自覚症状が出てからでは遅い
眼科の目標は視覚障害を防ぐことですが、現在、すべてを治せるわけではありません。
今回はその中の一つ、糖尿病網膜症についてです。
糖尿病を発症すると血糖値が高くなり、血管の壁が障害されます。
血液循環が悪くなり、網膜の細胞に必要な酸素や栄養が不足します。
さらに、老廃物の回収が滞ります。
初期の単純網膜症から中期の前増殖網膜症、末期の増殖網膜症へと進む過程で、自覚症状が出るのは末期になってからです。
増殖網膜症では眼球の内部構造が変化しているため治療しても完全に元通りにはならず、何らかの後遺症が残ることがあります。
そのため、自覚症状がでる前のできるだけ早くからの加療が必要です。
自覚症状がある人、健診で高血糖を指摘されたのについつい内科に行きそびれている人、内科での治療を中断してしまった人、血液検査を何年もしていない人はできるだけ早く受診しましょう。
「糖尿病が疑われる人」は国内で約1,000万人と推計されています。
マイヤーズ・カクテル点滴
米国の統合治療として実証されている点滴治療で、各種ビタミンB・ミネラルを豊富に配合し、ストレスによる頭痛、耳鳴り、慢性疲労、アレルギー疾患に効果があり、さらに肌のハリや小じわを防ぐビタミンCを強化し、美白・美肌にも効果があります。
《配合成分》ビタミンB1、B2、B5、B6、B12、ビタミンC、各種ミネラル
■効能
- 糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進する(ビタミンB1)
- 肌の脂質代謝を改善し、ニキビや肌荒れを防ぐ(ビタミンB2)
- 善玉コレステロールの生成を促進する(ビタミンB5)
- 免疫機能を正常に保つ(ビタミンB6)
- 細胞の再生や成長を促進(ビタミンB12)
- 肌のハリを保ち、しみや小じわを防ぐ(ビタミンC)
■こんな方にお勧め
- しみ・そばかすが気になる方
- 肌のハリを保ちたい方
- ストレスを解消したい方
- 疲労回復したい方
- 耳鳴り・頭痛を解消したい方
- 今までいろいろな治療をしてきたが、改善されなかった方
VDT作業に伴う眼症状
パソコンやモバイルコンピューターなどの情報技術が発達し、生活環境の変化に伴い、これらの作業によって引き起こされる症状が眼にも現れることがあります。ディスプレイを長時間見ることで起こる、疲れやかすみ、ぼやけるといった症状、二重に見えるといった症状、充血や涙、ちくちくするといった様々な症状があります。集中してディスプレイを見つめることで、瞬きが減り、ドライアイの症状が増悪することもあります。このような症状に対して、適切な照明にする、作業時間を短くし、定期的な休息をとる、湿度を保つ、ディスプレイと適切な距離をとる、といった環境を整えることが必要です。何となく眼の違和感が続く、眼の不快感が続くといった方は、ドライアイやその他の眼疾患がかくれていることもありますので、お近くの眼科へ相談してみて下さい。
『不安、抑うつ』について
不安、抑うつは本来生体にそなわっていて、危険を察知してそれにそなえるための信号としての役割や、もっと悪い事態にならないように防ぐ安全弁(あんぜんべん)の様な役割を果たしているものです。ですから、不安や抑うつを感じるということは、もともとある意味では必要なことなのです。
しかし、その信号がやたらに発信されたり、強すぎたり、持続したり、あるいは安全弁が閉じなくなったりすると事情は変わってきます。そういう時に不安、抑うつが「症状」と呼ばれることになります。
このように不安、抑うつは最も一般的な症状の一つであり、広く見られる症状です。しかし、もともとの病気やその人それぞれの生活環境、ストレス状況、行動パターン、性格など、様々なものの影響を受けるので、その現れ方や性質は多様であると言えます。治療としてはもともとの病気に対する(うつ病など)、あるいは対症的な薬物療法と心理療法があります。
また、症状としての不安、抑うつの性質の一つとして次のようなこともあります。不安、抑うつが一つの体験として記憶され、あとからその記憶が「ひとりでに思い出される」ということが起こりえます。さらには、気が付かないうちに自分で不安、抑うつを「思い出しやすくしている」ということもありえるのです(これは「気のせい」とか、「気にしすぎる」ということとは違います)。このことが治りにくさの原因の一つとなることがあります(「慢性化」と呼ばれたりします)。そのような事情から、治療に際して、自分である程度のコントロールをこころみるということが必要とされる場合があります。ある程度自己コントロールができるようにお手伝いするということが治療の目標の一つになっているのです。
不安、抑うつがあまりにも強かったり、長く続くというような場合は、一度受診されることをお勧めします。
たかが脂肪肝(しぼうかん)されど脂肪肝
メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)については、最近話題になってきているので、皆さんも知識があるかもしれません。ウエストが男性八十五cm・女性は九十cm以上ある方で、次の項目の二個以上にひっかかる方が該当します(●高脂血症●高血圧●高血糖)。
成人の有病者は千三百万人と推定されています。少し太ってきて、ちょっと血圧が高くなり、中性脂肪や血糖が少し高い状態が重なることで、脳梗塞(こうそく)・心筋梗塞などの動脈硬化性疾患になりやすくなる状態です。
実は脂肪肝も、このメタボリック症候群の仲間とみられています。脂肪肝―ご存知でしょうか? B型・C型肝炎のようなウイルスによるものではありません。最近太ってきて、コレステロールや中性脂肪が上がり、健康診断で「脂肪肝ですね」と言われたことはありませんか?
