皮膚科ではまれな在宅診療で地域医療に貢献。一般皮膚疾患から美容診療まで幅広く対応。
やなせ皮フ科クリニックは、アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹、イボ、水虫など皮膚疾患から、ケミカルピーリングなどのニキビやシミの治療、円形脱毛症や男性型脱毛症(AGA)ほか美容皮膚疾患まで幅広い診療を行い、小さな子どもからお年寄りまでが訪れるクリニックとして地域に親しまれている。
とくに梁瀬義範院長は、幼少期に病気がちで苦痛を伴う治療を経験したことから、子どもに対しては恐怖心を与えない治療に取り組み、地域の信頼も厚い。 また、2002年の開業時より、市内全域を対象に特別養護老人ホームやグループホームなどの高齢者施設をはじめ、訪問看護ステーションなどからの依頼による個人宅への往診にも取り組んでいるのも大きな特徴だ。
他科との連携を密にし、治療薬の処方を行うほか、日常的なスキンケアや間違ったケアによるトラブルの発生を未然に防ぐためのアドバイスにも力を入れるなど、皮膚科ではまれな在宅診療は患者や家族からたいへん好評だ。
「皮膚は外敵から身を守るとともに、体温調整や免疫活動を営み、時には内臓の異常を映し出す役割も果たす重要な臓器のひとつです。地域に根差した医療を実践し、なおざりにされがちな皮膚の病気に対して、少しでも手助けができればと思っています。何でも気軽にご相談ください」と、梁瀬院長は話す。
慢性疼痛(とうつう)について
「痛み」と言うと、どなたでも例えば、歯が痛んでつらい思いをしたというようなことがあると思いますが、それは一時的なものであり、治療を受ければ治るということが分かっているので、あまり問題になることはありません。
しかし、もしもその痛みが延々と果てしなく続くとしたら、その苦痛は耐えがたいものになるでしょう。
効果的であるはずの治療を受けているのにもかかわらず続く、あるいは原因が分からず、延々と続く、そのような痛みは「慢性疼痛」と呼ばれています。
このような痛みのひとつの例として「幻肢(げんし)痛」があります。
これは、例えば、切断されて無くなってしまったはずの腕が痛むというものです。
何らかの原因で腕に痛みが生じた場合、腕の切断によって痛みの原因が無くなったはずなのに、「同じように腕が痛む」ことがあります。一度体験した痛みが、その原因が無くなっても同じように起こることがあるわけです。
慢性の痛みには、現在の痛みの他に、過去の痛み、未来の痛みも関係していることが特徴的です。
現在痛むということだけではなく、ずっと前から同じように痛み続けてきたという記憶、これからもずっと同じように痛み続けるであろうという恐れや不安が苦悩を深めます(過去の痛み、未来の痛みも体験しているともいえます)。
神経科が慢性疼痛にかかわるのは、慢性の痛みが主な症状である神経科の病気が存在するということ、慢性疼痛には「うつ」が伴いやすいということ、適切な治療を受けているにもかかわらず痛みが続く場合、その中には神経科的な治療が効果的な場合があることなどの理由によります。
薬物治療では、うつの治療薬や精神安定剤が効果的な場合があります。
薬物療法以外には、リラクゼーション、認知行動療法なども行われます。
その名が示す通り難治性である場合が多いわけですが、あきらめずに、根気良く治療を続ける必要があります。
皮膚腫瘍外科
皮膚腫瘍外科は皮膚や軟部組織の腫瘍(しこり)を外科的に治療します。この治療を行うのは形成外科、皮膚科、整形外科で、皮膚の広範囲または筋肉などの深部にある腫瘍以外は日帰り手術が可能です。
対象になる皮膚軟部の腫瘍は母斑、血管腫、粉瘤、脂漏性角化症、脂肪腫、眼瞼黄色腫、眼瞼汗管腫、石灰化上皮腫、血管拡張性肉芽種などがあり、手術件数の多い皮膚軟部腫瘍は母斑、脂漏性角化症、粉瘤などです。
母斑は一般的にほくろと言われ、色調は茶色から黒色、平坦なものや盛り上がっているものなど形態は多様です。脂漏性角化症は加齢とともに日光がよく当たる顔面や頚部に生じる茶色から黒色のいぼ状の盛り上がった形態です。粉瘤は皮下にしこりとして現れ、感染を起こすと赤く腫れ上がります。感染が生じる前に切除すると傷痕も小さく、再発の可能性が少なくなります。
皮膚腫瘍外科では頻度は少ないですが、皮膚がん(基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫など)との鑑別が重要です。
