歯のホワイトニング
ホワイトニングは歯を削らずに薬剤で歯を白くする方法です。自分の本来の歯以上の白さを手に入れたい方はホワイトニングで白くすることができます。
1.オフィスホワイトニング
歯の表面に薬剤を塗り色素を分解していく方法で、1~4回程度の通院になります。ただし神経を取って黒ずんでしまった歯はこの方法では白くすることができません。歯の内部に薬剤を入れて数回交換し白くします。
2.ホームホワイトニング
自宅で行う方法です。歯科医院で専用のトレーを作り、その中に漂白ジェルを入れて1日数時間1カ月程度装着します。効果はゆっくりですが、白さと透明感が長続きします。
ホワイトニングは永久的なものではありませんが、定期的にクリーニングをすることによって長持ちさせることができます。興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。
医学生から医者になるまで
医療過誤の報道が多く、研修医制度が変化していくなか、白い巨塔が再度放送され、相変わらず権力闘争に明け暮れる医局を描いています。研修医のマンガをドラマ化した番組もありましたが、テレビみたいに暇じゃなかったなって―あたりまえですが・・・。
医学部は一般学部の一・五倍の期間教育を受けるように法律で決まっているので、六年間の学生生活になります。六年生の九月から医局説明会が開かれ、どんな病気を診るか、どんな進んだ治療法を学べるかといった勧誘をするわけです。僕は循環器内科の医局に入ることにしたのですが、入局申し込みにサインをして、ニコニコした教授と握手をしたので、親切な先生たちがやさしくわかりやすい指導をしてくれると思っていました。
循環器の病気というと簡単には、心臓と血管の病気になるのですが、血圧が高くなる関係で腎臓の病気も、動脈硬化が強くなるので糖尿病も、脈が速くなるので甲状腺の病気まで診られるようにと指導されます。心不全で風邪を引きやすくなっても、すぐ呼吸器にとは言えませんし、不整脈ではめまいや失神がおこるので、色々な病気の人を診ることになります。
病名が額に書いてあればと思ったことが本当にあります。
最初の出張病院では、動脈硬化の疑いがあるために発症する脳梗塞も診るように言われ、リハビリテーションの仕方も学ぶことになりました。病気については教科書には書いてないことを本や論文で調べます。指導医に許可をもらって検査して、治療法を調べたら処方箋をチェックされてと、患者さんと指導医の間を行ったり来たりします。こうしていると、二時に届いたラーメンを四時ころ食べるようなはめになります。
週に一度、午後八時から机に座って指導医とディスカッションになるのですが、答えられない質問を矢継ぎ早に受けるので朝までに調べるように言われると、もう午前四時になっています。
時間がない、教授回診まであと五時間だ!
のどの違和感が続いていませんか?
「風邪でもないのに、のどがつまる。違和感が続く」、それは「胃食道逆流症」かもしれません。
「胃食道逆流症」は、欧米に多く日本では比較的少ないと考えられてきましたが、食事の欧米化・高齢化社会・診断の進歩等により日本でもこの病気に悩まされている人が急増していることがわかってきました。
年末年始の多忙やストレス、食べすぎ・飲みすぎも原因の一つと言われています。
症状が悪化すると、胸やけやげっぷ、声枯れ、口の中にすっぱい水が上がる、さらには動悸(どうき)や胸痛、長く続く頑固な咳、がんや不眠症まで引き起こすことがあります。
それらを引き起こす犯人の一つが「胃液の逆流」です。
胃液は強い酸性のため、胃酸と混ざり合った食べ物により食道の粘膜を刺激することから起こります。
本来は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きによって、一度胃の中に入った食べ物が食道に逆流することはほとんどありません。
しかし、加齢や喫煙・飲酒、食道や胃の機能の低下、肥満や重いものを持つことなどによる胃の圧迫、胃酸の分泌の増加等が、胃液を逆流させてしまうのです。
また、逆流した胃液を洗い流している「唾液」の分泌低下も一因です。
一般的には、診断のときは胃カメラで胃酸の逆流に伴う食道の発赤やただれをチェックします。
他には機器を使って、食道への胃酸の逆流の程度を調べるペーハーモニター検査もあります。
治療は、内服によるものが主となります。
薬は、胃酸の分泌を抑える「胃酸分泌抑制剤」、胃酸を中和する「制酸剤」、食道や胃の働きを促す「消化管運動機能改善剤」等です。
それと共に日常生活の改善が最も重要です。
肥満や便秘、ベルトやコルセットでの締めすぎも腹圧を上昇させ、逆流を起こしやすくします。
また胃を圧迫するような前かがみでの長時間の作業は、控えましょう。
脂肪食を制限し、食べすぎ・飲みすぎ・早食い・夜食は控え、食後2時間は横にならないことも大切です。
胃食道逆流症は、「食道がん」の原因にもなる要注意の病気でもあります。
症状が続く時には専門医へ相談してみてはいかがでしょうか?
