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かかりつけ医の勧め

内科2020/12/14

 かかりつけ医とは「健康に関することを何でも相談でき 必要な時は専門の医師や医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師」のことです。

 熱がある、体がだるい、食欲がないなど、体調の不調を感じた時、また調子が悪いけれど、どこの診療科目に相談したらよいのかわからないということもよく耳にします。

 かかりつけ医には、既往歴をはじめ、他院でのどのような検査・治療・お薬を処方されているか、また仕事内容や家族構成なども把握してもらえていたら、不調の原因も総合的に判断し、専門医や高度な設備での検査や入院が必要になった場合に 適切な医療機関へ紹介可能となります。

 紹介された場合は、検査結果・診断名・治療方針は、かかりつけ医へも紹介医からの報告があるため、かかりつけ医からまた改めてわかりやすく結果を説明してもらうこともできます。

 診療所と専門病院や総合病院とで役割分担を行い、医療の効率化を図っているのです。

 日本は4人に1人が、高齢者といわれる、超高齢化社会です。65歳以上で介護保険が必要になると、行政に申請をしますが、その場合かかりつけ医が、主治医意見書を提出し、どのような介護が必要な段階にあるのかが判断されます。高齢のご夫婦、ひとり暮らしの方は、ご自身でも不安なこともたくさんおありだと思いますが、離れて暮らされているご家族や近くには住んでいるがなかなか様子を見に行けない、一緒に病院へ付き添って行けないご家族は、かかりつけ医に、電話で状況を確認したり相談したりしてみてはいかがでしょうか。

 かかりつけ医が決まっていない方で、定期通院する理由がない場合は、インフルエンザ等のワクチンの接種や特定検診を受けるとき、また職場の検診結果を持参し 生活のアドバイスをもらう等の利用の仕方も考えられます。

 新型コロナ禍の中、発熱や倦怠感などで感染を疑われた場合も、保健所の負担軽減のため、まずはかかりつけ医への相談が必要となりました。

 ご自身の全身状態を把握し いつでも健康状態を相談可能な「かかりつけ医」を見つけておくことが大切です。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2020年12月14日 「北海道新聞夕刊」掲載)

良い塩梅の塩加減

循環器内科2011/09/13

 脳、心臓や腎臓に重大な障害をもたらす悪い病気としては、特に高血圧が良くないのですが、血圧を上げる原因の1つに食塩の取りすぎがあります。
高血圧が毎日の食事と関連する生活習慣病と言われるゆえんです。 「和食はとても健康的な食事だ」と言われています。
実際その通りなのですが、塩分の取り方が多い食事でもあります。
冷蔵庫がない高度成長期の以前には、食品の保存に塩が防腐剤の役割をしていたのです。
漬物、みそ、しょうゆは明らかにしょっぱいですが、かまぼこもつなぎに塩を使っています。 冷蔵庫が三種の神器として各家庭に普及した後も、1日20g以上の塩を取る生活が続いていました。
塩分の取りすぎから高血圧になり、血圧が高いために脳内の血管が破れたり詰まったりして、脳卒中を発病することが非常に多かったのです。
だから昭和の中期(’60年)までは、脳卒中が死亡原因の1番で、平均寿命は65歳程度でした。
その後の減塩運動が奏功したり、高血圧の治療が普及したりして、脳卒中の死亡は急激に減り、日本の平均寿命は大きく伸びました。
減塩した食事では、下の血圧(拡張期血圧)が特に下がりやすくなります。
日本人の塩分平均摂取量は’85年頃には1日13gが平均でしたが、最近は10.5gに減っています。
ただし、北海道は塩の取り方が多い方の地域になります。
1日の塩分は6~7gが理想的と政界保健機構では勧めますが、日本では、まだ遠い目標と思われます。 梅干し1個1g、カレーライスには3g、ラーメン・とんかつ定食には4g、そば・すき焼き定食には6gの塩が入っています。
だから、そばを汁まで飲んでしまうと1日分の塩を取ることになるので、汁は飲まないようにすることが必要になります。
一般的に外食では塩分が多くなると思って間違いありません。
コンビニ弁当も付いている調味料を使わないようにして1食の塩が4g位になります。
レモンや酢を調味料に多く使うと、また、昆布でだしを濃くとると塩の量を減らすことができます。
いろいろと工夫して減塩するように気を付けてください。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨( 2011年4月15日 「青いぽすと」掲載)