一般的に日帰り手術の流れは 初診で診察、診断、血液検査、手術の説明をして、手術日を決めますが、色素疾患である母斑や脂漏性角化症などでは、腫瘍の出現時期、自覚症状、色素の濃淡など視診し必要であればダーモスコープという拡大鏡で診断して切除方法を決めます。
このため母斑など色素性疾患の皮膚腫瘍でレーザーによる切除を希望する方がいらっしゃいますが、レーザーで母斑を蒸散させると、病理診断ができない問題があるため、母斑などの治療では皮膚がんとの鑑別を兼ねた切除することを勧めます。
皮膚や軟部組織腫瘍の手術はほとんどが良性の腫瘍ですが、腫瘍が急激に増大したり、出血やかゆみを繰り返したり、色調に濃淡があり均一でない場合は自己判断せずに受診しましょう。
男性の性(24)
今回も包茎の話を続けます。米国では新生児期にかなりの割合で(2005年の報告では61%)包茎手術が行われていると紹介しましたが、もちろん日本ではそんなことはないので、多くの男児(70~80%)が程度に差はあれ仮性包茎であり、就学後でも約10%が真性包茎といわれています。
真性包茎でも副腎皮質ホルモンクリームを塗布し入浴時に包皮の翻転を少しずつ試みていくうちに亀頭が露出することも多いのですが、どうしても包皮が翻転できず亀頭が露出しない場合、仮性包茎でも尿路感染や亀頭包皮炎を繰り返す場合や、包皮が翻転でき亀頭が露出しても包皮口が狭く元に戻しにくい場合(元に戻せない状態が続くと亀頭・包皮が腫れて嵌頓包茎という状態になり早急に処置が必要になります)、は手術が必要になります。
小児の包茎手術は全身麻酔が必要な場合が多いので、1泊入院で行う施設が多いようです。
成人の(正確には第2次性徴終了後の)包茎に関しては、真性包茎の場合は当然手術が必要ですが、仮性包茎でも包皮口がやや狭く勃起時に疼痛や不快感があるものも手術が適応となります。
また包皮が著しく過剰で性交時(膣挿入後のピストン運動時)支障がある場合も手術した方が良いと思います。
その他、前回少し触れましたが、 性行為感染症の予防については、包茎手術が効果があるという意見とそうでない意見があります。
効果があるという意見は、仮性包茎の場合、性交時の包皮小帯部の微小損傷が意外と高頻度であることや性交時の接触面積が大きいことを理由に挙げていますが、そうでないとする意見は統計学的に差が無いことを理由としています。
包茎手術を受けたグループと受けていないグループでは、HIV感染症が受けていないグループで70%も高率だったという南アフリカの報告もあります(2005年)。
早漏防止効果については、心理療法や薬物療法、トレーニング等、他の治療が無効な場合にのみ試みるべきと思います。
糖尿病対策~寒い冬は鍋をたべて糖質オフ
寒い季節がやってきました。忘年会・クリスマス・お正月・新年会等々、1年間で一番太りやすい季節です。糖尿病の方にとっては、最も気を付けるべき試練の時期です。
こんなときのおすすめメニューは鍋です。鍋の具材を考えてみましょう。かっこ内は食材100グラムあたりのおおまかな糖質量です。
シイタケ(1.4)、白菜(2)、ネギ(5)、豆腐(2)、鶏肉(ほぼ0)、魚(マダラなら0.1)など、どれをとっても糖質が少なく、血糖値が上がりにくい食材です。野菜から、ゆっくりよくかんで食べましょう。特に最初の何口かでかまいませんので、1口20回かむことをおすすめします。これにより少し空腹感も紛れ、早食いの悪癖も改善します。ごま油や肉の脂身をできるだけ避けるとカロリーも低めに抑えられます。
鍋の問題は締めのご飯や麺です。ここで一工夫。残った鍋のスープに油が浮いている場合は少し取り除きましょう。市販の鍋のスープは塩分が濃いのでスープを全部飲まないように気を付けてください。また、あまりぐつぐつ煮るとご飯に鍋の中の油分がしみこみ、カロリーが高めになるので、さっと一煮立ちで食べましょう。もずくやワカメなどの海草、お麩(ふ)、細かく切ったしらたきなどを加えることにより、少ないご飯の量でも我慢できると思います。
麺類で締めるなら、最近ではスーパーでも低糖質麺が販売されており、これらを使ってみるのも良いと思います。締めが終わって一息ついたら、食後のデザートです。果物は1日1単位が基本です。リンゴ・梨なら半分、柿なら中くらい1個、ミカン中くらい2個が1日量ですよ。最近は果物の糖度も高く、糖度の高い果物は、この目安よりも少なくしましょう。食べるときは、リンゴや梨は小さく切って、半分(1単位)を6切れにして食べた方が、少し食べた感じが増します。
そして何よりも重要なのは、起床後の体重測定。とにかく冬の間は、毎日体重測定を欠かさずに!
