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春の眼科検診での視力と色覚検査

眼科2017/04/24

 新学期を迎え、眼科医が学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば、専門医を受診するようにと書かれた健診の結果用紙を子どもたちは学校から頂いてきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力検査は初めての経験で、やり方も良く理解できていないのかも知れません。
そのため本来の視力より低く出ただけ、ということもあります。

 しかしながらこの年齢で検査結果が悪い場合、遠視や乱視が原因のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視や乱視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともあるため、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。

 簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントが合った画像が目に入るので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視や乱視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけています。
いつもはっきりしない画像しか見ていないため、放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 色覚検査は現在、希望者のみ行われています。
プライバシー保護のため一人一人が別々に検査を受けられるようになっています。

 先天性色覚異常は男性で5%と、おおよそクラスに1名いる換算になります。
小学校に上がると消防車の写生を全員でしたりと色使いにも色覚異常の生徒ははっきりと現れることになります。
美術以外の教科でも先生が黒板に書いた字が見づらい、学校の掲示物が読みづらいなどの不具合が出ることもあります。
小学生のうちにぜひ色覚検査も受けてみることを勧めます。

 健康診断で視力検査の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2017年4月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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