アレルギー性結膜炎

眼科2016/08/29

・目がかゆい・目が充血する・目やにが出る
・涙が出る(流涙)

このような症状を感じたことはありませんか?
花粉症を代表とする「アレルギー性結膜炎」かもしれません。

「主な症状は、強いかゆみ」
思わず目をゴシゴシこすってしまうほどのかゆみが特徴で、特にまぶたやその縁の部分がかゆく、こするとまぶたが腫れあがり、かゆみの症状が進行することもあります。

「主な原因は、花粉やハウスダスト」
アレルギー性結膜炎では、結膜(まぶたの裏側と白目をおおっている半透明の膜)が花粉やハウスダスト(ダニやカビなどが混ざった家のほこり)によって炎症を起こし、かゆみ等の症状を生じます。
花粉が原因の場合は毎年決まった時期に症状がみられ、スギ花粉であれば春先に、ブタクサ花粉であれば秋に症状が重くなります。
北海道ではシラカバによるものが有名です。
また、アレルギーの原因(アレルゲン)がハウスダストの場合には1年を通して症状が出ます。
犬や猫などの動物が原因の場合もあります。

「有効な対策はアレルゲンを遠ざけること」
花粉が原因の場合には、症状が出る季節は洗濯物を室内で干したり、外出するときはゴーグル型の眼鏡やマスクをつけるなど、身体(特に目)に花粉が近付かないようにすると良いでしょう。
ハウスダストが原因の場合は、こまめに部屋を掃除したり、寝具を干すことなどが効果的です。

「抗アレルギー作用を有する点眼薬で、早めの治療を」
アレルギー性結膜炎の治療は、まず抗アレルギー作用をもつ点眼薬が処方されます。
症状が強い場合はステロイドの点眼薬を併用することもあります。
症状が出る季節が分かっている方は、症状が出る前に治療を開始すると症状が軽くて済みます。
ある種の点眼薬は使い続けることによって症状を出にくくする作用を持つものもあります。

「目のかゆみ」などの症状が気になる方は、一度眼科医にご相談ください。


Text by はこだて港町眼科 松下 知弘( 2016年8月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

脳の健康度チェック

脳神経外科2008/08/13

 要介護状態の最も大きな原因は脳血管障害や認知症であり、脳の健康は極めて重要です。定期的な脳の健康度チェックが望まれますが、脳ドックは健康保険が利かない自費診療で、学会の指針に従った検査を全て行うと高価になります。また、病気の保険診療でも医療費削減が叫ばれる昨今、むやみにMRI検査などを行うことには批判があります。では、どんな人が検査を受けたら良いのでしょうか?

 ときに「隠れ脳梗塞(こうそく)」と呼ばれたりする小さな脳梗塞(ラクナ梗塞といいます)の発症・増悪には高血圧が強く影響すると考えられていますが、このラクナ梗塞が認知機能低下の危険を高くすると言われています。実際、高齢男性で血圧正常の人に比べて、高血圧が十分コントロールされていない人では認知機能の低下が確認されています。他に糖尿病と認知機能の低下の相関も示唆されており、このような生活習慣病を持った人たちには脳の健康度チェックが必要でしょう。

 また、色々な病気に遺伝が関与していますが、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)も家族性のある病気のひとつです。血縁者にある種の病気があることを「家族歴がある」といいますが、脳動脈瘤の家族歴が二人以上ある場合、家族歴がない人と比べると脳動脈瘤を持っている可能性は五倍になるという報告があります。ごく最近の『国際脳卒中会議二〇〇七』で、脳動脈瘤を持っている人の一〇%に、同じく動脈瘤を持っている一親等の親族がおり、脳動脈瘤を遺伝により受け継ぐと前の世代よりも破裂が早くに見られるという発表がありました。例えば、親の世代でクモ膜下出血が五十歳で生じた場合、子の世代では三十五歳頃からクモ膜下出血が見られたといいます。このことから家族歴がある場合、若い世代から脳動脈瘤の有無を検査するよう勧められています。