気が付いたら、1~2キロ増えていたなんてことのないように、この冬を乗り越えましょう!
ピカピカ光が見えます
見えるはずもないのにピカピカ光が見えることがあります。それを光視症〈こうししょう〉と言い、光り方によって大きく二種類に分かれます。
原因も目自体と、脳内病変によるものに分かれます。
一つは花火や閃光が流れるように飛ぶように見える場合。
これはたいてい片目だけに見える光り方で、原因が目自体にある場合です。
黒いものが浮かんで見える飛蚊症〈ひぶんしょう〉も光が見えると同時にできる場合が多くあります。
飛蚊症の大きさが大きく形が丸い輪だったり大きな糸くずのように見える場合は視神経と目の中間部にできる硝子体の濁りが分離してできる後部硝子体剥離〈こうぶしょうしたいはくり〉、飛蚊症の大きさが小さく数が多い場合は網膜裂孔〈もうまくれっこう〉、加えて周辺部にピントの合わないところができているような時には網膜剥離〈もうまくはくり〉と言うような目の病気が考えられます。
もう一つはジラジラとした光の形が見える場合です。
小さい光りがだんだん大きく拡大していったり格子状の形が見える場合もあり、これは両目に見えることもある光り方です。
光はたいてい数分で消えてなくなってしまいます。
このような光り方は目自体と言うよりは脳神経的な原因で起こる可能性があり、片頭痛の前兆として見えることも多くあります。
立ち上がった瞬間に目がチカチカしたと言うこともよく聞きますが、一時的な血圧の変動によっても起こる可能性があります。
改めて真っ暗な部屋で目をつぶってみると、意外ですが目の前には明るい光の模様が見えるものです。
目を軽く押してみると光が強くなってしばらくして放してみると明るい光りの残像がしばらく残っているのに気がつきます。
朝起きたら光が見えていたがしばらくしたら消えたという方は寝ながら腕で目を押さえつけていたと言うこともあるようです。
老眼の方! いいですよ! 遠近両用コンタクトレンズ!!
早い人では40歳代になると、老眼が始まります。
老眼とはカメラに例えれば、オートフォーカス機能が壊れてきて、遠くにも近くにもピントが合わなくなっている状態です。
そこで、遠くも近くも見やすくなるように助けてくれるのが遠近両用メガネです。
しかし、いろいろな事情でメガネだけでは困る方には、遠近両用(多焦点)コンタクトレンズ(以下CL)があります。
これは、2週間タイプと1日タイプがあります。
ただし、乱視が強い方は、乱視&遠近両用を兼ね備えたCLは存在しないので、見えづらいかもしれません。
老眼を感じ出したら、まずは眼科を受診し、老眼鏡や遠近両用メガネを処方してもらいましょう。
それから、遠近両用(多焦点)CLを試してみるのはよいと思います。
CLは、心臓のペースメーカーと同じ高度管理医療機器ですから、専門の眼科医にご相談下さい。
65歳を過ぎたら肺炎予防
肺炎は、日本人の死亡原因第3位です。
しかも、肺炎が原因で亡くなる方の95%以上は、65歳以上なのです。
65歳であれば、現役で働いている方も多く、まだまだ若いと思ってはいても、年齢とともに身体の抵抗力は確実に低下しています。
規則正しい生活やバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心掛けましょう。
また、誤嚥(ごえん=食べ物や飲み物がむせてしまうこと)を防ぐため、慌てて飲んだり食べたりしないことが大切です。
日常かかる肺炎の原因菌で最も多いのは「肺炎球菌」です。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎を予防し、重症化を防ぎます。
このワクチンの持続効果は5年程度といわれており、接種後5年以上たつと再接種が認められています。
肺炎は、冬に限らず1年中起こり得る病気です。
65歳を過ぎたら肺炎予防をお勧めします。