体外受精児は自然妊娠児となんら変わりはありません
本年度から、国は少子化に対する歯止めのひとつの策として、赤ちゃんを望み体外受精を行っている方々に、特定不妊治療費助成事業を実施することになりました。これは費用の多くかかる体外受精を行う患者さんにとっては非常に助かることでしょうし、これから、体外受精へと進んでいく患者さんが増加していくことが予想できるでしょう。しかし、体外受精に対する知識を得る場が多くはないため、多くの方々の体外受精に対する理解は不十分であると思われます。特に、体外受精で生まれる赤ちゃんは奇形が多いのではないかと考えている方は少なくありません。
体外受精は、簡単に言うと、妻の卵巣から卵子を体外にとり出し、培養液の中で夫の精子と受精させ、その受精卵を妻の子宮に戻し妊娠を試みる方法です。この過程は、体内で行われる自然受精・妊娠と変わりありません。ただ、受精と受精卵の最初の発育が体外で行われるため、体外受精と呼ばれます。
昔はこの受精卵を試験管内で培養したため、この方法で誕生した赤ちゃんは「試験管ベビー」と言われました。1978年イギリスで初めて体外受精が成功して以来、この技術は、一般的な治療法として世界的に普及しています。日本では1983年に体外受精第1号の赤ちゃんが誕生しました。 現在、全国で年間5万組以上のカップルがこれによる治療を受けており、1年に1万人程の赤ちゃん(新生児の約1%)が誕生しています。日本産科婦人科学会生殖内分泌委員会による生殖医療に関する報告において、平成7~9年の統計では体外受精児の奇形発生率は自然妊娠児と差はありません。更に、6~13歳までの追跡調査を行った研究でも、児の予後に一般の児と差がないことが明らかになっています。イギリス等の諸外国でも同様の研究結果が出ています。
体外受精を現在、またこれから行う予定のある方々へ、「体外受精で誕生した赤ちゃんは自然妊娠児となんら変わりありません」ということを提言したいと思います。
雪目・目の日焼け
紫外線の暴露が原因
大量の紫外線を浴びた目は急性の角膜炎をおこし、目が充血したり、強い痛みが出たりすることがあります。いわゆる「雪目」がこの状態で「目の日焼け」と言われることもあります。顔に日焼け止めを塗るだけではなく、目の紫外線(UV)対策も忘れてはいけません。夏に比べて紫外線量は少ない冬でも、目にとっては危険がいっぱい潜んでいます。特に危ないのは雪山です。目に入る紫外線量を夏の浜辺と冬の雪山で調べたところ、沖縄県のビーチより石川県のスキー場のほうが2・5倍も高いことが分かったという調査があります。
また、溶接作業を防護マスクなしで行うと同じような症状を起こすことがありますが、これも紫外線の短時間での大量暴露が原因です。角膜炎だけではなく「強い紫外線を浴び続けると、白内障や翼状片になるリスクが高まる」とも言われています。紫外線の害は蓄積するため、紫外線量が少なくても安心はできません。
紫外線は反射する
浜辺における紫外線の反射率は約25%ほどですが、雪面では80%以上と高率で反射します。顔の形に合わないサングラスでは紫外線が隙間から入り込むため、冬の雪道では夏のビーチでサングラスをつけていない時と同じくらいの紫外線量を目が浴びていることも分かっています。
紫外線暴露軽減にゴーグルやサングラス、眼鏡が効果的
目を保護するのにもっともいいのはゴーグルですが、サングラスならしっかりと目を覆うものを使うといいようです。UVカットのコンタクトレンズや帽子も一緒に使えばさらに予防できます。雪が積もれば雪山だけでなく街中でも同じことです。雪の降る冬は日ごろから目のUV対策を考えた方がいいでしょう。
「目がごろごろして涙が出る」などの症状が気になる方は、一度、眼科医にご相談ください。
うつ病のはなし
うつ病は誰でもが罹(かか)るとてもありふれた病気です。ところが、自分がうつ病であることにさえ気づかず、何年にもわたり暗闇の中でもがき苦しんでいる人が少なくありません。それどころか、その八方ふさがりの状況で死を選んでしまう人さえいるのです。
うつ病は「心の感冒」などと言われていますが、実際には「心の症状」を自覚することは少なく、たいていは「体のだるさ、疲れやすさ、食欲不振、体重減少、頭の重さ」等々の「体の症状」が一番目立つ症状なのです。様々な検査では異常がないにもかかわらず、このような症状が執拗に続き、日々の生活にも支障が出てくるようであれば「うつ病」を疑い、すぐに専門医療機関にご相談ください。「うつ病」であれば、適切な治療により、それまでの苦しみから嘘(うそ)のように抜け出すことができるはずです。
40歳を過ぎたら、眼底検査を!!
