黄斑(おうはん)疾患の治療の進歩
黄斑とは眼のフィルムの働きをする網膜の中心部で、視機能にとって重要な場所です。
以前は、この場所に障害が起きると深刻な視力低下となり、治療も困難でしたが、最近、さまざまな黄斑疾患が治療できるようになってきました。
欧米の視力低下の原因の上位で、わが国でも増加している加齢黄斑変性も治療が困難でしたが、数年前より光線力学的療法や抗血管新生薬療法で治療が可能となってきました。
また、黄斑部に穴ができる黄斑円孔(えんこう)は20年ほど前から、硝子体(しょうしたい)手術による治療が始められ、現在では無縫合小切開硝子体手術が行われています。
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで生じる黄斑浮腫に対しても、さまざまな治療が行われています。
見たいものがぼやける、ゆがむなど気になる症状がありましたら、ぜひ眼科で眼底検査を受けて下さい。
脊柱管狭窄症は治りますか?やはり手術が必要でしょうか?
軽症や早期治療により保存療法でも改善
手術もスタンダードな方法が確立され安心です 腰部脊柱管狭窄症は、加齢による骨や椎間板の変形、靱帯の肥厚が原因で、脊柱管という神経の通り道が狭くなり、中を通る神経が圧迫されたり傷つくことで腰や足に痛みやしびれをもたらす状態をいいます。
症状は、歩いていると徐々に足腰が重だるくなり、痛みやしびれが生じ、立ち止まって少し休むとまた歩けるようになりますが、長く持続して歩くことが困難になる間欠性跛行(かんけつせいはこう)というのが特徴です。 治療は、保存療法を基本に消炎鎮痛剤などの内服薬や湿布、腰の牽引や低周波治療など、リハビリによる物理療法を行います。
もともと神経の通り道が狭い方など個人差もありますが、症状が軽ければかなり改善されます。
場合によっては、神経の回復を手助けする点滴治療を行うこともありますが、それでも効果が見られない場合は、2~3カ月程度を目安に手術も一つの選択肢として考えてみることをお話して専門的治療を行える病院を紹介します。
手術と聞くと不安や抵抗感を持たれる方も多く、ある程度の改善が見られれば保存療法を続けられる方もいますが、現在はCTやMRIなど高度な画像診断機器の進歩により、脊柱管の状態を詳細に調べることが可能で、背骨のどこの骨を一部切り除けばよいかも手術前にはっきりわかりるなど、安心して手術が受けられる態勢が整っています。 具体的には、神経の通り道を広げるため、椎間関節の内側だけを削り取る「内側椎間関節切除術」、あるいは「後方除圧術」という切開手術を行います。
これは、狭窄によって神経を圧迫している骨の一部や靱帯を削り取ることで神経に加わっている圧を取り除く方法で、腰部脊柱管狭窄症に対するスタンダードな手術となっています。
さらに腰部脊柱管狭窄症でも、腰の骨の不安定性が強くなっている患者に対しては、除圧術に加えて不安定な骨と骨を固定する「脊椎固定術」を併用して行われる場合もあります。 手術は、神経の通り道を広げ神経自身が治りやすい環境を整えるもので、完全に回復するまでには個人差もあります。
長年にわたって神経に負担がかかった状態が続いていた方ほど回復に時間を要することにもなるので、我慢せずに早めに治療を受けることが大切です。 また、足の動脈硬化で血流が悪くなると、腰部脊柱管狭窄症と同じ間欠性跛行が起こる場合があり、逆に整形外科を受診して動脈硬化が発見され心臓血管外科に紹介するというケースもあるため、的確な診断や早期治療のためにも早めの受診は大切といえるでしょう。
脂肪種(しぼうしゅ)
「脂肪のかたまり」とよく言われますが、通常「脂肪のかたまり」というと粉瘤を指していることが多いようです。
脂肪腫は粉瘤よりは頻度は少ないのですが、比較的よく見られる良性皮膚腫瘍です。
脂肪腫は本当の脂肪組織が腫瘍として大きくなってくるものです。
脂肪腫は皮膚の下にやわらかい「かたまり」として触れますが、境目ははっきりしないことも多いようです。
顔だと額にできることもあります。
普通は痛みもなく、粉瘤とは違って化膿したりすることもありません。
何年もかかってゆっくりと大きくなってきますし、皮膚の色も普通ですので、触らないと気づきません。
特に背中は自分では見えないので気づきにくく、かなり大きくなってから気づく事が多いようです。
首や肩にできたものでは、まれに肩こりや重い感じがすることはあるようです。
通常は一個だけですが、時にたくさん出てくることもあります。
たくさん出てくるものでは、血管が含まれていて、押すと痛いこともあります。
脂肪腫は本来、良性腫瘍ですが、ごくまれに悪性の脂肪肉腫というもののこともあります。
5cm以上の大きなものや、急に大きくなってきたものは悪性の可能性があると言われています。
その場合には手術で切除して検査した方が良いと思います。
脂肪腫自体は症状がなく、目立たなければ手術しないで様子を見ていても良いのですが、自然になくなることはなく、徐々に大きくなってきます。
治療法は手術による切除です。
皮膚を切開して切除しますが、脂肪腫は皮膚のすぐ下ではなく筋肉の中に入り込んでいたりすることもあります。
そして、切除したものは必ず病理検査をします。
その検査MRI?
CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)の検査を受けられたことがありますか?
これらの検査は機械の進歩や普及によって、だいぶ気軽に受けられるようになりました。ですが、患者さんにお聞きすると、それがCTだったのかMRIだったのかわからない、とおっしゃる方が少なからずおられます。過去にどのような検査を受けたか、ということは日常診療上、時に重要な情報となり得ますので、CT、MRIの簡単な区別の仕方をお話ししましょう。 機械の外見は、経験のある方はだいたい「大きな釜のような機械」と表現されます。正面から見ると両手を広げたくらいの大きな機械の中心に丸い穴があって、ここに患者さんが入っていきます。ドーナツの中に入っていくような感じがしたらCTです。ちくわの中に入っていく感じだったらMRIです。MRIのなかにはサンドイッチの中身になったような感じになる機械もあります。
また、検査中、トントントン、ドガガガガガ、ブィーン、ブィーンと言ったような、工事現場にいるような大きな音がしたらMRIです。耳栓やヘッドホンなどで、音をやわらげるようにしているのですが、やはり聞こえます。CTではモーターの音と、X線がでるときにピピピピという音がするくらいで、耳栓の必要性はありません。このところの技術革新で、音がかなり小さくなったMRIが出現しましたが、これはまだそれほど普及していません。
他にもいろいろ区別の方法があるのですが、紙幅の関係上全てを紹介できません。それでもこの外見と音で大部分は区別できると思います。
蛇足ですが、MRI検査では金属、磁気カードなどを検査室に持っていってはいけません。時計は狂い、クレジットカードは使用不能になります。当然、ペースメーカーの患者さんは検査自体が受けられません。
口臭について
口臭の原因は、歯周病や虫歯、舌の汚れ、ドライマウス(口腔乾燥症)等、お口の中の問題が全体の9割に及びます。
他の1割は耳鼻咽喉系疾患や消化器系疾患、糖尿病などです。
この9割の原因の対処法ですが、虫歯の治療はもちろん、歯周病が原因の場合、一番大事なのがクリーニングで、定期的に行うことで要する時間や回数も少なくなっていきます。
プラークや歯石のたまる所はいつも同じような場所ですが、歯ブラシでの磨き方にも長年の癖や習慣があるため100%きれいに磨く事は難しく、磨きづらい場所は歯科医院でのクリーニングをお勧めします。
舌の汚れが原因の場合は舌ブラシで舌の表面の清掃を。
ドライマウスの場合は唾液の分泌を促すようなマッサージを行う事が大事です。
それぞれの原因によって対応が変わってきますので口臭が気になったら、まずは歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。
クリニックのシェイプアップダイエット
日本人は太っていても極端に肥満の方はいませんが、ダイエットに挫折する方はたくさんいます。
ダイエット(食事制限)だけで、体重減少はできますが、必ずリバンド(ダイエット後の体重増加)が起こります。
そのため、この現象を予防してバランスの整った姿にするにはエクスササイズ(筋力トレーニング)が必要です。
しかし、この食事制限やエクスササイズを維持したり、習慣づけることは大変です。 また、中高年になると、お腹が出てきてお尻が下がってきます。リバウンド(ダイエット後の体重増加)を予防して、腰・ヒップ周りをシェイプアップダイエットして、目的を持ちながらダイエットをすることが、理論のない闇雲な挫折しやすいダイエットとの違いです。 クリニックによるシェイプアップダイエットはマイクロダイエットの管理栄養士と連絡を取りながら目標を決め、現状の把握『今までできなかったこと、うまくいっていたこと』目標を達成するために自分でできることやプランを決めて、『クリニックがサポートできることは何か』を聞きながらダイエットを進めていきます。 そして、シェイプアップのための筋力トレーニングは筋肉を維持するか増強するかは、その方の年齢、体力、生活環境によって筋力トレーニングの方法、ダイエットメニューなど医学的に説明します。