現在、日本の脂肪肝患者は八百万人と推定されています。この脂肪肝の中には、お酒を飲まないのに徐々に病気(脂肪肝)が進行し肝臓の働きが悪くなり、肝硬変になるNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれる恐ろしい病態も紛れ込んでいます。この病態の自覚症状はなく、今のところ脂肪肝である人の、どんな方がNASHに進行していくのかわかっていません(インスリン抵抗性のある方が多いと言われています)。
ですから、たかが脂肪肝として放置していますと、あるとき「かなり肝臓が弱っています」と言われることになるかもしれません。また、診断も単なる血液検査だけでは不十分なので、肝生検(かんせいけん)という肝臓の細胞を調べる検査が必要になります。治療についても、特効薬はありません。それでは、どうしたらよいのでしょう?
基本的には、生活習慣病ですので、脂肪肝と言われた段階でしっかりとした食事療法・運動療法を行い減量することです。
「血液検査の結果もちょっとしか高くないし、そのうち何とかなるだろう」というのはだめですよ。
虫歯はうつる?
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯菌はいません。
では、いつ頃から、どうして虫歯菌が住みついてしまうのでしょうか? それは残念なことに、いつも身近にいるお母さんからもらってしまうのです。
お母さんのお箸で一緒に食べさせていませんか? 自分の食べているものをかみ砕いて赤ちゃんに与えたりしていませんか? こんな所からお母さんの虫歯菌が赤ちゃんの口の中に移っていきます。
虫歯は遺伝するのではなく虫歯菌に感染するのです。 そこで、感染源である周りの人達の口の中の虫歯菌をなるべく少なくする事で対処していく方法があります。
虫歯の治療及び定期的にクリーニングする事によって虫歯菌を減らす事が重要です。
少しの努力で可愛い赤ちゃんを虫歯から守ってあげましょう。
不整脈に気をつけて
急にドキドキしたり、何となく胸がおかしくなったりしたことはありませんか? こんな時、脈のリズムをチェックしてみてください。
規則正しく早いだけとか、何拍かに一度脈が飛ぶものであれば、あまり心配ないのですが、脈がまったくバラバラなものにはご注意ください。
心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈かもしれません。
この心房細動は、心臓が一定のリズムを打たずに震えるような状態になるもので、心臓の中で血の塊(血栓)ができやすくなり、その結果、脳梗塞を引き起こすことで有名です。
あの巨人軍の長嶋茂雄さんが脳梗塞になったのもこの心房細動が原因でした。 心房細動は、発作的に繰り返す方と慢性的に続く方がいるのですが、どちらも同じ確率で脳梗塞を発症します。
具体的には、CHADS2スコアといって、C:心不全、H:高血圧、A:75歳以上の高齢、D:糖尿病、を各々1点、S:脳卒中を2点、として合計点を算出します。
2点で5年後の脳梗塞の発症率は約13%、3点では約25%にもなります。
治療について、以前は不整脈を抑え込もうとする治療が主体でした。
しかし、脳梗塞になる方は減りませんし、むしろ不整脈のお薬の副作用が起きたりしたため、現在では、2点以上の方は、まず脳梗塞~血栓を予防する治療を行い、脈が早くなりすぎないように抑えるのが主流です。 この脳梗塞の予防で有名な薬が、ワーファリンです。この薬はビタミンKと相性が悪いため、納豆・クロレラ・青汁(いずれもビタミンKの含有量が多い)を食べることが出来なくなります。
またこのお薬自体が食事や他の薬との相性の善し悪しがあるため、毎月採血で効果をチェックしなければいけません。
最近では、このワーファリンに代わる薬も出てきました。
プラザキサといって、食事や他の薬との変化がないため食事への注意がなく、他の薬との相性もあまり気にしないでよい薬です。 いまだ新薬なので2週間しか処方が出来ないこと、腎臓が悪いと使えないこと、非常に高価であることが難点です。 このように治療薬も進化しておりますのでしっかり治療をしましょうね。
ホクロ(色素細胞性母斑:しきそさいぼうせいぼはん)の手術法
ホクロというのは色素細胞性母斑といって良性の皮膚腫瘍です。
ホクロの手術法ですが、ホクロといっても、形、大きさ、場所でいろいろあります。
