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歯科金属アレルギーについて

歯科2010/01/06

 今回は、歯科金属アレルギーについてお話したいと思っています。

 通常、金属自体は体に対して無害なものですが、汗や唾液などの体液によってイオン化した金属が体内に取り込まれ、体内のタンパク質と結合し、異常と認識した生体が抗原性をもつようになり、再び同じ金属が体内に入った時に皮膚や粘膜を破壊することが金属アレルギーのメカニズムと言われています。

 歯科で使用される金属を見てみると、金はイオン化しにくいという点で安全性が高いのですが、パラジウム、銀、銅、ニッケルなど多様な元素を含んだ合金が使用されています。
口の中の金属はイオン化して溶け出しやすく、唾液、口腔細菌、血液などのタンパク質と結合して抗原性を持つようになります。
その結果、皮膚炎や肌のシミなどを生じるようになると言われています。
また口の中の金属は帯電しやすく、ガルバニ電流と呼ばれる微弱な電流を生じて頭痛や関節痛を悪化させたりするとも言われています。

 溶出度の高い金属とは、アマルガム(水銀)、銀合金、ニッケル合金、金銀パラジウム合金などで、症状としては、口内炎、口角炎、舌炎、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)、全身疾患としては、全身性接触皮膚炎、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)、扁平苔癬、偽アトピー性皮膚炎、顔面湿疹などです。
これらの症状が慢性的に続いた場合は、金属アレルギーをも疑い、調べてもらう必要があります。
検査としては口腔内検査、パッチテスト、毛髪ミネラル検査、リンパ球刺激試験などがありますが、一般的なパッチテストは内科や皮膚科、また金属アレルギーをみる専門の歯科病院で実施されています。

 次に治療についてですが、原因除去が基本で、検査で特定されてた金属を除去し、安全性の高い材料に取り替える治療(ノンメタル治療)を行います。
セラミックは最も安全性の高い材料で、チタンという金属も安全性の高いものです。
また、部分入れ歯やブリッジでは金属を使用せざるを得ないのですが、最近ファイバー素材やジルコニアを使用したブリッジやプラスチックのツメを使用した部分入れ歯もできています。
いずれのものも一般には保険が適応されず価格も高価なものが多いため、かかりつけの歯科医院に相談の上治療を行って下さい。


Text by つしま歯科クリニック 對馬 哲郎( 2009年11月 「青いぽすと」掲載)

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