また、どうしてもより効果的な部分痩せを希望する方は点滴療法やメソセラピー、部分的脂肪吸引も合わせて行なうことも可能です。
男性の性(13)
『一度に二つは無理だよ。御馳走は御馳走、好色は好色。
どちらを選ぶかだ。二つ同時では眠くなるだけだ。』
(開高健 著『夏の闇』より)
医者になった25年前(1984年)、僕は研修医として東京の病院に2年間勤務していました。
その6年前の予備校生時代も1年間東京に住んでいましたが、2食付4畳半の下宿生活だったので、「いつか社会人になって給料をもらったら、美味いものを食べに行きたい」と、いつも思っていました。
当時は今のような飲食店情報はほとんど無く、医局の先輩から借りた『食都1984 gastropolis tokyo』という昭文社が出版してる本を頼りに、いろいろな店に行ったことを覚えています。
今で言う『ミシェランガイド東京版』のような本で、店の評価は無印・◎・◎◎の3段階。忙しい研修医だけれど月に1〜2回、気楽な独身者は値段をあまり気にせず、勝手気ままに美食物摂取に励んでいました。
25年後の現在、東京のような限られた都会にしかなかったグルメ情報は全国津々浦々の地方都市にまで広がり、書店には飲食店紹介本が山のように置かれ、テレビをつければグルメ・料理番組花盛り。旅行番組もその土地の風景・歴史よりも、まず「どんな美味いものがあるか?」が最大の関心事のようです。
世に氾濫する飲食情報はメタボリックシンドローム予備軍の大量生産に一役買っているようにも見えます。
本来なら不味い物を大量に食べるより、美味しい物を適量食べる方が身体にいいに決まっていますが、悲しいことに人間の欲望は尽きることがなく、美味しいものはたくさん食べてしまいます。
さて、飽食と好色は両立しないという最初の開高健の言葉が本当だとすれば、世に氾濫する飲食情報はオトコ達の性行動・性機能にどんな影響を及ぼしているのでしょうか?(つづく)
運動のススメ
「忙しくてできないけど、運動不足だなぁー」と、後ろめたい気持になっている人は多いことと思います。
一念発起してジムに通い始めても、3〜6カ月もすると、「行かなくなってしまった」ということで、せっかく減った体重がもと以上に増えていることもあります。
残念なことです。「健康日本21」など、政府の「運動をしよう」と呼びかけるキャンペーンもありましたが、習慣的に運動をするのは、3人に1人程度だそうです。
動脈硬化は、高血圧や糖尿病などでどんどん進みますが、運動が唯一進行を防ぐ手段です。
動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞の原因です。
「仕事や余暇で体を動かす人は心筋梗塞や脳卒中の発症が少ない」といわれていますが、若い時に運動競技をやっていても、運動を続けていないと、この保護効果は無くなってしまいます。
「昔は野球をやっていたから大丈夫」と思っていても、普段から運動をしていないと「中年以降には動脈硬化が進んでしまっている」ということはよくあります。JAMAという米国医学雑誌に載った論文で、アメリカ人の真の死因にもっとも影響していることを調べた研究では、死因に関係する要素の第1位は「喫煙」ですが、第2位に「過食と運動不足」が入っていました。
運動不足はメタボの原因でもありますが、それ自体が死に至る病気ということになります。
日々、手ごろにできる運動を、飽きずに繰り返して続けることが肝心です。
簡単にいつでも思いついた時にできる運動として、ウォーキングを勧めています。
週に4回以上、1回20〜30分間、額にうっすらと汗がにじむ速さでの速歩が良いです。
肩甲骨が動くように手を動かすと上半身も使った全身運動ができます。
同程度の運動としては、自転車こぎ15分、バレーボール20分、ゴルフ15分、水泳7分があります。