その手術法も大きさ、場所で変わってきます。
通常は局所麻酔の注射をして、紡錐形(木の葉のような形)に切除して縫合します。
手術時間は、大きさにもよりますが、普通は20~30分くらいです。
翌日か翌々日からは洗顔やシャワーで濡らしたりできます。
抜糸は通常は1週間ほどです。
抜糸するとしばらくは赤みがあったり、硬かったり盛り上がったりしていますが、徐々に落ち着いてきます。
落ち着くのは3~6カ月くらいかかります。
最終的には白い線のキズになり、目立たなくなってきます。
また、場所や大きさによっては縫い縮めることができないものもあります。
その場合は皮膚をずらしたり(皮弁といいます)皮膚を植えたり(植皮といいます)することもあります。
直径3mm以下の小さなものに関しては、くり抜いたり、焼いたりする方法もあります。
そうすると、初めはカサブタになったり、ジクジクしたりしています。
そして、2週間位すると皮膚ができてきます。
やはり数カ月は赤かったり、へこんだりしていますが、徐々に目立たなくなってきます。
でも、大きなものをくり抜いたり、焼いたりすると皮膚ができるのに時間がかかったり、盛り上がったキズになることもあります。
ホクロの悪性化(癌化)については、ごくまれと考えられています。
ホクロが癌になるのか、はじめから癌として出てきているのかははっきりしません。
一般的には、足の裏、手のひらにあるもの、形がイビツなもの、色むらがあるもの、急に大きくなるもの、出血したり潰瘍化するものなどは要注意です。
70歳代の8人に1人に潜む緑内障
去る3月12日、13日に五稜郭タワーが緑色にライトアップされました。
これは、緑内障週間の啓発活動の一環ですが、ご覧になった方も多いでしょう。
緑内障は40歳以上の方の5・8%(17人に1人)に認められる病気です。
そのパーセンテージも年齢が上がるに連れて増加していきます。
70歳代ならば実に13%(8人に1人)の方が緑内障になってしまいます。
さて、それでは緑内障という病気はどんな病気なのでしょうか?
カメラのフィルムにあたる網膜には、一面に視神経繊維が張り巡らされています。
その視神経繊維が、太い1本の束・視神経となって脳へ向かうところを、視神経乳頭といいます。
緑内障は、この視神経乳頭にへこみができ=乳頭陥凹(にゅうとうかんおう)、正常に機能する視神経が減少する病気です。
一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。
病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり=視野欠損、最悪のケースでは、光を失うことになります。
視神経が痛められる大きな原因は、眼圧が高過ぎる状態「高眼圧」です。
高眼圧は、空気を無理につめてパンパンに固くなったボールのようなものです。
しかし、眼圧が正常でも、視神経乳頭が陥凹することもあります。
それは高齢者の場合、視神経乳頭の構造が相対的に弱くなるためです。
緑内障治療のキーポイントは、早期発見です。
40歳を過ぎたらできるだけ眼底検査を受けるようにしましょう。
緑内障は早期発見と適切な治療により、多くのケースでは、一生十分な視野・視力を保つことができるようになっています。
緑内障は一旦視野の異常が起きたら後戻りはできないのです。
眼圧コントロールの必要性をよく理解し、欠かさずに通院しましょう。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道が狭くなることをいいます。
腰の靭帯(じんたい)や椎間板や骨が神経を圧迫することによって起る病態の事をいいます。
症状としては、数メートルから数十メートル歩くと下肢に痺(しび)れや痛みを伴い、座るなど腰を丸めることによって症状が回復するのが一般的です。
腰を曲げていると症状が現れないため、自転車に長時間乗っても下肢の症状は出現しません。
症状が進行すると、下肢に力が入りづらい、足の裏に餅がついている、あるいは玉砂利の上を歩いているというような感覚や排尿後の残尿感などの症状が出現してきます。
治療は症状によって異なりますが、基本的には内服薬、外用薬、リハビリなどの治療から開始し、効果がない場合はMRI、CTなどの精査を行います。同じような症状がある方は、整形外科医にお気軽にご相談ください。









