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もう辛くない、恥ずかしくない! 大腸カメラ

内科2018/06/25

 死亡者数がこの30年で5倍に増加し、今や最も多いがんになりつつある大腸がん。特にこの函館では、大腸がんで死亡する人が全国平均より30%以上も多いことが分かっています。だからこそ、定期的に検診や検査へ行くことは、とても大切で早期発見・早期治療が、がんから命を救う有効な手立てになります。

 大腸がんで亡くならないためには、まずは、便潜血の検査を毎年受けることです。便潜血検査は、便の中に血が混じっていないかを調べる検査で、便の中に血液が混じっていると「陽性」となり、大腸カメラを受けることになります。ただし、大腸がんができているのに、便潜血が陽性にならない人が15~20%いると言われています。陰性だからといって安心はできませんので、毎年欠かさずすることが大切です。

 大腸カメラは、下剤を飲んで腸をきれいにしてから始めます。以前の下剤は、量も多く、とても飲みにくいものでしたが、最近では、量も減り、味も随分改良されています。肛門からカメラを入れて検査が始まりますが、きちんとお尻が覆われた検査着を着用していただきますので、恥ずかしいことはありません。検査で使用されるカメラも細く柔らかく改良されていますので、痛みもかなり緩和されています。それでも不安が強い方、痛みが伴う方は鎮静剤を使用することもできます。

 大腸カメラのメリットは、その場でポリープやがんが見えますし、そのような病変があれば、細胞をとって、良性か悪性か、つまりがんかどうかを判断することができます。がんはもちろんですが、腺腫という腫瘍性のポリープがある場合は、全て切除することが大切です。たとえ良性であってもポリープを小まめに切除することにより、大腸がんによる死亡率が低下すると言われています。

 いつかは大腸検査を受けなければと分かってはいても、そう思いながら何年もたっていませんか?

 そろそろ重い腰を上げてお近くの専門医にご相談下さい。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2018年6月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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