 全ての人が定期的に検査するのが理想的かもしれませんが、社会全体としての効率を考えるとリスクのある人を優先するべきでしょう。ここに挙げたようなことに思い当たる人は、かかりつけの医師に相談してみましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

夏休みのあとに

産科婦人科2010/04/12

 毎年、夏が終わり9月になると、若い未婚の患者さんが少し増えます。中学生、高校生もです。
訴えは二つです。
一つはおりものの異常で、もう一つは、望まぬ妊娠です。
夏の冒険のお土産です。今年の夏は暑くなりそうもないので、どうなることでしょう。 性への好奇心と、夏の開放感の結果です。 性交渉には必ず「妊娠」と「性感染症」がついてくることを忘れないでください。 その場の雰囲気、勢いに流されることなく、男性は義務として、女性は自分の身を守る為に、必ず予防をする。
予防させることを心がけてください。 何回か、このページで避妊法、性感染症について書いてきました。 難しいことでも、面倒なことでもなく、最初からコンドームをつける。
ただそれだけのことです。 先日も激しい下腹痛と、発熱を訴えてきた若い女性が開腹すると淋菌による腹膜炎でした。
両側の卵管を取らねばならず、このあと妊娠は体外受精でしかできなくなりました。 又ここ2ヶ月で母親に付き添われて妊娠の診察に来た中学生、高校生も何人かいました。
 好奇心のみで、またその場の雰囲気に流されることのないように…。


Text by 松浦 敏章( 2003年9月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

耳鳴り~仲良く付き合いましょう

耳鼻咽喉科2013/07/16

 2001年に行った厚生労働省による国民生活基礎調査では、慢性的に耳鳴りを感じている人は全体の26.8%で、4人に1人は耳鳴りに悩まされていることになります。
 一般的に耳鳴りは難聴を伴っていることが多いので、聴力検査は必ず行う必要があります。
 薬物療法ではビタミンB12製剤、代謝賦活剤、微小循環改善剤や漢方薬を処方します。
新しい治療法としてTRT(耳鳴再訓練療法)がありますが、音響療法とカウンセリングからなる治療法です。
耳鳴りを消失させるのが目的ではなく、耳鳴りに慣れてもらうことで耳鳴りに対する苦痛を軽減させる治療法です。
しかし、治療器具を実費負担(4万円前後)していただく必要があるため、普及していないのが現状です。

①致死的な症状ではないこと、
②感じる音の大きさ・高さが変化することは体調の変化によってよく起こることで心配はないこと、
③他の病気の前兆であることは多くはないということなどを理解していただくことも重要です。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2013年7月16日 「Array」掲載)

その検査MRI?

その他2008/08/13

 CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)の検査を受けられたことがありますか?

 これらの検査は機械の進歩や普及によって、だいぶ気軽に受けられるようになりました。ですが、患者さんにお聞きすると、それがCTだったのかMRIだったのかわからない、とおっしゃる方が少なからずおられます。過去にどのような検査を受けたか、ということは日常診療上、時に重要な情報となり得ますので、CT、MRIの簡単な区別の仕方をお話ししましょう。 機械の外見は、経験のある方はだいたい「大きな釜のような機械」と表現されます。正面から見ると両手を広げたくらいの大きな機械の中心に丸い穴があって、ここに患者さんが入っていきます。ドーナツの中に入っていくような感じがしたらCTです。ちくわの中に入っていく感じだったらMRIです。MRIのなかにはサンドイッチの中身になったような感じになる機械もあります。

 また、検査中、トントントン、ドガガガガガ、ブィーン、ブィーンと言ったような、工事現場にいるような大きな音がしたらMRIです。耳栓やヘッドホンなどで、音をやわらげるようにしているのですが、やはり聞こえます。CTではモーターの音と、X線がでるときにピピピピという音がするくらいで、耳栓の必要性はありません。このところの技術革新で、音がかなり小さくなったMRIが出現しましたが、これはまだそれほど普及していません。

 他にもいろいろ区別の方法があるのですが、紙幅の関係上全てを紹介できません。それでもこの外見と音で大部分は区別できると思います。

 蛇足ですが、MRI検査では金属、磁気カードなどを検査室に持っていってはいけません。時計は狂い、クレジットカードは使用不能になります。当然、ペースメーカーの患者さんは検査自体が受けられません。


Text by 望ヶ丘医院 田中 慈雄(  「」掲載)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護制度

介護2015/08/24

 「施設から在宅へ」という言葉を一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか?