男性の性(21)
『性に目覚める頃』というと「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」の詩人・室生犀星の小説を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、思春期「春を思う時期」の[春」を「性」に置き換えれば、『性に目覚める頃』というのは『思春期』とほぼ同じ意味と考えてよさそうです。 ところで、その思春期の始まり、つまり『性に目覚めた時』はいつか?というと、女子では『初潮』というはっきりした徴候があり、昔は(今でも?)家で赤飯を炊いてお祝いしたりして非常に開放的であり、初潮以後は生理用品を携帯したり、その頃から乳房や臀部が発達して、見た目にも、「おそらくそうだろう」と世間的にも認知されるわけですが、男子の場合は、女子の初潮に当たる精通現象(最初の射精)が夢精にせよ自慰にせよ秘密裏に(つまりコッソリと)処理されることが多く、またその発来時期も、初潮のように熟柿が枝から落ちる如き自然な発来とはやや趣を異にしていて、最初の射精が思春期の始まりと一致しない場合が多々あります。 陰茎・陰のう・精巣(睾丸)・陰毛の発達も衣服に覆われているため外見上は判断しにくく、背が伸び喉仏が出てきて声が低くなりヒゲがうっすらと(文字通り産毛に毛の生えた程度)生えてくると、「おそらくそうだろう」と判断されますが、精通現象については推測するしかないわけです。
つまり、女子では『性に目覚めている』かどうかは、外見や行動から比較的容易に判断できるのに対し、男子では外見ではそう見えても、実際はまだ最初の射精がなく、まだ性に目覚めていない場合もあるということです。 昔、花街や花柳界に生まれた男の子は、周りにその道のプロの女性が大勢いるため、筆下ろし(初体験)が極めて早く、初めての性交で初めて射精、ということが珍しくなかったそうです(羨ましい)。
また江戸時代の大奥のように、将軍とその正室が年少の場合、正室にきちんと性技指導をする役職があったそうですから、男側がまだ性に目覚めていなくても、それなりに何とかなっていたようです。(つづく)
糖尿病とこれからの季節
「日本人の糖尿病は、お盆の時期とお正月の時期に悪くなる」という有名な報告をしたお医者さんがいます。
これから、忘年会・クリスマス・お正月を迎えます。食事療法をしなければいけない糖尿病の患者さんにはつらい季節がやってきます。
誰もが、おいしいごちそうを目の前にして挫折するものです。
そんな時どうしていますか?
「あ~あ、昨日食べ過ぎちゃったから、今日は食事を抜こう~」なんてしてませんよね?
内服治療やインスリン治療中の患者さんは、このようなことをしてはだめですよ!
食事を抜いたり、極端なカロリー制限をすると低血糖になったり、朝はいいのですが、昼や夕食時間に非常に空腹感が強くなってまた食べ過ぎてしまいます。それを繰り返すと、どんどん食生活がうまくいかなくなり、糖尿病が悪化します。
また、特に治療中の人はアルコールにも気を付けましょう。
糖尿病の治療中にアルコールを多量に飲んで低血糖になる―というのは、非常に危険です。意識を失い、生死をさまようことだってあります。
また、果物の摂りすぎにも気を付けましょう。
こたつでミカンなんて、気がついたら一日に五~六個食べてしまいますが、糖尿病の食事療法では、果物は一日一単位~ミカンなら中くらいの物を二個、リンゴやナシは、一日半分。ブドウは、皮と種を含んで一八〇グラムです。
糖尿病の食事療法で食品交換表がありますので、これを見て、食べ過ぎに注意し、自分の摂取カロリーに気を配る癖を付けたいものです。
この季節は、食べ過ぎた日のことは水に流して、翌日からは主治医に教えてもらった食事量を思い出してきちんと定められたカロリー通り摂りましょう。









