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百日咳にご注意を

小児科2018/12/17

 今年に入って関東地域を中心に百日咳(ぜき)の報告が相次いでいます。
全国ではこれまでに9500件以上の報告があり、道南地域でみると市立函館保健所管内で14件、渡島保健所管内で3件、江差保健所管内で4件の報告があります。

 百日咳とはどんな病気なのでしょうか?

 皆さん過去の病気と思っていませんか?

 百日咳は10日ほどの潜伏期の後、普通の風邪のような症状から始まり、次第に激しい短い咳を立て続けにするようになります。
咳の後は大きく息を吸いその時に笛のような音を出すという咳発作が起こります。
咳をするときに息を詰めるようにするため顔が赤くなる、出血斑が出る、目の結膜にも出血するなどの症状を伴うことが多いといわれています。

 激しい咳は2ないし3週間続きます。
その後は次第に少なくなりますが、時折発作性の咳が出るなどの症状が続き、最終的に3カ月ほどでようやく咳が収まります。
このため百日咳と言われるようになりました。

 1歳未満で発症すると特徴的な咳はなく呼吸を止める無呼吸発作やチアノーゼで気付かれることが多いようです。
まれに低酸素性の脳症を起こすことがあり、注意が必要です。

 成人の場合は特徴的な咳があまり明らかではなく、採血や病原体の検査を行い診断されることが多いようです。

 子どもの場合、乳児期から4種混合ワクチンをしているために、5歳未満の流行はあまり多くはありません。

 年齢的に多いのは20代から50代の成人で、ワクチンをしていても抗体の低下に伴い発症している例が多いといわれています。
11月の報告例では市立函館保健所管内で10代の男女各1人、30代の男性となっています。

 治療は適切な時期に抗生剤を飲むことです。
抗生剤を飲むことで、菌の排出が止まります。

 予防はワクチンをしっかりすることです。
特に4回目の4種混合を忘れていることが多いので、今一度母子手帳をお確かめください。
7歳半までであれば無料で接種可能です。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2018年12月17日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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