「目を見ればその人が分かる」と言いますが、これは本当で、眼底は体の中で血管を直接観察できる唯一の場所です。
体がメタボならば、目にも高血圧・高脂血症・糖尿病による合併症が出現する可能性があるのです。
イギリスの若者対象の調査によれば、肺がんや脳卒中よりも失明が一番恐怖という結果が出たそうです。
瞳孔を広げる点眼薬をつけて眼底検査を行えば、目の重要な病気を早めに見つけることができます。
また、40歳以上の日本人の5%は緑内障で、疑いのある人を含めると、さらに多くの方が緑内障と気付かずにいると言われています。
緑内障は進行性で日本の失明原因1位の病気ですが、早めに発見し眼圧を下げる治療を行えば、進行を遅らせることができ、老後も身の回りのことができる視野を保てる可能性があります。
緑内障も眼底検査と視野検査・眼圧測定で見つけることができます。
早期発見のために気軽に眼科を受診しましょう。
口臭ケアをされている方へ
人とのコミュニケーションを取る方法には様々なものがあります。欧州の国には挨拶代わりにキスを交わすほど、人との距離感が近い国がある一方、日本人はコミュニケーションの際にそれより一定の距離を維持する傾向があります。そのためでしょうか、そういった距離感が近い文化がある国の人は、口臭ケアに敏感であるという話を耳にします。
そうはいっても、近年我々日本人もやはり口臭ケアをされている方は多くなっています。口臭対策として市販の洗口液(例:コンクールF、リステリン®、モンダミン等)を使用されるケースが多いようです。洗口液に含まれることがある塩化亜鉛や二酸化塩素、カテキンは、口臭の主成分である揮発性硫黄化合物に作用し、口臭の減少が期待されます。また、同じく洗口液に含まれることがあるグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)やセチルビリジニウム塩化物(CPC)は、口臭の主成分を産生する口腔細菌への殺菌作用のため、口臭の元を断つ効果が期待されます。しかし、洗口液を使っても効果が実感できなく、やめてしまった方もいらっしゃると思います。
前回のコラムで掲載しましたが、口臭を根本的に減らすには歯科医院で原因を診断し、それが歯周病や虫歯等であれば治療し、口腔清掃が不良である場合は歯に付いた汚れを歯ブラシ等で除去し、舌の上にある舌苔を舌ブラシ等で除去する必要があります。
洗口液の効果が期待できるのは、プラークコントロールができている状態で使うことです。一番効果的なのは歯科医院で専門的口腔清掃を行った後に、洗口液を使い続けることです。
口臭対策を希望する方のほか、虫歯になりやすい方や歯周病対策が必要な方、お口が渇きやすいという感覚をお持ちの方など、様々なケースがございます。洗口液をお使いいただく場合、歯科医院でご自身にどの洗口液が合っているかをご相談されるのもよろしいかと思われます。
在宅療養支援診療所
僕が医師になったころ、病院の隣に住んでいながら孤独死したご老人がいらっしゃいました。
なぜ亡くなってしまったのでしょうか。
認知症で受診することが分からなかったのか、どこかに痛みがあって動けなかったのか。
いずれにしても定期的にご高齢者をサポートするシステムが機能していなかったのは確かです。
このことは都会にあっても無医村地区と変わりがないことだと思うのです。
高齢化社会を迎え平成12年に介護保険制度がスタートし、介護保険と訪問診療を上手に組み合わせて利用することで、ご高齢の方が長期入院することなく、住み慣れたご自宅などでお暮しになることが可能となりました。
日本人の多くが住み慣れたご自宅の畳の上で亡くなりたいと希望されています。
医療が地域に積極的に出て行かなくては、これらの希望に対応できないと考え、20年前の開業当時から往診に力を入れてきました。
数年前医療保険で「在宅療養支援診療所」の制度が新制され、現在当院では在宅療養支援診療所として届けを出しております。
「在宅療養支援診療所」とはどんな診療所かご存じでしょうか?
通常の外来以外に寝たきり状態の方や癌などの疾患をご自宅で療養されることを希望される方、定期的な通院が困難な方など、患者様ごとの状態に応じて計画を作成して、24時間体制で訪問診療を行っている診療所です。
自宅で酸素療法、経管栄養(胃ろう、腸ろうなど)、気管切開の管理、緩和ケア(疼痛のコントロール)、中心静脈栄養管理、ターミナルケアなど希望される方へ対応させていただいております。
在宅担当看護師は、患者様やご家族様といつでも連絡がとれる体制で身体状況を確認させていただき、緊急時には医師と連携し24時間365日訪問診療をしております。
通院が困難な方や退院後に不安を抱えている方、また介護保険のことなど、どのようなことでもお気軽に当院にご相談ください。
まぶたが腫れました
瞼(まぶた)が腫れましたと眼科を訪れる患者さんは非常に多くいます。
一番多いのはやはりものもらいでしょう。
瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。
これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいますが、特に函館では〈めっぱ〉といい、関西地方では〈めばちこ〉というようです。
腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが数日たってしまったものは切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。
一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもありますが、これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)といい、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。
突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無く、少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)といいます。
血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。
朝瞼が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのが、いつもより枕が低かっただけということもあります。
足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。
両上瞼の目頭寄りがぽこっと腫れている方も多くありますが、これは年齢的なことが多くあります。脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦なものは仮性黄色腫というものもあります。
1〜2mmの小さい白いつぶつぶが瞼にいっぱい出来ている方があります。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)といってケラチンという白いラードのようなものがたまっています。
一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍ということもありますので、あまり放っておかずにまず眼科で診てもらいましょう。









