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乳がん検診には『きっかけ』が必要?

2018/02/09

 皆さんが病院に行くのは、何か気になる症状がある場合と思います。症状がなければ普通は行きません。検診というのは、症状がない状態で体に異常がないかどうかを大まかに調べるものです。怪しい部分があれば精密検査が必要になります。

 乳がんになる女性は年々増加しており、生涯において11人に1人が乳がんになると言われています。検査はしておかなければならないと、多くの女性は思っています。しかし、何らかの症状がないと「つい後で・・・」となってしまいがちで、その気持ちも理解できます。乳がん検診の目的は、症状のない、自覚していない状態で早期の異常を見つけ、最終的には乳がんで亡くなる人を減らすことです。

 欧米に比べ日本での乳がんの死亡率が下がらないのは、「検診」の受診率が低いことも一因と考えられています。家族・親戚や知り合いの人が乳がんになったり、メディアで乳がんの情報があったり、無料クーポン券が届いたりなど、検診には何らかの“きっかけ”があると、受けてみようという気持ちになるのかと思います。

 現在、多くの市町村では検診クーポンや隔年での検診補助などを行っており、それらを利用するのも良いと思います。また、職場で行う定期的な検診でもいいでしょう。女性にとって、乳がんは常に気をつけなければならない病気になっています。思い立った時に面倒がらずに受けてみてください。

 また医療者側も、受診者がいつでも気軽に受けることのできる体制をとっていくことが必要と思います。


Text by 北美原クリニック 乳腺センター 早川 善郎( 2018年2月9日発行 「青いぽすと」掲載)

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