こる急な尿意を感じたら泌尿器科へ!
過活動膀胱(ぼうこう)は男性、女性、若年、高齢にかかわらず誰もがなりうる病気です。
40歳以上では8人に1人が過活動膀胱の症状を持つと言われています。
間に合わずに漏れそうになる、人よりもトイレに行く回数が多い、夜中に何度もトイレに行くので眠れない、おしっこをした後なんとなく気持ち悪い、などの症状があればそれは過活動膀胱かもしれません。
泌尿器科には行きたいけどちょっと恥ずかしいし、どんな検査をされるのか不安。
こんな思いをされている方は多いと思います。しかし排尿に関する医療の進歩により、難しい検査をしなくても診断や治療ができるようになりました。
泌尿器科を初めて受診された方へまず行うのは問診です。
症状や普段の状況を詳しく伺います。
そして病気に関連するいくつかの質問をさせていただき診断を導きます。
診断が確定できない場合には検査を行うことになりますが、その場合も尿検査や超音波検査など苦痛の少ないものを優先的に行うので心配はありません。
治療が始まった後は、症状の変化を確認し無理なく続けられる方法を相談しながら決定していくので不安なく継続していくことができます。
過活動膀胱の原因はいくつもあるため治療によって効果が表れるまでの期間に数日から数週間以上と大きな差がみられます。
過去に泌尿器科を受診したが良くならず治療をやめてしまった方はいないでしょうか。
もしかすると治療期間が十分ではなかったことも考えられます。
また最初の診断では見つからなかった原因が他にもまだ残されていた可能性もあるでしょう。
初めての方も、過去に治療がうまくいかなかった方も、排尿の症状で困っている方は泌尿器科へご相談ください。
学校での歯科健康診断について
歯科健康診断はなぜ行うのでしょう? それは病気を気にせず、勉強やスポーツなど学校生活を明るく元気に過ごせるように健康状態をチェックするために行います。
もちろん、もっとより良い健康な生活を送れるようにするためにはどうすれば良いかも、併せて診断します。
まず、歯を見ることから始まります。虫歯になっていないかどうか、前に治療した歯がちゃんとしているかどうか、歯が欠けている所がないかをチェックします。欠けていた場合は、該当箇所に人工的に歯を入れるべきかどうかを判断します。
次に、虫歯に進みやすい状態にある歯かどうか、歯と歯の間の見づらい部分についても虫歯かどうかをチェックします。
その後、顎の関節の状態に異常がないかどうか、歯並びや噛み合わせに問題がないかどうかをチェックします。
最後に、歯を支えている歯の周りの肉や骨に病気がないかどうか、また、歯の汚れについてもチェックします。
歯科健診の結果において何らかの異常を指摘されたなら、歯科医院を受診することをお勧めします。
平成13年12月に昭和タウンプラザA館2階に開院して12年が過ぎました。この度5月12日(月)、昭和2丁目27番24号(桐花通り沿い、函館商業高校向い)に新築開院する運びとなりました。
新しいクリニックは、現クリニックより徒歩3分の距離です。
つきましては、5月10日(土)に新しいクリニックの内覧会を開催いたします。
設備や内装をご覧頂くだけではなく、歯に関するご質問などもお気軽にご相談ください。
今まで通り、子供の咬合(かみ合わせ)誘導、審美歯科(ホワイトニング)、インプラントなどにも力を入れており、咬合治療、予防治療、歯周病治療、口臭治療などの診断及び治療を通じて、トータルヘルスケアの確立を目指しておりますので、これからも宜しくお願い致します。
マイボーム腺
こんにちは。今日は“マイボーム腺”についてお話をさせていただきます。
マイボーム腺という名称はあまり聞き慣れないかもしれませんが、ドライアイを引き起こす原因の一つとして考えられています。
上下のまつ毛の内側にあり、涙成分のうち脂質を出しています。
しかし、加齢等の影響により機能異常を起こした場合にドライアイを引き起こす原因になる事があります。
出口付近で脂質が固まり蓋(ふた)を作ってしまうと、マイボーム腺梗塞という状態で眼の不快感の原因にもなります。
しかし肉眼では分かりにくいため、眼科での診断が必要です。
治療はホットアイマスク等により1日2回程度温める事で脂質を溶かす方法が有効ですが、やり方次第で逆効果になる事もあるため注意が必要です。
眼の不快感やドライアイ等気になる方は、まずお近くの眼科へ一度ご相談下さい。









