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肺がんで死なないために

2018/04/23

 肺がんは日本のがん死亡のトップです。
肺がん死を予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的です。
肺がん死の危険性は、吸わない人と比べると男性で約4・8倍、女性で約3・9倍です。
函館市の平成28年の喫煙率は、男性27・6%、女性12・8%ですが女性はすべての年代で全国より高くなっています。

 たばこの煙には、たばこ自体に含まれる物質と、それらが不完全燃焼して生じる化合物があります。
その種類は合わせて約5300種類とも言われます。
その中には、ニトロソアミン類、ヒ素、カドミウム、多環芳香族炭化水素など発がん物質が約70種類含まれています。
タバコの火の先から立ち上る副流煙には、主流煙に比べてニコチンが2・8倍、タールが3・4倍、一酸化炭素が4・7倍も含まれています。
受動喫煙も肺がんの原因となることが明らかとなっています。
他人が吸っているたばこの煙もできるだけ避ける必要があります。
夫が喫煙する場合、妻の肺がんリスクが約2倍高まります。

 三次喫煙(サードハンドスモーク)の危険性も指摘されています。
喫煙室のカーテンやソファなどがたばこ臭かったり、たばこを吸う人の髪の毛や服がたばこ臭いと感じることがあります。
この臭いは、付着したたばこの煙の成分であり、有害物質が含まれています。
これを吸い込んでしまうのが三次喫煙であり、受動喫煙と同じく周囲の人に悪影響を及ぼします。

 肺がんは、肝胆膵がん、食道がんと並び死亡率の高いがんです。
肺がんになっても死なないためには検診での早期発見が重要です。
検診は毎年の胸部X線検査があり、ハイリスク群(「1日のタバコ本数」×「喫煙年数」が600以上)では痰(たん)の検査も行います。
近年は通常のCT検査の10分の1の被ばく量で済む「低線量CT肺がん検診」が行われて肺がん死の低下が期待されます。

 みんなで肺がん検診を受けましょう。


Text by 国立病院機構 函館病院 岩代 望( 2018年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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