「病気の予防のため」とか「健康のため」と考えるよりは、「好きな運動をやっているだけ」という方が続くと思われるので、何か好きな運動を見つけてしましょう。
クラミジア感染症について
以前にも「クラミジア感染症」をテーマに書いたことがありますが、依然として10代~30代の女性に多い疾患なので、もう1度書きたいと思います。「クラミジア感染症」とは、「クラミジア・トラコマティス」という微生物(細菌)が主に性行為により感染する病気のひとつです。
恐ろしいことに自覚症状がほとんどないため、感染に気がつかない人が少なくありません。
そのため知らないうちに病気が進行したり、パートナーを感染させてしまいます。
放置しておくと、男性では尿道炎から精巣上体炎(副睾丸炎)になることがあります。
女性では感染がお腹の中に広がり、子宮頸管炎から卵管炎をおこし不妊症の原因となったり、妊娠後も子宮外妊娠や流産・早産の原因にもなります。
出産時に感染していると母子感染をおこし、赤ちゃんが結膜炎や肺炎になる可能性があります。 さらにエイズや淋菌などの性感染症にかかりやすくなるといわれていますので、注意が必要です。 男性では、尿道からの分泌物や排尿時の痛み、尿道のかゆみ・不快感、精巣上体の腫れ、発熱など。
女性では、おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交痛などの症状がありましたら、検査を受けたほうが良いと思われます。 検査は採血や子宮頸管の分泌物を採取して簡単に調べることができますので、何かいつもと違うとか症状はないけれど気になるという方は、受診をおすすめします。 治療は、抗菌薬を医師や薬剤師の指示に従って正しく服用することで、通常は完治させることができます。
感染を繰り返さないためにも必ず、パートナーの方も一緒に検査・治療を受けましょう。
メディカルスキンケアと美肌点滴/高濃度ビタミン点滴療法と肌老化予防・光・レーザー治療
肌のトラブル『肌の荒れ・しみ・くすみ・しわ』を改善するためには、肌の表面だけの治療ではなく、体内に欠乏している『各種ビタミン、ミネラル』を同時に補給することでより早く効果が期待できます。
点滴よって成分がほとんど、血液にて細胞や組織に直接活性を与えることで、短時間に全身の新陳代謝が盛んになり効果が実感できます。 また、定期的に続けることで、しみ、くすみ、しわ、肌の荒れ防止に効果を発揮します。
体力の衰え、若返りにプラセンタ点滴、健康維持などに、ビタミンB(にんにく点滴)、ひとりひとりの肌の状態や悩みなど、美容効果だけではなく疲労回復などの健康づくりにも効果があります。
今、一番必要としている『ビタミン・ミネラルなど』生理活性物質を選択して処方します。 注目されている点滴療法のマイヤーズ・カクテルはアメリカの開業医で広く行われている高濃度のビタミンC、ミネラルの点滴で、ビタミン・ミネラルを症状に応じて全身の細胞に直接送り込み、免疫改善、肌などの老化予防、慢性皮膚炎、慢性疲労、耳鳴り、線維筋痛症など一般的治療に抵抗性のある疾患に効果があります。 また、美肌の点滴療法では、これらの点滴にプラセンタ『人の胎盤から抽出した各種アミノ酸、酵素、核酸、ビタミン、ミネラルなど細胞活性因子』併用してさらに大きな効果を得ております。
こんな所が気になる方に
- 不規則な生活による慢性的栄養不足の方
- お肌のトラブルが気になる方で、仕事が忙しく時間がない方
- 最近疲れやすく、お肌の老化が気になる方
- その他いろいろ試してなかなか効果が見られない上記の疾患で悩んでいる方
通常、週に1~2回のペースで継続されることが理想です。所要時間は2~30分程度です。
ワンランク上の美肌メディカルスキンケアは高濃度のビタミンC、ミネラル、細胞活性因子の点滴療法と同時にしみ・しわのIPL(光)・RF(高周波)・レーザー治療でストレスよって疲れた肌の免疫能力を改善させ、くすみのない美しい肌へのメディカルスキンケアと肌老化予防の時代です。