 今後、ますます在宅での介護の重要性が増していくと考えられますが、介護度が高くなればなるほど、1日を通して何回も支援が必要となり、従来の訪問介護制度では対応しきれない部分があります。

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間を通して1日複数回の定期的な巡回と必要時にコールをして対応する随時対応で要介護高齢者の安心と安全を守るサービスです。
利用料は介護度別に月々一定額に設定されており、安否確認等の短時間の訪問も可能な為、その方に合った臨機応変なサービスを行う事ができます。
ただし、要支援1・2の方はこのサービスを利用することはできません。

 利用に際しては、担当のケアマネージャーにご相談下さい。


Text by 定期巡回ステーションあじさい  高杉 朗子( 2015年8月24日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

『矯正装置=目立つ』は昔の話!?

矯正歯科2013/07/29

 悪い歯並び・かみ合わせを治したいけれど、装置が目立つのがイヤで歯列矯正に踏み切れないという方がおられるかもしれません。
しかし、目立つ矯正治療法しかなかったのは遠い昔の話です。
材料や技術の進歩によって、「見えない・目立たない矯正」と称される見た目に非常に優れた矯正治療法が考案されており、多感な時期の中高生や大人の方でも抵抗なく歯列矯正を受けられる時代となっております。

 その中でも非常に審美性に優れた治療法として挙げられるのが「裏側矯正(舌側矯正)」と「マウスピース矯正」です。
裏側矯正とは、基本的に歯の裏側にブラケットというボタンを付けて、それにワイヤーをくくりつけて歯を動かす治療法です。
マウスピース矯正は、個々人の歯型に合わせて製作した透明なマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かす治療法で、ワイヤーを用いた矯正治療とは一線を画す次元の異なる治療法です。
どちらも金属色の装置が外から見えないため、見た目を気にせずに歯列矯正を受けられます。

 裏側矯正は日本生まれの矯正治療法で、ヨーロッパや日本、韓国を中心に広まっており、一方、マウスピース矯正はアメリカ発祥で、こちらも全世界的に広がりをみせている矯正治療法です。
日本でも東京や大阪には裏側矯正専門やマウスピース矯正専門の歯科医院があり、大都市を中心に日本でも普及し始めております。
道南でも矯正治療を受けることは珍しいことではなくなっておりますが、裏側矯正やマウスピース矯正となると残念ながら知名度がまだ低いのが現状です。

 以前は、裏側矯正とマウスピース矯正は、表側に装置を付ける矯正治療法(唇側矯正)と比べて、治療期間がかかる、仕上がりが良くない、治せる症状が少ないなどといわれておりましたが、今では期間、仕上がりにほとんど差はなくなってきており、広範囲の症状に対応できるようになってきております。
目立つ矯正装置に抵抗があって歯列矯正に踏み切れない方は、裏側矯正やマウスピース矯正に詳しい矯正歯科医にご相談下さい。

(これらは自由診療です。治療内容により費用は異なりますので歯科医に御相談ください)


Text by ふるた矯正歯科 古田 樹己( 2013年7月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

ノロウイルスに注意

内科2011/12/26

 冬に流行する胃腸炎の原因のひとつにノロウイルス感染症があります。
特徴は、下痢だけでなく吐き気や嘔吐などの症状が出やすいことです。
感染してから症状が出るまで1~2日くらいで、数日で治まることがほとんどです。 ノロウイルスに対する薬はなく対症療法が中心で、嘔吐や下痢による脱水症状を起こさないようにすることが大事です。
しかし、強い下痢止めで完全に下痢を止めてしまうと治りが悪くなることもあります。
排泄物を片付けた後は消毒をきちんとする事が大事ですが、アルコール消毒は効果がなく、塩素系の消毒薬が有効とされています。
自宅にある漂白剤を薄めたもので代用できますが、消毒後は水拭きすることが必要です。 手指などの皮膚の消毒には使えないので、手洗いを念入りにして、水でしっかり洗い流すことが大事です。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2011年12月26日 「みなみ風」掲載)

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